ガーデニングの品種の中で常に人気がある多肉植物。今回はさまざまな種類の多肉植物の中でも、特に人気の高い品種をご紹介します。初めて多肉植物を育てる方へ、育てやすい品種もピックアップしましたので、多肉植物を選ぶ際の参考にしてください。
多肉植物はなぜ人気?多肉植物の魅力
多肉植物がガーデニングをする方になぜ人気なのか、考えられる理由は以下の点です。
- 育てやすい品種が多い
- 愛らしい見た目に癒される
- 狭いスペースでも育てられる
- 花を咲かせたり紅葉したりする種類があり楽しみ方がいろいろある
多肉植物にはさまざまな種類があり、なかにはお手入れを頻繁にしなくても元気に育つ品種もあります。日中に家を空けがちな方でも育てやすいのがポイントのひとつです。
多肉植物には、見た目もさまざまなものがあります。なかでも多いのが、葉がぷくっとした種類の多肉植物。葉の形もいろいろなものがあり、紅葉したり、花を咲かせたりする種類も。可愛らしい見た目に癒される方も多いようです。
多肉植物のサイズは小さめで、テーブルの上や狭いスペースに置いてもインテリアの邪魔をしません。スペースの限られた部屋で植物を育てたいと考える方にもおすすめです。
多肉植物の詳しい育て方についてはこちらの記事をご覧ください。
初心者におすすめの多肉植物3選
ここからは早速、人気の多肉植物をご紹介していきます。まずは初心者でも育てやすい多肉植物を3種類ピックアップしました。
【夏型】アロエ
化粧品や食品などで親しみがあるアロエは、ユリ科の多肉植物です。アロエの葉は分厚く、表面にとげがあります。アロエは原種が500ほどあるといわれ、グリーン一色のものもあれば、模様が入っていたり、赤っぽい色のアロエもあったりします。
また、アロエのサイズもテーブルに置ける小さいものから、リビングの床や出窓などに置ける大きめの鉢まであります。
アロエは夏型の多肉植物に分類されます。春から初秋頃までは日に当ててあげることで元気に育ちます。水を与えすぎるとアロエの株が弱るため、あげすぎに注意しましょう。
アロエは水やりの手間が少ないため、初めての多肉植物におすすめです。
【春秋型】ハオルチア|ハオルチア オブツーサ
オルチアは、水をたくわえた葉が透き通って見える姿が美しい、人気の多肉植物です。ハオルチアには、水を含んでぷっくりした葉の品種や、アロエに似ている硬めの葉の品種があります。
ハオルチアの種類の中で、初めて多肉植物を育てるのにおすすめなのが、オブツーサという品種です。オブツーサの葉は肉厚で、水をたっぷりと含んだ様子と葉の模様が見える、まるで宝石のような品種です。
オブツーサは乾燥した環境を好みます。日光が直接当たる場所は避けて、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
【春秋型】セダム
多肉植物の中でもとても多くの種類があるのがセダムです。セダムは、全世界の暖かい地域に500もの種類があるといわれています。
セダムの形は花のようなもの、豆や葉に見えるものなどいろいろとあり、紅葉するものや花が咲くものもあります。セダムは多肉植物の寄せ植えにも人気です。
セダムの葉は小さくぷくっとしていて、丈夫で育てやすいため初心者におすすめです。鉢植えのセダムは葉が密集しがちのため、風通しの良い場所に置いてあげましょう。
繁殖力の強い種類であるセダムは、鉢植えで育てるほかにグランドカバーとしても使われています。
人気の高い多肉植物10選
次にご紹介するのが、多数の種類がある多肉植物の中から人気の高い多肉植物たちです。
【春秋型】エケベリア
中南米を原産とするエケベリアは、バラの花のようにも見える、重なり合った葉が特徴の多肉植物です。秋になると紅葉する種類もあります。
エケベリアは多肉植物同士の寄せ植えにも使われることが多く、寄せ植えの主役になります。
エケベリアの生育期は夏と秋で、その前後はゆるやかに生長します。
春秋型のエケベリアは丈夫で育てやすいのが特徴ですが、暑さに強いもの・弱いものの種類があるため、購入前に育て方をよく確認すると良いでしょう。
【夏型・春秋型】コチレドン
アフリカ・アラビア地方が原産のコチレドンは、花が咲く種類の多肉植物です。コチレドンの形やサイズは、品種によって異なります。
コチレドンの中でも「熊童子錦(くまどうじにしき)」という種類は、葉の先にある黒い突起が熊の手のように見えることから名付けられたといわれています。
