「花壇(ベランダ)がどことなく殺風景で、思うように決まらない…」「もっとカラフルに、華やかに演出したい!」そんなときに活躍するのが、色彩の鮮やかな“カラーリーフ”です。ここではカラーリーフの特徴と魅力を、初心者におすすめの品種と共にご紹介します。
カラーリーフは「葉色を楽しむための植物」
カラーリーフとは“カラーリーフプランツ”の略語で、「花よりも葉色を楽しむための植物」を指す言葉です。
「植物の葉の色って何色?」と尋ねられると、王道の緑色を想像する方が多いかと思います。
しかし、植物の世界は奥深く、緑色以外にも黄・赤・青・ピンク・紫やシルバー・ゴールドのような珍しいカラーまで、多様な葉色が存在します。
このようなカラフルで鑑賞効果の高い葉を持つ植物全般が、カラーリーフです。
花が咲いていない時期にも美しい姿を楽しめる
カラーリーフを花壇(ベランダ)に加えると、メインとして育てている植物の花が咲かない時期にも美しい姿を楽しめます。
植物は品種ごとに夏や秋など開花する時期が決まっています。「咲いている時期は華やかな花壇(ベランダ)だけど、普段は殺風景かも…」という悩みは、多くの園芸ファンに共通するものです。
葉を楽しむカラーリーフであれば、開花時期に左右されません。また、通年で葉をつける品種も多いため、季節の移り変わりとは関係なく一年中美しく花壇(ベランダ)を飾れます。
さらに、カラフルな色彩のプラスにより、緑色だけでは演出しにくい華やかな空間を作ることも可能です。
「一年中、好きなときに色鮮やかな花壇(ベランダ)を見て癒されたい!」という贅沢な願いも叶えられますよ。
寄せ植え時は必要な生育環境を要チェック
カラーリーフは単品で育てるのではなく、メインとなる植物と“寄せ植え”するのが主流です。
寄せ植えとは、「必要な生育環境や世話の手順が似ている植物同士を、同じ鉢・花壇で育てること」を意味します。たとえば、「日当たりの良さを好む植物同士や湿気を好む植物同士を同じ鉢へ入れる」といった形です。
生育環境が異なる植物を無理やり一緒に育てようとすると、どうしても枯れてしまいやすくなるため注意しましょう。
生育環境と世話の手順が似ていることにさえ気をつければ、配置は自分好みにデザインして構いません。
- 黄色の花を咲かせる植物の周りに黒色のカラーリーフを散りばめて、星空のようにする
- エキゾチックな色合いのカラーリーフを集めて、南国風の花束のようにする
など、工夫次第で演出方法はさまざまです。
寄せ植えは楽しく、一度育て始めると、「今度はこっちの鉢にこのカラーリーフを追加してみようかな?」とドンドンとアイデアが湧いてきて熱中できます。
品種選びにさえ気をつければ初心者でも簡単に育てられますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
手軽に育てやすいカラーリーフおすすめ15選
ここからは、カラーリーフのおすすめ品種をご紹介します。いずれも見た目が素敵なのはもちろん、初心者でも育てやすい生命力が強く頑丈な植物です。
また、ご紹介するカラーリーフの多くは、一年中葉を楽しめるものたちです。
自分の花壇(ベランダ)に加えたいものはあるか、ぜひチェックしてみてくださいね。
直射日光に強いカラーリーフ10選!
