植物の肥料で有名な商品のひとつが“ハイポネックス”です。ホームセンターなどで見かけることの多い肥料ですが、使い方に不安がある人も多いかもしれません。そこでこの記事では、ハイポネックスの使い方について、与える量やタイミング、頻度、濃度などを詳しく解説します。
ハイポネックスの特徴
使い方を見ていく前に、“ハイポネックス”の特徴をおさらいしていきましょう。3つの特徴と合わせて、“ハイポネックス”の種類もご紹介します。
速効性がある
“ハイポネックス”は、速効性を期待できる肥料です。使用してから短い期間で効果が現れ、植物の成長をすばやく助けてくれます。なるべく早く効果を実感したいときに、おすすめの肥料です。
花付きを良くする
“ハイポネックス”には、植物の成長に必要な栄養素が15種類バランス良く配合されています。栄養素の中でも、チッソやカルシウムなどをわずかに強化することによって、花付きや実付きを良くしているのが特徴です。
花が咲きやすくなり、野菜や果物の実が付きやすくなります。花や実が付きやすくなるだけではなく、花や葉の色を良くするのも嬉しい効果です。
草花から野菜まで使える
“ハイポネックス”は、観葉植物などとして育てる草花から野菜まで幅広い植物に使えるため、自宅で育てている植物に使えるかを確認する手間が少ない使い勝手の良さが魅力です。
適用作物は、庭植え植物、草花、野菜のほか、バラ、キク、洋ランなどさまざまです。
庭や室内でさまざまな植物や野菜を育てている場合は、“ハイポネックス”ひとつで事足りるでしょう。
種類・タイプが多い
“ハイポネックス”には、液体肥料や粉末、タブレットなど、種類・タイプが複数あります。大まかな特徴は共通していますが、使い方や成分などに違いがあるので、使用用途や使い方などに合わせて選ぶことが大切です。
ハイポネックスの使い方
ここからは、“ハイポネックス”の使い方を、量、タイミング、頻度、薄める目安の4つのポイントに分けてで解説します。
なお、原液の使い方を解説しますので、他のタイプの使い方はパッケージや取扱説明書をよく確認して利用してください。
与える量
与える量は、鉢植えと花壇・菜園で異なります。鉢植えの場合は、水に薄めた“ハイポネックス”が鉢底から流れ出る程度の量を与えましょう。
花壇・菜園で使用するときは、水に薄めた“ハイポネックス”を2~3L/m²ほどで与えるのが目安です。
植物や野菜、苗などに直接かけるのではなく、株元の土に与えましょう。
与えるタイミング
“ハイポネックス”を与えるタイミングは、他の肥料と同じく、植物の生育期であることの多い5月から10月にかけての期間です。
この期間に規定の頻度と量で肥料を与えると、植物が成長しやすくなります。休眠期である冬は、肥料を与える必要はありません。
植え付けや植え替えを行った場合は、それから2~3週間ほど経過してからにしましょう。植えたばかりはデリケートな時期なので、植物や野菜にストレスを与えないためです。
与える頻度
“ハイポネックス”を与える頻度は、植物の種類によって異なります。種類別の適切な頻度は、以下の通りです。
植物の種類 | 頻度 |
---|---|
庭植え植物(花木、庭木、果樹、芝生) | 2週間に1回 |
草花・野菜・バラ・キク・観葉植物・花壇・菜園 | 1週間に1回 |
鉢花・洋ラン・球根・花木・果樹・ハーブ | 1週間に1回 |
サボテン・東洋ラン・カンノンチク・山野草・盆栽・幼苗 | 2週間に1回 |
参照:ハイポネックス原液
薄める目安
“ハイポネックス原液”は、規定量に水で薄める必要があります。推奨されている濃度は、植物の種類によって異なるので、以下の表を確認して正しく希釈しましょう。
植物の種類 | 倍率 | 水量 | 原液の量 |
---|---|---|---|
庭植え植物(花木、庭木、果樹、芝生) | 250倍 | 10L | 40ml(キャップ2杯) |
草花・野菜・バラ・キク・観葉植物・花壇・菜園 | 500倍 | 10L | 20ml(キャップ1杯) |
鉢花・洋ラン・球根・花木・果樹・ハーブ | 1000倍 | 10L | 10ml(キャップ1/2杯) |
サボテン・東洋ラン・カンノンチク・山野草・盆栽・幼苗 | 2000倍 | 10L | 5ml(キャップ1/4杯) |
参照:ハイポネックス原液
ハイポネックスの使い方で気になるポイント
“ハイポネックス”の使い方で、よくある疑問を5つ解説します。利用するシーンなどに合わせて、気になるポイントを解決しておきましょう。
芝生に使える?
スタンダードな“ハイポネックス原液”でも、芝生に使用可能です。原液を250倍に希釈し、2週間に1回の頻度で与えましょう。
芝生専用の“芝生の液肥”や“芝生の肥料”、“専用液肥 芝生”を使うのもおすすめです。
多肉植物に使える?
