肥料は観葉植物の栄養源となる大切なアイテムです。もし自宅やオフィスの観葉植物が弱っていたり、枯れかけていたりする場合は、肥料不足が原因かもしれません。そこでこの記事では、押さえておきたい肥料やりの知識と、観葉植物におすすめの肥料をタイプ別にご紹介します。
観葉植物には肥料が不可欠
肥料は観葉植物を元気に育てるために必要不可欠なアイテムです。しかし、どうして観葉植物には肥料が必要なのでしょうか。
そもそも、自然界に自生している植物は、落ち葉や動物・昆虫のフンなどが養分となり循環しているため、肥料を与えなくても元気に育ちます。
一方で、室内で育てる観葉植物の場合、落ち葉は取り除かれてしまいますし、フンは悪臭や見た目の悪さに繋がるため、敬遠されることがほとんどです。
そのため、室内の植物はどうしても成長するために重要な養分が不足してしまいます。この不足する養分を補うために、肥料で栄養を与える必要があるのです。
植物の育成に必要な3つの成分とは?
植物に必要な栄養素はたくさんありますが、なかでも植物には必須といえる三要素が存在します。
三要素はそれぞれの成分によって、植物への働きが異なるのが特徴です。肥料を購入する前に、押さえておきたい三要素をおさらいしておきましょう。
- チッ素(N)
- リン酸(P)
- カリ(K)
植物のたんぱく質や葉緑素を作るために必要な成分です。葉や茎を大きくしたり、葉の色を改善させたりする効果を期待できます。
植物の細胞を構成する成分で、開花や実をつけるために必要です。
根の発育に必要な成分です。根が丈夫になったり、病害や寒さへの抵抗力をつけたりする作用があります。
三要素が肥料にどれだけ含まれているかは、肥料のパッケージに書かれている数字で判断できます。
根が弱っているようならカリを多めに、葉が弱っているようならチッ素を多めにするなど、植物の状態に合わせて配合率を選びましょう。
ただし、肥料の成分はバランス良く与えるのが基本です。
葉が弱っているからといってチッ素ばかりを与えすぎず、成分バランスを良く確認しながら肥料を選んでください。
観葉植物におすすめの肥料の種類
実際に肥料を選ぶとなると、種類や形状などわかりにくいポイントがたくさんありますよね。初心者では、植物に合った肥料を選ぶのが難しいはずです。
肥料選びで失敗しないように、肥料の種類やおすすめの形状を詳しく見ていきましょう。
肥料の種類は大きく分けて2つ
まず、植物に使う肥料は原料によって種類が異なります。
大きく分けると2つの種類に分けられますが、それぞれメリット・デメリットがあるのが特徴です。
有機質肥料
油かすなどの植物性有機物と、骨粉・鶏ふんなど動物性の有機物を原料とした肥料です。
与えると土中の微生物によって分解され、ゆっくりと長い時間をかけて効果が現れます。主に土壌の改良などに有効です。
ただし、動植物性由来の原料ですから、悪臭が発生しやすいので注意しましょう。また、有機物は虫のエサになりやすいため、害虫対策にも気を付ける必要があります。
無機質肥料
科学的に合成された原料を使った肥料のことで、化学肥料とも呼ばれています。
植物への効き方を細かくコントロールできたり、即効性があったり、長時間効き目が持続したりするなど、どのような植物に対しても使いやすい点が大きなメリットです。
ただし、一気にたくさん与えると過剰摂取となり、肥料焼けを起こす可能性が高くなります。肥料焼けが心配な方は、植物の様子を見ながら少しずつ与えてください。
有機質肥料と比べて、悪臭が少ないのも魅力のひとつです。室内の観葉植物に使うなら、無機質肥料がぴったりでしょう。
肥料の効き方はタイプで異なる
どのような形状の肥料を選ぶかで、観葉植物への効き方を調節できます。
これからご紹介する2つの形状を参考に、植物の症状に適したタイプの肥料を選びましょう。
即効性がある液体肥料
「液肥」とも呼ばれる液体肥料は、即効性に優れているのが特徴です。
固形タイプと比べてすばやく効くため、植物が弱っているときに追肥として使ったり、肥料切れのタイミングで与えたりすると良いでしょう。
商品は水に薄めて使う原液タイプと、そのまま使えるストレートタイプのものがあります。まだ肥料を使ったことがない初心者の方には、手軽に使えるストレートタイプがおすすめです。
効果が長期間持続する固形肥料
