オリーブの木は丈夫なので、初心者でも簡単に育てられる観葉植物です。ただ生育環境や育て方を間違えると枯れることもあるので注意が必要になります。今回は、オリーブの木に必要な成育環境と枯らさないコツ、お手入れ方法、通販で購入できるおすすめ商品をご紹介します。
オリーブの木とはどんな観葉植物?
まずは育て方をご紹介する前に、オリーブがどのような特徴を持った観葉植物なのか見ていきましょう。
シンボルツリーとしても活躍する樹木
オリーブの木は、モクセイ科オリーブ属に属する常緑の樹木で、年間を通して葉をつけます。オリーブの木は、一本立ちし見栄えも良いため、シンボルツリーとしても活躍します。
また、細くて鮮やかな葉とスッと伸びる幹、初夏になると咲く小さくて白い花、秋から冬にかけて緑から赤くなる実など、見た目も美しいのも特徴です。
シンボルツリーとしてオリーブの木を育てたいなら、家や庭などの雰囲気に合わせたものを選ぶと良いでしょう。
日本の環境でも比較的育てやすい
オリーブの木は暖かい環境を好む植物ですが、実は暑さに強い一方短い期間なら寒さにも強いです。
品種にもよりますが、耐陰性があるためマイナス10度ほどなら耐えられます。
またオリーブの木は乾燥にも強く、地上している成木なら、水をほとんど与えなくても育ちます。
雨が降る量が少ない、真夏のみ、10日に1度ほどたっぷりの水を与えると良いでしょう。
オリーブの木の育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
オリーブの木は、生長が早く適切に水やりや肥料を与えることで、大きく育ちます。ここでは、オリーブの木に必要な成育環境と枯らさないコツをご紹介します。
コツを押さえて、元気なオリーブの木を育ててくださいね。
日当たりと風通しが良い場所に置く
オリーブの木は、日光を好む性質を持っているので、育てる時は日当たりが良く暖かい場所が適しています。
鉢植えで育てる場合も地上する場合も、年間を通して日光が当たる場所で育てましょう。
屋外で育てるか、南向きの窓辺に置いて日光を1日6時間以上当てるようにします。さらに、サーキュレーターを使ったり、換気を良くしたりして、通気性を良くすることも大切です。
水はけの良い土を使う
オリーブの木は、湿度が高すぎると弱ってしまうため、水はけの良い土を使うのがポイントです。培養土に小粒の赤玉土やくん炭を混ぜて使いましょう。
また植木鉢で育てる場合は、鉢底に石を敷いて、通気性と排水性を高めるなどの工夫も必要です。
一方の地植えで育てる場合は、土をしっかりと耕してから、土に堆肥を混ぜて土を柔らかくします。土が固くなったときには、株の周りを耕して培養土や小粒の赤玉土を混ぜ合わせてください。
水やりは土が乾いてからたっぷりの水を与える
オリーブの木を元気に育てるなら、水やりは押さえておきたいポイントです。オリーブの木は、もともと乾燥に強いため、土の表面が乾いてからたっぷりの水を与えましょう。
また時期によって、水やりのタイミングを変えるのも重要です。
暑い夏場などは、土が比較的早く乾くため、こまめに水やりを行いましょう。寒い冬場は、しっかりと水を吸収するように、土がカラカラに乾いてから水やりを行ってください。
肥料は年に3回与えるのが基本
オリーブの木を鉢植えで育てるためには、肥料を与える時期が大切です。
基本的には、2~3月の開花前と、6月頃の花が散った後、10月頃の実を収穫した後を目安に肥料を与えてください。
与える肥料は、効き目がゆっくりと持続する緩効性タイプの置肥がおすすめです。株元から2~3cm離した場所に適量置きましょう。
ただ、肥料の種類や土の量によって、与える量が異なるので、取扱説明書などで確認して、適量を与えてください。
また3月には、置肥だけでなく、即効性のある液肥を与えてあげても効果があります。
オリーブの木を育てる際に注意すべき害虫・病気
オリーブの木を育てていると、病気にかかったり害虫の被害を受けたりすることがあります。それぞれの特徴と対処法をご紹介します。万が一被害を受けたときのために、覚えておきましょう。
梢枯(しょうこ)病
梢枯(しょうこ)病は、オリーブの木の枝の先端から枯れ始めて、最終的には枝全体が枯れる病気です。
湿度が高い環境で発生しやすいので、枝先が枯れている場合は枯れている部分の下を剪定します。
枝には菌が付着しているため、切った枝はすぐに捨ててください。
また梢枯病にならないようにするためには、剪定が大切になります。枝が混み合っている場合は、剪定の時期に関わらず枯れた枝や弱っている枝を切るようにしましょう。
