アマリリスは窓辺に一鉢置くだけで、華やかで豪華な世界を演出する魅力溢れる花です。花言葉は「輝くばかりの美しさ」とされており、その名の通りとても美しい花をつけてくれます。今回はそんなアマリリスの育て方のポイントについて解説していきます。
アマリリスはゴージャスな多年草
ヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物の総称とされているアマリリスは、中南米・西インド諸島地方の原種であり、品種は約90種以上にもなります。
品格があり結婚式のブーケにも使われるほど美しい園芸植物を育てたいのならばアマリリスをおすすめします。
チューリップと同じ多年草の球根植物で、葉っぱと茎が同時に成長し、何年も枯れずに続けて花を咲かせてくれますよ。
アマリリスと聞くと、多くの大人がリコーダーやピアニカの練習曲として思い浮かべる歌ですね。
初めて花を見たときに、素朴な曲のイメージとゴージャスで風格のあるアマリリスの見た目にギャップを感じる方もいるでしょう。
1本の花茎から4つの花を咲かせるのがスタンダードな咲き方で、大輪の花が部屋を豪華に彩ります。
ブラジル出身ラテン系の園芸植物
長い茎の先に大きな花を咲かせるアマリリスは、約90ある品種のうち半分がブラジル出身です。
そのなかでも希少な品種のブルーアマリリスは、ブラジル南部の山の断崖に咲く球根植物で、”幻の花”とされています。
薄い紫色の花びらが特徴的で、「ブラジルの皇后」とも呼ばれています。
アマリリスの花は赤が主流ですが、ポピュラーな品種の”シロスジアマリリス”、”ヒッペアストルム”、”ハリソニー”は白やピンク、黄色などカラフルな花を咲かせます。
紫や茶色などのシックな色の花を咲かせる品種もあるので、お洒落な観葉植物が欲しい方にはぴったりです。
お部屋のレベルが一層上がるでしょう。
南米のブラジル出身なだけあり、耐寒性がなく、暑さには強めですが、直射日光に当てず、暖かな半日陰に置くのが望ましいです。
ここからは初心者でもとことん園芸を楽しめるアマリリスの育て方について、ご紹介します。
アマリリスを育ててみよう!
ゴージャスな見た目から、「アマリリスを育てるのは難しい?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
花壇に穴を掘って埋めるだけで、気軽に楽しめるお花のひとつです。
ここからは、アマリリスを育てるうえで重要になるポイントをいくつか紹介していきます。
球根の選び方
アマリリスの球根は、秋から春にかけてホームセンターや園芸店に並び始めます。アマリリスの球根はできるだけムチムチ太ったものを選びましょう。
ムチムチの球根は栄養と水分をたっぷりと蓄えており、たくさんの花を咲かせてくれます。
苗を選ぶ際には、茎がしっかりと太く、青々としている葉の物を選ぶと良いですよ。
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有機物の多い土選び
球根植物を育てるにあたって、土選びは大事なポイントになります。
アマリリスは水はけがよく、通気性に富み、適度な保水力のある土をおすすめします。
基本的には市販の草花用培養土を用いれば大丈夫です。
自分で土を作る場合には、赤玉土6、腐葉土3、パーライト1の割合でブレンドすると良いでしょう。
有機物の多い土は鉢いっぱいに根が広がり、長い間葉っぱを健康に育ててくれる役目をしてくれるため、おすすめです。
どんな土を選べば良いか心配な初心者の方は、水はけの良い鉢底の穴が多い鉢を選ぶと上手にアマリリスを育てることができます。
ご家庭にある鉢が鉢底の穴が少ない場合にはドリルで穴を開けたり、鉢底石を敷いたりすると良いですよ。
秋の終わりに鉢の半分くらいまで土を入れ、根を下にして球根を植えますが、球根が隠れてしまうほど土を被せないよう注意が必要です。
葉が出ている付け根、肩が隠れるくらいまで土を被せてあげましょう。
また、”マジックアマリリス”という品種は空気中の水分で補給する水の要らない品種で、土の要らないアマリリスです。
チャンスがあればトライしてみたい品種ですね。
暖かい室内で育てよう
アマリリスの球根は0℃から-5℃までの寒さにあたることによって花芽を形成します。
秋に球根を植えた後はすぐに暖かいところに置くのではなく、冬場は気温の低い軒下などに置いてください。雨が気になるならば、ビニール傘をさしてあげるのもひとつの方法です。
軒下が寒すぎる場合は暖房のきいていない室内で保管しましょう。
春になり、気温が上がってきたら、陽当たりの良い窓辺などの暖かい場所へ移動します。適温は15℃~20℃ほどが良いでしょう。
桜の咲くころ茎と葉がにょきにょきと高く背を伸ばし、5月半ば母の日のころには立派な花を咲かせてくれますよ。
育つ過程での水やりの違い
球根を植えた後の初めての水やりは、土がしっかりと湿り気を帯びるまでジャブジャブとかけてあげましょう。