まずは、直射日光に対して強いカラーリーフたちです。
多くの植物は夏の直射日光を受けると「葉焼け(日差しで葉の細胞が死滅する現象)」のような異常を起こします。
ここでは葉焼けを起こしにくい、強い日差しにも負けず元気に育つ植物を厳選しました。
コリウス
“コリウス”は、緑色のふちの中に濃い紫色が色づく葉の印象深い植物です。品種によって、カラーは黄色であったり赤色であったりと異なります。
直射日光はもちろん高温や多湿にも強く、初心者でも育てやすいのが魅力です。水やりにさえ気をつければ、過酷な環境でもスクスクと育ちます。
また、見た目に存在感があるため、「華やかな花壇(ベランダ)にしたい!」という場合にもぴったりです。
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アルテルナンテラ
「自分で品種選びもとことん楽しみたい!」という方におすすめなのが、“アルテルナンテラ”です。“アカバセンニチコウ”の別名で呼ばれることもあります。
赤色や紫色、オレンジや黄色など品種によって多様なカラーに対応しており、自分好みの色彩で花壇(ベランダ)を演出しやすいのが特徴です。
“アルテルナンテラ リトルロマンス”のように、一年を通じて葉色が徐々に変化するユニークな品種も存在します。自分好みの見た目のものを吟味してくださいね。
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ヒューケラ ドルチェ
「夏の直射日光や暑さに強いカラーリーフの代名詞!」とも言うべき植物が“ヒューケラ ドルチェ”です。
“ヒューケア ドルチェ”は、美しいヒューケラを夏にも楽しめるように品種改良を進め誕生した品種で、多少の直射日光や暑さではビクともしません。
紫がかった涼し気な色彩が人気で、園芸ショップや通販でも簡単に手に入ります。
「ひとまず、カラーリーフとはどのようなものか手軽に試してみたい!」というときにも◎です。
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ハツユキカズラ
“ハツユキカズラ”は白とピンクの可憐な色合いが愛らしいカラーリーフです。成長と共に葉色の変化する植物で、白やピンクの色合いから、段々と緑色に変化していきます。
複数育てていると成長段階が自然とバラけて、白・ピンク・緑のカラーが共存します。秋には紅葉によりまた違った姿を楽しむこともでき、一年を通じて鑑賞効果の高い植物です。
ちなみに、直射日光に強くない品種を守るための“グランドカバー”としても活躍します。ある程度園芸に慣れてきた方は、そのような植物と組み合わせてみるのもおすすめです。
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ムラサキゴテン
「紫色のカラーリーフを育てたい!」という方に、もっともおすすめなのがこちらの植物です。その名も“ムラサキゴデン”、別名の“セトクレアセア・パリダ”でも親しまれています。
多肉植物にも似た肉厚な葉と、鮮やかな紫色が魅力の植物です。カラーリーフですが、上手に育てているとこちらも紫色の小さな花が咲くこともあり、可憐な姿を楽しめます。
冬の寒さや霜にはそれほど強くない植物ですが、生命力は強く、完全に枯れてしまいさえしなければ暖かい時期になると自然に復活します。
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イポメア
「人と被りにくいユニークなカラーリーフを育ててみたい!」という方にぴったりなのが、“イポメア”です。カラーリーフながらサツマイモの仲間で、育てていると土の中にイモができます。
“イポメア”は品種によってまったく葉の色や形が異なり、ハート形で可愛らしいものもあれば、星形で格好いいものまで存在します。自分好みの品種を見つける楽しさのあるカラーリーフです。
ちなみに、“イポメア”は鑑賞目的で品種改良が進められた植物なので、イモですが残念ながら食用には向きません。
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リュウノヒゲ
“リュウノヒゲ”は夏にぴったりの涼し気な見た目と、ユニークな名前から人気の高いカラーリーフです。別名の“ジャノヒゲ”でも親しまれています。
放射線状に広がって細く育つ光沢感のある葉が特徴で、メインの植物の横に添えると賑やかし役として活躍します。
「メインの植物を目立たせるために、カラーリーフ自体にはそれほど目立って欲しくない」というときにぴったりです。
“リュウノヒゲ”は暑さだけでなく寒さにも強く、特別な手入れなしで冬の間も元気に育ってくれます。
気軽な気持ちで育てられるカラーリーフとして挑戦してみましょう。
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シルバーレース
雪が降り積もり日光に反射しているような、シルバーの光沢が美しいカラーリーフ“シルバーレース”です。
“シルバーレース”は日光をたくさん浴びせると葉色が綺麗なシルバーに染まりやすく、日差しの強い場所で育てるのに向いています。夏の花壇(ベランダ)を飾るのにもぴったりです。
さらに、放っておいてもあっという間に繁殖する生命力の強い植物なので、カラーリーフどころか植物を初めて育てる方も安心して育てられます。
育てやすさと鑑賞効果の高さを両立できている植物です。
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シンバラリア
アイビーを思わせるミニチュアサイズの葉が愛らしい“シンバラリア”も、カラーリーフとして活躍します。
“シンバラリア”は直射日光だけでなく乾燥にも強く、水が切れがちな環境でも元気を保てます。水やりの加減がわからない園芸初心者が育てるのにも安心です。
大切に育てていると、葉と同じミニサイズの花も咲き、とても華やかなシルエットになるのも魅力です。花壇や植木鉢の縁取りをするように、並べてみてはいかがでしょうか?
