ハーブはいつもの料理をワンランク上の味わにしてくれる便利な食材です。しかし、市販のハーブには農薬が使われているので少し心配…という人も多いのではないでしょうか?そんなときには自分でハーブを育てるのが1番です。今回は無農薬でも育てやすく、料理に取り入れやすいハーブについてご紹介します。
古くから料理に用いられてきたハーブ
古来、ハーブ(香草)は世界中で用いられてきました。ときには料理に、ときには薬に、ときには芳香剤として、その用途はさまざまです。
なかでも料理に使われるハーブはたくさんあり、ローズマリー、タイムなどのように洋食に使われるものから、ヨモギ、シソなどのように和食に使われるものまで、幅広い種類が存在しています。
ハーブに期待できるさまざまな効果
香り豊かなハーブを料理に取り入れることで、さまざまな効果が期待できます。早速ご紹介しましょう。
臭み消し
肉や魚を調理するとき、食べてきたエサの違いや鮮度の低下によって臭みが強く表れることがあります。そんな肉や魚の臭みを、ハーブを利用すれば消すことができます。
ハーブの種類によって相性の良さがあり、爽やかな香りのタイムは魚、ローズマリーやオレガノは肉の臭み消しに人気。ハーブが持っている消臭効果と強い香りが、料理の下準備をするときに心強い味方になってくれます。
香りづけ
ハーブはさまざまな料理の香りづけに用いられています。例えばバジルはパスタに、レモングラスはトムヤンクンスープに用いられるのが有名ですね。
また、バジルやローズマリーはクッキーなどのお菓子を作るときにも使われます。ハーブの香りがアクセントを与え、ワンランク上の深みのある味わいを楽しむことができます。
彩り
細かくしたハーブをスープやシチューなどの仕上げに散らしたり、ハーブの小枝をソテーやカルパッチョの上に軽く添えることで、鮮やかな緑の彩りを楽しむことができます。
料理は目でも楽しむもの。彩り豊かな料理は食欲をそそり、いつもの料理もより美味しく感じさせてくれます。
保存性
ハーブの中には殺菌効果を持つものが多くあります。タイムやローズマリーを筆頭に、バジルやオレガノ、レモングラスにも殺菌効果があります。また、ローリエやヨモギも抗菌効果を持っています。
このようなハーブを料理に取り入れることで、料理を美味しくすることにとどまらず、保存性まで高めることができるのです。
せっかく料理に取り入れるなら「無農薬」のハーブを使いたい
いつもの料理をワンランク上の味にしてくれるのがハーブの魅力です。一方で、ハーブを使って料理をするときに、そのハーブが無農薬のものなのか気になる人も多いのではないでしょうか?
実際には、ハーブの多くは日当たりや風通しなどの環境に気を配ることで、無農薬で育てることが可能です。それにもかかわらず、売り物として育てられているものは大量生産をするために農薬を使って生育をコントロールされているものも多いのです。
それをふまえると、自分で栽培したハーブを料理に使うのが1番安心だと思いませんか?自分で育てれば、そのハーブが無農薬かどうかは自分次第。さらに、自分で育てることで取りたての新鮮なハーブを料理に取り入れることができるというメリットもあります。
無農薬でも育てやすく料理に取り入れやすいハーブ
ここからは無農薬でも育てやすい、さらにいつもの料理に取り入れやすいおすすめのハーブをご紹介します。丈夫で初心者でも育てやすいものばかりなので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ローズマリー
シソ科の常緑低木、ローズマリー。乾燥した環境を好み、虫除け効果を持っているため虫も寄り付きにくいローズマリーは、無農薬でも育てやすいハーブの代表選手と言えます。
ローズマリーは鶏肉との相性が良く、イタリアンやフレンチなどの洋食によく用いられます。爽やかで少し甘い、強い香りが特徴。トマトやニンニクともよく合うでしょう。
ローズマリーにはさまざまな品種があり、香りにちょっとした違いがあります。自分の好みの香りがするものを探してみてくださいね。
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タイム
シソ科の低木、タイムは清々しく強い香りが特徴です。魚料理との相性が良く「魚のハーブ」と呼ばれることもあります。
古代ローマ・ギリシャ時代からよく料理に用いられてきたタイムは、殺菌効果に加えて防腐効果も持ち合わせています。タイムは料理の保存性を高めてくれるので、ピクルスなど長期保存したいものに用いるのにもぴったりです。
湿気に弱く乾燥した環境を好みます。市販のハーブ専用土を使うなどして、水はけのよい土で育てるようにしましょう。
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バジル
バジルはバジリコとも呼ばれるシソ科の1年草です。パスタやピザなどのイタリアンによく使われ、特徴的な強い香りが食欲をそそります。バジルには虫除け効果があるので虫が付きにくく、丈夫で育てやすいハーブです。
湿った場所を好み暑さに強いのは、高温多湿の熱帯アジアが原産だから。乾燥は苦手なので、土が乾くたびに水をしっかり与えましょう。
