「花を飾る」と聞くとハードルが高くも感じますが、初心者でもポイントを押さえれば簡単です。この記事では、おしゃれな花の飾り方&例と知っておきたい前準備、よくあるQ&Aをご紹介します。花の美しさを維持しやすくなる切り花延命剤も確認していきましょう。
前提:花は自分の好きな形で飾って楽しむのが◎!
美しい花は、自宅で過ごすひとときを特別な時間にしてくれるアイテム。
しかし、「飾り方がわからない」「枯らしてしまうかもしれない」と、なかなか挑戦できていない方も多いのではないでしょうか?
大前提として、花の飾り方に絶対のルールはありません。自分が素敵だと思う形で飾ることができれば、それで正解です。
一方で、花を飾る際には長持ちさせるための準備や魅力を引き出すためのポイントを知っておくと、より楽しみやすくなります。
早速、自宅で花を飾るときに知っておきたいポイントから見ていきましょう。
花を美しく長持ちさせるための準備・ポイント
花を美しく長持ちする形で飾るためには、以下の4つの準備・ポイントを押さえておくことが大切です。
- 花と花瓶の比率は「1:1」を意識する
- 葉は数枚だけ残して取り除く
- 「水揚げ(水切り)」をして水分不足を防ぐ
- 「切り花延命剤」を活用する
それぞれ順番に見ていきましょう。
花と花瓶の比率は「1:1」を意識する
はじめに、初心者が花と花瓶を用意する際には「花瓶の長さ」と「(花瓶から出る)花の長さ」の比率が1:1になるように意識しましょう。
花の世界では1:1の割合が黄金比と呼ばれており、多くの植物はこの比率を覚えておくだけで見栄え良く飾れます。
もちろん、黄金比は絶対的に守らなければならないルールではありません。
慣れてきた方は、枝の多い花は「1:2(花の長さが花瓶の長さの倍)」に、背の低い花材は「1:0.5」にするなど、自分なりの比率を探ってみてくださいね。
葉は数枚だけ残して取り除く
特別なこだわりがない場合、花の葉は数枚(基本は2〜3枚)だけをそのままに、残りは取り除いた状態で飾るのがおすすめです。
多くの葉が付いたままの花を飾ると、そこから水分が蒸発して萎れやすくなります。また、全体の見た目のバランスを取るのも難しくなりがちです。
葉は茎の下側に付いているものから順番に取り除いていくと綺麗に整えられます。花を傷つけないように、できるだけ切れ味の良い剪定ばさみを用いてカットしてあげてください。
「水揚げ(水切り)」をして水分不足を防ぐ
花の水分不足を防ぐための作業として、もうひとつ大切となるのが「水揚げ(水切り)」です。
水揚げとは、花を飾る前にたっぷりと水を吸わせてあげるケアです。いくつかの方法がありますが、初心者の場合は、水切りと呼ばれる「水中で花の茎を斜めに切ってあげる作業」を行いましょう。
水切りの手順は簡単で、バケツや洗面器などの容器に水を張り、その中で花の茎を斜めに切るのみです。
カットする位置は、先端(花の反対側)から3cmほどの辺りか、あるいは前述の1:1の比率に適切な長さで切ってあげましょう。
「切り花延命剤」を活用する
葉のカットと水揚げにより、花は瑞々しい状態を維持しやすくなります。最後にもう一押しとして、切り花延命剤を活用することも覚えておきましょう。
切り花延命剤とは、飾る花を長持ちさせるためのアイテムです。
花の健康に欠かせない養分やカビ・細菌の抑制成分などが入っており、水だけで活けるよりも美しい姿を長く観賞できるようにしてくれます。
切り花延命剤の効果は時期や花材の種類、環境などに左右されますが、水だけのケースと比べて1週間以上花を長持ちさせられることも珍しくありません。
なお、おすすめの切り花延命剤は記事後半でご紹介します。
花のおしゃれな飾り方の種類・例
続いて、花のおしゃれな飾り方の種類を見ていきましょう。ここでは、以下の4種類を代表的な例としてご紹介します。
- 飾り方1:王道で挑戦しやすい一輪挿し
- 飾り方2:3本の同じ花をひとつの花瓶へ
- 飾り方3:背の高い花と背の低い花を合わせる
- 飾り方4:透明なコップを花瓶代わりにする
ただし前述の通り、花の飾り方に正解はありません。ご紹介する内容を参考にしつつ、ぜひ自分だけの飾り方も探してみてくださいね。
飾り方1:王道で挑戦しやすい一輪挿し
もっとも王道で最初の挑戦にも向いているのが、一輪挿しです。
ひとつの花瓶にひとつの花を挿し、その花の美しさを引き出せる形を考えて、主役として飾ってあげましょう。
ひとつの花と真剣に向き合う一輪挿しは、今後、複数の花を一緒に飾るための勉強としても役立ちます。
一輪挿しにする花はどのような植物でも良いですが、特に大輪であったり色鮮やかであったりする花がおすすめです。
飾り方2:3本の同じ花をひとつの花瓶へ
一輪挿しから発展させた飾り方として、3本の同じ花をひとつの花瓶で飾るのも◎です。一輪挿しよりも、華やかで垢抜けた印象に仕上げやすくなります。
3本の花を同じ花瓶で飾る際には、花の長さを変えて立体感を生み出してあげると綺麗に決まります。
たとえば、中央の花を長めにして両サイドの花を少し短めにしてあげれば、躍動感が生まれるでしょう。
飾り方3:「背の高さ」と「色」にこだわって花を合わせる
別の種類の花を組み合わせ、美しさを引き出してあげるのも、花を飾る際の大きな楽しみです。異なる花を一緒に飾る際には、「背の高さ」と「色」にこだわると成功しやすくなります。
まず、背の高さは同じ長さの花を組み合わせるよりも、故意に上下を作ってあげると綺麗になります。特に、中央に背の高い花を置いて、両脇を低い花で固める形がおすすめです。
色は一緒に配置したときのコントラストを意識して、賑やかになりすぎないように合わせるのが良いでしょう。
たとえば、主役の花が赤のような目を惹くカラーであれば、隣には緑や白のような邪魔をしない色が向いています。
飾り方4:透明なコップを花瓶代わりにする
そのほか、透明なコップを花瓶代わりにして花を飾るのも、洗練された印象になりおすすめです。普通の花瓶では見えない茎や透明感のある水の動きまで上品に鑑賞できます。
透明なコップを花瓶にする際には、色付きの小さなグッズを入れておしゃれに演出するのも◎です。カラフルなビーズやビー玉を入れれば、花の華やかさを引き出すことができます。
花を飾るときに役立つおすすめ切り花延命剤3選!