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ブラックパール
“ブラックパール”は黒光りした真珠のような実がひときわ存在感を放つ、上品なカラーリーフです。思わず一目惚れしてしまいそうな高級感もあります。
適切な環境で育てていると、吸い込まれるような黒色の葉の中央部分に、自然と光沢のある実がつきます。メインの植物として育てるのにもふさわしい、鑑賞効果の高い品種です。
実は、“ブラックパール”は鑑賞用のトウガラシの一種でもあります。これほど美しい実があのトウガラシの親戚なんて、なんだか意外な印象を受けますね。
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暑さに強いカラーリーフ5選!
続いて、暑さに強いカラーリーフをご紹介します。
こちらの植物は、直射日光を当てすぎると弱ってしまうケースもあるため、「日差しはそこまで当たらないが暑さが過酷な環境」で活躍します。
たとえば、午前中など特定の時間だけ日差しが当たる真夏のベランダや花壇にぴったりです。暑さで萎れてしまわず、元気に育ってくれるでしょう。
シロタエギク
シルバーリーフの一種として愛されている“シロタエギク”です。キク科の植物で、環境が整うと25~50cmほどの背丈にまで成長します。
美しい見た目と育てやすさから、「シルバーリーフの中で一番流通量が多いのではないか?」といわれるほど広く浸透しており、園芸ショップや通販でも簡単に手に入ります。
また、育て方の解説記事やお悩み相談ページもたくさん存在するため、わからないことがあったときにも解決しやすいのがポイントです。
初めてのカラーリーフとして挑戦してみましょう。
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ヒメツルソバ
指先サイズの花が美しい“ヒメツルソバ”は、ヒマラヤから日本へ輸入されたという外来のカラーリーフです。
過酷な環境を原産地とするためか、ときには雑草扱いされるほどに生命力が強く、手を加えずとも元気に繁殖していきます。
暑さにも寒さにも強く、特に環境を整えずともスクスク育ちますよ。
「これまでにほかの植物を試したけれど、失敗してしまった…」という方のリベンジにもおすすめです。
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ペニセタム・パープルファウンテングラス
年代物のワインを思わせるようなレッドカラーが美しい、“ペニセタム・パープルファウンテングラス”です。
風が吹くとイネに似た穂がゆったりと揺れる姿が素敵で、鑑賞効果の高さにこだわってカラーリーフを選びたい方に向いています。
一年草なので冬には枯れてしまいますが、代わりにタネが収穫できます。「来年はどんな風に育つかな?」と、またタネから大切に育てるのも楽しいものですよ。
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デュランタ・ライム
房になって咲く花と鮮やかな葉色を楽しめるのが“デュランタ”です。なかでもゴールドの葉が生い茂る“デュランタ・ライム”は、観葉植物としても、カラーリーフとしても愛されています。
暑さや乾燥に対して耐性を持つうえ小型な植物なため、スペースの少ない玄関先などを華やかに演出したいときにぴったりです。
“デュランタ・ライム”は寒さにはそれほど強くありませんが、室内に入れてあげれば冬越しもできます。何年にも渡って大切に育ててあげましょう。
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バロータ
最後にご紹介するのは、茎の各所に生い茂る小さく銀色の葉が優し気な“バロータ”です。
