観葉植物を育てるうえで欠かせないもののひとつに土があります。土であれば何を使っても良いわけではなく、観葉植物が長く元気に育つためには、適切な土を使うことが大切です。そこで今回は、土の役割や種類、生育環境に合わせた土の配合方法を、初心者にもわかりやすくご紹介します。
観葉植物のための土ってどんなもの?
観葉植物を育てるうえで、日当たりや水やり以外に、「土選び」も大切です。
「土」とひと言で言っても、実はさまざまな種類があり、観葉植物に合った土を使わないと、せっかく大事に世話をしていても、弱ったり、枯れたりしてしまうおそれがあります。
ここでは、土が観葉植物にとって大切な理由を解説します。
観葉植物にとって土は重要
まず土には、観葉植物の体を支えるという役割があります。そのため、観葉植物がしっかりと根を張らせることのできる土選びをすることが大切です。
また、水分は観葉植物にとって欠かせないものですが、多すぎても少なすぎてもいけません。観葉植物に合った土を使うことで、適度な水分量が保たれ、適宜水分を補給ができるようになります。
そして、土にはチッ素、リン酸、カリなど、植物が育つために必要な養分を蓄えておくことができるので、植物が必要なときに、養分を補給することができます。
もし蓄える性質がなければ、頻繁に水やりや肥料を与えなくてはいけません。
他にも、有害物質や温度の変化から、植物の根を守ってくれる役割があります。植物の根は繊細なので、肥料など有益なものであっても直接触れるのは良くありません。
また、温度変化に植物の根が弱らずに順応できるのも、土に守られているおかげです。
このことから、観葉植物にとって土の質はとても重要と言えます。
観葉植物に適した土とは
観葉植物に適した土とは、簡単に言えば「保水性がある」「水はけが良い」「適度な養分が含まれている」ものです。
保水性は、植物の根がたっぷりと水分を吸い上げるために必要ですし、根腐れや土カビなどを防ぐためには、水はけの良い土である必要があります。
たっぷりと水分が必要ですが多すぎてもいけません。観葉植物に合った適度な水分をキープできる土を使用することが重要です。
保水性と水はけの良さをあわせ持った土は、「団粒構造の土」と言われています。その特徴は土と土の隙間が大きいことです。
隙間があることで水分や養分が蓄えられ、保水性・保肥性の高い土になります。微生物も繁殖しやすいので、たくさんの養分を含んでいます。
他にも、隙間のおかげで根をしっかりと伸ばすことができたり、新鮮な空気が保たれたりするので、観葉植物にとって快適な土壌と言えるでしょう。
観葉植物の特性に合った土を使おう
観葉植物は、原産国の違いにより、適した土壌はさまざまです。乾燥に強いものや弱いもの、好む日当たりの違いなど、それぞれ特性があります。その特性に合わせた土を使うことが大切です。
例えば、乾燥に強い観葉植物には、水はけが良く通気性の高い土が適しています。反対に、乾燥に弱い土には保水性の高い土が適していますし、室内で育てるか室外で育てるかによっても、適した土は変わってきます。
まずは育てたい観葉植物の特性や、観葉植物を飾りたい場所に合わせた土がどんなものかを知ることから始めてみましょう。
基本的な土の作り方とは
観葉植物に合う土を用意しようと思っても、最初はよくわからないですよね。
市販の観葉植物用の土を使うのも良いのですが、全ての観葉植物に合うわけではないので注意が必要です。
もし合わなかった場合、元気なく育ったり、枯れてしまったりするおそれがあります。
土を作ると言うと難しそうに感じるかもしれませんが、基本的な作り方がわかれば案外簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
まずは基本の土を作ろう
まず、基本となる土を作ってみましょう。基本となる土を作るために必要なのは、赤玉土と腐葉土の2種類です。
赤玉土とは、関東ローム層から作られる粒状の土です。粒状のため植物が根を張りやすくなっています。
適度な水はけや保水性、保肥性を兼ね備えていますが、土自体に栄養分はありません。極小粒~大粒まであり、観葉植物には主に小粒か中粒の赤玉土を使用しましょう。
腐葉土とは、落ち葉などからできている堆肥の一種です。腐葉土を混ぜることで、水はけや保水性、保肥性を高めることができます。
また、土に微生物が増え、植物が育ちやすい良い土壌に変えてくれますよ。土の表面を3~4cmくらいの腐葉土で覆うことで、土を保温するという使い方もできます。
基本の土は、赤玉土6~7:腐葉土3~4の割合で配合して作りましょう。この2種類を配合することで、植物が快適な団粒構造を保つことができます。
小粒赤玉土
小粒赤玉土は使い勝手が良く、最も使われているサイズでしょう。保水性かつ水はけも良いためとても便利です。
それに加え、粒が小さいため抜けにくく、植物の根が安定しやすいという良さもあります。プランターや鉢植えでの栽培におすすめです。
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中粒赤玉土