サボテンなどの多肉植物などにも、“ハイポネックス”を使用できます。ただし、通常の観葉植物よりも成長は遅いので、あまり効果を実感できないこともあるでしょう。
肥料がなくても問題なく育つ品種も多いので、無理に肥料を与える必要はありません。成長の仕方に合わせて、“ハイポネックス”を使用するか考えてみましょう。
水耕栽培に対応している?
適切な量で希釈を行えば、水耕栽培にも“ハイポネックス”を使用できます。公式サイトのQ&Aでは、粉末タイプの“微粉ハイポネックス”の使用を推奨しています。
1000倍に希釈した液をつくり、1週間に1回程度与えましょう。液を与えるタイミングで、新しい1000倍液と入れ替えるのがポイントです。
参照:ハイポネックス よくある質問「水耕栽培に適した肥料を教えてください」
有効期限はある?
“ハイポネックス”などの肥料には、有効期限が記載されていないことが多いです。これは安全性の高い原料を使用しているためであり、肥料取締法においても有効期限を記載するルールはありません。
“ハイポネックス”の場合も、15年前の製品を分析した結果、成分に問題がないとしています。正しく保管していれば、数十年経過していたとしても問題なく使えることがほとんどです。
とはいえ、開けっ放しや直射日光・高温のところに置きっぱなしの場合は成分が変化するおそれがあるので注意しましょう。
参照:ハイポネックス よくある質問「肥料に有効期限はありますか?なぜ、有効期限が表示されていないのですか?」
他の肥料と混ぜてもいい?
“ハイポネックス”と他の肥料を混ぜると、化学反応を起こす可能性があるので、絶対に混合してはいけません。公式でも農薬との混合に注意喚起を行っています。市販の肥料でも混ぜずに、“ハイポネックス”単体で使用しましょう。
参照:ハイポネックス よくある質問「ハイポネックスの肥料は農薬と混合できますか?」
ハイポネックスの主な種類をチェック!
ここでは、“ハイポネックス”の主な種類の特徴を解説します。
ハイポネックス原液
“ハイポネックス原液”は、液体肥料の原液タイプです。最もスタンダードな種類で、水で薄めて植物に与えるだけなので、初心者でも簡単に使うことができます。
【ラインナップ】
- NET160ml:550円(税抜)
- NET450ml:780円(税抜)
- NET800ml:980円(税抜)
ハイポネックス 専用液肥
“ハイポネックス 専用液肥”は、植物の種類別に特化した液体肥料です。バラや野菜など植物に合わせた成分を配合しているので、植物ごとに使い分けることで、通常の肥料よりも効果を期待できます。
【ラインナップ】
- 専用液肥 -芝生-
- 専用液肥 -バラ-
- 専用液肥 -野菜-
- 専用液肥 -洋ラン-
- 専用液肥 -観葉植物-
- 専用液肥 -開花促進-
ハイポネックス ハイグレード
“ハイポネックス ハイグレード”は、高い栄養成分や高純度天然糖質などを配合したタイプです。栄養の質にこだわっているため、スタンダードなタイプよりも高い効果を期待できます。
なお、生産は終了していて、店頭や流通在庫のみとなっている点には注意が必要です。
【ラインナップ】
- ハイグレード原液
- ハイグレード観葉植物
- ハイグレード洋ラン
- ハイグレード野菜&ハーブ
- ハイグレードバラ
- ハイグレードセントポーリア
- ハイグレード開花促進
- ハイグレード活力液
微粉ハイポネックス
“微粉ハイポネックス”は、粉末タイプの肥料です。カルシウムの働きによって、植物を丈夫に育てる効果を期待できます。
マグァンプK
“マグァンプK”は、追肥や元肥に使用する肥料です。小粒タイプは株元にばらまくと、ゆっくりと効き目が出ていきます。
中粒と大粒は土に混ぜ込むタイプです。中粒は約1年間、大粒は約2年間効き目が続きます。
【ラインナップ】
- マグァンプK 小粒
- マグァンプK 中粒
- マグァンプK 大粒
その他種類・タイプ
その他にも、さまざまな肥料が販売されています。鉢の土に置くだけで良い錠剤肥料や果実用の錠剤肥料、トマトの肥料など種類が豊富です。
主なラインナップを下記にまとめていますので、目的に合った肥料を選んでみましょう。
【ラインナップ】
- BrilliantGarden バラの天然有機100%肥料
- 今日から野菜 野菜の肥料
- 「Plantia」花と野菜と果実の肥料
- ストレスブロック
- Balife バライフ バラの置肥
- BotaNice ボタナイス 置くだけ!カンタン錠剤肥料
- リキダス
- プロミック
- トマトの肥料
- 錠剤肥料
- ガーデンエッセンス
- 錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
- ストレート液肥
- キュート
- 花や野菜の肥料アンプル
ハイポネックスを正しい使い方で活用しよう
“ハイポネックス”は、速効性があり、花付き・実付きを良くする効果を期待できる肥料です。さまざまな植物や野菜に使用でき、成長をサポートしてくれます。
使い方は簡単で、植物の種類に合わせた頻度や濃度を守って与えるだけです。有効期限はないので、正しく保管すればいつでも使い続けられます。“ハイポネックス原液”の使い方を参考にして、正しい方法で“ハイポネックス”を活用しましょう。