冬の季節は、木々が枯れる上に日が暮れるのが早いため、玄関先や庭が寂しい印象になりがち。しかし、植物の選び方によっては、冬の庭先や庭も素敵に彩ることが可能です。この記事では、冬の寄せ植えに最適な花や植物の紹介を中心に、冬の寄せ植えを楽しむコツや注意点について解説します。
冬の寄せ植えに適した植物の特徴
冬は風が冷たく、時には雪が降り積もることも。そんな寒い季節の寄せ植えに適した植物の特徴は、以下の2つです。
- 耐寒性・耐陰性がある
- 長期間キレイな花を楽しめる
寒い冬に寄せ植えを楽しむために、このポイントはしっかり押さえておきましょう。
耐寒性・耐陰性がある
植物は種類によって暑さに強いもの、寒さに弱いものなどさまざまな特徴があります。冬の寄せ植えに選ぶ草花に絶対必要な条件は、寒さに強いということでしょう。
さらに、冬は日照時間が短く日差しも弱いため、耐寒性に加えて耐陰性のある植物を選ぶのがベストです。
耐陰性のない植物の場合、日照不足で枯れてしまう恐れがあるため、日当たりの良い場所に移動させてあげるなど手間をかける必要があります。
長期間キレイな花を楽しめる
冬は植物の成長が緩やかになるので、基本的に植え替えは行いません。
寄せ植えなどの場合、枯れた植物だけ植え替えたりすると、他の植物を痛めてしまう可能性があります。長くキレイな状態で寄せ植えを楽しむためにも、なるべく開花期間の長い植物を選ぶことをおすすめします。
冬の寄せ植えをおしゃれに楽しむコツ
寄せ植えは季節によって用いる植物が異なるので、季節ごとに印象が異なります。冬には冬ならではの魅力があり、楽しむコツがあります。
冬の寄せ植えで意識しておきたいポイントは、以下の3つです。
- クリスマスなど季節感を意識して植物を選ぶ
- シルバーリーフやカラーリーフを合わせる
- 高低差をつける
上記のポイントを押さえておくと、冬ならではの魅力的な寄せ植えができます。
クリスマスなど季節感を意識して植物を選ぶ
冬の寄せ植えには、ポインセチアやクリスマスローズのような、クリスマスらしい季節感のある草花を用いるなど、季節感を意識して植物を選ぶのもおすすめ。
季節を意識して植物を組み合わせると、よりおしゃれな雰囲気に仕上がります。
さらに、ホワイトメインにする、ワインカラーにする、ポイントに赤を添えるなど、色味を意識して寄せ植えをするとグッとセンスアップしますよ。
シルバーリーフやカラーリーフを合わせる
冬の寒さに耐えられる花の種類は少ないので、寄せ植えに寒さに強い常緑性のシルバーリーフやカラーリーフを加えると、パッと華やかになります。
シルバーリーフやカラーリーフの種類は豊富ですし、それぞれ葉の形や色合いが異なるので、さまざまな組み合わせ楽しんでみてください。
高低差をつける
寄せ植えは、高低差をつけると奥行きと立体感が出て華やかになります。寂しい印象になりがちな冬の寄せ植えには、特に高低差をつけて植える方法がおすすめです。
高低差を出したい場合は、器を3つのゾーンに分けて、正面から見て後方に背の高い植物を、中央に中程度の植物、前方に背の低い植物を配置していきます。
冬の寄せ植えを失敗しないための注意点
冬の寄せ植えを失敗しないために大切なポイントは、
- 生育環境や育て方の似ているものを選ぶ
- 水やりは控えめにする
- 小まめに花がら摘みをする
上記の3つです。
生育環境や育て方の似ているものを選ぶ
寄せ植えでは、同じ器で植物を管理することになるので、水やりの頻度や、好みの生育環境が似ている植物を組み合わせた方が管理が楽です。
手入れや生育環境が異なる植物同士だと、手間がかかってしまいます。
水やりは控えめにする
冬は基本的に植物の成長が緩やかになるので、他の季節と比べて水は控えめにするのがベターです。
水やりをする時間帯も、晴れた日の午前中に行うのがベスト。夕方以降だと、気温が下がって株が弱ってしまうことがあります。
小まめに花がら摘みをする
