ナスタチウムは花色が鮮やかで、花壇やプランターを明るい印象にしてくれるつる性の一年草です。花を見て楽しむだけでなく、食用としても親しまれています。この記事では、ナスタチウムの特徴や基本的な育て方、トラブルの対処法、増やし方について、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。
ナスタチウムの特徴
まずは、ナスタチウムの特徴や種類、性質など基本的な情報についてお伝えします。
メキシコから南米に分布するつる性の一年草
ナスタチウムは、ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属に分類されるつる性の一年草で、メキシコから南米にかけて分布しています。
花言葉は「愛国心」「勝利」「恋の炎」と、力強さや情熱を感じさせる言葉がつけられています。「愛国心」という花言葉は、葉が盾のように見えることと、ナスタチウムの赤い花は血の色のように鮮やかなことから、勇敢な戦士をイメージし付けられたといわれています。
食べられるお花「エディブルフラワー」
ナスタチウムは食べられる花「エディブルフラワー」としても人気です。サラダなどにナスタチウムの花を散らすと、一気にトロピカルで華やかな雰囲気に変わります。
ナスタチウムを自宅で育てると、摘んで食卓に利用できる点も魅力ポイントです。
別名「金蓮花(キンレンカ)」としても親しまれている
ナスタチウムのことを日本では、「金蓮花(キンレンカ)」と呼びます。金蓮花という呼び名は、ハスのような葉を持ち、金色の花を咲かせることから名付けられました。
ナスタチウムの金色の花を持つわけではありませんが、日に照らされて咲くオレンジや黄色の花々が輝いて見えたことから「金」という字が使われたのかもしれませんね。
ナスタチウムを上手に育てるポイント
ナスタチウムは丈夫で育てやすい植物ですが、生育環境が適したものでなかったり、日々の手入れを怠ってしまうと、元気を失ってしまう可能性があります。
ナスタチウムを元気に育てるポイントは、以下の5つです。
日当たりの良い場所を好むが直射日光は苦手
ナスタチウムを育てるときは、日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。ただし、厳しい暑さは苦手なので、夏になったら半日陰の場所に移してあげてください。
地植えの場合は、遮光ネットなどを使って強い日差しからナスタチウムを守るようにしましょう。
地植えも可能だが鉢植えがベスト
先ほどもご紹介したとおり、ナスタチウムは厳しい暑さが少し苦手です。そのため、地植えにするよりも、プランターや鉢植えの方が適しています。
つる性で鉢からこぼれるように咲くので、コンテナやハンギングにも最適です。ナスタチウムがあると、パッと場の雰囲気が明るくなりますよ。
多湿な環境は苦手!水の与えすぎには注意
ナスタチウムは、ジメジメした多湿の環境が苦手です。植物は当然、水分を必要としていますが、与えすぎると元気を失ってしまいます。
鉢やプランターに植えている場合は、土が乾いているのを確認してから、鉢底から水が流れ出すくらいたっぷりかけてあげてください。
地植えの場合は、水やりはほとんど必要ありません。乾燥が気になるときや、「元気がないな」というタイミングでかけてあげればOKです。
花付きを良くするために肥料は与えすぎない
ナスタチウムは、肥料を与えすぎると花付きが悪くなってしまいます。植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおけば、定期的に肥料を与える必要はありません。
鉢植えの場合、夏を除く開花時期に液体肥料を2週間に1度のペースで与えましょう。地植えであれば、肥料は与えなくても大丈夫です。
あとは、開花時期である6月~7月と9月~10月に2週間に1度のペースで液体肥料を与えるようにしましょう。
花がら摘みや摘心をする
ナスタチウムをキレイに育てるには、花が咲き終わったらこまめに花がら摘みをすることが大切です。花がら摘みをするときは、花がらの付け根から切り取ればOKです。
