サボテンの接ぎ木を行う方法|初心者でも失敗しないためのポイントも

サボテンの接ぎ木のやり方は?失敗しないためのポイントと初心者でも簡単にできる方法

園芸店などでサボテンが販売されていることがありますが、姿の違うサボテン同士がくっついている株を見かけたことがあるという方もいるでしょう。このようなサボテンは、接ぎ木という手法を用いて作ることができます。今回は、サボテンの接ぎ木のやり方や、サボテンを接ぎ木するメリット・デメリット、失敗しないためのポイントについて解説します。

目次

サボテンの接ぎ木とは?

サボテンの接ぎ木とは?

サボテンの接ぎ木とは、別々のサボテンの株を人の手でくっつけて、ひとつの株として栽培する方法を意味します。

なぜこのようなことをするのかというと、異なる種類のサボテン同士を接ぎ木することによって、成長を促進することができるためです。

サボテンは種類によって成長スピードが異なりますが、成長がゆっくりなサボテンを成長の早いサボテンと接ぎ木することで、開花まで年数を要するサボテンが早く花芽をつけるなど、成長が活発になります。

また、希少価値の高いサボテンの種子を採取する目的で接ぎ木したり、根腐れを起こすなど、弱ってしまった株を接ぎ木によって復活させることも可能です。

サボテンの接ぎ木には台木が必要

サボテンの接ぎ木には台木が必要

サボテンの接ぎ木をする際、上のサボテンを穂木、下のサボテンを台木と呼びます。強いサボテンを台木にすることで、成長の遅いものを台木の力で早く成長させることができます。

サボテンの接ぎ木に使われる台木の種類

台木選びは、穂木の生育に関わる重要なポイントです。ここでは、台木に適しているサボテンの種類をいくつか紹介します。

竜神木

竜神木は安定性があり、どのような穂木とも相性の良い扱いやすいサボテンです。寿命が長いため、永久台木とも呼ばれています。

他の台木と比べると成長スピードは緩やかですが、丈夫なので初心者の方にもおすすめです。

三角柱

三角柱は成長スピードが早いのが特徴です。ただし、成長速度が早い分、穂木より先に寿命が尽きてしまうことが多く、永久台木としては使えません。

三角柱を台木として使う場合は、再度穂木を別の台木へ接ぎ木する手間がかかります。

袖ヶ浦

袖ヶ浦も台木として人気の種類です。竜神木よりも成長スピードは速いですが、寿命は長いもので10年といわれています。

寿命が尽きてしまった場合は、穂木を別の台木へ接木しなければなりません。袖ヶ浦は寒さに非常に強い種類なので、寒い地域でも安心して使えます。

短毛丸

短毛丸とは、その名のとおり株全体が短い毛のようなトゲに覆われたサボテンです。そのため、接ぎ木をする際は、トゲの部分をカットしてから使用しなければなりません。

少々手間はかかってしまいますが、短毛丸は成長スピードが早く、接ぎ木した後の安定性があるのが特徴です。

また、どのような種類の穂木との相性もよく、使い勝手も良いため台木とよく用いられます。

ウチワサボテン

ウチワサボテンは、花サボテンの接ぎ木をするときに用いられるサボテンです。

アメリカ、メキシコ、中米など、乾燥した過酷な環境でも耐えられるよう、葉に水と栄養分を蓄えている種類としても知られています。

ウチワサボテンには、綿毛のような細かいトゲが生えているので、取り扱いには注意が必要です。

名前のとおり、ウチワのような平べったい形をしているため、台木として使用する際は、少々テクニックが必要です。しかし、丈夫な種類なので安心して使えます。

サボテンの接ぎ木のやり方

サボテンの接ぎ木のやり方

サボテンの接ぎ木は、以下の手順で行います。

  1. カッターナイフを消毒する
  2. 台木と穂木をカットする
  3. 台木に穂木を合わせて固定する
  4. 1週間ほど経過したらテープを外す

サボテンの接ぎ木に最適な時期は?

サボテンの接ぎ木は、春から初夏にかけて行うのがベストです。

寒さの厳しい時期は、サボテンの成長がストップする休眠期にあたるため、接ぎ木が失敗するリスクが高くなります。

サボテンの接ぎ木を成功させたい場合は、できるだけ春から初夏に行うようにしましょう。

用意するもの

  • 木と穂木となるサボテン
  • 消毒用エタノール
  • カッターナイフ
  • マスキングテープまたは糸
  • スプレー

STEP1.カッターナイフを消毒する

台木や穂木をカットする際に使用する道具は、必ず消毒用エタノールで消毒しておきましょう。

消毒せずに使用してしまうと、ウィルスや雑菌などの影響で最悪サボテンが枯れてしまう恐れもあります。

消毒用エタノール以外にも、ライターやバーナーなどで刃を炙って消毒してもOKです。ライターやバーナーで炙って消毒する場合は、黒い煤がつくまで炙って拭き取って使用します。