冬の時期に限ったことではありませんが、咲き終わった花を放置したままにすると見た目が悪くなってしまいますし、病害虫が発生する原因になることも。
咲き終わった花がらは、なるべく早めに摘むようにしましょう。
冬の寄せ植えおすすめ15選
最後に、冬の寄せ植えにおすすめの植物を15種類ご紹介します。
ガーデンシクラメン
- 科名:サクラソウ科
- 原産地:地中海沿岸
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:半日陰くらいまで
- 開花時期:10月~4月頃
- 花色:赤、白、ピンク、紫など
ガーデンシクラメンは、シクラメンを品種改良して誕生しました。シクラメンは、寒さに弱い植物ですが、ガーデンシクラメンは耐寒性があり冬でも屋外で楽しめます。
花色は、赤や白、ピンク、紫などがあり、花形もバリエーション豊富なので、冬の花壇を華やかに彩ります。
パンジー・ビオラ
- 科名:スミレ科
- 原産地:ヨーロッパ
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:ビオラの方が耐陰性が強い
- 開花時期:10月下旬~5月中旬
- 花色:白、紫、青、赤、ピンク、オレンジ、黄、茶、黒など
パンジーとビオラは、開花時期が10月下旬から5月中旬までと長く、手入れを適切に行えば次々と花を咲かせてくれる、冬の寄せ植えに欠かせない花です。
品種が豊富で、花色も白、紫、青、赤、ピンク、オレンジ、黄、茶、黒など多種多様で、毎年多くの新品種が登場しています。
パンジーとビオラの違いは、花のサイズです。パンジーの方がビオラより大きいのが一般的ですが、最近ではサイズの変わらない品種も登場しています。
ポインセチア
- 科名:トウダイグサ科
- 原産地:メキシコ
- 耐寒性:弱い
- 耐陰性:弱い
- 開花時期:12月~2月
- 花色:赤、白、紫、複色
ポインセチアは、別名「クリスマスフラワー」とも呼ばれる、クリスマスシーズンに欠かせない常緑低木です。
花びらのように見える部分は、苞(ほう)と呼ばれ、花の周りに作られます。ポインセチアの原種は、寒さに強いですが、市場で出回っている園芸品種は耐寒性が弱いので、屋内で育てるのがおすすめです。
クリスマスローズ
- 科名:キンポウゲ科
- 原産地:ヨーロッパ、西アジア
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:強い
- 開花時期:1月~4月
- 花色:白、ピンク、紫、緑、黄、黒など
日本では、キンポウゲ科ヘレボルス属の植物をひとくくりに「クリスマスローズ」と呼んでいますが、本来はクリスマスの時期に開花する「ヘレボルス・ニゲル」がクリスマスローズです。
クリスマスローズには、茎の低い無茎種と、緑色に低く茂った葉の中から、茎を長く伸ばす有茎種の2種類に分けられます。強健で育てやすい品種が多いので、冬の寄せ植えに欠かせない植物のひとつです。
スイートアリッサム
- 科名:アブラナ科
- 原産地:地中海沿岸
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:弱い
- 開花時期:10月~翌4月頃
- 花色:白、ピンク、オレンジ、黄色など
スイートアリッサムは、小花をたくさん付け、こんもりと生茂る姿が可愛らしい植物です。横に広がる性質があるため、グランドカバーとしても人気があります。
繊細で主張しすぎないので、寄せ植えに用いると、他の植物の魅力を引き立ててくれます。乾燥に強く扱いやすいので、初心者でも安心して育てられます。
ユキワリソウ(雪割草)
- 科名:キンポウゲ科
- 原産地:北陸地方、東北地方の日本海側
- 耐寒性:普通
- 耐陰性:強い
- 開花時期:2月下旬~5月上旬
- 花色:白、ピンク、紫、赤、紫など
