「ニチニチソウ(日々草)を育ててみたいが、何から手を付けて良いかわからない」という悩みを抱えている方に向けて、この記事では初心者向けの育て方をご紹介します。落ちた花の処分など元気に育てるためのポイントや、よくあるQ&Aとあわせて参考にしてみてください。
日差しにも暑さにも強い花「ニチニチソウ(日々草)」
ニチニチソウ(日々草)はキョウチクトウ科ニチニチソウ属に分類される花です。
アフリカのマダガスカルを原産地としており、暑さにも日差しにも強い特徴を持ちます。カラフルな五角形の花も愛らしく、日本では夏のガーデニング品種として人気です。
ニチニチソウを育てる前に知っておきたい特徴には、以下の2点が挙げられます。
- 5~10月と長期間花を咲かせてくれる
- 「楽しい思い出」や「友情」など花言葉も◎
早速、それぞれ順番に見ていきましょう。
5~10月と長期間花を咲かせてくれる
ニチニチソウは開花期間が長く、5~10月と半年近くに渡って花を鑑賞できます。一つひとつの花の寿命は数日と短命ですが、次々に新しい花が咲くため、真夏の間も庭やベランダを明るく飾れます。
一方で、ニチニチソウは寒さには非常に弱い特徴を持ち、日本で冬越しをさせるためにはビニールハウスなどの特別な環境が必要です。
そのため、本来のニチニチソウは「多年草(冬越しして翌年も咲く花)」ですが、日本では「一年草(1年以内にタネをつけて枯れる花)」として楽しまれています。
「楽しい思い出」や「友情」など花言葉も◎
そんなニチニチソウの花言葉は「楽しい思い出」や「友情」などの明るいものです。枯れにくく可憐な見た目であることもあわさり、ギフトにもよく選ばれています。
もちろん、自分が鑑賞するための花としてもおすすめです。「ニチニチソウ(日々草)」の名前通り、毎日、素敵な姿を見せてくれますよ。
【初心者向け】ゼロからできるニチニチソウの育て方
ここからはニチニチソウの育て方をご紹介します。今回は初心者も挑戦しやすいゼロからの手順を見ていきましょう。
まずは「地植え・花壇」か「プランター・鉢植え」を決める
最初に行うべきは、育てる場所(方式)の決定です。
ニチニチソウは「地植え・花壇」か「プランター・鉢植え」のどちらかで育てることができます。それぞれの特徴は以下の通りです。
【ニチニチソウの育てる場所(方式)】
育てる場所(方式) | 特徴 |
地植え・花壇 | 花壇や敷地内の地面など庭で育てる方法。雨のお陰で水やりが不要なことも多く、手軽に挑戦できる。一方で、トラブル時に場所を移動させにくいのが欠点。 |
プランター・鉢植え | プランターや鉢植えを使って育てる方法。強風時に一時的に室内に入れるなど、気軽に場所を移動させられるのが◎。ただし、地植え・花壇よりも丁寧なお世話が必要。 |
2種類の育てる場所(方式)は一長一短があり、好きな方を選んで大丈夫です。ニチニチソウは頑丈でどちらでも成功しやすいため、気軽に選択してみてください。
「種まき」か「市販の苗」から育てはじめよう
育てる場所(方式)の次は、育てはじめ方を決めます。ニチニチソウの場合、「種まき」と「市販の苗の購入」のどちらかでスタートできます。
種まき
ゼロから自分だけのニチニチソウを育てられるのが、種まきです。
ニチニチソウの種は気温が20~25度になると発芽するため、4月ごろを目安に以下の道具と手順で行います。
- 育苗ポット
- 新品の水はけの良い土
- 軍手
- STEP1:育苗ポットに水はけの良い土を入れる
- STEP2:軍手をした指で、土の中心に1cmほどのくぼみを作る
- STEP3:くぼみにニチニチソウの種を2~3粒入れ、優しく土で覆い隠す
- STEP4:常に土が湿るように、毎日水やりを行う
- STEP5:10日~2週間ほどで発芽する
