細かい毛が密生し、ふわふわした触り心地が特徴のフランネルフラワーは、ナチュラルな見た目が人気の花です。水の管理が少し難しいですが、必要な生育条件を押さえると初心者でも失敗せずに育てることができますよ。フランネルフラワーを上手に育てるためのポイントをご紹介します。
フランネルフラワーはブーケやドライフラワーでも人気!
フランネルフラワーは、セリ科アクチノータス属の植物で、オーストラリアを原産とする多年草です。ふわふわした細かい毛がついた花が、毛織物のフランネルに似ていることから名づけられました。
もともとは輸入切り花として流通していましたが、近年日本で品種改良され、鉢花として出回るようになりました。その繊細で可憐な花は、ブーケやドライフラワーとしても人気が高く、家庭でも栽培してみたいという方が増えてきています。
根が繊細で、極端な乾燥に弱い反面多湿も苦手と、少し管理が難しいですが、基本的なポイントを押さえれば初心者でも失敗せずに育てることができますよ。
フランネルフラワーの代表的な品種
フランネルフラワーの花言葉は、「高潔」「誠実」「いつも愛して」などです。ピュアなイメージの白やクリーム色の花が咲き、四季咲き性の品種が多く、上手く育てると長い間花を楽しめるフランネルフラワーにぴったりな花言葉ですね。
日本で人気のある、フランネルフラワーの代表的な品種をご紹介します。
エンジェル・スター
四季咲きの品種で、草丈が60cmほどになります。花つきが良いので家庭で育てやすく、切り花やドライフラワーとして楽しめます。
フェアリー・ホワイト
四季咲き性で、春から秋にかけて可憐な花を咲かせる鉢植え向きの品種です。花びらの先が緑色になるので、より爽やかでピュアなイメージです。
天使のウィンク
小さな花をたくさん咲かせる四季咲き性の品種です。茎も短めでコンパクトなので、ガーデニングのちょっとしたアクセントにおすすめです。
フランネルフラワーの育て方ポイント3つ
フランネルフラワーの上手な育て方のポイントを3つご紹介します。
適している置き場所・植え付け場所は?
基本的には日当たりの良い場所に植えましょう。十分な日当たりがないと、株全体が徒長するだけでなく、花も咲かなくなってしまいます。
また、軒下などの雨が直接当たらない場所に置き、夏は風通しの良い半日陰に、冬は凍らせないよう室内へ置くようにします。
庭植えも可能ですが、夏の西日を避けられるようにしたり、冬はビニールなどをかぶせ霜が付かないようにしたりする必要があります。
土は、水はけの良い酸性の土を使いましょう。市販のブルーベリーの土が適していますが、自分で調合する場合は、酸度無調整のピートモスと鹿沼土を半量ずつ混ぜます。アルカリ性の石灰は混ぜないように注意しましょう。
水やりのタイミングは?
フランネルフラワーは基本的には乾燥気味に育てます。ただし極端に乾燥させると枯れてしまうため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。その際、花や葉になるべく水がかからないよう注意します。
多湿は苦手なので、水のやりすぎに注意し、雨が直接当たる場所は避けます。
庭植えの場合の水やりは必要ないですが、雨がずっと降らない時期には、様子を見て水やりをしましょう。
水の管理が難しく感じる方におすすめなのが、寄せ植えにすることです。同じ酸性の土を好むエリカやクロウエアなどと寄せ植えにすることで、土の量が増え乾燥しにくくなるため、水の管理がしやすくなります。
ナチュラルな白い花は、どんな植物と寄せ植えにしても映えますよ。同じ生育環境を好む植物を選んで、オリジナルの寄せ植えを作ってみてはいかがでしょうか。
肥料の与え方は?
フランネルフラワーの根は繊細なので、高濃度の肥料を与えると肥料やけを起こしてしまいます。庭植えの場合、肥料は不要です。
鉢植えの場合は、植え付けの時は規定量の緩効性化成肥料を与えます。そして3ヶ月に一度、固形肥料を置きましょう。
葉が白っぽくなっていたら肥料不足のサインなので、2倍に薄めた液体肥料を週に1度のペースで与えます。ただし、夏は肥料を控えめにしましょう。
フランネルフラワーに必要なお世話
フランネルフラワーの花をたくさん咲かせるために必要なお世話を2つご紹介します。病気や害虫の予防にもなりますので積極的に行うと良いでしょう。
花がら摘み
4〜6月、9〜12月の開花の時期に欠かせないのが花がら摘みです。花びらが黄色くなって枯れ始めてきたら、花を付け根から切り取ります。
花をそのままにしておくと種を作るために栄養が取られ、全体的に十分な栄養が行き渡らなくなってしまいます。種が必要な場合は、最低限の花のみ残し、それ以外は摘み取るようにしましょう。
枯れた花をそのままにしておくと、病気の原因にもなるため注意が必要です。
切り戻し
風通しを良くして病気や害虫を防ぐため、また新芽の発生を促すために、切り戻しをしましょう。8月頃に5cmほど茎を切り戻します。
その時、各茎に葉がないと枯れてしまうため、必ず葉を残すようにします。ただし古くなった下葉は取り除いておきましょう。
フランネルフラワーが注意すべき病気と害虫
フランネルフラワーが注意すべき病気は灰色カビ病です。風通しが悪かったり、枯れ葉や花がらが残っていると発生しやすくなります。
ひどい場合は株ごと枯れてしまいますので、こまめな管理を心がけましょう。
また、注意すべき害虫はハダニです。風通しを良くしたり、水やりの時に葉裏まで水をかけたりして予防しましょう。もしハダニが発生してしまったら、市販の薬剤で対処します。
フランネルフラワーの植え付けと植え替えの方法
フランネルフラワーの根はとても繊細で、根鉢が傷つくと枯れてしまいます。そのため、植え付けや植え替えする時は、根や根の周りの土を崩さないように注意しましょう。
植え付けや植え替えに最適な時期は、4〜5月と9〜10月です。株が窮屈になっていたら、切り戻しの後に行いましょう。
- 鉢やプランターに鉢底ネットと鉢底石を入れる
- 市販のブルーベリー用土を半分ほど入れる
- フランネルフラワーの苗を根や土を崩さないよう丁寧にポットから外す
- 鉢に苗と残りの土を入れる
- たっぷりと水やりをする
フランネルフラワーの増やし方
フランネルフラワーは種をまくことで増やすことができます。
種を取るために残しておいた花に種がついたらそっと採取します。種まきに最適な時期は5月なので、それまでの間は、乾燥剤を入れた密閉容器に種を入れ、冷蔵庫で保存しておきましょう。
5月になったら市販の種まき用土に種をのせ、5mmほどの土をかぶせます。発芽までは毎日水やりをしましょう。
フランネルフラワーは、増やした株を無断で譲渡や販売をするのは禁止されているので、個人の範囲で楽しみましょう。
フランネルフラワーは適切な生育環境で丁寧に育てよう!
フランネルフラワーは、根が繊細で、多湿や極端な乾燥に弱い性質があります。しかし、注意すべきポイントを理解して実践すれば、初心者でも可憐な花を楽しむことができますよ。
ふわふわと可愛い白い花は、ガーデニングのアクセントとなるでしょう。また、性質が似た植物と寄せ植えをすると、おしゃれに飾れるだけでなく、育てやすくなるためおすすめです。
フランネルフラワーを丁寧に育てて、切り花にしたり、ドライフラワーにしたりして楽しみましょう。