炭そ病
炭そ病は、葉や実が黒褐色や灰褐色の円形にくぼみ、暑くて湿度が高い環境で発生しやすい病気です。
一度炭そ病になると、復活することはないので切除してください。
梢枯病と同じように、こまめに剪定することで蒸れにくくなり対策できます。
オリーブアナアキゾウムシ
オリーブアナアキゾウムシは、オリーブの木にとって最大の敵です。一度寄生してしまうと、オリーブの木が枯れるまで食害してしまいます。
1.5cmほどの体調で、幹に穴を開けてそのなかに卵を産みつけ、幼虫になるとオリーブの枝の中を食べながら生長します。
オリーブアナアキゾウムシに食害されたオリーブは、最悪枯れてしまうので、枝に穴を見つけたら針金などを使って駆除してください。
大量に発生した場合は、一匹ずつ殺すのは大変なため農薬を使って駆除します。脳お役で駆除する際は、葉や実に薬品がかからないように注意が必要です。
ハマキムシ
ハマキムシは、若葉の先を丸めてしまう害虫で、温かくなると出てきます。夏~秋口まで注意が必要になります。
ハマキムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。もし見つからない場合は、葉の中に潜んでいることもあるので、その場合は被害を受けた葉を切って対処してください。
スズメガ
7~9cm程度の体長で、イモムシみたいな姿をした緑色のスズメガの幼虫も、オリーブの木に発生しやすい害虫になります。
6~10月の温かい時期に発生しやすく、葉っぱを食い荒らしてしまいます。
黒くて丸いフンがあると、発生しているサインです。フンを見つけたら、ススメガを探して、早めに駆除しましょう。
オリーブの葉が落ちる原因
オリーブの木を育てていると、葉が落ちることがあります。ここでは、よく見られるオリーブの葉が落ちる3つの原因と、その対処法を見ていきましょう。
原因1:急激な環境の変化
オリーブの木は、購入して持ち帰ったばかりや、置き場所を変えた場合などのタイミングで、葉が落ちることがあります。
これはオリーブの木が、環境の急激な変化に耐えられなかったサインです。
移動させる場合は、いきなり環境を変化させるのでなく、少しずつ慣らしながら移動させるのがポイントです。
日照時間を1週間ずつ変えるなど、徐々に慣らしていくと葉が落ちるのを防げます。
原因2:根腐れを起こした
オリーブの木に水を与えすぎると、根腐れを起こし、オリーブの木が弱って、葉を落ちしてしまうことがあります。
植木鉢の中が常に湿っている状態は、根腐れの原因となるので、水やりはしっかりと土が乾いてからにするようにしてください。
原因3:害虫の影響を受けた
根にダメージを与える害虫の被害を受けると、オリーブの木の幹が弱り、葉が落ちることがあります。
害虫の影響を受けてしまうと、最悪、オリーブの木が枯れてしまうこともあるので、害虫を見つけたら早めに駆除してください。
オリーブの木のお手入れ方法
オリーブの木は、適切な時期に剪定や、植え替えをする必要があります。
ここでは、オリーブの木のお手入れ方法をご紹介します。
剪定のタイミング
オリーブの木は、生長とともに枝が伸びてきて、枝同士が混み合い、生長の妨げになります。そのため、伸びすぎた枝や重なっている部分を中心として、枝を剪定しましょう。
オリーブの木の剪定に適している時期は、2月中旬~3月中旬です。オリーブの木は、春に花芽をつけ始めて、初夏頃に花を咲かせるため、花芽がつく前に剪定するのがおすすめです。
3月中旬までに剪定しておくことで、間違って花芽を切ってしまうということも防げます。
またこのタイミングは、オリーブの木がちょうど休眠期が終わる時期で、春~秋までは生長期となります。そのため、思いっきり剪定しても生育に影響しにくいのです。
オリーブの木の剪定のタイミングは、基本的には年に一度です。ただあまりにも枝や葉が生えすぎて、風通しが悪くなった場合は、その都度剪定してあげてください。
2~3年に1度植え替えをする
オリーブの木は生長が早いため、植え替えをせずに同じ植木鉢でずっと育てていると、根詰まりを起こす可能性があります。
生長のスピードに合わせて、ひと回り大きい鉢植えに植え替えするのがポイントです。
2~3年に一度は植え替えするようにしましょう。植え替えの時期は、4~5月または、9~10月がおすすめです。
真冬や真夏に植え替えをするとオリーブの木が傷むおそれがあるので、避けるようにしてください。
挿し木
オリーブの木は、剪定した枝を使って挿し木をすることで、増やすことができます。
