「緩効性肥料を与えてみたいが、どれが良いかわからない」「そもそも、緩効性肥料とほかの肥料との違いも知りたい」そのような方に向けて、この記事では緩効性肥料の特徴や選び方＆使い方、おすすめの一品をご紹介します。ほかの肥料との違いもあわせて確認していきましょう。
緩効性肥料（かんこうせいひりょう）とは？
緩効性肥料（かんこうせいひりょう）とは、植物に与えたときから緩やかに効果を発揮し始め、数ヶ月から半年のような長期間に渡って効果が持続する肥料のことです。
家庭園芸用の肥料の一種で、基本的に固形であるのが特徴です。
一度与えるだけで長く効果を期待でき、植物にゆっくりと優しく栄養を与えられることから、園芸入門者の初めての肥料にも向いています。
緩効性肥料と遅効性肥料と速効性肥料の違い
市販されている家庭園芸用の肥料には、緩効性肥料のほかに「遅効性肥料（ちこうせいひりょう）」や「速効性肥料（そっこうせいひりょう）」もあります。
3者の違いは以下の通りです。
【緩効性肥料と遅効性肥料と速効性肥料の違い】
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| 緩効性肥料（かんこうせいひりょう） | 与えたときから緩やかに効果を発揮し始め、数ヶ月～半年など長く効果が持続する肥料 |
| 遅効性肥料（ちこうせいひりょう） | 与えてもすぐには効果を発揮せず、1ヶ月ほど後から長期間に渡って効果が持続する肥料 |
| 速効性肥料（そっこうせいひりょう） | 与えたときからすぐに効果を発揮し、1週間ほどで効果が切れる短期的な肥料 |
どれも観葉植物や花に栄養を与えるためのアイテムですが、効果の発揮される時期に違いがあります。
緩効性肥料は、植物の植え付け・植え替え時のようなジワジワと長く栄養を与えたいときに重宝する肥料です。
緩効性肥料の種類
緩効性肥料はさらに、「緩効性化学肥料」「緩効性化成肥料」「（緩効性の）有機肥料」の3種類に大別できます。それぞれの特徴は以下の通りです。
【遅効性肥料の種類】
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 緩効性化学肥料 | ・鉱石のような無機物を原料とし、化学的な加工で生まれた肥料 ・無味無臭なアイテムが豊富 ・ひとつの成分に特化したものを「単肥（たんぴ）」、窒素・リン酸・カリウムのうち2つ以上の成分が配合されたものを「複合肥料」と呼ぶ |
| 緩効性化成肥料 | ・遅効性化学肥料の一種 ・同じく無機物を原料とし、化学的な加工で生まれた複合肥料のこと |
| 有機肥料 | ・骨粉や米ぬか、動物の糞などの有機物を原料とする肥料 ・オーガニック栽培に役立つが、害虫が湧きやすく、臭いの気になるアイテムが多い ・緩効性ではなく遅効性の一品も多い |
一見すると複雑ですが、普段使いでは「化学（化成）」か「有機」かの2種類の違いだけを意識しておけば大丈夫です。
オーガニックにこだわりのない場合は、扱いやすい「化学（化成）」の緩効性肥料を選ぶことをおすすめします。
【初心者向け】緩効性肥料の選び方＆使い方
では、初心者向けの緩効性肥料の選び方＆使い方を見ていきましょう。大切なのは、以下の3点です。
- 自分の観葉植物に与えられるものを選ぶ
- 元肥用か追肥用かチェックする
- 使い方は「土に混ぜ込む」か「土の上に置く」が基本
自分の観葉植物に与えられるものを選ぶ
特に意識しておきたいのは、自分の観葉植物や花に与えられる緩効性肥料を選ぶことです。
前提として、市販されている緩効性肥料は、それぞれ「バラ用」や「鉢物用」など与えられる植物が指定されています。
肥料の効果を正常に発揮してもらうためには、この指定を守らなければいけません。
なかには「花も野菜も観葉植物もOK」のように、幅広い植物に与えられる緩効性肥料も販売されています。迷ってしまう方は、このようなアイテムをご活用ください。
元肥用か追肥用かチェックする
自分の植物に必要な肥料は、「元肥用」なのか「追肥用」なのかもチェックしておきましょう。市販の緩効性肥料は、元肥か追肥のどちらか向けに作られていることがあります。
元肥とは、植物の植え付けや植え替え時の肥料のことです。ジワジワと長く効果を発揮する緩効性肥料とは相性が良く、活躍を期待できます。
一方の追肥とは、特定の時期に追加で栄養を与えるための肥料のことです。
ただし、追肥は速効性の期待できる肥料の方が適していることもあるため、本当に緩効性肥料で良いのか確認しておきましょう。
速効性のある肥料が必要な場合には、以下の液体肥料の記事もあわせてご確認ください。
使い方は「土に混ぜ込む」か「土の上に置く」が基本
緩効性肥料の使い方は簡単で、基本的に「（植え替えや植え付け時に）土に混ぜ込む」か「土の上に置く」のみです。説明書の指示量・手順を守るだけで問題ありません。
ポイントとして、肥料は与えすぎるとかえって植物に負担となります。
酷い場合には「肥料焼け（肥料のやり過ぎで苗の浸透圧が壊れるトラブル）」により、苗が枯れてしまうこともあります。
元気になって欲しくて肥料を与えるのに、植物を傷つけては残念です。必ず説明書通りの用法・用量を厳守してくださいね。