また、新しいカッターナイフを使う場合は、錆止めオイルをしっかりと拭き取っておいてください。

STEP2.台木と穂木をカットする

まずは台木からカットします。このとき、断面が水平になるようカットするのがポイントです。

台木が水平になっていないと、穂木が安定しないため注意しておきましょう。そして、上部の陥没を防ぐために面取りをしておきます。

違うカッターナイフに取り替えて、根元から3分の1くらいの部分で穂木をカットします。

STEP3.台木に穂木を合わせて固定する

台木のカット面の維管束より少しずらすようにして、穂木のカット面を合わせます。

指で穂木を軽く押して、マスキングテープか糸などを使って固定しましょう。とげにマスキングテープや糸を引っ掛けると、固定しやすくなります。

STEP4.1週間ほど経過したらテープを外す

台木と穂木を固定したら、直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で管理します。

およそ1週間から10日ほど経過したら、固定していたマスキングテープや糸を外してください。

サボテンを接木するメリット

サボテンを接木するメリット

サボテンを接木するメリットは、大きく分けて次の2つです。

  • 成長スピードが速くなる
  • オリジナルのサボテンを作ることができる

成長スピードが速くなる

サボテンを接木するメリットとしてまず挙げられるのが、サボテンの生育を活性化できるというところでしょう。

ひと口にサボテンと言っても、多くの種類があり、成長速度も種類によってさまざまです。成長が遅い種類の場合は、花を咲かせるようになるまで何年もかかるケースも珍しくありません。

そのような成長スピードの遅い種類でも、接ぎ木によって生育を活性化することが可能です。

オリジナルのサボテンを作ることができる

自分のお気に入りのサボテン同士を接ぎ木することで、オリジナルのマイサボテンを作れるという点も接ぎ木するメリットのひとつ。

サボテンは個性的な見た目をしているものが多いため、好みのサボテン同士を組み合わせてマイサボテンを作ってみましょう。

サボテンを接木するデメリット

サボテンを接木するデメリット

サボテンを接木することは、メリットだけではありません。サボテンを接木するデメリットは、主に次の2つです。

  • 病害虫への抵抗力が弱くなりやすい
  • 台木が腐ったり折れることがある

病害虫への抵抗力が弱くなりやすい

接木したサボテンは、実生苗に比べて病害虫への抵抗力が弱くなる傾向があります。

病害虫は日当たりが悪くジメジメした環境で発生しやすくなるので、日当たりが良く風通しの良い場所でサボテンを管理してください。

また、水やりの仕方も重要なポイントです。生育期の3月から9月は、土の表面が乾いたタイミングで水を与え、休眠期に入る10月から2月は、水やりの頻度を減らし、乾燥気味に育てましょう。

台木が腐ったり折れることがある

接ぎ木すると、穂木は台木から栄養分を吸収しながらぐんぐん成長します。

そのため、台木は年数の経過とともに栄養を穂木に吸い取られ、次第に衰弱して最終的に穂木の重みで折れることも珍しくありません。

「台木が弱ってきた」と感じたら、短くカットして発根するのを待ちましょう。万が一、台木の寿命が来てしまった場合は、穂木を新たな台木に接ぎ木します。

この手間をなくしたい場合は、永久台木と言われる竜神木や袖ケ浦を使用するのがおすすめです。

サボテンの接ぎ木を失敗しないためのポイント

サボテンの接ぎ木を失敗しないためのポイント

サボテンの接ぎ木を失敗しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 使用するカッターナイフは必ず消毒する
  • 接ぎ木した後の環境に気を付ける
  • 水やりの際は結合部にかからないように

使用するカッターナイフは必ず消毒する

使用するカッターナイフは、必ず消毒してから使用しましょう。そのまま使うと雑菌などがサボテンに付着してしまう可能性があります。

また、サボテンを含む植物は、ウィルスを持っている場合があるため、樹液から他のサボテンに感染するリスクも。

消毒用エタノールを使用する、ライターやバーナーで炙るなどの方法で消毒するのが一般的ですが、心配な場合は煮沸消毒してから使用しましょう。

接ぎ木した後の環境に気を付ける

接ぎ木した後のサボテンはデリケートな状態になっているので、環境には十分に注意しておきましょう。特に注意しておきたいのが湿度と風通しです。

湿度が高く風通しの悪い環境で管理していると、雑菌が繁殖しやすく結合部に悪い影響が出てしまいます。

接ぎ木したサボテンは、直射日光を避けた風通しの良い場所で管理してください。

また、朝と晩で気温が急激に変化する場所で管理してしまうと、サボテンに負担をかけてしまいますので、避けておきましょう。

水やりの際は結合部にかからないように

接ぎ木した直後は、結合した部分に水がかからないよう注意してください。接ぎ木したサボテンは、いわば傷口を修復しているような状態です。

傷口に水がかかってしまうと、雑菌が繁殖しやすくなってしまうため、上から水をかけるのではなく、土に直接かけるようにしましょう。

また、雨に当たらないよう置き場所にも注意が必要です。

接ぎ木をしてオリジナルのサボテンを育てよう!

接ぎ木をしてオリジナルのサボテンを育てよう!

接ぎ木とは、違う種類の株を人の手でくっつけて、ひとつの株として栽培する方法です。

接ぎ木をするメリットは、種を取るために強いサボテンの力を借りて、育ちが遅いものの成長を促進できるという点です。

また、お気に入りのサボテン同士を組み合わせてオリジナルのサボテンを作ることができるのもメリットのひとつ。

ぜひ、失敗しないためのポイントに注意しながら、サボテンを接ぎ木して大切に育ててみてください。




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