「見るだけでなく、食べても楽しめる植物を育ててみたい!」そんな方に向けて、この記事ではクレオパトラの愛した美のハーブ“ルッコラ”を、ベランダで簡単に育てる方法をご紹介します。美味しく育てるためのコツも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ピリッとした辛みが美味しいハーブ「ルッコラ」
ルッコラはアブラナ科キバナスズシロ属に分類される、ピリッとした辛みが魅力のハーブです。主に地中海沿岸を原産地としており、日本でも最近はスーパーなどでも市販されるようになりました。
主張の強すぎない辛みと、ゴマを思わせるまろやかな風味が特徴で、サラダにしたりメインディッシュの付け合わせとして炒めたりと、さまざまな料理に活用されています。
イタリアンレストランなどの飲食店でもよく使われており、知らず知らずのうちに口にしたことがある方もいるかもしれませんね。
栄養豊富でクレオパトラにも愛されていた
ルッコラは美味しいだけでなく、栄養価が高いことでも有名なハーブです。具体的には、以下の栄養素がふんだんに含まれています。
- ビタミンC
- ビタミンE
- βカロテン
- ミネラル
- 鉄分
- アリルイソチオシアネート
ビタミンCを筆頭に美容へ関する栄養素が多く、その栄養価の高さは、
「エジプトの女王“クレオパトラ”が美しかったのは、栄養豊富なルッコラを好んで食べていたからだ」
という説があるほどです。
現代でも、美しくなりたい女性が好んで食べるハーブとして愛されています。
ベランダのプランターで簡単に育てられる
そんなルッコラですが、繊細そうなイメージに反して実は非常に頑丈な植物です。ハーブでありながら病気にもなりにくく、一般家庭でもベランダのプランターを使って簡単に育てられます。
さまざまな料理で役立ち、美容にも嬉しいハーブとして、ルッコラを育ててみませんか?
ここからは初心者でも簡単にできるルッコラの育て方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに、ルッコラの花言葉は「競争」や「私に振り向いて」といった恋をイメージさせるものです。
美しくなる効果とあわさり、恋の成就に役立つ!…なんてことも、あるかもしれませんよ。
ルッコラの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
それでは、ルッコラをプランターで育てる方法を見ていきましょう。初心者がルッコラを育てる際には、以下の流れを意識しておくことが大切です。
- 種まき
- 置き場所の調節
- 水やり
- 間引き
- 収穫
それぞれわかりやすく解説します。
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種まきから育て始めよう
ルッコラは“一年草”と呼ばれる、「種から育ち一年以内に枯れて、また種になるタイプの植物」です。
そのため、初心者が育てる場合にも、基本的には苗を購入するのではなく種まきから始める形になります。
種まきの手順はとても簡単です。以下で、必要な道具と手順をチェックしていきましょう。
必要な道具
ルッコラの種まきでは、以下の道具が必要です。
- ルッコラの種
- プランター(深さが20cm以上あるもの)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 野菜用の培養土
- 軍手(手が汚れても気にならないなら、なくてもOK)
いずれもホームセンターや園芸ショップ、通販などで市販されており、簡単に手に入ります。
種まきの手順
前提として、ルッコラの種は15~25度で発芽する性質を持ちます。種まきは4~6月、あるいは9~10月までと、比較的暖かい時期の間に行いましょう。
具体的な種まき手順は、以下の通りです。
- プランターに鉢底ネットを敷き、ネットが見えなくなるまで鉢底石を投入する
- 野菜用の培養土を8割ほど投入する
- 15~20cmほどの間隔を空けつつ、土の表面に深さ1cmほどのくぼみを作る
- それぞれのくぼみに、ルッコラの種を5~10粒ずつ投入する
- 残りの土を使って、ルッコラの種を軽く隠す
- 水をたっぷりと与えれば完了
種まき後は、順調に育つと4~7日後には芽が生えてきます。それまでは、土が乾いたのを確認するたびに水やりを行いましょう。
「明るい日陰」に置いてあげる
種まき後のルッコラのプランターは、園芸用語で「明るい日陰」と呼ばれる場所に置いて管理します。
明るい日陰とは、午後からは日が当たらないなど、一日の半分くらいだけ日の当たる場所のことです。
ルッコラは直射日光を浴びせすぎると硬くなり、美味しさが損なわれてしまいます。美味しいルッコラにするためにも、置き場所には注意するようにしましょう。
水やりはたっぷりと
今回のように食べる目的でルッコラを育てるのであれば、水はたっぷりと与えましょう。
ルッコラは水が足りないと、苦みが強くなってしまいます。日々の水やりでは、土の表面が乾いたのを確認するたびに、鉢底から流れ出るほど水を与えて大丈夫です。
ただし、ルッコラはもともと湿気を嫌う植物で、本来は乾燥気味に育ててあげた方が元気に育ちます。
できるだけ蒸れないように、夏の水やりは早朝や夕方にするよう注意してくださいね。
間引きで健康なものを厳選していく
ルッコラがある程度大きくなった後、大切になるのが「間引き」です。
間引きとは育ちの良いルッコラを残し、元気のないルッコラを取り除くことです。生育の良いルッコラに栄養を集中させる効果が期待できます。
ルッコラの間引きは通常2回行います。それぞれのルッコラに葉が1~3枚ずつ付きはじめたら、1回目の間引きのタイミングです。
密集して生えているルッコラとルッコラの間隔が、2~3cmほどになるまで間引いていきましょう。間引きの方法は、手で摘まんで引き抜いてしまえばOKです。
2回目の間引きは、葉が4~5枚ほどになってから行います。今度は、間隔が4~5cmほどになるまで間引きましょう。
ちなみに、間引きで取り除いたルッコラも、小さめではありますが料理に使って食べられます。本格的な収穫を楽しみにしながら、一足先に味わってみるのも良いですね。
10~15cmまで育てば収穫の時期!