また、ナスタチウムの本葉が6枚くらいまで成長したら、頂点にある芽を手で摘み取ってください。摘心をすると、摘み取った部分から新しい芽が出てくるので、株が大きくなり花付きも良くなります。
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ナスタチウムを育てるときに起こりやすいトラブル&対処法
ナスタチウムを育てる際に起こりうる、病気と害虫について解説します。
トラブルが起きたときの対処法もご紹介しますので、ぜひチェックしておいてください。
【病気】立ち枯れ病に注意
ナスタチウムに限った話ではありませんが、植物は「立ち枯れ病」にかかる可能性があります。立ち枯れ病は、ジメジメした環境で発生しやすい病気です。
立ち枯れ病にかかると、根や地際部分に黄色や赤色のカビが発生し、植物が立ち枯れてしまいます。
予防としては、水捌けの良い清潔な土を使ったり、切り戻しをするなどして植物が蒸れないようすることが大切です。
【害虫】ハダニとハモグリバエが付きやすい
ナスタチウムを栽培する際に気を付けておきたい害虫は、ハダニとハモグリバエです。
- ハダニ
- ハモグリバエ
ハダニは、葉の裏につきやすい害虫で、発生すると葉に白い斑点がつくようになります。数が増えると養分を吸われてナスタチウムの株が弱ってしまうので、見つけたらすぐに対処するようにしましょう。
数が少なければ、ピンセットなどで取り除くことができますが、繁殖して数が多くなってしまうと一匹ずつ駆除するのは大変なので、殺虫剤を使用しましょう。
対策としては、葉水が効果的です。ハダニは湿気を嫌うので、葉に水をかけてあげると発生を防げます。
ハモグリバエの成虫は小さなハエですが、ナスタチウムの葉の組織内に卵を産みつけます。葉に白い線が出ていた場合は、ハモグリバエが発生している可能性があります。
葉の白い部分には、ハモグリバエの幼虫やさなぎがいるので、葉ごと摘み取ってそのまま処分しましょう。
ナスタチウムの増やし方
ナスタチウムを増やす方法は、「種を植える」「挿し芽をする」の2パターンです。
それぞれの方法について解説します。
種を植えて増やす
ナスタチウムの最もポピュラーな増やし方は、種まきをする方法です。種をまく時期は、3月から4月頃が適しています。タネは硬いので、一晩水につけて柔らかくしてから種をまくと発芽率がアップします。
育苗ポットなどに種を一か所につき一粒まき、土を軽く被せましょう。発芽するまで日当たりが良く風通しの良い場所で水やりをしながら管理してください。
挿し芽で増やす
挿し芽で増やす場合は、5月末から6月頃が最適です。3節ほどの長さで茎を切り、茎についている葉を2~3枚ほど残して取り除きましょう。
そして、育苗ポットや鉢に水はけの良い土を入れて挿し木します。ナスタチウムは根が出やすいので、だいたい10日ほどで発根します。
ナスタチウムは「コンパニオンプランツ」としても人気
ナスタチウムは、コンパニオンプランツとしても優秀です。コンパニオンプランツは、植物を一緒に育てることによって良い影響を与え合うことで、病害虫を抑制したり、成長を促すなどお互いに良い影響を与え合うことができます。
ナスタチウムは、キャベツやカブ、ブロッコリーなどアブラナ科の植物にハモグリバエやアブラムシ、コナジラミがつくのを防ぐことが可能です。
また、ナスやトマトと相性が良く、生育を助けてくれます。
ぜひナスタチウムと相性の良い野菜を一緒に育てて、元気に育ててみましょう。
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育て方の基本を押さえてナスタチウムの鮮やかな花を楽しもう!
ナスタチウムは、やや暑さに弱いものの、初心者でも育てやすいおすすめの植物です。花が食べられる「エディブルフラワー」としても人気で、鮮やかな花が食卓を華やかにしてくれます。
コンパニオンプランツとして野菜に害虫がつくのを防いだり、成長を促す働きもあるので、ナスタチウムがあるとさまざまな楽しみ方が可能です。
水やりなど適切な生育環境で管理しながら、ナスタチウムを元気に育てましょう。