サボテンは1年に1度ほどのペースで植え替えをしてあげると元気に育ちます。植え替えの手順は簡単で、初心者でも事前に流れさえ押さえておけば大丈夫です。この記事で、失敗しないサボテンの植え替え方法や時期、よくあるトラブル&解決策を見ていきましょう。
サボテンの基本的な育て方は、以下の記事で詳しく解説しています。
サボテンは1年に1度は植え替えたい植物!
放置しても元気に育ちそうなサボテンですが、1年に1度は植え替えが必要です。品種にもよるものの、植え替えを怠ると以下のようなトラブルが発生します。
- 根が伸びるスペースがなくなり、根詰まりを起こす
- 水はけが悪くなり、根腐れを起こす
- 根腐れにより、異臭がしたり害虫が湧いたりする
- 土の状態が悪くなり、サボテンが栄養失調を起こす
上記のトラブルが積み重なると、ときにはサボテンが枯れてしまうことさえあります。植え替えはした方が良いのではなく、必ずしてあげたいお手入れです。
大切なサボテンを長く楽しむために、この記事で初心者向けの植え替え方法を見ていきましょう。
サボテンが植え替えを必要としている兆候は?
ちなみに、サボテンが速やかな植え替えを必要としている場合、以下の兆候が見られます。
- 鉢に対してサボテンが生長しすぎ、窮屈そう
- 以前に比べて水切れが悪くなった
- 土から異臭がしている(根腐れの疑い)
- サボテンの一部が変色している(根腐れの疑い)
ひとつでも当てはまる場合は、できるだけ早く対応してあげることが大切です。
失敗しないサボテンの植え替え方法
それでは、初心者向けの失敗しないサボテンの植え替え方法をご紹介します。今回は初めて挑戦する方にもわかりやすいように、ゼロからの手順を見ていきましょう。
注意点として、一部の根が傷みやすい品種のみ、できるだけ触らずそのまま新しい鉢に移動させた方が良いケースがあります。
もし自分のサボテンの品種名がわかるのであれば、事前に調べてみてくださいね。
前提:サボテンは春と秋が植え替え時期。夏と冬はNG
前提として知っておきたいのが、サボテンを植え替える時期です。サボテンは品種が5,000種類以上ともいわれるほどに豊富で、それぞれ植え替えにふさわしい時期も異なります。
しかし基本的には、サボテンの植え替えは春もしくは秋に行うのが◎です。特に3~4月ごろがベストで、次いで9~10月ごろが向いています。
夏や冬などの季節はずれの時期に植え替えをすると、植え替え作業で負ったダメージから回復しにくく、鉢の中で根も上手に伸びにくくなります。
サボテンが枯れることに繋がってしまうため、初心者の間は必ず時期を守ってくださいね。
手袋・土・底石・肥料など必要な道具を準備しよう
サボテンの植え替えにふさわしい時期を迎えたなら、まずは以下の道具を準備しましょう。いずれも園芸ショップや通販で簡単に手に入ります。
- 現在よりも一回り大きな鉢(底は浅めなもの)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- サボテン用(多肉植物用)の土
- 剪定ばさみ
- 割り箸
- 軍手
特に土に関しては、サボテン用として販売されているものを選ぶのがおすすめです。以下の記事で、特別な手を加えずそのまま使えるサボテン用の土について解説しています。
STEP1:1週間ほど前からサボテンの水やりを止める
必要な道具の準備にも目処が立ったなら、植え替え決行日を決め、その1週間ほど前からサボテンの水やりをストップしましょう。
一時的に水やりを止めることで、植え替え後のサボテンが雑菌や加湿により弱るリスクを下げられます。
ちなみに、サボテンの根を乾燥させるべきかどうかは、実は専門家の間でも意見が分かれています。「乾燥させない方が自然で、サボテンの根の元気を損ないにくい」とする声もあり悩ましいところです。