続いて、花を飾るときに活躍するおすすめの切り花延命剤をご紹介します。いずれも初心者でも失敗せずに扱いやすい、便利な一品です。
【住友化学園芸】花工場切花ロングライフ
最初にご紹介するのは、『住友化学園芸』の“花工場切花ロングライフ”です。
食品の品質保持にも活用される天然糖質成分「トレハロース」を用いた切り花延命剤で、花に栄養を与えつつ、水が腐敗するのを防いでくれます。
使い方も簡単で、キャップに適量の本液を出して、水で希釈するのみです。水に対する液体の量は説明書に目安が記載されています。
【アース製薬】アースガーデン イキイキ切花延命剤
『アース製薬』の“アースガーデン イキイキ切花延命剤”は、コストパフォーマンスの良い一品です。ワンコイン価格でありながら、花瓶の水の汚れを防止して花を長持ちさせてくれます。
成分には糖類のほか、抗菌剤や金属イオンが含まれています。
使い方はこちらも簡単で、適量を水で希釈して花瓶に入れるのみです。希釈の倍率は40倍が基本であり、これ1本で想像以上に大量の延命剤を作れます。
【ハイポネックスジャパン】水あげ名人
ステンレスや真鍮などの金属の花瓶で花を飾りたい方には、『ハイポネックスジャパン』の“水あげ名人”がぴったりです。
糖類・抗菌剤・界面活性剤の入った切り花延命剤で、「花器を選ばないこと」を強みに掲げています。スズや銅といった珍しい素材の花瓶にも使用可能です。
水による希釈率が10倍で、1目盛りが10mlと用量がわかりやすいのも嬉しいポイントです。たとえば、水が200mlであれば、2目盛りの本液を利用します。
花の飾り方に関するよくあるQ&A
最後に、花の飾り方に関するよくあるQ&Aを見ていきましょう。以下の3点についてご紹介します。
- 水の量や交換頻度はどうすれば良い?
- 失敗しないコツは?
- 花と花瓶はどっちを先に選ぶべき?
水の量や交換頻度はどうすれば良い?
花を飾る際の適切な水の量は、花の種類によって変わります。
通常は花瓶の半分ほどまで水を入れますが、チューリップのような茎が柔らかい花は水の量を減らし(2~3cmほど浸かる程度でOK)、反対に茎が固く丈夫な花は花瓶の8割ほどを目安としましょう。
一方、水を入れ替える頻度は、花の種類を問わず1日1回を基本とするのが◎です。
水の入れ替えを怠ると、花が元気を失いやすくなったり、ときには水が腐って異臭が発生したりしてしまうため気を付けましょう。
失敗しないコツは?
花を飾る際に失敗しないコツは、前述の飾り方を意識すること、特に複数の花を同時に飾るときの色に気を配ることです。
複数の花を飾る際には、主張の強い色同士を合わせるとうるさい印象になります。片方は控えめにしたり、あるいは同系色でまとめて統一感を出したりするのがおすすめです。
また、失敗しにくくひとつの花の特徴を勉強しやすい「一輪挿し」に何度も挑戦して、経験を積むのも良いでしょう。
花の飾り方には絶対の正解はないため、ぜひ気軽な気持ちで試してみてください。
花と花瓶はどっちを先に選ぶべき?
迷ってしまいがちなポイントですが、花と花瓶はどちらを先に選んでも構いません。
しかし、花瓶の方が長く使うアイテムであることを考えると、優先度が高いと言えるでしょう。お気に入りの花瓶を選び、それに合う花を探していくのがおすすめです。
飾り方を知って花のある暮らしを実現しよう
この記事では花の飾り方について、種類や例、長持ちさせるためのポイント、おすすめの切り花延命剤やよくあるQ&Aをご紹介しました。
花の飾り方は自由であり、自分が気に入る姿を実現できればそれが一番です。
しかし、水揚げや1:1の比率など、少し意識するだけで美しく花を楽しみやすくなるポイントもあります。
ご紹介した内容を参考にお気に入りの形を見つけて、花のある暮らしを実現してくださいね。