挿し木は、枝を数センチの長さに切って、土に挿すだけなので簡単です。そのため、オリーブの木を増やしたい初心者にもおすすめの方法です。
挿し木は、5~7月に新しい芽が付いた生長の止まった枝を使うか、2月に太くて成熟した枝を使うかで行います。
オリーブの木の挿し木の手順は、以下のとおりです。
- コップなどの容器に水を溜めておく
- 枝を10~15cmの長さに切る
- 切り口を斜めに切る
- 水をはったコップなどに、切った枝を数時間つける
- 鉢の中に挿し木用の土を入れる
- 鉢に入れた土に水を与えて、土を湿らせる
- 枝を取り出して水気を切る
- 枝の切り口に発根促進剤を塗る
- 土に穴を開けて、枝を挿す
- 直射日光や照明が当たらない日陰に鉢を置く
- 土が乾かないように気を付けて、こまめに水やりをしながら育てる
取り木
オリーブの木は、挿し木以外にも、取り木で増やすこともできます。取り木とは、枝の途中で発根させることで、新しい苗を作る方法で、4~10月に行うのがおすすめです。
一回の取り木で数を増やすことはできませんが、失敗することが少なく、スペースを取りません。
オリーブの木の取り木の手順は、以下のとおりです。
- 水で水苔をふやかす
- 枝の表皮を2~3cm幅で一周そぐ
- そいだ切り口を湿らせる
- 切り口にたっぷりの水苔を巻く
- 水苔の上からラップをかける
- ラップの上からビニールテープを巻いて固定する
- 下の方もしっかりとビニールテープを巻いて、水が漏れないようにする
- 上部は、水を入れられる空間を少しあけておく
- 上部から水を注ぎながら、水苔が乾かないように管理する
- 数ヵ月すると、切り口から根が生えてくるので、十分に生えたら、ラップと水苔を取る
- 根が生えたところよりも下で枝を切って、植木鉢に植え替えする
オリーブの木を結実させるコツ
オリーブの木は、実を育てることができ、育った実は食べることも可能です。ただオリーブの実を作るにはコツがあります。
ここでは、オリーブの木を結実させるコツをご紹介します。
2種類以上のオリーブを近い場所で育てる
オリーブの木は、自分の花粉では受粉しない「自家不結実性」の植物です。そのため、結実させるなら、種類の違うオリーブの花粉を使って、受粉することが必要になります。
ただオリーブの木のなかには、アルベキナやルッカといった種類は、自家結実する種類もあります。
しかし、これらの自家結実する種類でも、自分のものより他の木の花粉の方が結実する確率が高まるのです。
鑑賞用として育てるなら1本だけでも良いですが、結実させたいなら、2種類以上のオリーブを近い場所で育てるのがおすすめです。
冬の寒さに当てる
オリーブの木は、寒さに当てると、花芽を分化させるため、冬には屋外で育てるのがおすすめです。オリーブの木は、花芽が分化するのは1月頃です。
ただその時期には、平均気温10度以下になる環境でないと、花芽しにくくなるため、冬の寒さを十分に当ててあげてください。
通販で購入できるおすすめのオリーブの木10選
オリーブの木は種類が多いので、育てたいけど、「どれを選べば良いのかわからない」という方もいるでしょう。そこで最後に、通販で購入することができる、おすすめのオリーブの木をご紹介します。
【花のギフト社】オリーブの木 素焼 鉢植え 4号
『花のギフト社』の“オリーブの木 素焼 鉢植え 4号”は、幅15cm、高さ35cmサイズの4号鉢に入っています。
育て方のしおりも付属されているため、オリーブの木を育てたことがない方でもチャレンジしやすいです。
こちらの商品は、植木鉢のみの商品となるので、別で受け皿を用意しましょう。
【hanayoshi】鶴亀園さんの香川オリーブの木 6号鉢
『hanayoshi』の“鶴亀園さんの香川オリーブの木 6号鉢”は、5種類のオリーブの木からひとつ選んで購入できます。ネバディロブランコ・ミッション・ルッカ・ホジブランコ・シプレシーノがあります。
こちらは、幅30~35cm、高さ90cmの6号鉢に入ったオリーブの木です。
有料オプションとして、ラッピングやバスケット、テラコッタ鉢が用意されています。そのため、プレゼントにしたり、おしゃれに飾ったりできるのもおすすめのポイントです。
バスケットは屋内向けのもので、鉢植えごと入れることで、おしゃれにできます。また、あたたかい雰囲気が感じられる屋外向けのテラコッタ鉢は、オリーブの木との相性抜群です。
【ITANSE】オリーブ アルベキナ
アルベキナというオリーブの木は、小さめの葉が蜜になって育ち、すずなりに小さな実がなるのが特徴の希少品種で、オリーブの原種に最も近いと言われている種類です。
