植物を育てていて「葉に元気がない」「幹がブヨブヨする」などの症状になったことはありませんか?それらの症状は、もしかしたら根に問題があって起こっているのかもしれません。植物の根の健康を考えながら、「しっかりと育てたい」という方におすすめなのがスリット鉢です。
今回はスリット鉢の特徴や魅力に加え、おすすめしたいスリット鉢をご紹介します。
スリット鉢とは?種類や素材・形状などの特徴
そもそもスリット鉢とは、鉢の側面下に切り込み(スリット)が入った鉢のことを指します。では、スリット鉢にどんな種類や素材があるのかご紹介しましょう。
種類
スリット鉢の形は、一般的な鉢とさほど変わりません。ポットタイプの円形・四角・楕円形、プランタータイプの長方形など種類は豊富です。
カラーはメーカーによっても異なりますが、テラコッタ、ホワイト、ブラック、ブラウン、モスグリーンが多いよう。
サイズは2号~13号まで取り揃えているので、育てたい植物にピッタリ合うサイズを見つけられるでしょう。
素材
スリット鉢の素材はプラスチックが多く、ほかには素焼き製のものもあります。素焼き製のスリット鉢は重みがあるため、丈夫で風にも強いことが魅力です。
スリット鉢のメリットや効果
一般的な鉢と種類や素材にあまり違いがないスリット鉢ですが、スリット鉢だからこそのメリットや効果があります。
根張りが良い
一般的な鉢の場合、根が成長しすぎると鉢の底や側面に沿って根っこがぐるぐると巻かれた状態になります。
これを「サークリング現象」と言いますが、サークリング現象が起きると根が堅くなって根詰まりを起こしてしまいます。
スリット鉢の場合、側面下に切り込み(スリット)があること、鉢の内側のスリットとスリットの間に仕切りのような出っ張りがあることで、根は下へまっすぐ伸び鉢全体にバランスよく根が張るのです。
必要な酸素が届きやすい
水やりには水分を補給してあげるという役割のほかに、土の中の酸素を入れかえるという役割もあります。
植物は人間と同じように呼吸をしており、元気に育つには葉だけでなく根の細胞も酸素が必要になります。
水やりをしたときにしっかりと排水ができれば酸素の入れ替えもスムーズに行われますが、一般的な鉢に空いている小さな穴では表面張力が働きうまく排水できないことも。
側面下に切り込みのあるスリット鉢なら、排水がスムーズにできるので酸素も取り入れやすくなります。
水はけが良い
排水がスムーズにできるというのは、水はけが良いということ。水はけが良ければ、水が溜まることで起こりがちな根腐れも防ぐことができます。
軽くて扱いやすい
スリット鉢の素材は主にプラスチックです。軽くて扱いやすいので、レイアウトを定期的に変えたい方、時期や時間によって鉢を移動させたい方におすすめです。
スリット鉢にデメリットはある?
根張りが良い、必要な酸素が届きやすい、水はけが良い、軽くて丈夫などとメリットがたくさんあるスリット鉢ですが、デメリットも少しあります。
スリット鉢を上手く活用するために、メリットだけでなくデメリットも知っておきましょう。
土がこぼれやすく、乾燥しやすい
スリット鉢は側面下に切り込みがあるゆえに、その隙間から土がこぼれてしまうことがあります。特に細かい土を使った場合、根がまだ成長していない場合は土がこぼれやすいようです。
また植え替えの際に乾いた土を入れてしまうと、切り込み部分からこぼれて植え替えが大変になってしまうので、注意しましょう。
対策としては、鉢の下に受け皿を入れる、粗目の土を鉢底に使う、植え替えをするときは土に水分を含ませるなどが有効です。
また、排水性が高いため土が乾燥しがちになります。保水性の高い土を使用するか、乾燥を好む植物を植えるようにしましょう。
虫が入ってくる
これも切り込みによるデメリットになりますが、スリットの穴から虫が入ってしまうことがあります。
虫が入ることで卵を産み付けられたり、土や根から養分を吸われてしまったりする恐れがあるので、虫の被害を防ぎたい方は細かいネットを敷いてから土を入れましょう。
倒れやすい
プラスチック製のスリット鉢の場合は軽くて扱いやすいのがメリットですが、一方で風が強く吹いたときには倒れてしまうという欠点があります。
台風が近づいたときなどは、安全な場所へ早めに移動するようにしてください。
デザイン性は低い
一般的な鉢はいろいろなデザインのものがあり、見た目がおしゃれなものもたくさんありますが、残念ながらスリット鉢はあまりデザインが豊富ではありません。
少しでもおしゃれに演出したいという方は、カラーで楽しんでみてはいかがでしょうか。
スリット鉢の使い方
スリット鉢は使い方に、3つポイントがあります。
1つは土の入れ方です。土を上からサラサラと入れてしまうと、切り込み部分からそのままこぼれ落ちてしまいます。粗目の土や水分を含ませた土を鉢底に入れてこぼれ対策をしましょう。
2つめは鉢底石の使用です。通常は水はけを良くするために鉢底石を敷きますが、スリット鉢は鉢底石を入れると切り込みが塞がれてしまい、根がサークリングしてしまうため鉢底石は入れません。
3つめはスリット鉢の置き場所。スリット鉢を土の上に直接置いてしまうと、酸素と光上手く入らず根が成長しすぎてしまうこともあります。
そのままにしておくと切り込み部分から根が飛び出し、地面に根を張ってしまうので注意しましょう。スリット鉢はブロックやレンガの上に置くことをおすすめします。
スリット鉢で育てるのにぴったりの植物は?