鹿沼土や小粒赤玉土に混ぜて、水はけや通気性を良くしたり、小さな鉢の鉢底石として使用したりします。
その場合は、軽石よりも保水性が高いため、水切れに弱い植物に使用すると良いでしょう。根の太い植物や、中型の観葉植物に適しています。
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腐葉土
腐葉土は、観葉植物が好む、ふかふかした土にしてくれます。使い古した土でも、腐葉土を混ぜることで良い土壌へ蘇りますよ。葉や枝を残してあるので、適度な隙間が作られ、水はけが良くなるのです。
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観葉植物の特性に合わせた土の配合方法と比率
育てたい観葉植物の特性や生育環境に合わせて、適した土壌を作ってみましょう。基本の土に混ぜるだけなので、初心者でも簡単に作ることができますよ。
【ピートモス】室内の観葉植物に適した土の配合比率
基本の土7:ピートモス3
ピートモスは、ミズゴケなどの植物が堆積し腐植化して作られた泥炭を、乾燥させて粉砕したものです。無菌なので清潔で、虫やカビが発生しにくく、室内の観葉植物に適しています。
軽量でもあるのでハンギングバスケットの土に使っても良いでしょう。しかし、ピートモスは酸性なので、酸度調整されたものがおすすめです。
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【軽石】日陰の観葉植物に適した土の配合比率
基本の土8:軽石2
日の当たらない場所の観葉植物は、土が乾きにくくなってしまいます。そのため、軽石を混ぜて隙間を増やし、通気性の良い土にしましょう。小粒の軽石がおすすめです。
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【パーライト】ハンギングの観葉植物に適した土の配合比率
基本の土7:パーライト3
原料を熱処理により多孔質化したもので、保水性や通気性に優れています。パーライトの一番の特徴は軽いことなので、ハンギングの観葉植物に適していると言えるでしょう。
しかし、その軽さにより、毎日の水やりによって表面に浮き上がってくることがあります。土としっかりと混ぜ合わせるようにしましょう。
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【バーミキュライト】屋外の観葉植物に適した土の配合比率
基本の土8:バーミキュライト2
屋外では土が乾燥しやすいので、保水性の高いバーミキュライトを配合しましょう。容積の25~30%の水を吸収するので、適度に水や肥料を保ちます。
断熱性があり、無菌で清潔なことから、観葉植物が育ちやすい環境を作ってくれますよ。
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観葉植物を植え替えよう
観葉植物を購入したときは、その植物に適した土に植えられています。しかし、成長するにつれ、土の性質が変化し、栄養分がなくなったり水はけが悪くなったりします。
また、植物が成長することで根が伸び、根詰まりを起こし、水切れや根腐れの原因になってしまうのです。
そのため、観葉植物には定期的な植え替えが必要です。土を新しくして、鉢を大きくすることで、植物が育ちやすい環境に整え、元気に生長するようにしましょう。
ここでは、観葉植物を育てるうえで欠かせない植え替えの時期や手順をまとめました。
植え替えが必要なタイミング
植え替えのタイミングはどのように見極めれば良いでしょうか。
観葉植物の種類にもよりますが、2~3年に一度は植え替えるようにしましょう。また、鉢底から根が出たり、水が染み込みにくくなったときも植え替えのタイミングです。
植え替えに適した時期ですが、一般的には5~9月、最低気温が15℃以上あるときが良いとされています。
しかし、耐暑性の弱い種類の植え替えは、真夏を避けましょう。生育期を迎える前に植え替えるのもおすすめです。
植え替えの手順
それでは、一般的な植え替えの手順をご紹介します。
- 植え替え前の水やりは控え、土を乾かしておきましょう。
- 鉢から植物を抜いて、根をもみほぐし、1/3ほど土を落とします。腐った根は切りましょう。
- 鉢などの容器に軽石や鉢底ネットを敷き、その上に土を入れます。
- 植物を中央に置き、周りに土を入れます。容器の8割ほどが目安です。
- たっぷり水をやり、水が引けば植え替えは完了です。
土を自分で配合して観葉植物を長く楽しもう!
観葉植物にとって、土は重要です。土の質によっては元気に育たないばかりか、枯れてしまうおそれがあります。
まずは育てたい観葉植物の特性を調べて、適切な土を作ってみましょう。そして、観葉植物に合った生育環境を作ってあげることが大切です。
自分で配合した土で観葉植物が元気に育つと嬉しいものですよ。適切な環境で、大切な観葉植物を長く楽しみましょう!