オキザリスは私たちの身の回りでもよく見かける、なじみ深い草花です。とてもたくさんの種類があるので自分の好きなタイプを選んで育ててみましょう。丈夫ですくすく育つので、初めて植物を育てる方にもおすすめです。今回は初心者にも簡単なオキザリスの育て方を解説いたします。
オキザリスとは
一般的に、カタバミ科の植物のうちで主に鑑賞用に育てられる球根を持つ草花のことを、オキザリスと呼びます。
オキザリスの花には黄色、ピンク、白、紫、オレンジなどの色があり、大きさもさまざまでバラエティ豊かです。葉の形も、品種によってハート型のものや細長いものがあります。
また、オキザリスの花には少しおもしろい特徴があります。それは日光が当たると花を咲かせ、曇ったり雨天になったりすると花を閉じるというもの。
天気によってその状態を左右されるので、オキザリスのかわいい花を見たいときは、ぜひ日光のよく当たるところに置いてあげてくださいね。
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自生しているオキザリス
庭や道端で、クローバーのような三つ葉の植物が、小さな黄色やピンクの花を咲かせているのを見かけることがあります。これらは一般的にカタバミと呼ばれていて、日本中に自生しています。
カタバミは鑑賞用に育てられているわけではありませんが、分類的にはオキザリスの一種です。
カタバミは、古くから私たちの生活に寄り添ってきたなじみ深い植物でもあります。繁殖力が旺盛な植物なので子孫繁栄を願って家紋に用いられたり、また、カタバミに含まれるシュウ酸は真鍮の鏡を磨くときなどに利用されたりしてきました。
オキザリスの種類
さて、鑑賞用のオキザリスには多くの種類がありますが、そのなかでも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
オキザリスの花や葉の色や形、サイズなどは種類によって大きく異なります。ぜひ、自分のお気に入りのオキザリスを探してみてくださいね。
また、オキザリスには春植えのものと秋植えのものがあるので、育てるときには注意しましょう。
大輪の花を咲かせるオキザリス・ボーウィー(ハナカタバミ)
オキザリス・ボーウィーはハナカタバミとも呼ばれ、直径3cm~5cmの大輪の花を咲かせます。ハート型の丸みを帯びた葉で構成される三つ葉がかわいらしく、とても人気がある品種です。夏の終わりから秋の初めまでに植えつけることで、晩秋に花を咲かせます。
オキザリス・バーシカラーならつぼみの状態でも魅力的
オキザリス・バーシカラーは花びらの輪郭が濃い色をしているため、天候が悪く花を閉じているときでも華やかに見えます。葉の形は細長く、秋に植え付けることで冬から初春にかけて花を咲かせます。
灰色がかった葉の色がシックなオキザリス・アデノフィラ
オキザリス・アデノフィラは、灰色がかった青みのある葉とライラックピンクの花のコントラストがとてもおしゃれ。ハート型の葉が輪のように集まっているのも個性的です。春に植え付けることで、晩春から夏にかけて花を咲かせます。
葉が濃い紫色のオキザリス・トリアングラリス
その名の通り三角形の葉が特徴の品種です。緑色の葉に白い花をつけるものもありますが、一般的にはトリアングラリスと言えば濃い紫色の葉を持つものを指す場合が多いでしょう。春に植え付けることで初夏から秋にかけて、ピンクや白の花を咲かせます。
人気の“桃の輝き”はオキザリス・グラブラの一種
オキザリス・グラブラは緑色の細く小さな葉を持ち、直径2cm~2.5cmの花を咲かせます。濃い桃色の花を咲かせる“桃の輝き”という品種の他に、白い花を咲かせるものも。夏の終わりから秋の初めまでに植えつけることで、晩秋から初春にかけて花を咲かせます。
オキザリスの花言葉
オキザリスには、たくさんの花言葉があります。それらは、オキザリスが持つ習性や形態と、私たちの生活習慣や宗教的な考え方などを結びつけて説明することができるでしょう。
オキザリスの代表的な花言葉は、「輝く心」「喜び」「母親のやさしさ」「決してあなたを捨てません」などですが、特に興味深いのが「輝く心です」。
この「輝く心」という花言葉は、オキザリスの葉や茎などに含まれるシュウ酸が、古くから真鍮の鏡などを磨くのに使われて使われてきたことにちなんでできたものです。
毎日を元気に明るく過ごすために「輝く心」を手に入れたいという人は、オキザリスを育ててみてはいかがでしょうか?心を込めて育てることで、オキザリスが「ピカピカに輝くポジティブな気持ち」を運んできてくれるかもしれません。
オキザリスの育て方
それではオキザリスの育て方についてご紹介します。
オキザリスは基本的に強い草花。環境さえ整えてあげれば、持ち前の生命力を発揮してすくすくと元気に育ってくれるでしょう。
初心者さんでも自信をもってチャレンジしてみてくださいね。
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オキザリスに適した用土
オキザリスは、中性もしくは弱アルカリ性の、水はけの良い土で育てましょう。最も簡単なのは市販されている草花向け培養土を使う方法です。
また、やせた土でなければお庭の土を掘り起こしてふかふかにしたものを使うこともできます。お庭にミミズやダンゴムシがたくさんいるようなら試してみてくださいね。庭の土に腐葉土を少し混ぜるとより発育が良くなるでしょう。
オキザリスの植え付け
オキザリスには、アデノフィラやトリアングラリスのような春植えのものと、ボーウィーやバーシカラーのように秋植えのものがあります。品種によって違うので、球根を購入するときにはよく確認しておきましょう。
また、球根の形によって植え付け方が少し違います。それぞれの品種に合ったやり方で植え付けましょう。
基本的には尖ったほうを上、丸みがある方を下に植える
ボーウィーのように球根が玉ねぎのような形をしている場合は、尖ったほうを上に、丸みがある方を下にして植えましょう。球根の尖った部分が地面の1、2cm下になるように植えると良いでしょう。
上下の分からない球根は?
