「オリーブの木がもっさりとしてきた気がする」そんなときには、剪定で葉や枝の密集状態を解消してあげましょう。この記事では、オリーブの木に剪定が必要な理由や具体的な手順、注意点をご紹介します。よくあるQ&Aとあわせて見ていきましょう。
オリーブの木は剪定が必要な植物!その理由は?
すらりと一本立ちする姿が美しいオリーブの木は、インテリアとして人気の観葉植物です。暑さにも寒さにも強く頑丈で、育てやすい植物として愛されています。
しかし一方で、オリーブの木はおおよそ1年に1度は剪定をしてあげたい植物でもあります。
まずは、なぜ剪定が必要なのか、3つの理由をチェックしていきましょう。
樹形を整えることができる
1つ目の理由は、樹形を整えられるためです。
オリーブの木は生育が活発で、適切な環境であれば次々に枝が伸びてきます。放置するとあっという間に樹形が乱れ、不格好になりがちです。
オリーブの木に適度な剪定を行ってあげると、自分の理想通りのシルエットを保てます。
また、生育が悪い枝を取り除くことで、苗の健康な部分に栄養を集中させられるのも嬉しいポイントです。
病気・害虫対策になる
2つ目の理由は、観葉植物の大敵である病気・害虫対策になるためです。
オリーブの木を剪定せずに放置すると、枝や葉が密集して混み合い、湿気がこもりやすくなります。過度な湿気は病気や害虫被害などの原因となるため、避けなければいけません。
オリーブの木の剪定方法には後述する「強剪定」と「間引き剪定」の2種類がありますが、どちらの場合も枝や葉の密集状態を解決できます。
成長を抑えることもできる
3つ目の理由は、オリーブの木の成長を抑えることができるためです。
観葉植物が元気に育つのは嬉しいことですが、室内やベランダの片隅などで育てている場合、あまり苗が大きくなりすぎると置き場所に困ります。
そんなときには、剪定で幹の先端を切ってあげれば、オリーブの木の高さを抑えられます。小さなシンボルツリーとして長く楽しむことが可能です。
オリーブの木の剪定方法は2種類!時期と手順
オリーブの木の剪定方法は「強剪定」と「間引き剪定」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
【オリーブの木の剪定方法】
方法 | 特徴 |
---|---|
強剪定 | ・多くの枝を切る大規模な剪定 ・一度苗をリセットしたり、成長を抑えたりするのに役立つ ・適切な時期は2~3月 |
間引き剪定 | ・一部の枝を切る小規模な剪定・軽く樹形を整えたり、密集状態を解消したりと簡単なケアに役立つ ・適切な時期は3~4月 |
方向性として、苗を一度リセットしたい(あるいは成長を抑えたい)ときには「強剪定」を、軽くお手入れしてあげたいときには「間引き剪定」を行いましょう。
前提:必要な道具は共通
オリーブの木の剪定では、強剪定と間引き剪定のどちらの場合も以下の道具が必要です。
- 剪定ばさみ(大きな苗の場合はのこぎり)
- 癒合剤
- 軍手
道具はホームセンターや園芸ショップ、通販などで市販されているもので大丈夫です。
成功のコツとして、剪定ばさみは切断面が綺麗になり苗を痛めにくい、切れ味の良いものを選択しましょう。この記事の後半でも、扱いやすい剪定ばさみをご紹介しています。
2~3月:強剪定
オリーブの木の強剪定は、2〜3月に以下の手順で行います。
- STEP1:オリーブの木の苗全体を眺め、理想の樹形をイメージする
- STEP2:幹の先端を理想の高さでカットする(※成長を抑えたい場合のみ)
- STEP3:次の「不要な枝」をすべて付け根から切り取る
- STEP4:一度苗全体を見て、理想の樹形に近づけるために切るべき枝を吟味する
- STEP5:切るべき枝を新芽の上でカットしていく(※枝の長さが1/3ほどになるように)
- STEP6:太めの枝の切り口を癒合剤で保護してあげる
- STEP7:日当たりと風通しの良い場所に置いてあげれば完了
オリーブの木の「不要な枝」とは以下の通りです。
【オリーブの木の不要な枝】
- ほかの枝と絡み合い干渉し合っている枝
- 変色しているなど枯れた枝
- 下向きや内向きに生えている枝
- 苗の根元から生えている枝
文章にすると難しそうにも見えますが、いらない枝をカットして癒合剤を塗るのみで大丈夫です。初心者でも十分にこなせます。
3~4月:間引き剪定
一方、オリーブの木の間引き剪定は3〜4月に以下の手順で行います。強剪定と流れはほとんど変わりません。
- STEP1:オリーブの木の苗全体を眺め、理想の樹形をイメージする
- STEP2:強剪定と同じ「不要な枝」をすべて付け根から切り取る
- STEP3:まだ混雑している部分の枝をカットする(新芽の上で、長さは切りすぎない程度に)
- STEP4:苗を正面から見たとき、向こう側が透けて見える程度まで枝を減らしていく
- STEP5:太めの枝の切り口には癒合剤を塗ってあげる
- STEP6:日当たりと風通しの良い場所に置いてあげれば完了
ちなみに:5~10月も多少の剪定ならOK
ちなみに、オリーブの木の剪定にふさわしい時期は2〜4月ですが、ごく小規模な剪定であれば5〜10月にも行えます。