ユキワリソウは、北陸地方や東北地方の日本海側に多く自生する植物です。まだ寒さの残る頃から、他の花に先駆けて花を咲かせ、人々の目を楽しませてくれます。
ユキワリソウの花の基本的なカラーは白ですが、ピンク、紫、赤、紫などさまざまな花色があり、咲き方も八重咲きなど多種多様です。
ノースポール
- 科名:キク科
- 原産地:北アフリカ
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:弱い
- 開花時期:12月~5月頃
- 花色:白
ノースポールはキク科の一年草で、白いマーガレットと似た花をつけます。
マーガレットとよく似ていますが、ノースポールの花径は2~3cmほどでマーガレットよりも小さめです。一つひとつの花は小ぶりですが、花付きがよいので見応えがあります。
丈夫な植物なので、初心者にもおすすめ。開花期間も12月から5月頃と長いので、一度植えておくと長く美しい花を楽しめます。
アジュガ
- 科名:シソ科
- 原産地:アジア、ヨーロッパ
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:強い
- 開花時期:4月~5月頃
- 花色:青紫、ピンク
アジュガはシソ科の常緑多年草で、耐寒性と耐陰性があるため、冬場も育てやすいのが特徴です。地面を這うように成長する匍匐性なので、グランドカバーにもおすすめ。
開花時期は4月から5月頃ですが、白の班入りの葉のものや、紫や緑色の葉など、葉っぱも美しいので、冬葉の寄せ植えの引き立て役に最適です。
葉牡丹(ハボタン)
- 科名:アブラナ科
- 原産地:ヨーロッパ
- 耐寒性:普通
- 耐陰性:普通
- 開花時期:3月~5月
葉牡丹(ハボタン)は、夏に種をまき、寒くなるとともに葉が色づき冬から春にかけて葉を鑑賞するアブラナ科の植物です。
葉牡丹は、元々キャベツを品種改良して誕生しましたが、現在は食用としてではなく観賞用として親しまれています。ヨーロッパ原産ですが、日本で盛んに品種改良が行われました。
葉の形も丸いものや、ちりめん状に縮れているもの、切れ目の入っているものなど多種多様です。さらに、緑と濃い紫色のものや、白と緑のものなどカラーバリエーションも豊富なので、冬の寄せ植えに人気があります。
ヒューケラ
- 科名:ユキノシタ科
- 原産地:北米、メキシコ
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:強い
- 開花時期:5月~7月中旬
- 花色:赤、ピンク、白など
ヒューケラは、シルバー、赤、オレンジ、緑、黄、紫、斑入りのものなど葉っぱの色味のバリエーションが豊富で、カラーリーフとして寄せ植えにも人気です。
常緑性で一年を通して同じ草姿を楽しめるのも魅力的。寒さにも強く日陰でもよく育つので、冬の寄せ植えに重宝します。
5月~7月中旬頃に、釣鐘型の小ぶりな花を咲かせます。花は長持ちするので、切り花にするのもおすすめです。
プラチーナ
- 科名:キク科
- 原産地:オーストラリア
- 耐寒性:強い
- 耐陰性:強い
- 開花時期::5月~7月
- 花色:白、黄
プラチーナは、光に当たると白銀に輝く姿が美しいシルバーリーフです。白色の毛が密生した枝葉は絡み合いながらこんもりとした樹形を作ります。
白もしくは黄の小花が5月~7月頃開花しますが、花も枝葉も繊細な雰囲気であり、色鮮やかな花との相性抜群です。
冬のおしゃれな寄せ植えを楽しもう!
冬の庭先や花壇はどうしても寂しくなりがちですが、冬に美しい花を咲かせる植物や、色鮮やかな葉を持つカラーリーフを組み合わせて寄せ植えを作ることで、パッと華やかになります。
冬の寄せ植えをするときには、耐寒性と耐陰性があって、開花期間の長い植物を選ぶのがおすすめ。
カラーテーマを決めたり、季節に合わせて植物を組み合わせるとグッとセンスアップします。ぜひ、今回の情報を参考に冬の寄せ植えを楽しんでみてくださいね。