主に葉を料理に用いるハーブなので、花を咲かせないように蕾は早めに摘み取るほうが良いでしょう。花が咲くと葉が固くなり、風味が落ちてしまいます。
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オレガノ
同じくイタリアンによく用いられるシソ科の多年草のオレガノ。トマトによく合う独特の香りが魅力です。オレガノはどちらかというとドライハーブとして使われることの多いハーブです。
地中海や中央アジアを原産としており、乾燥した環境を好みます。蒸れに弱いので、冬に近くなったら思い切って刈り込んですっきりさせましょう。
最近では姿を楽しむための園芸種もよく流通していますが、これらは香りがしないため、購入するときには間違えないように注意しましょう。
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ローリエ
ローリエはローレルとも呼ばれることがある、クスノキ科の常緑樹。1年中好きな時に葉を収穫することができるのが良いですね。
ローリエはカレーやシチュー、ポトフなどの煮込み料理に、香り付けとしてよく用いられるハーブです。やや苦みのある香りが特徴ですが、乾燥させると苦みが和らぎます。
丈夫で育てやすく、庭に植えると大きく成長するローリエは、シンボルツリーにすることもできます。鉢植えで育てることも可能です。
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レモングラス
レモングラスはイネ科の多年草で、インドやスリランカが原産地です。レモンのような爽やかな香りがするのが特徴で、トムヤンクンスープに用いられることはよく知られています。食欲をそそる爽やかな香りは、カレーにもよく合うでしょう。
エスニック料理によく使われるハーブです。
基本的には屋外で育てる方が良いのですが、寒さに弱いため、冬に限っては屋内に移動させましょう。そのためには鉢植えで育てることをおすすめします。
フレッシュハーブで楽しむのとドライハーブで楽しむのでは、全く違った味わいを楽しむことができます。ぜひ試してみてください。
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ヨモギ
ヨモギ餅に用いられることでよく知られるヨモギは、キク科の多年草です。比較的病害虫に強いため、初心者でも育てやすいでしょう。
ヨモギは丈夫で生命力が強いのが特徴。その反面、すぐに増えてしまうという悩みも…。鉢やプランターで育てるようにすると、増え過ぎることがなく管理がしやすくなります。
ヨモギ餅の他にも蒸しパンに入れたりしても美味しいく食べられます。天ぷらやおひたしにしても良いですね。ビタミンAや食物繊維が豊富で栄養価の高いヨモギをぜひ料理に取り入れてみましょう。
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無農薬で育てるときに気をつけたいこと
独特の強い香りがするハーブは、他の植物と比べると虫が付きにくい傾向にあります。そんな育てやすいハーブですが、無農薬で育てるためには押さえておくと良いポイントもいくつか存在します。
ポイントを押さえて、丈夫で生き生きとしたハーブに育ててくださいね。
できれば屋外で育てる
病害虫から守るためには一見屋内の方が都合が良さそうですが、屋内で育てることで逆に生命力を弱めてしまうことにつながります。ぜひ屋外で育てましょう。
雨や風が適度な刺激になり、ハーブを強くします。過保護にせず厳しい環境で育てることで、葉が厚くなって丈夫になり、香りも強くなって虫やウイルスが付きにくくしてくれるのです。
日当たりと風通しに気を配る
日当たりや風通しが不足すると、病害虫の被害にあいやすくなるので注意しましょう。しっかり日に当てて強くしっかりした葉を育てることが大切です。
また、適度に剪定を行って風通しを良くし、蒸れることがないように注意して育てましょう。
水や肥料のあげ過ぎに注意
ハーブの種類によって乾燥を好むものや湿気を好むものなどがあり、その性質はさまざまです。そのハーブの原産地の気候を参考にして、なるべく近い環境で育てるようにしましょう。特に、乾燥を好むものについては水やりの頻度を多くし過ぎないように注意してください。
また、肥料のやり過ぎは病害虫が発生する原因になってしまいます。
地植えの場合は土の中の肥料分を吸収するため、特別な事情がない限り肥料は必要ないと考えて良いでしょう。鉢植えの場合は、植え替えのタイミングで肥料を混ぜておく程度で十分と言えます。
自分で育てたハーブなら料理に使うときにも安心
料理は口に入るものですから、なるべく素材にはこだわりたいですよね。ハーブを料理に取り入れる際も、自分で育てたハーブなら安心して使うことができるでしょう。
さらに、自分で育てれば収穫したばかりの新鮮なハーブを料理に使うことができますし、愛情をもって育てたハーブだからこそ、料理をよりおいしく感じることができるというものです。
今回紹介したハーブは、丈夫で無農薬でも育てやすいものばかり。ぜひ無農薬のハーブを育てて、料理に取り入れてみてくださいね。