土に混ぜたり、土の上にパラパラと撒いたりするだけで、効果を発揮する肥料です。
肥料やりの後に水やりなどでゆっくりと溶けていき、効果が長期間持続します。
主に植え付け時の元肥に使うと良いでしょう。反対に、すでに弱っている植物には液体タイプが適しています。
細粒やタブレットなど大きさも豊富で、手軽に使える形状が多いのも魅力です。小さい植物から大きな植物まで、幅広い植物に使えます。
観葉植物におすすめ!人気の液体肥料5選
ここからは、観葉植物におすすめの人気のある肥料をご紹介します。まずは、追肥におすすめの液体タイプの肥料から見ていきましょう。
なかには、ガーデニングの花々や野菜などに使う商品もありますが、基本的には観葉植物に使っても問題ありません。育てている観葉植物にぴったりな肥料を選んでくださいね。
【ハイポネックス】原液
三要素をはじめ、植物の生育に必要な栄養素を15種類配合した液体肥料です。
チッ素やカルシウムなどの微量要素を強化しているため、葉の色を良くしたり、葉を大きく育てたりできます。葉の元気がないときに使うと良いでしょう。
デメリットとしては、薄めて使う必要があるという点です。薄めるのが面倒な方は、ストレートタイプをおすすめします。
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【ハイポネックス】ストレート液肥 観葉植物用
『ハイポネックス』の“ストレート液肥 観葉植物用”は、三要素をバランス良く配合し、すばやい効き目を実現した観葉植物向けの肥料です。
薄めず使えるストレートタイプですから、手間いらずで与えられます。とにかく簡単に肥料やりをしたい方にぴったりでしょう。
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【住友化学園芸】そのまま使える花工場
『住友化学園芸』が手掛けた“そのまま使える花工場”は、ワンタッチキャップを採用している点がポイントです。
薄めて使う必要もないですし、キャップを回して開ける必要もないため、手を汚さずにさっと使えます。
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【協和ハイポニカ】レッド ハイポニカ液体肥料
水気耕栽培で有名な『協和ハイポニカ』が手掛けたこちらは、特徴の異なる2つの液体肥料のセットです。
植物の生育に必要な成分が絶妙なバランスで配合されており、2種類の液体を薄めて使うことで、栄養素を余すことなく与えられます。
希釈倍率は、苗から成木まで成長段階を問わず一定の濃度でOKです。薄める手間はかかるものの、毎回計量をする必要がないので普段使いしやすいでしょう。
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【日清ガーデンメイト】ALA入り肥料 ペンタガーデン
室内で観葉植物を育てている方には、『日清ガーデンメイト』の“ALA入り肥料 ペンタガーデン”がおすすめです。
観葉植物に必要なチッ素を多めに配合し、室内灯の光でも光合成が活発に働くように調整しています。これなら、日当たりが悪く日光浴ができない植物にもぴったりです。
チッ素の配合率が高い商品ですが、他の成分もバランス良く配合しているため、チッ素の過剰摂取の心配も少ないでしょう。
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観葉植物におすすめ!人気の固形肥料5選
続いて、手間いらずで与えやすい固形肥料の人気おすすめ商品をご紹介します。
【ハイポネックス】錠剤肥料
インテリアグリーンに与えるなら、『ハイポネックス』の錠剤肥料がおすすめです。
即効性成分と緩効性成分を両方配合しているため、安定した効果が約1ヶ月ほど持続します。土の上にパラパラと撒くだけなので、手軽に使えますよ。
可愛いハート型の錠剤で、肥料に見えないところもポイントです。これならふと目に入る土周りもおしゃれに演出できそうですね。
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【ハイポネックス】マグァンプK 中粒
観葉植物の植え替えや植え付けのシーンには、『ハイポネックス』が販売する“マグァンプK 中粒”がぴったりでしょう。