どうしても気になる枝があるときには、軽く切ってあげても構いません。
ただし、5〜6月は花を咲かせるために枝先は切らないように、10〜11月は実が付いた枝は切らないようにするのがおすすめです。
オリーブの木を剪定する際の注意点
続いて、オリーブの木を剪定するときに知っておきたい注意点を見ていきましょう。大切なのは、以下の3点です。
- 剪定作業は晴れた日に挑戦しよう
- 剪定後は生育環境に気を配ろう
- 切れ味の良い剪定ばさみを使おう
剪定作業は晴れた日に挑戦しよう
オリーブの木の剪定は、よく晴れた日に挑戦するのが◎です。これは、雨の日に剪定をすると、切り口から菌が入りやすくなってしまうためです。
雨の勢いによっては、切り口に塗った癒合剤が流れ落ちてしまうこともあります。天気予報を確認しつつ、数日間は晴れが続きそうな日を選びましょう。
剪定後は生育環境に気を配ろう
剪定後のオリーブの木は、少しデリケートな状態です。風通しと日当たりの良い場所に置き、普段よりも丁寧に様子を確認しながらお世話してあげましょう。
オリーブの木に必要な生育環境や水やりなどのお世話の手順は、以下の記事で解説しております。
切れ味の良い剪定ばさみを使おう
オリーブの木の剪定には、切れ味の良い剪定ばさみを使いましょう。剪定ばさみの切れ味が悪いと何度も切り損じてしまい、苗の傷口の状態が悪化しやすいためです。
特に初心者は、軽く力を入れるだけでスパッと切れる良質な剪定ばさみを使うと、苗に負担をかけずに樹形を整えやすくなります。
次の項目で、オリーブの木の剪定に活躍するハサミをチェックしていきましょう。
オリーブの木の剪定に活躍するハサミ3選
ここでは、オリーブの木の剪定に適した切れ味の良いハサミを3種類ご紹介します。
【FORESIA】剪定ばさみ
最初にご紹介するのは、Amazonの園芸用はさみカテゴリでベストセラー1位(2024年5月時点)に輝く『FORESIA』の剪定ばさみです。
最大2cmと太めの枝まで対応した比較的大型の剪定ばさみで、人間工学に基づき握りやすい形状が追求されています。
くびれに沿うように握り、力を込めるだけで枝がスパッと切れる優れものです。
刃にはフッ素コーティングが施されており、汚れが付着しにくく錆びにくいのも◎。手の届きやすい価格でありながら、長く愛用する一品になってくれるでしょう。
【FORESIA】ステンレス 軽量 剪定バサミ
小さめのオリーブの木を剪定したい方には、同じく『FORESIA』の軽量な剪定ばさみがおすすめです。
重量は抑えつつも、バネの力とステンレス鋼の刃で切れ味の良さを実現しています。手のひらサイズで女性も扱いやすく、初めての剪定にもぴったりです。
本体にはストラップが付属しており、手からこぼれ落ちないように工夫されています。普段は壁に付けたフックにストラップをかけて保管しておくなど、利便性も◎です。
【INGCO】剪定ばさみ
庭木のような大型のオリーブの木を切りたいときには、『INGCO』の剪定ばさみが活躍します。
両手の力を使って切断する高枝切りばさみの一種で、直径約4cmの枝もパワフルに剪定できます。
自慢の「パワーギア技術」を採用するなど切れ味の良さにこだわっており、不要な枝を次々と取り除いていけるでしょう。
ハンドル部分にゴムが付いていて、手に負担がかかりにくいよう工夫されているなど、利用者への配慮も十分です。
オリーブの木の剪定でよくあるQ&A
最後に、オリーブの木の剪定に関するよくあるQ&Aを見ていきましょう。
癒合剤は塗った方が良い?
オリーブの木は、太めな枝を切るときには癒合剤を塗ることをおすすめします。癒合剤は切り口を保護し、オリーブの木が病気にかかるリスクを下げてくれます。
目安として、太さが約2cm以上の枝を切る場合は癒合剤を塗ってあげましょう。癒合剤の塗り方や量は、説明書通りの用法・用量を守るのみで大丈夫です。
剪定後にひょろひょろになるのはなぜ?
剪定後にオリーブの木がひょろひょろになった場合は、時期を間違えた可能性が疑われます。オリーブの木の剪定は、強剪定は2〜3月、間引き剪定は3〜4月が原則です。
ひょろひょろになったオリーブの木は、適切な生育環境の中で育てていれば回復しますが、それには時間がかかります。
苗の背が高く、風が強い地域で育てているときには、回復までにオリーブの木が転倒しないように支柱などでサポートしてあげてください。
鉢植えのオリーブの木でも剪定した方が良い?
成長の緩やかな鉢植えのオリーブの木であっても、適度な剪定はしてあげましょう。少なくとも、過湿状態を防ぐための間引き剪定は行うのが◎です。
また前述の通り、剪定はオリーブの木の成長を抑えるためにも役立ちます。任意の高さで強剪定を行えば、自分好みのインテリアとして室内で長く楽しめます。
剪定で大切なオリーブの木を守ってあげよう
この記事ではオリーブの木の剪定について、必要な理由や方法、注意点やよくあるQ&A、切れ味が良く扱いやすいおすすめの剪定ばさみをご紹介しました。
オリーブの木は生育が旺盛で、なおかつ湿度の高い状態を嫌うことから、おおよそ1年に1度は剪定をしてあげたい観葉植物です。
ご紹介した内容を参考に、ぜひ大切なオリーブの木を手入れしてあげてくださいね。