まるで蝶々のような華やかさを持つパンジーは、花色が豊富で花壇や寄せ植えなどで人気の一年草です。今回は、パンジーの特徴や上手に育てるポイント、トラブルの対処法、増やし方など、パンジーの育て方の基礎知識を一挙にご紹介します。
パンジーの特徴
まずは、パンジーの特徴や性質など基本的な情報についてお伝えします。
花色が豊富な一年草
パンジーは品種改良により何百もの種類があり、毎年新しい品種が登場しています。黄・赤・青・白色など花色も豊富ですが、八重咲き、フリル咲きなど、さまざまな咲き方のものがあるのも特徴です。
種類が豊富なので、好みの色味や花形を見つけやすいのもパンジーの魅力のひとつだと言えるでしょう。
初心者でも育てやすい
パンジーは、管理する環境や水やりなど基本的な育て方のポイントさえ押さえておけば、初心者でも簡単に育てられる丈夫な花です。
記事の中で、パンジーを上手に育てるポイントをお伝えしますので、そちらを参考にして育ててみてください。
鉢植えやプランター・花壇など幅広く楽しめる
色味や咲き方の豊富なパンジーは、花壇やプランター、寄せ植えなど幅広く楽しめる人気の植物です。
寂しい花壇であっても、パンジーを植えるとパッと明るくなるような華やかさがあります。少し華やかさが欲しいなと感じるときは、ぜひパンジーを植えてみましょう。
パンジーを上手に育てるポイント
パンジーは丈夫で育てやすい植物ですが、生育環境が適したものでなかったり、手入れを怠ってしまうと、元気を失ってしまう可能性があります。
パンジーを元気に育てるポイントは、以下の5つです。
- 明るく風通しの良い場所で育てる
- 水はけが良く保水性もある土が最適
- 水やりは季節に応じて
- 花が咲いている期間は定期的に追肥する
- 切り戻しや花がら摘みをする
それぞれのポイントについて、詳しく説明していきますね。
明るく風通しの良い場所で育てる
パンジーを育てるときは、なるべく明るく風通しの良い場所で管理しましょう。日があまり当たらないところで育ててしまうと、花数が少なくなってしまいます。
また、日光が足りないと株がひょろひょろと弱くなり、病害虫の被害にも遭いやすくなるので要注意です。
水はけが良く有機質に富んだ土が最適
パンジーを植え付けるときは、水はけが良く有機質に富んだ土を選びましょう。市販の土を使用したい場合は、パンジー専用の用土か花用の用土を用いてください。
自分で配合する場合は、赤玉土7:腐葉土3か、赤玉土7:ピートモス3の割合で混ぜ合わせます。ここに堆肥や化成肥料を加えると根の張りが良くなります。
堆肥を使う場合は、植え付ける1~2週間前には用土に加えておきましょう。予め発酵させることで、パンジーの根への負担を軽減できます。
水やりは土が乾いたタイミングにたっぷりと
パンジーに水を与える場合は、土が乾燥したタイミングで鉢底から流れ出るくらいたっぷり水やりをします。水やりをする時間は、午前中がベストです。
特に冬場は午後に水やりをしてしまうと、夜までに土が適度に乾かず、霜でパンジーの根が傷ついてしまう可能性があります。
地植えの場合は、雨が少なく乾燥する時期だけ水やりをすればOKです。
花が咲いている期間は定期的に追肥する
パンジーは秋~春にかけて長期間花を咲かせるので、その分多くの栄養分が必要です。花が咲いている期間は、定期的に追肥するようにしましょう。
鉢植えやプランターの場合は月に2~3回液体肥料を薄めて与え、地植の場合は月に1回ほど緩効性肥料を与えます。
切り戻しや花がら摘みをする
パンジーは花を咲かせる期間が長いため、茎が伸びやすく倒れて枯れてしまうことがあります。このような事態を防ぐために、間延びした茎は「切り戻し」をしてください。
茎がひょろひょろと徒長気味になってきたら、思い切って半分くらいに切り戻しすることをおすすめします。
梅雨には株間が混み合って湿気が溜まりやすくなるので、梅雨前には一度空気が通りやすいように、混み合った箇所を切り戻ししましょう。
また、パンジーの花が咲き終わると実をつけます。実をつけると栄養がそこに集中してしまい、花や葉の元気がなくなってしまったり、病気にもかかりやすくなります。
