「サボテンから腐ったような臭いがする」「ブヨブヨと苗が水っぽい…」そんなときはサボテンが根腐れしている可能性が高く、そのまま放置すると枯れてしまうこともあります。この記事で、サボテンの根腐れの原因と見分け方、復活させるための対処法まで確認していきましょう。
サボテンの根腐れは放置NG!今すぐできる確認&見分け方は?
サボテンは頑丈な植物ですが、根腐れには気を付けなければいけません。サボテンが根腐れを起こすと、根から栄養を吸収できなくなり、徐々に元気を失って枯れてしまいます。
自分のサボテンが根腐れを起こしているかどうかの見分け方は簡単です。以下のいずれかに当てはまる場合、すでに根腐れを起こしている、あるいは起こす直前であると疑われます。
- 何かが腐ったような強い異臭がする
- 土の表面にカビが生えている
- 鉢の底で根が渦を巻いている
- 鉢底穴からたくさん根が飛び出ている
- 根が黒っぽく変色している
- 水やりをしても水を吸収できていない印象がある
- 苗が変色したりブヨブヨしたりと様子がおかしい
上記に当てはまるのであれば、速やかな対処が必要です。この記事で、サボテンが根腐れを起こす原因と対処法をチェックしていきましょう。
サボテンが根腐れする5つの原因
サボテンが根腐れを起こす原因には、以下の5つが考えられます。
- 水のやりすぎ
- 肥料のやりすぎ
- 置き場所の風通しが悪い
- 土や鉢がサボテンに合っていない
- 長期間植え替えをしていない
それぞれ順番に見ていきましょう。
水のやりすぎ
もっともありがちな原因が、水のやりすぎです。特に初心者は、サボテンが元気に育つようにと多めに水を与えてしまいがちですが、これはNGです。
植物に水やりをしすぎると土のなかの水分量が過度に多くなります。そうすると、代わりに土のなかの酸素量が減り、根が酸欠になって腐ってしまいます。
また、もともとサボテンは砂漠でも育つ乾燥を好む植物です。蒸れて元気を失うことがよくあるため、適切な水やりの頻度・量を守るようにしましょう。
肥料のやりすぎ
同じく初心者が行いがちな失敗として、肥料のやりすぎにも気を付けましょう。肥料は適量を超えて与えると「肥料焼け」というトラブルを起こします。
肥料焼けとは、過度な肥料の成分に晒されることで植物の浸透圧が狂い、周りにたくさん水があっても脱水状態になる現象です。
肥料焼けを起こしたサボテンの根は機能しなくなり、やがては根腐れが発生します。
置き場所の風通しが悪い
風通しが悪い場所に置くことでも、サボテンは根腐れを起こしやすくなります。
前述の通り、サボテンは乾燥を好む植物です。ジメジメした場所に置くとすぐに蒸れてしまううえ、土のなかの水分もなかなか蒸発せず、根腐れにつながります。
また、風通しの悪さは害虫や病気の発生などほかのトラブルも招きます。安心してサボテンを育てていくために必ず意識しておきたいポイントです。
土や鉢がサボテンに合っていない
使用している土や鉢がサボテンと合っていないことでも、根腐れは起こります。
ジメジメした場所に置いたり、水やりを行ないすぎたりするケースと同様に、土に過度な水分が溜まってしまうためです。
サボテンは「水が溜まりにくい底が浅い鉢」と「水はけの良い土」を使って育てるのがベストです。詳細は以下の記事もあわせてご確認ください。
長期間植え替えをしていない
そのほか、長期間植え替えを怠ることでもサボテンは根腐れを起こします。
長期間植え替えをせずにいると、鉢のなかでサボテンの根が育つスペースがなくなり、園芸用語で「根詰まり」というトラブルが起きます。鉢の底でグルグルと根が渦巻き、窮屈そうにしている状態です。
サボテンが根詰まりを起こしていると、水が上手に鉢底から流れ出にくくなり、土のなかが水分だらけになります。結果、いずれは根腐れにつながります。
初心者でも簡単!サボテンの根腐れの対処法
では、サボテンが根腐れを起こした際の対処法を見ていきましょう。
手順は初心者でも簡単で「腐った部分を切り取って植え替える」のみです。具体的には以下のステップで行います。
- STEP1:必要な道具の準備
- STEP2:腐った部分のカット
- STEP3:切り口の消毒と乾燥
- STEP4:新しい鉢へ移し替え
それぞれ順番に見ていきましょう。
まずは必要な道具を準備する
まず行うべきは必要な道具の準備です。ホームセンターや園芸ショップ、通販で以下の道具を購入します。
- 清潔で切れ味の良いナイフ、あるいは大型のハサミ
- サボテン用として市販されている土
- 新しい鉢(底が浅く、底穴も開いている鉢が◎)
- 新聞紙
- 消毒用のアイテム(アルコールティッシュなど)
- 軍手(トゲの刺さりにくい厚手のもの)
特に注意したいのは、ナイフやハサミの切れ味です。断面が綺麗にスパッと切れるほど、サボテンに負担がかかりにくく、元気に回復しやすくなります。
「胴切り」で腐った部分をカットする
必要な道具を揃えた後は、早速サボテンの腐った部分をカットしていきましょう。
カットは「胴切り」と呼ばれる、特定の位置(苗の胴体のどこか)から下をまるごと切り離す手法で行います。手順は以下の通りです。
- STEP1:涼しく乾燥した場所に道具とサボテンを移動させる
- STEP2:刃物を熱湯やアルコールティッシュで消毒する
- STEP3:トゲで手を痛めないように軍手をする
- STEP4:カットする位置を決める(変色したりブヨブヨしたり異常のある根元側はすべて切る)
- STEP5:思い切り良く、ためらわずカットする
胴切りを上手にこなすコツは、思い切り良くスパッとカットすることです。恐る恐る力を入れると断面がズタズタになり、サボテンのダメージが増してしまいます。
胴切り後は切り口の消毒と乾燥を行う
胴切り後はサボテンの切り口を日光で消毒し、乾燥させましょう。
- STEP1:30分ほど日光に当て、傷口を消毒する
- STEP2:新聞紙でサボテンを包む
- STEP3:直射日光が当たらず、風通しの良い場所に置く
切り口を丁寧に乾燥させないと、雑菌が繁殖したりカビが生えたりする可能性があります。時折指で触るなどして、断面がきちんと乾燥するまで何日か時間をかけてくださいね。
新しい鉢へ植え替え(挿し木)してあげれば完了!
切り口の乾燥が完了し、少しだけ根も出てきたなら、後は新しい鉢へ植え替えるのみです。園芸用語で「挿し木」と呼ばれる過程です。
- STEP1:新しい鉢に土を入れる(鉢のサイズが大きい場合は、必要に応じて鉢底石や鉢底ネットも入れると◎)
- STEP2:切り口を下にして、サボテンを優しく置く
- STEP3:1週間~10日ほどは水をやらず、そのまま根付くのを待つ
乾燥が好きなサボテンは、植え替え直後に水をやると強い負担がかかってしまいます。1週間~10日ほどは水やりを我慢してくださいね。
原因と対処法を知って根腐れしたサボテンを再生しよう!
この記事ではサボテンの根腐れについて、確認方法や原因、対処法をご紹介しました。
サボテンの根腐れは、土のなかの水分量が多すぎて起きるケースがほとんどです。水やりを控えめにしたり、浅めの鉢を使ったりと、環境を整えてあげましょう。
すでに根腐れを起こしているのなら、腐った部分をカットして新しい鉢に植え付けると再生します。ご紹介した内容を参考に、ぜひ挑戦してみてください。