両側が尖っている球根や根茎状の球根のように上下の判別が難しいものは、地面の中に寝かせるように植えます。あまり深く植え過ぎないように注意しましょう。
細い毛が密集した球根は上部を露出させる
アデノフィラのように細い毛が密集した球根は、全体を地面の中に埋めると腐りやすくなります。埋めるのは3分の1にとどめ、上部は露出させておくのがポイントです。
オキザリスを苗から育てる場合
球根から育てる場合、「無事発芽させられるかが不安…」という人も多いでしょう。なので、初心者の場合は苗から育てるようにすればより安心です。苗から育てる場合は、苗をあまり深く植え過ぎないように気を付けて、植え終わったらたっぷり水をやりましょう。
オキザリスと日当たり
オキザリスは日光を好みます。強く丈夫に育てるためには日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
ただし、真夏の直射日光や強い西日には注意が必要です。鉢植えで育てている場合は、日差しが強いときには半日陰に移動させてあげるとよいでしょう。
また、オキザリスの花を楽しみたいときには、しっかりと日光に当てましょう。オキザリスは日が当たらないと開花しません。
オキザリスの水やり
発芽してから1ヶ月前後の間は、オキザリスがしっかり根をのばそうとしている時期です。この時期に十分に水を与えることで、強く丈夫な株になります。
オキザリスは基本的には乾燥に強いので、その後の水やりは土の表面が乾いてからで良いでしょう。水やりの間隔は長めで良いのですが、水やりをする際には十分に水を与えます。葉の裏にもしっかり水をかけるようにすると、葉ダニの発生を防ぐことができます。
また、ほとんどの品種は開花時期が終わると休眠期に入ります。休眠期には地上に出ている部分は枯れているように見えますが、地中には球根がしっかり残っています。休眠期には球根が腐るのを防ぐために水やりの回数をさらに控えめにします。
休眠期の水やりは、地植えの場合ならほとんど必要なく、鉢植えの場合は月に1回程度にとどめておくと良いでしょう。
オキザリスの肥料
オキザリスは肥料がなくてもすくすくと育ちます。ただし、「花をたくさん咲かせたい」「球根の数を増やしたい」というときには、月に2、3回程度液体肥料をやってみましょう。
ただし、肥料のやり過ぎは逆効果です。花数を減らしたり球根を腐らせたりしてしまうので、肥料は控えめに与えるとよいでしょう。
開花時期とその後の注意点
オキザリスの開花時期は品種ごとに違います。大きく分けると、アデノフィラのような春植えの品種は春から夏にかけて、ボーウィーのような秋植えの品種は秋から冬にかけて花を楽しむことができるでしょう。なかには、一年中楽しめる四季咲きの品種もあります。
開花時期にはこまめに花がらを取って、風通しを良くしておきましょう。
オキザリスの病害虫
オキザリスは自生している品種があるほど丈夫で強い草花です。病害虫の心配もなく、あまり手をかけなくても元気にすくすく育ちます。
あえて言うなら、まれにさび病にかかることがあります。葉の裏に細かい黄色い粉が付いているのを見つけたら、市販の殺菌剤などを使って早めに対処しましょう。
オキザリスの増やし方
オキザリスは繁殖力旺盛な植物なので、放っておいても自然に増えるでしょう。増え過ぎてトラブルになることもあるので、注意点を紹介します。
地植えなら増えすぎに注意
オキザリスを地植えにすると、他の草花の領域を侵食するほど増えすぎてしまうことがあります。環境さえ合っていればとにかく勝手に増えていくので、「気がつけば庭にオキザリスしか見えない…
」ということにもなりかねません。
そうならないようにするために、そして他に育てている草花を守るためにも、地面の中に仕切りを作っておくなどの対策が必要でしょう。また、初めから鉢で育てるという方法もあります。
鉢植えなら植え替えが必要
オキザリスを鉢植えにした場合、増えすぎて根詰まりを起こすという可能性があります。それを防ぐためにも、2~3年に1度は必ず植え替えをしましょう。植え替えに適した季節は品種によってさまざまで、植え付けの時期が良いといわれています。
特にボーウィーのような大型化する品種は注意が必要です。その都度一回り大きいサイズの鉢に植え替えてやりましょう。
オキザリスを育てて元気をもらおう!
オキザリスは強くて丈夫な初心者にも育てやすい草花です。また、昔から私たちの生活に寄り添ってきた、庶民的でたくましく親しみやすい草花でもあります。
日光が当たると咲いて、曇ると花を閉じるというその習性も、泣いたり笑ったりいろいろな表情を見せてくれる小さな子どものようで、なんだか愛らしいですね。
初心者でも気軽に育てられるオキザリス。オキザリスを育てて元気をもらいましょう!
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