- STEP6:葉が2~3枚ほどになったころ、生育の悪いニチニチソウを取り除く(間引く)
道具はいずれも園芸ショップやホームセンターで市販されているもので大丈夫です。間引き後は、次の「市販の苗の購入」と同じ手順で植え付けます。
種まきを成功させるポイントは、土で種を隠してあげることです。
ニチニチソウは「嫌光性(発芽のときに日光に当ててはいけない性質)」を持つため、土で軽く隠すことで上手に芽が出やすくなります。
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市販の苗の購入
種まきを負担に感じる場合や、今すぐにニチニチソウが欲しい方は市販の苗を購入しましょう。以下の道具と手順で植え付けを行います。
- 市販のニチニチソウの苗(葉の緑色が濃く活き活きとしたものが◎)
- 植木鉢orプランター(※地植えや花壇の場合は不要)
- 鉢底石(※同上)
- 鉢底ネット(※同上)
- 新品の水はけの良い土
- 割り箸
- STEP1:新しい鉢に鉢底ネットを敷く
- STEP2:ネットが隠れる程度まで鉢底石を入れる
- STEP3:鉢の7割ほどまで水はけの良い土を入れる
- STEP4:もとの鉢からニチニチソウを優しく取り出す
- STEP5:できるだけ根を触らないようにしながら、新しい鉢や花壇へ移動させる
- STEP6:水はけの良い土を、苗の周囲に優しく被せる
- STEP7:一度たっぷりと水やりを行い、ニチニチソウを土の中で固定してあげれば完了!
(↑※地植えや花壇で育てる場合はここからスタート。植え付けたい場所の土を軽く掘って穴を開けておく)
地植えや花壇の場合は「日当たりが良く風通しも良い場所」を選んで植え付け、鉢やプランターの場合も普段はそのような場所に置きます。
植え付けを成功させるコツは、根や周辺の土をあまり触らないことです。
ニチニチソウは「直根性(まっすぐ太い根が伸びる性質)」を持ち、この根が傷むと苗全体が深刻なダメージを負ってしまいます。
水やりは「土の表面が乾いた後」が基本
ニチニチソウの水やりは「土の表面が乾いた後」に行います。鉢底からたっぷりと水があふれ出る程度に与えましょう。
なお、地植えや花壇では、適度に雨が降れば土が乾かない(水やりが不要な)ことがほとんどです。
一方、鉢植えやプランターでは、真夏は水分が乾きやすく朝と夕の1日2回の水やりが必要なこともあります。ときどき手で土を触り、水不足を防いであげましょう。
肥料を切らさないように育てよう
ニチニチソウの日々の育て方として、もうひとつ知っておきたいのが肥料です。
次々に新しい花の咲くニチニチソウは栄養もたくさん必要とするため、週に1回ほどの頻度で液体肥料を与えます。
液体肥料は花用として市販されているものを選び、説明書通りの量を与えるだけで大丈夫です。肥料を与えることで、綺麗な花をたくさん咲かせてくれますよ。
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ニチニチソウを元気に育てるための4つのポイント
続いて、ニチニチソウを元気に育てるための4つのポイントを見ていきましょう。
「立ち枯れ病」などの病気対策が大切
ニチニチソウは頑丈な植物ですが、以下のような病気にかかることがあります。
- 立ち枯れ病:根が土の中の病原菌に感染し、徐々に生育が悪くなり、やがては枯れてしまう病気。
- うどんこ病:うどん粉をまぶしたかのように苗が白く染まる病気。カビが原因
病気の対策には「植え付け時に新品の土を使うこと」と「風通しの良い場所に置くこと」が大切です。きちんと対策さえ行えば、それほど心配する必要はありません。
「アブラムシ」などの害虫にも注意
ニチニチソウを育てる際には、病気と同様に以下のような害虫にも注意しましょう。