コチレドンの葉の大きさは、ご紹介した熊童子錦は小ぶりサイズで、ほかに手のひらほどの大きさの種類もあります。
コチレドンの花は下向きのベルのような形で愛らしく、花を咲かせるタイプの多肉植物をお探しの方におすすめです。
【春秋型】パキフィツム
肉厚の葉が可愛らしいパキフィツムは、春秋型の多肉植物です。葉は緑色で、表面はうっすらと白く粉が吹いたような見た目をしています。
日本で人気のパキフィツムの種類は「桃美人(ももびじん)」と呼ばれるものです。桃美人は、葉先がピンク色をしていて、気温が下がる時期はピンク色が濃くなった姿を見せてくれます。
パキフィツムは桃美人のほかに、「月美人」や「星美人」など、美人とつく種類があります。どの種類も園芸店で購入可能です。
パキフィツムは7月中旬〜8月下旬と、11月下旬〜2月下旬は生育が止まりますが、ほかの時期はゆっくりと生育するといわれています。
高温多湿が続く環境が苦手な植物のため、できるだけ風通し良い場所に置いてあげましょう。
【夏型】カランコエ
夏に生育期を迎えるカランコエは、気温が上がる時期に元気に育つのが特徴です。花を楽しむ種類と、印象に残る葉の形をした種類があります。
カランコエの種類の中でもユニークな葉の形をしているのが、「子宝弁慶草(こだからべんけいそう)」という種類です。子宝弁慶草は、大きな4枚の葉の縁に子株が生えて、葉にフリルがついたような見た目が目を引きます。
子宝弁慶草の子株が葉からこぼれ落ちるとどこでも根を張り、新たな株を作ります。
カランコエの葉は、短い毛でおおわれているものが多く、形はさまざまです。カランコエは鮮やかな色の花を咲かせ、花の形も一重・八重・釣り鐘型などがあります。
カランコエは夏が生育期のため、冬の寒さに耐えるのが苦手です。鉢植えでも外で栽培している場合は、気温が5度を下回った時点で室内に移動させてあげましょう。
【冬型】アエオニウム
アエオニウムは、冬に生育期を迎える多肉植物です。アエオニウムは原種が40種類近くあり、特徴もそれぞれ異なります。
多肉植物の寄せ植えでよく見られるアエオニウムの種類が、葉がバラが咲いたように広がる品種です。
アエオニウムの葉の色は、明るい緑・黒・白や黄色の斑が入ったもの・紅葉するものなど、いろいろな種類があります。
アエオニウムの種類の中には、茎立ちと言って、茎が真っすぐ立ち、その上に葉が展開するものもあります。多くの多肉植物は、茎がほぼ見えないため、アエオニウムは珍しい多肉植物の種類とも言えます。
また、休眠近くになると眠るように葉を閉じてしまうアエオニウムの種類もあり、変化にとんだ姿を見せてくれるのも特徴です。
アエオニウムは冬型ですが、気温が5度を下回る環境は苦手なので、極寒の時期は室内で育てましょう。気温の上がる季節は水やりを最低限にして休眠させます。
【春秋型・夏型・冬型】クラッスラ
クラッスラは、葉がぷっくりとしていて寄せ植えにもよく使われる人気の多肉植物です。
クラッスラは約200種類あるといわれていて、世界中のさまざまな場所で自生するため、生育型も春秋・夏・冬の3タイプがあります。
クラッスラは種類によって見た目が大きく変わります。秋になると葉が紅葉して真っ赤になるものや、寒くなると緑の葉がピンク色に変化するもの、葉が星の形をしたもの、白い小花を咲かせるものなど、いろいろな種類のクラッスラを集めて寄せ植えするのも楽しいかもしれません。
クラッスラは生育型が3通りあり、生育期の育て方や水やり方法などはそれぞれ異なります。クラッスラを購入する前にはどのタイプの生育型なのかをチェックして、その生育型に合わせたお手入れをして栽培を楽しみましょう。
【春秋型】サボテン
春秋生育型のサボテンも人気の多肉植物です。乾燥した地域や雨が少ない地域などで元気に育つため、水やりの頻度が少なく、初心者も育てやすいのが特徴です。
サボテンは1,000を超える品種が存在しているといわれ、大きさや形、トゲなどもいろいろな種類があります。
サボテンの中には花を咲かせる品種もあり、緑色と鮮やかな花の色のコントラストを楽しめます。また、サボテンのトゲは強そうなイメージを与えますが、なかには柔らかなトゲのサボテンもあり、ふんわりとした優しい印象を与えてくれます。トゲのない種類のサボテンもあるため、好みのサボテンを見つけるのも楽しみのひとつでしょう。
サボテンは園芸店はもちろん、ホームセンターや100均ショップでも手に入るため、気軽に多肉植物生活を始められるのも魅力です。
【春秋型】ゴーラム クラッスラ