ルッコラが10~15cmほどにまで育てば、いよいよ収穫の時期です。ルッコラの収穫方法は、以下の2種類に分類されます。
- まるごとルッコラを収穫する
- 外葉を収穫して本体は残す
→根元から引き抜いてしまえばOK
→外側から必要な量の葉だけを収穫する
外葉を収穫する方法の利点は、うまくいけば同じルッコラから何度も葉を収穫できる点です。とはいえ、初心者にとって簡単なのは、まるごとルッコラを収穫する方法でしょう。
どちらかが必ずしも優れているわけではありませんので、好みの方を選択してくださいね。
ルッコラを美味しく育てるために実践したいこと
ルッコラは頑丈で、多少育て方を間違えても元気に育ちます。文章で育て方を見ると難しく見えるかもしれませんが、ぜひ気軽な気持ちで挑戦してみてください。
それでは、ルッコラを美味しく育てるためのコツもご紹介します。大切なのは、以下の2点です。
- 虫対策を万全にする
- 蕾を取り除く
寒冷紗(かんれいしゃ)で虫対策をする
栄養豊富なルッコラは私たちにとってだけでなく、害虫にとっても魅力的な植物です。
食べられてしまわないように、「寒冷紗(かんれいしゃ)」と呼ばれる道具で害虫対策をしておきましょう。
寒冷紗とは、植物にかけて使用するビニールシートのような布のアイテムです。
ハーブや野菜などの害虫の被害に遭いやすい植物を育てる際には、寒冷紗を被せておくことで、簡単に食害を予防できます。
設置方法も簡単で、プランターに支柱を立てて、支柱の上から寒冷紗をかけて固定するだけでOKです。
寒冷紗も支柱もホームセンターや園芸ショップで市販されています。プランターなどを用意するときにあわせて購入しておきましょう。
蕾は摘蕾(てきらい)で取り除く
ルッコラは本来、花も楽しめる植物です。しかし美味しく食べるためには、花が咲く前に蕾の段階で取り除く「摘蕾(てきらい)」が重要となります。
これは、花を咲かせようとすると、栄養がそちらに吸われて葉の美味しさが落ちてしまうためです。蕾を発見した段階で、園芸バサミを使って切り落としておきましょう。
ちなみに、誤って花が咲いてしまった場合は、その花も葉と同様に食べられます。ただし、見た目には華やかなのですが、葉よりは食味が悪くなってしまいます。
基本的には取り除くことをおすすめしますが、何度もルッコラを育てるなら、たまには咲かせて楽しむのも良いかもしれませんね。
収穫したルッコラは「冷蔵」か「冷凍」で保存しよう
最後に、収穫したルッコラを保存する方法を覚えておきましょう。上手に保存すると、ルッコラの美味しさを長期間維持できます。
ルッコラは冷蔵庫を使って、「冷蔵」か「冷凍」で保存するのが一般的です。
冷蔵保存
冷蔵でルッコラを保存するときは、根ごと収穫した状態で丁寧に洗って土を落とし、濡らしたキッチンペーパーなどに包み、袋に入れて保存します。袋はポリ袋が水にも強く、手軽でおすすめです。
また些細なことですが、ルッコラの向きを根が下の状態、つまり鉢で生えている状態と同じ向きで保存すると、風味が長持ちしやすくなります。
冷凍保存
ルッコラを冷凍保存をする場合は、一度火を通しておくと安心です。
鍋にルッコラを入れて硬めに茹でて、冷水を使ってしっかりとしめたあとに、水気を切ってからラップにくるみましょう。茹で加減は自分の好みで調節してくださいね。
自宅で美味しいルッコラを育てて好きなだけ味わおう
買おうとすると少し高価なルッコラも、ベランダで育てれば好きなだけ気兼ねせずに味わえます。
クレオパトラが愛したといわれるハーブを、日々の生活へ贅沢に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ルッコラは驚くほど簡単に、しかも素早く育つハーブです。ほかのハーブを育てる練習にもなりますので、ぜひ一度育ててみてくださいね。
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