『ITANSE』の“オリーブ アルベキナ”は、12cmのロングポットに入った苗木です。ポット苗なので、年中植え付けできます。
【ITANSE】オリーブ ルッカ
ルッカという種類のオリーブの木は、数ある種類のなかでも果実が良く実るタイプで、小ぶりな果実が実ります。
またオリーブらしい美しい樹冠に形成するため、鑑賞用としても楽しめます。葉型は卵に近い形で表が濃い緑で、ねじれがあるのも特徴です。
1本でも結実しやすい品種なので、鑑賞用としてだけでなく結実を目指したい方にもおすすめです。
『ITANSE』の“オリーブ ルッカ”は、12cmのポットに入った苗が届きます。
【苗木の専門店 グリーンでGO!】オリーブの木 アザパ
アザパという品種は、特大で12gにもなる実ができます。チリ原産の果実加工用として使われる品種で、アザパで実った実は塩漬けにして食べられます。
また結実すると、可愛らしい見た目でおしゃれになり、観葉植物としても人気がある品種です。
『苗木の専門店 グリーンでGO!』の“オリーブの木 アザパ”は、接ぎ木苗と、ニーム核油かすがセットで入っています。
【ガーデンプラス】オリーブの木 苗木 【シプレシーノ】 約1.4m
シプレシーノという品種は、イタリア原産で、やや大きめの先が尖った葉に特徴があるオリーブの木です。
直立型で樹形がまとまりやすいため、オリーブの木を育てるのが初めての方にもおすすめの品種です。
花芽をたくさんつけるため、受粉木としても利用可能で、丸みのある楕円形の実を実らせます。
『苗木の専門店 グリーンでGO!』の“オリーブの木 苗木 【シプレシーノ】 約0.5m ポット苗”は、ポットを含めた高さが0.5m前後でビニールポットに借植した状態で届きます。
【HitoHana】オリーブの木 コロネイキ 8号鉢植え
コロネイキというオリーブの木は、ギリシャ産の希少品種です。
樹形は少し広がった拡張型で、やや尖った細長い葉も特徴です。高品質なオイルが採れ、とても実付きがいいため、1本のみでも結実させることができます。
『TAHITI MARCHE』の“オリーブの木 コロネイキ 7号鉢植え”は、7号鉢に入っていて、樹高は鉢底から約60~70cmです。剪定後に新芽が伸びている状態で、実が付いたまま届けてくれます。
【緑花ネット】オリーブの木 ピクアル
オリーブの木のピクアルは、やや大きくて薄い緑葉を持ち、つやのある黒い実をつける定番の品種です。
数ある品種のなかでも、枝や葉が密になりやすく、まとまりのある樹形が特徴です。
オリーブを結実させる際に、同じ品種だとうまく受粉しないとされていますが、ピクアルは同品種でも、実をつけます。
『GARDENING 花遊び』の“オリーブの木・ピクアル 6号・B”は、6号サイズのオリーブの木をプラスチックポットに植え付けています。
【癒し空間 One’s Garden & Plants】オリーブの木 違う品種の2種類植え
『癒し空間 One’s Garden & Plants』の“オリーブの木 違う品種の2種類植え”は、違う品種を2種類寄せ植えしています。
そのため、自分で2種類のオリーブの木を買って、植え付ける手間が省ける嬉しい商品です。
高さは約20cm、横は約25cmで、プラスチック鉢に入っています。
【薫る花】オリーブの木 2品種植え 7号鉢サイズ
『薫る花』の“オリーブの木 2品種植え 7号鉢サイズ”は、異なる2種類の品種をひとつの鉢に植え込んでいます。寄せ植えする2種類の品種は、おまかせとなり、選ぶことはできません。
ただ、すでに寄せ植えしてくれているので、届いたらそのまま育てていくことで、結実を狙うこともできます。
また使われている鉢は、プラスチックなので、落としてもぶつけても割れにくく、楽に持ち運びができます。
陶器やテラコッタみたいな風合いになっていて、とてもおしゃれです。
幅約30~40cm、高さ約50~70cmほどのサイズになっています。
オリーブの木は適切な方法で元気に育てよう
オリーブの木は、自宅で育てやすい観葉植物として人気なので、初心者でもチャレンジしやすいです。ただ適切な方法で育てないと、元気に育てることができません。
この記事で紹介した必要な生育環境と枯らさないコツや、お手入れ方法を参考にして元気に育ててくださいね。
またオリーブの木を育てる魅力のひとつが、実をつけることです。結実させるには、育てるコツがあるので、ポイントを押さえて結実させ収穫できるように目指してみてください。