とはいえ、サボテンの根を乾燥させることには、根を鉢から抜きやすくする効果もあります。植え替え作業に慣れるまでの間は、ひとまずは乾燥させる方向で進めましょう。
STEP2:新しい鉢の準備を整える
いよいよ植え替え決行日を迎えたなら、まずはサボテンの新しい鉢の準備を整えてあげましょう。
- 手順1:鉢の底に鉢底ネットを敷く
- 手順2:ネットが隠れる程度に鉢底石を敷き詰める
- 手順3:サボテン用の土を1/3ほど入れる
最初から土をすべて入れないのが、失敗しないコツです。
STEP3:トゲに気を付けつつサボテンを取り出す
新しい鉢の準備を整えた次は、サボテンを現在の鉢から取り出します。軍手をするなどトゲに気を付けつつ、そっと抜き出してあげてください。
このとき、力任せにサボテンを取り出してはいけません。根が傷んだりちぎれたりしてしまわないように、少しずつゆっくりと抜き出してくださいね。
STEP4:変色しているなど古くなった根を取り除く
古い鉢からサボテンを取り出した後は、新しい鉢に植える前に根を整えます。
サボテンの根に付いた土を手で揉むようにして取り除きつつ、変色していたり異臭を放っていたりする根を剪定ばさみでカットしましょう。
トラブルの起こっている根を取り除くことで、サボテンの健康な部分に栄養を集中させる効果を期待できます。
STEP5:新しい鉢にサボテンを植え付ける
根のケアまで済ませた後は、新しい鉢へサボテンを移動させてあげましょう。
- 手順1:根を広げるようにしつつ、新しい鉢の中心にサボテンを置く
- 手順2:残りの土(2/3)を入れてサボテンの根を隠す
- 手順3:割り箸で根の隙間にも優しく土を敷き詰める
STEP6:日陰においてあげれば完了!
無事にサボテンを移動させた後は、日陰においてあげれば完了です!文章で見ると大変そうにも思えるものの、慣れてしまえば15分もかかりません。
なお、植え替え後のサボテンはまだ根がうまく機能していないため、少なくとも1週間ほどは水やりをしないように注意してください。
この時期に水やりをすると、根腐れに繋がってしまいます。
こんなときどうする?サボテンの植え替えによくあるトラブル
最後に、サボテンの植え替えによくあるトラブルを見ていきましょう。
サボテンにトゲがあり手に持つと痛い
トゲが堅く植え替え時に痛みを感じる場合は、軍手を二重にする、厚手の手袋を用意するなどの対策がおすすめです。
無理に痛みを我慢して植え替えを続けると、手にケガをしたり化膿したりしてしまうこともあります。しっかりと道具で防御しておきましょう。
鉢の深さや広さはどのくらいが良い?
植え替えで用意するサボテンの鉢は、現在よりも一回り大きく、それでいて底は浅めなものがベストです。
サボテンは乾燥を好み湿気を嫌うため、深さのある器で育てるとすぐに蒸れてしまいます。
また、あまりにも大きな鉢を使うと、サボテンの根が十分に行き渡らず水が流れにくくなり、根腐れの原因になるため注意が必要です。
サボテンが鉢からうまく出てこない
どうしても現在の鉢からサボテンを取り出せない場合は、鉢の側面を何度か叩きつつ取り出しましょう。
震動を与えることで固まっている土が動き、苗が外れやすくなります。スプーンなどで土を掘ると、根を切断してしまいやすいため避けてくださいね。
定期的な植え替えでサボテンを元気に育てよう!
この記事ではサボテンの植え替えについて、必要性や初心者でもできる手順、よくあるトラブルをご紹介しました。
非常に頑丈なサボテンですが、年に1度は植え替えをしてあげないとトラブルのリスクが高まります。
ご紹介した手順を参考に植え替えて、お気に入りのサボテンを元気に育ててくださいね。