- アブラムシ:放置するとあっという間に大量繁殖する害虫。苗から汁を吸うほか、分泌物がほかの害虫を呼び寄せることも
- ハダニ:梅雨から夏に多い害虫。ニチニチソウの葉の裏に潜み栄養を吸うのが特徴。吸われた葉は色褪せてしまう
害虫の対策には、こちらも「風通しの良い場所に置くこと」が役立ちます。また、水やり時にジョウロを使って葉に優しく水をかけることで、害虫を寄せ付けにくくなります。
剪定(摘心・切り戻し)にも挑戦しよう
ニチニチソウを育てることに慣れてきた方は、剪定にも挑戦してみましょう。
ニチニチソウは「摘心」や「切り戻し」と呼ばれる剪定を行うことで、樹形を綺麗に整えられます。
摘心
摘心は梅雨入り前に行いたい剪定です。ニチニチソウの大きな葉が7枚ほどまで育った後、花芽の先端を剪定ばさみで切り落とします。
先端を切り落とされたニチニチソウは、その部分から新たな脇芽を生やします。結果として、横にボリュームのある格好良い見た目に成長しやすくなります。
切り戻し
一方、切り戻しは梅雨が明けた後、ニチニチソウの樹形が不格好になってきたときに行う剪定です。
一部分だけひょろひょろと伸びてきたり、過度に密集していたりする部分の茎を剪定ばさみで切ってしまいましょう。
摘心と同様に切った部分の下から脇芽が出るため、好きな樹形を目指すことができます。
ポイントとして、残す側の茎には葉が10枚ほど残るようにカットしてみてください。適度に葉を残すことで、剪定後も元気に育ちやすくなりますよ。
落ちた花びらは小まめに拾って処分しよう
見落としがちなポイントとして、咲き終わって落ちた花は小まめに拾ってあげましょう。
次々に花の入れ替わるニチニチソウは、放っておくと終わった花が地面にたくさん積もります。この花を放置するとカビが生え、病気の原因になることがあるため注意が必要です。
ニチニチソウの育て方でよくあるQ&A
最後に、ニチニチソウを育てる際によくあるQ&Aをご紹介します。
冬越しはどうすれば良い?
前述の通り、ニチニチソウは寒さに非常に弱い花です。特別な環境では冬越しができることもありますが、通常は一年草と割り切って育てるのが◎です。
ニチニチソウは育てやすく開花しやすい花であるため、翌年にもう一度ゼロから育てるのも負担になりません。
「今年は○○色のニチニチソウの苗を買おう」なんて、毎年新しい品種に挑戦するのも楽しいですよ。
植え替えは挑戦した方が良い?
一年草として育てられるニチニチソウは、植え替えをする必要がありません。
むしろ、直根性の根に負担をかけてしまわないように、一度育てはじめた後は移動させない(土から取り出さない)ことが大切です。
葉が丸まるのはなぜ?
ニチニチソウの葉が丸まるときは、水不足の可能性が考えられます。ニチニチソウはアフリカが原産地で、乾燥にも強い花ですが、それでもある程度の水は必要です。
土の表面が乾いた段階で、たっぷりと水を与えてあげましょう。
数を増やしたいときはどうする?
ニチニチソウの数を増やしたいときは、もう一度「種まき」か「市販の苗の購入」のどちらかから挑戦しましょう。
「今年は苗から育てたから、来年は種まきを試そう」と気分を変えてみるのもおすすめです。病気を防ぐために、土は必ず新品のものを使うことを忘れずに覚えておきましょう。
育てやすいニチニチソウで庭やベランダを可憐に飾ろう
この記事ではニチニチソウについて、ゼロからできる育て方や育てる前に知っておきたい特徴、よくあるQ&Aをご紹介しました。
ニチニチソウは生育が旺盛で育てやすく、5~10月と長期間に渡って花を咲かせてくれる植物です。暑い時期の庭やベランダを飾る際に活躍します。
水やりや病気・害虫対策などのポイントにだけ気を付けて、ぜひ挑戦してみてくださいね。
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