「クワズイモのイモ部分から腐ったような臭いがする」「よく聞く“根腐れ”かもしれない…」そんなときには、植え替えで簡単に解決できます。この記事では初心者向けに、根腐れしたクワズイモを植え替えで復活させる方法と、もう根腐れを起こさないための予防法をご紹介します。
根腐れしたクワズイモは放置せず植え替えで復活を!
クワズイモは比較的「根腐れ(酸欠などで根が腐ること)」を起こしやすい観葉植物です。
根腐れは、放置するとまだ健康な部分にも痛みが広がり、やがてはクワズイモ自体が枯れることさえある恐ろしい現象です。
万が一根腐れを見つけた場合は、速やかな植え替えが求められます。
もし、あなたのクワズイモが以下のいずれかに当てはまるのであれば、高い確率で根腐れを起こしています。
- 土や芋の部分から腐ったような臭いがする
- 芋を触ると非常に柔らかかったり、皮がむけたりする(※ゴム手袋などをして触ること)
- 葉の色が黄色に変色している
根腐れを起こしたクワズイモの植え替えは、通常時の植え替えとは手順が異なります。この記事を参考に、根腐れ時の植え替えに挑戦して、大切なクワズイモを復活させましょう。
失敗しない!根腐れしたクワズイモの植え替え方法
根腐れしたクワズイモの、植え替えの大まかな流れは以下の通りです。
- 本当に根腐れしているのかの確認
- 必要な道具の準備
- 腐った部分の切除
- 日陰で放置
- 新しい鉢に移動
通常の植え替えをしたことがある方もあらためての確認が必要です。では、順番に手順を見ていきましょう。
本当にクワズイモが根腐れしているのか確認する
まず行うべきは、本当にクワズイモが根腐れしているのかの確認です。園芸初心者の場合は、単なる不調やほかの病気を根腐れと判断してしまうこともあります。
前述の通り、クワズイモの根腐れの見分け方は以下の3つです。
- 土や芋の部分から腐ったような臭いがする
- 芋を触ると非常に柔らかかったり、皮がむけたりする
- 葉の色が黄色に変色している
特にイモがブヨブヨしたり腐った臭いがしたりする場合は、根腐れの可能性は十分です。まずはクワズイモのイモの部分を、ゴム手袋をつけた状態で触ってみてください。
必要な道具を準備する
根腐れだろうと判断できたら、必要な道具を準備しましょう。根腐れ時のクワズイモの植え替えでは、以下の道具が必要です。
- ゴム手袋
- 新しい鉢(現在と同じか一回り大きなサイズのもの)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 水はけの良い土
- 清潔なナイフ
いずれもホームセンターや園芸ショップ、通販で市販されているもので大丈夫です。
なお、クワズイモのイモ部分には「シュウ酸カルシウム」という毒が含まれており、直接手で触れるとかぶれてしまうことがあります。必ずゴム手袋をしてから作業を行いましょう。
腐ってしまった部分をカットする
根腐れしたクワズイモの植え替えでは、まずは腐ってしまった部分のカットからはじめます。清潔なナイフで、腐っていそうなイモ部分をジャガイモのようにザクッと切りましょう。
健康なクワズイモのイモ部分は、切り口も新鮮な里芋のようなジャガイモのようないかにもイモっぽい見た目をしています。グジュグジュしていたり、変色していたりする部分はまだ腐っています。
健康な部分が出てくるまで、少しずつナイフで切除してあげてくださいね。
2晩ほど日陰で放置する
無事に腐った部分を切除できたなら、傷口をよく乾かすために2晩ほど日陰で放置しましょう。
もし、クワズイモにたくさんの葉が生えているのであれば、葉の部分だけビニール袋で包んであげてください。傷口は乾燥させ、葉は水分を蒸発させすぎないことが成功の秘訣です。
新しい鉢の中でしっかり固定する
傷口が乾燥した後は、いよいよ新しい鉢に植え替えます。
- STEP1:ゴム手袋を必ず着ける
- STEP2:新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- STEP3:ネットが隠れる程度まで鉢底石を入れる
- STEP4:水はけの良い土を1/3ほどまで入れる
- STEP5:鉢の中心にクワズイモを優しく植え、残りの土を入れる
- STEP6:一度水をたっぷりと与え、クワズイモを土の中で固定すれば完了!
植え替え後のクワズイモは明るい日陰におき、水分を切らさないように小まめに水を与えてください。順調に進むと、おおよそ3週間ほどで発根してきます。
繰り返さないために|クワズイモが根腐れする原因って?
根腐れしたクワズイモの救出は文章にすると難しそうにも見えますが、要するに「腐ったイモ部分を切除して、新しい鉢に移す」のみです。初心者でも楽々行えます。
最後に、またトラブルを繰り返してしまわないように、クワズイモが根腐れする原因を見ていきましょう。
水のやり過ぎ
もっともありがちなクワズイモの根腐れの原因は、水のやり過ぎです。
植物は水をたっぷりと与えすぎると、土の中の酸素が減って根が酸欠に陥ります。酸欠が続くと根が腐ってしまい、根が腐ると水を上手に吸収できなくなります。
元気がないからと水をたくさんやり、クワズイモが根腐れになって水を吸収できなくなり、また多めに水を…と、負のスパイラルにならないよう気をつけなければいけません。
クワズイモの適切な水やり頻度は以下の通りです。
- 夏:土が乾いた段階で、鉢底からあふれるほどたっぷりと
- 冬:1週間に1~2度だけ、鉢底からあふれるほどたっぷりと
詳細は以下の記事でも解説しております。
日当たりの不足
クワズイモは日光が大好きで、日当たりが不足すると根腐れを起こしてしまいます。
基本的には通年を通してたっぷりと日の当たる場所に置き、万が一「葉焼け(日差しで葉が変色する現象)」の兆候が見られる場合には、レースのカーテンなどで遮光してあげてください。
植え替えのしなさ過ぎ
クワズイモは生育の早さから「出世イモ」と呼ばれるほどにグングン育つ植物です。最低でも2年に一度は植え替えをしなければいけません。
植え替えを怠ると土の中で根を広げるスペースがなくなり、根詰まりを起こします。根詰まりを放置すると、いずれは根腐れしてしまうため、その前に必ず植え替えを行ってあげましょう。
具体的な植え替えの手順は以下で解説しております。
鉢のサイズが合っていない
なお、植え替え時に鉢のサイズを間違った場合にも、クワズイモは根腐れを起こしやすくなります。
- 鉢が小さい
根が伸びるスペースがなく根詰まりになる
- 鉢が大きい
根が鉢全体にまで伸びず水の流れが滞る
大きすぎても小さすぎても、根が上手に水分を吸収できないため注意が必要です。現在の鉢よりも一回りだけ大きい鉢を用意してあげてくださいね。
根腐れしたクワズイモを植え替えで復活させよう!
この記事では根腐れしたクワズイモについて、そのまま放置するリスクと植え替えで復活させる方法、そもそも根腐れを起こしてしまう原因を解説しました。
根腐れしたクワズイモは腐った部分を切除しなければいけないなど、通常の植え替えとは流れが異なります。しかし、ご紹介した通り手順は単純で、初心者でも簡単です。
残念ながら一度根腐れを起こしたクワズイモは、そのまま放置して回復する可能性はほとんどありません。
ぜひこの記事を参考に植え替えに挑戦して、自分の手で大切なクワズイモを復活させてくださいね。