クラッスラ属のひとつであるゴーラムクラッスラは、「宇宙の木」と呼ばれる、ユニークな葉の形が目を引く多肉植物です。
ゴーラムクラッスラの葉の形は棒状で、先がくぼんでいます。葉の色は緑色をしていて、秋になると葉先の縁が赤く紅葉します。
ゴーラムクラッスラの葉は一律の太さではなく、太かったり細かったりとさまざまです。伸び方も異なり、ひとつひとつの鉢で見え方が変わります。正面から見ても、上からや横から見ても葉の形が違い、飽きることがありません。
ゴーラムクラッスラは春秋型に分類されているものの、夏の間も元気に生長します。湿度に弱いため、管理の際は注意しましょう。
【春秋型】グリーンネックレス
小粒の丸い葉がコロコロと密集して垂れ下がる姿が可愛らしいグリーンネックレス。水をたくわえた葉は、緑色のものや、白の斑が入ったものがあります。
つる性の多肉植物で、葉が下向きに垂れ下がるのが特徴のため、部屋の中で吊り下げるようにして栽培すると、ビーズのような葉が流れるように落ちる姿を楽しめます。
グリーンネックレスは花を咲かせることもでき、白く小さな花からはほのかに香りがします。
春秋に生長期を迎えるため、夏の間は水やりを控えるようにしましょう。直射日光も苦手な植物のため、レースのカーテンで光を遮るなどして日を当てるのが良いでしょう。
成金草
成金草(なりきんそう)は、「金のなる木」とも呼ばれる多肉植物です。葉は厚みがあり、楕円形や卵形が主流です。葉の表面はツヤがあり、色は緑一色のもの・ピンク色や白色の斑が入るもの・紅葉して赤くなるものなどがあります。
成金草をじょうずに管理して大きな株になると、ピンク色と白色の小さく可愛らしい花をたくさん咲かせてくれます。小さな株から花を咲かす成金草の品種もあります。
厚みのある葉に水分をためるため、水やりの頻度も多くなく初めての方でも育てやすいでしょう。
成金草は耐陰性が低いため、置き場所は日当たりの良い場所を選びましょう。
多肉植物をおしゃれに飾るなら寄せ植えがおすすめ
「いろいろな種類の多肉植物があってひとつに絞れない…」「おしゃれに多肉植物を飾りたい」こうしたお悩みやご希望がある方は、ぜひ寄せ植えにチャレンジしてみてください!
多肉植物を寄せ植えする際のポイントは5つです。
- 同じ生育型や性質の種類を寄せ植えする
- いろいろな色の多肉植物を植える
- 植える時期は春か秋
- 寄せ植え専用の土を使う
- 寄せ植えは間隔をあけずにぎっしりと
ひとつずつ解説します。
同じ生育型や性質の種類を寄せ植えする
多肉植物の寄せ植えで一番注意したいポイントが、同じ生育型や性質の種類の多肉植物を選ぶことです。生育型は春秋・夏・冬の3通りがあり、違う生育型の多肉植物を合わせると、水やりのタイミングがバラバラになるため、寄せ植え後の多肉植物が育ちにくくなります。
また、日光を好む性質のものや、乾燥に強いタイプなど、同じ性質の多肉植物を合わせることが寄せ植えの成功につながるでしょう。
いろいろな色の多肉植物を植える
いろいろな種類の多肉植物を寄せ植えするなら、色が単一にならないように、緑以外の色の多肉植物や、秋に紅葉する種類のものを選ぶのがおすすめ。季節が変わるとまた違った顔を見せてくれます。
植える時期は春か秋
多肉植物を寄せ植えするときは、秋か春に行いましょう。暑く、湿度も高い日本の夏は多肉植物が弱りやすく、寄せ植えするとさらにダメージを受けやすくなります。気候の良い春か秋に寄せ植えするのがおすすめです。
寄せ植え専用の土を使う
多肉植物の寄せ植えに使う土は、植え替え用の土のほか、寄せ植え専用の土を使うこともおすすめです。寄せ植え専用の土は水を加えて混ぜると粘り気が出てくるため、多肉植物の苗を固定しながら作業することで、寄せ植えが簡単になります。
寄せ植えは間隔をあけずにぎっしりと
多肉植物を寄せ植えする際は、いろいろな種類の多肉植物をぎっしりと詰め込むように植えることで魅力がアップします。植物同士の間隔をできるだけ開けずに寄せ植えしましょう。
寄せ植えのおしゃれな飾り方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
人気の多肉植物を選んでガーデニングライフをもっと楽しもう
これから多肉植物を集めたいと考えている方は、初心者でも育てやすい人気の多肉植物から選ぶのがおすすめです。多肉植物の栽培に慣れてきたらぜひ寄せ植えに挑戦してみましょう。
人気の多肉植物を家に飾って、充実したガーデニングライフを送ってくださいね。