スリット鉢は基本的にどんな植物でも育てられますが、その特徴を最大限活かせる植物もあります。
それがバラ、果樹、観葉植物・多肉植物です。これらは乾燥気味を好む植物で、スリット鉢の乾燥しやすいというデメリットを回避してくれます。
また、根が傷みやすく植え替えしたくない植物にも、スリット鉢は良いでしょう。
スリット鉢のおすすめ商品7選
さまざまなメリットがあり、どんな植物を育てるのにも使えるスリット鉢。それでは最後に、プラスチック素材で作られたスリット鉢のおすすめ商品を7つご紹介します。
【大和プラスチック】大和プラスチック 根はり鉢
『大和プラスチック』のスリット鉢は、スリットがゆるやかなカーブを描いているおしゃれなデザインです。
サイズは3号(90mm×82mm :0.15L)から10号(300mm×275mm :9.60L)までラインナップしています。
カラーはダークグリーン、ネイビー、ホワイトの3色あるので、育てる植物の花の色に合わせるか、花の色が際立つようにホワイトを選んでみてはいかがでしょうか。
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【T4U】スリット鉢 6点セット
『T4U』のスリット鉢は、鉢と受け皿が各6つセットになっている商品です。はじめから受け皿があるので便利ですね。
鉢と一緒に受け皿を使用すれば水やりをしても鉢の下がびしょびしょにならないので、置く場所を選びません。
サイズ展開は5号(直径16cm)から7号(直径22cm)の3種類。重厚で上質なpp樹脂素材のスリット鉢のため、耐久性、耐熱性にも優れています。
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【カインズ】スリットポット
※写真はイメージです
『カインズ』のスリットポットは、シンプルなデザインで使いやすいスリット鉢です。
カラーはグリーン一色ですが、サイズは4号(直径12cm×奥行10cm×高さ8cm)から10号(直径30cm×奥行26.5cm×高さ25.5cm)まで選べます。
また、8号サイズのみ深さ27.5cmのロングタイプがあるので、背の高いスリット鉢を探している方はこちらをチェックしてみると良いでしょう。
購入は実店舗、またはカインズのオンラインショップで可能です。
【JSPYFITS】北欧風スリット鉢 6個入り
『JSPYFITS』のスリット鉢は、北欧風のおしゃれなデザインが魅力的。まるでダイヤモンドのようにカットされた側面のデザイン効果により、太陽の下で美しく見えます。
こちらは鉢と受け皿がそれぞれ6個セットになっており、カラーはホワイトのみのものと、ホワイト・ライトグレー・レイクブルー・トワイライトグリーン・チェリーピンク・マスタードイエローをセットにしたものがあります。
樹脂製のスリット鉢なので、日光に当たっても腐食しにくく耐久性に優れています。
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【リッチェル】ミエルノPlusポット 13型
『リッチェル』のスリット鉢は、2層構造の鉢です。植え込みをするポット(スリット鉢)の外側に、水を溜めておくための貯水用容器を取り付けます。
植え込みをするスリット鉢は、ポリポットにぴったり合うサイズなので植え替えがスムーズ。ポリポット3号なら13型、3.5号なら15型、4号なら17型を選ぶと良いでしょう。
スリット鉢の下には給水ヒモがあり、貯水用容器からゆっくりと水を届けてくれるので根が健康的になります。
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【花と緑の専門店 土っ子倶楽部】のびのび育つ『スリット鉢 スクエア』8号角型
『花と緑の専門店 土っ子倶楽部』のスリット鉢はスクエア型のものです。ブラックのスマートなデザインなので、どんな植物にも合います。
こちらの商品は8号(直径280mm×高さ260mm)のものですが、そのほか6号角型(直径209mm×高さ200mm)もあります。
また、8号角型はお得な5個セットもあるので、複数の植物を育てたい人におすすめです。
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【T4U】27cmスリット鉢 給水ヒモ付き
『T4U』の長方形型スリット鉢です。植え込みをするポット(スリット鉢)の外側に、水を溜めておくための貯水用容器がある2層構造になっています。
スリット鉢の底には、根にしっかりと水分を届ける効果がある給水ヒモもあり。
サイズは幅12cm×奥行27cm×高さ14.5cmで、カラーはブラウンのみのものと、ブラウン・オレンジ・グリーンの3色がセットになっているものがあります。
貯水用容器部分は、どのくらい水が残っているか一目でわかる構造になっているので便利です。
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スリット鉢を使って効率よく植物を育てよう
今回はスリット鉢の特長や魅力についてご紹介しました。スリット鉢を活用すれば根のサークリング現象を防げるため、効率良く植物を育てることができます。
実際に使うときは土の入れ方、鉢を置く場所に注意して上手く活用してくださいね。基本的にはどんな植物でも植えることができるので、ぜひ使ってみてください。