元気のない花があれば、花をつけている茎を根元からひねるように摘み取る「花がら摘み」を行ってください。
傷んだり弱った葉があれば同じような方法で摘み取ると、ほかに栄養を回すことができるので、元気な状態を長く楽しめます。
パンジーを育てるときに起こりやすいトラブル&対処法
パンジーを育てる際に起こりうる、トラブルについて解説します。
トラブルが起きたときの対処法もご紹介しますので、ぜひチェックしておいてください。
灰色かび病にかかることも
パンジーは葉が茂って風通しが悪くなってしまうと、灰色かび病にかかることがあります。灰色かび病はジメジメした環境で発生しやすいので、切り戻しや花がら摘みをして風通しを良くして管理しましょう。
アブラムシやナメクジに要注意
冬の間はあまり病害虫の心配はいりませんが、気温が上がってくる3月くらいになると新芽や蕾にアブラムシやナメクジがつくことがあります。
アブラムシやナメクジを放置すると、株が弱ってしまい最悪枯れてしま可能性があるため注意が必要です。薬剤が効果的なので、発見次第駆除してください。
パンジーの増やし方
パンジーを増やす方法は、「種を植える」「新しい苗を植え付ける」の2パターンです。
それぞれの増やし方について解説します。
種から増やす方法・時期
パンジーの最もポピュラーな増やし方は、種まきをする方法です。種をまく時期は、8月中旬~9月上旬頃が適しています。10月以降に種をまくと、開花が遅くなってしまうので要注意です。
自家採取した種を使う場合は、7~8月に採取し冷蔵庫に入れて1ヶ月ほど冷やしておきましょう。
- 小分けされている種まき用の容器などに土を入れる。
- 種を重ならないように1粒1粒蒔いていく。
- 種が完全に隠れないよう薄く土を被せる。
- 霧吹きなどを使って土を湿らせる。
- 風通しの良い日陰で、乾燥に注意しながら管理する。
- 発芽したら日光が当たる場所に移動させる。
- 本葉が3~4枚出てきて、根がトレー内に張ってきたら鉢やプランター、花壇などに植え替える。
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苗の植え付け方法・時期
苗を新たに購入して増やす場合は、10~11月頃に植え付けるのがベストです。予め土づくりを済ませ、鉢やプランターを用意しておきましょう。
花壇などに地植えする場合は、庭土を掘り上げておいてください。
- ポットから苗を取り出す。
- 根が張っている場合は、3/1ほど手で揉み解す。
- 鉢底に軽石と土を入れて苗を中心に置く。
- 苗の周辺に土を被せて固定する。
- プランターや地植えする場合は、苗同士の間隔を15cm程度空ける。
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冬季のパンジーの育て方・管理方法
パンジーは冬になると花数が少なくなり、咲いている期間が長くなります。
購入したときよりも花つきが悪くなりますが、冬に花が少なくなるのは自然なことなので、心配不要です。春になり気温が上がれば、次々と花を咲かせてくれます。
冬場は午前中までに水やりをすませるなど適切な管理をすれば、寒冷地以外は屋外でも越冬可能です。
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パンジーとビオラの違い
パンジーとビオラは見た目がそっくりなので、「見分けがつかない」という人も少なくないでしょう。
以前は花径5cm以上の大輪をパンジー、5cm以下の小輪をビオラと呼んでいました。
しかし、現在では品種改良がなされ、「小輪のパンジー」なども存在するため両者の境目は曖昧なのが実情です。
お気に入りのパンジーを育てて花壇や寄せ植えを華やかに
パンジーは種類が豊富で、丈夫で育てやすいのでガーデニング初心者が初めて育てる植物にもおすすめです。鉢植えやプランター、花壇のほか寄せ植えにも適しています。
開花時期には追肥をする、間延びした茎を「切り戻し」する、花がら摘みをするなど、きちんと手入れをすることでキレイな花を長く楽しめます。
水やりなど適切な生育環境で管理しながら、パンジーを元気に育てましょう。