丈夫な根を作るリン酸や、光合成に必要な葉緑素を作るマグネシウムなど、植物の初期生育に重要な成分を多めに配合しているのが特徴です。
効き目はゆっくりですが、約1年間ほど効果が持続します。土に混ぜ込む元肥として使うのがおすすめです。
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【住友化学園芸】肥料マイガーデン 植物全般用
植物の生育に合わせて、効き方をコントロールできる肥料です。必要なときに必要な分だけ植物に吸収されるため、無駄なく栄養素が行き渡ります。
緩やかに溶け出すコーティングを採用しているため、肥料焼けしにくいのもポイントです。これから初めて肥料やりを始める初心者や、肥料焼けが心配な植物にもぴったりでしょう。
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【花ごころ】グリーンそだちEX IBのチカラ
『花ごころ』が手掛けた“グリーンそだちEX IBのチカラ”は、ゆっくり水に溶ける成分を配合しているため、根の負担を抑えて最適な栄養を与えられるのが特徴です。
三要素とマグネシウムを含んだシンプルな配合成分ですから、種類を問わずあらゆる植物に使えます。種類の異なる複数の観葉植物を育てている方におすすめです。
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【ヨーキ産業】観葉植物・多肉植物用 細粒タイプ
サボテンなどの多肉植物をいきいきと育てるなら、『ヨーキ産業』の肥料がおすすめです。
三要素をバランス良く配合した顆粒タイプで、多肉植物に適した栄養素を与えられます。悪臭が少なく、虫がつきにくいのも嬉しいですね。
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観葉植物が元気になる肥料の与え方
肥料はただ与えれば良いというものではありません。
与えるタイミングや量を間違えてしまっては、逆に観葉植物を枯らしてしまうかもしれません。
大切な観葉植物を守るためにも、肥料の正しい与え方をマスターしましょう。
肥料を与える時期とタイミング
肥料やりの時期やタイミングは、元肥・追肥によって異なります。
手入れに失敗しないように、肥料やりの時期とタイミングを押さえておきましょう。
元肥のやり方とタイミング
観葉植物の植え付けや植え替えのタイミングで行うのが「元肥」です。初期生育を助けるために、なるべく長く効果が持続する緩効性の肥料が適しています。
元肥は植物を植え付ける前に、あらかじめ土に混ぜ込んでおくのが正しい与え方です。肥料で根が傷まないように、根が直接当たらない場所に混ぜてください。
追肥のやり方とタイミング
植物の生育期は大量の栄養を必要とします。このとき、元肥の栄養素だけでは足りなくなるため、生育期を向かえるタイミングで追肥を与えましょう。
生育期は観葉植物の種類によって異なります。たとえば、パキラであれば4月~11月、テーブルヤシは5月~10月が生育期です。
追肥は液体・固形どちらのタイプでもかまいません。パッケージに記載されている量を与えて、生育を促すようにしましょう。
生育期を過ぎて休眠期になると、養分を吸収しなくなります。そのため、休眠期には栄養の過剰摂取をしないよう追肥は行いません。
肥料焼けに注意!与えすぎはNG
植物に多量の肥料成分を与えすぎてしまうと根に害を及ぼし、元気をなくしたり、枯れてしまったりすることがあります。これは「肥料焼け」と呼ばれる現象です。
土に肥料を混ぜると、土中の肥料濃度を下げるために浸透圧が働き、根の水分が土中に流れ出て、植物の元気が失われてしまいます。これが肥料焼けの原因です。
植物が弱ると「もっと肥料を与えたほうが良いのでは」と心配になりますが、さらに肥料を与えると症状が進んでしまうかもしれません。
もし、肥料を与えてから植物の元気がなくなった場合は、新しく清潔な土に植え替えるなど、早急な対処をしましょう。
人気の肥料を使って観葉植物を元気に育てよう
肥料は観葉植物の状態によって、最適な成分やタイプを選ぶ必要があります。
すぐに植物を元気にしたいのなら即効性を重視、効果を持続させたいなら緩効性を重視、土壌の改善を狙うなら固形タイプの肥料が良いでしょう。
観葉植物の様子を見ながら、状態に合わせた最適な肥料を選んでくださいね。