フェルト生地のような独特の質感をしており、見るだけでなく触っても楽しめるのが特徴です。優しく擦ると甘い香りがほんのりと広がり、穏やかな空間を演出してくれます。
“バロータ”の花言葉は「忍耐」です。イヤなことがあったときにも、“バロータ”の葉を触りながらゆっくりと時間を過ごせば、いつの間にか忘れさせてくれるかもしれませんね。
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もっとよくわかる!カラーリーフを解説した図鑑3選
最後に、カラーリーフのことをもっと詳しく知りたい方に向けて、おすすめの図鑑をご紹介します。
カラーリーフ選びでは、なんといっても見た目を気に入るかどうかが大切です。多くの写真が載った図鑑であれば、自分の理想のカラーリーフ選びにも大いに役立ちますよ。
【農山漁村文化協会】カラーリーフ 421種の樹木・草花と庭づくり
合計421種類ものカラーリーフを収録しているのが、『農山漁村文化協会』の“カラーリーフ 421種の樹木・草花と庭づくり”です。
写真がたくさん掲載されているのはもちろん、耐寒性や耐陰性、葉色の系統、植物の背丈などに合わせて適切にカラーリーフが分類されています。
自分の環境にぴったりな植物を見つけやすいのが魅力です。
また、レアなカラーリーフよりも手に入りやすい品種を意識して収録しているため、再現性が高いのも嬉しいポイントです。
付属のデザイン法の解説も参考に、自分好みの園芸スペースを作り上げましょう。
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【講談社】カラーリーフ図鑑 明度と高さの組み合わせで庭をグレードアップする
『講談社』の“カラーリーフ図鑑 明度と高さの組み合わせで庭をグレードアップする”は、実例をもとにしながら、カラーリーフの活用方法を解説してくれる図鑑です。
活用方法以外にも、葉の明るさ別おすすめ品種や鮮やかな葉色を保つための秘訣、カラーリーフの入手方法に至るまで詳しく紹介されており、これ1冊で大抵のことは賄える優れものです。
2017年発売と植物関係の図鑑の中では比較的発売が新しく、最新の情報もたくさん掲載されています。
「1冊で網羅的にカラーリーフのことを学びたい!」という方にぴったりです。
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【誠文堂新光社】カラーリーフプランツ:葉の美しい熱帯・亜熱帯の観葉植物547品目の特徴と栽培法
最後にご紹介するのは、『誠文堂新光社』の“カラーリーフプランツ:葉の美しい熱帯・亜熱帯の観葉植物547品目の特徴と栽培法”です。
美しい写真とともに574種類ものカラーリーフを紹介している実力派の一冊です。写真をパラパラと眺めているだけでも、「こんなカラーリーフもあるんだ!」と熱中して楽しめます。
著者は東京農業大学の教授「土橋 豊」氏と日本ベゴニア協会の会長「椎野 昌宏」氏という植物界の巨頭の方々で、信頼性も抜群です。
寄せ植えのポイントも詳しく解説されていますので、初心者から上級者の方まで役立ちますよ。
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カラーリーフで1年中カラフルな花壇(ベランダ)を楽しもう!
開花時期に左右されないカラーリーフであれば、一年中、カラフルな姿を鑑賞できます。そのまま翌年も楽しめる頑丈な品種も多く、育てるのも簡単です。
美しく花壇(ベランダ)を飾りたいときには、緑色の植物だけでイメージ通りの空間を演出するのは難しいものです。
カラーリーフを少しアクセントとして加えるだけでも、理想の空間に近づけやすくなります。ご紹介した夏にも育てやすいカラーリーフを参考に、ぜひ挑戦してみてくださいね。