ここで注意したいのは、球根に水がかからないように土に水やりをすることです。
球根の上部にある(玉ねぎの頭のような)葉と葉の間に水が溜まると、残った水が太陽の光で温まり、球根を腐らせてしまうこともあるので気を付けましょう。
アマリリスは球根の中にたっぷりの水分を蓄えているので、水がなくても花芽があがってきます。
そのため、1輪目が咲いたら次の水やりをします。
どうしても気になってしまいますが、土がカラカラに乾いてから水やりをすることにより、球根を腐らせることなく、病気にもかかりにくくなりますよ。
花の咲く期間
現在販売されている球根には八重咲きが多く、4月下旬の開花から7日~10日間ほど美しい花をつけてくれます。
代表的な八重咲きのアマリリスは”アフロディーテ”という品種で、ラッパ咲きが豪華で美しいでしょう。
1輪散っても新しい蕾からまた花を咲かせてくれるとても魅力的なお花です。
病気と虫が発生した場合の対処法
ここからは病気や虫のトラブル対処方を解説します。
球根、苗株を購入する際に注意深く見ておくポイントにもなります。
赤斑病
アマリリスの病気の中で最もかかりやすいのが赤斑病です。
赤斑病は葉が赤茶色くなり、その斑点がどんどん広がっていったり、茎が折れてしまったりします。
水のやりすぎによるカビが原因になるため、過湿を避けることが予防に繋がります。
症状の出ている葉と花を破棄し、ホームセンターや園芸店などで売っているオーソサイド水和剤、ボルドー水和剤、ベンレート水和剤、ダニコール水和剤を使って赤斑病の拡散を防ぐことができます。
早めの対処が必要となってきます。
白絹病
こちらの病気もカビの一種で、暖かくなってきたころに植物の根元が白っぽくなってしまい「なんだか臭うな?」と感じたら白絹病にかかっている可能性があります。
白絹病にかかってしまった場合、残念ですが株ごと抜き取り、廃棄処分か焼却処分することになります。
発生させないためには高温多湿を避け、鉢植えの場合、根詰まりを避けるようなメンテナンスをしましょう。
新しく苗を植えつけるときは無菌苗を用意し、白い糸のような菌が張っていないかチェックしてください。
ダニ類
高温乾燥期に葉の裏にダニ類が発生することがあります。発生したら初期のうちにホースなどの水で洗い流し駆除しましょう。
来シーズンもアマリリスを咲かせる処理法
翌年もアマリリスの花を咲かせるために、いくつかのポイントがあります。
難しいことはひとつもなく、コツさえつかんでしまえば何年にも渡り咲き続けてくれるでしょう。
花と茎、葉を枯らせる
多年草のアマリリスは花後の処理が大切です。開花後6月下旬にハラハラと花が散ったら、花がらを摘み取り、種をつけさせないようにしましょう。
種をつけ育つと、球根からの養分が使われ、子孫繁栄の役目を果たしたと認識し、どんどん球根がしぼんで力尽きてしまいます。
徐々に水を減らし、しっかりと葉が枯れるまで待った後、花元からバッサリ切ってしまいましょう。
その際、ベロンと葉が倒れて見た目が悪くなりますが、葉は絶対に切らないように注意しましょう。
残した枯れた葉は、光合成をし、球根に栄養をずっと送り続ける役目をする大切なものになります。
また、アマリリスの球根は分裂し、その場で群生して増えていきます。
だんだんと増えていく球根を休ませる方法を紹介します。
球根の休ませ方
アマリリスの球根をムッチリと太らせて翌年しっかり花を咲かせるために、球根を休ませてあげましょう。
10月下旬の花後直後に、感謝の気持ちを込めて肥料を与えることを「お礼肥を施す」と言います。
固形肥料と液体肥料の成分の違いについて説明します。
液体肥料はリン酸が多く含まれており、球根が育たない理由しかありません。
固形肥料は窒素・リン酸・カリがバランス良く入っています。
球根を育てるためには、窒素を与えて葉を茂らし光合成を促進させ、カリによって根を育成させ球根を太らせてくれます。
よって、アマリリスの肥料は必ず固形肥料窒素・リン酸・カリが同じくらいの比率のものを使いましょう。
葉が黄色くなり、完全に枯れ、葉の処理を終わらせると掘り上げのタイミングです。
球根を掘り上げて表面の土を落とし、ネットなどに入れて風通しの良い場所で陰干しをします。
秋まで保管し、上に記した手順で球根を植えてあげることで、翌年にもしっかり花を咲かせてくれるでしょう。
土の中で保管せずに掘り上げる理由としては土の中にずっと置いておくと、暑い夏が来たときに溶けてしまう可能性があるためです。
自生地の性質が国内とは違うことから、掘り上げるという工夫がされるようになりました。
環境によっては、花後にそのまま土の中で保管しておいても大丈夫なこともありますが、掘り上げることで、より上手に保管することができるでしょう。
アマリリスを育てて華やかなお部屋作りを楽しもう
アマリリスは、水やりも少なく、初心者にとても向いている園芸植物です。
冬から球根を育てても良いですし、春から苗株を育てても良いですね。
元気なアマリリスを育てて、素敵なお部屋を作ってみてはいかがでしょうか?