初心者も扱いやすいおすすめの緩効性肥料10選！
ここからは、初心者も扱いやすい便利な緩効性肥料をご紹介します。自分の植物に適したものをぜひ吟味してみてください。
【サンアンドホープ】なが～く効く 花の肥料 1.3kg
ポチップ最初にご紹介するのは、ピンクの可愛らしいパッケージが目を惹く『サンアンドホープ』の緩効性肥料です。
自慢の花を色鮮やかに咲かせるために役立つ一品で、元肥にも追肥にも利用できます。
約100日間と長期間効果を期待できるほか、密閉チャック付きの袋に入っていて保管が簡単なのも長所です。
裏面の推奨量を見ながら、適量を土に混ぜ込むか乗せてあげるだけで活躍してくれます。
【サンアンドホープ】寒肥・お礼肥
ポチップ同じく『サンアンドホープ』の“寒肥・お礼肥”は、庭木＆果樹に与えるための緩効性肥料です。
寒肥とは冬に与える肥料を、お礼肥とは開花後（結実後）の肥料を指します。植物の種類にもよりますが、庭木＆果樹は適量の寒肥・お礼肥を与えると長く健康な姿を楽しめます。
有機の緩効性肥料ながらペレット状に加工されていて、撒きやすいのも特徴です。
【三菱商事アグリサービス】IB緩効性肥料 1kg
ポチップ「あらゆる植物の元肥にも追肥にも」を掲げる便利な一品が、『三菱商事アグリサービス』の“IB緩効性肥料 1kg”です。
窒素・リン酸・カリウムと主要な栄養成分がすべて配合されています。
大手ブランドの販売品かつ研究開発が国内で行われているため、信頼性が高いのが魅力です。野菜のような、人の口に入る植物を育てているときにも安心して与えられます。
【ハイポネックス】肥料 マグァンプK 中粒
ポチップ約1年間と圧倒的な長期間効果を発揮してくれる緩効性肥料が、『ハイポネックス』の一品です。
土に混ぜ込むタイプの元肥で、1966年の発売以来ロングセラーとして愛されています。観葉植物や草花、野菜に球根とさまざまな植物に対応しているのも嬉しいポイントです。
効果の発揮のされ方も優しく、植物に負担をかけにくいため、初めて緩効性肥料を使ってみたい方にも◎です。
【花ごころ】IBのチカラ グリーンそだちEX
ポチップ『花ごころ』の“グリーンそだちEX IBのチカラ”は、無臭で室内でも扱いやすい緩効性肥料です。
IBDUと呼ばれる世界的に効果の認められた肥料成分が含まれていて、植物にゆっくりと栄養を与えられます。
粒状に加工されているお陰で、「4号鉢には5粒」のように初心者でも適量を与えやすいのも長所です。過去に肥料をやり過ぎてしまった経験のある方にも向いています。
【朝日工業】花ぼ～ろ
臭いが少なく、害虫も発生しにくいのが『朝日工業』の“花ぼ～ろ”です。室内の観葉植物にはもちろん、害虫が寄ってこないか心配なベランダでも安心して使えます。
難しい手順は不要で、規定量の粒を置くだけで効果を期待できる手軽さも魅力です。
袋には保管に便利なチャックも付いていて、育てている植物の数が少ない方も自分のペースで消費できます。
【住友化学園芸】MY PLANTS 長く丈夫に育てるタブレット
ポチップ見た目のおしゃれな緩効性肥料を与えたいこだわり派の方には、『住友化学園芸』の“MY PLANTS 長く丈夫に育てるタブレット”がぴったりです。
人間が飲むサプリメントのような粒に加工されている一品で、肥料特有の見た目の野暮ったさがありません。
臭いもなく手も汚れにくい一品でありながら、効果は約4ヶ月間としっかり長続きします。
【住友化学園芸】マイガーデンベジフル粒700g
ポチップ美味しい野菜や果物を作るために緩効性肥料を探している方には、同じく『住友化学園芸』の“マイガーデンベジフル”が適しています。
特許技術により、時期や植物の生育に合わせて肥料が溶け出し、効率良く栄養を与えられる緩効性肥料に仕上がっています。
土の活力を引き出す「腐植酸」も配合されていて、大切な植物を土台からもサポートしてくれるでしょう。
【ハイポネックス】プランティア 花と野菜と果実の肥料
ポチップ『ハイポネックス』の“プランティア 花と野菜と果実の肥料”は、元肥にも追肥にも利用できる有機成分入りの緩効性肥料です。
主要な栄養のほかにカルシウムやマグネシウムも入っていて、植物の根付きを手助けします。
パッケージの裏面には使用量や計量の目安が記載されているため、初めての方も戸惑うことなく与えられるでしょう。700gとたっぷり入っていますが密閉チャック付きで、使い切ろうと急ぐ負担もありません。
【花ごころ】観葉・多肉の肥料
ポチップ最後にご紹介するのは、立派な葉が自慢の観葉植物を育てている方におすすめしたい緩効性肥料、『花ごころ』の“観葉・多肉の肥料”です。
臭いの少ない錠剤タイプの緩効性肥料で、株元の近くに適量を置いてあげるだけで、葉が青々と成長するのを手助けできます。
「3〜4号鉢なら1錠」など使用量が明確で、間違えにくい点も嬉しいですね。
緩効性肥料で優しく観葉植物に栄養を与えよう！
この記事では緩効性肥料について、特徴やほかの肥料との違いと種類、選び方＆使い方、おすすめの一品をご紹介しました。
緩効性肥料は一度与えると長く優しく効果を発揮してくれる、便利なアイテムです。自分の植物に与えられる一品を選ぶなど、ご紹介した内容を参考にぜひ試してみてくださいね。
