ペペロミアが伸びすぎた(徒長した)まま放置すると、転倒などの新たなトラブルにつながります。剪定(切り戻し)で、伸びすぎた部分を素早く取り除いてあげることが大切です。この記事では、初心者でもできるペペロミアの切り戻し手順や、そもそも徒長が起こる原因を解説します。
ペペロミアが伸びすぎた(徒長)場合は放置NG!
ペペロミアは品種が1,000種類以上もあるユニークな観葉植物です。同じ“ペペロミア”でも、品種ごとに葉の模様や色がまったく異なり、個性的な姿も楽しめます。
しかし、ペペロミアの一部分のみが極端に伸びすぎた場合は注意が必要です。「徒長(とちょう)」と呼ばれる、植物の一部分が不要なほどにヒョロヒョロと伸びる異常の可能性があります。
ペペロミアの徒長は不格好なだけでなく、重心が崩れて苗が転倒するなどのトラブルの原因にもなります。
徒長を見かけたときは、速やかに「切り戻し」という剪定をしてあげなければいけません。
ペペロミアが伸びすぎたときは切り戻しで対処
切り戻しとは主に樹形を整えるための剪定で、伸びすぎた茎や枝葉をバッサリと切ることを意味します。
ペペロミアの切り戻しには、特別な手順は一切必要ありません。清潔な剪定ばさみを用意して、伸びすぎた茎の根元をバチンとカットしてしまうのみでOKです。
- STEP1:どの茎が徒長を起こしているのかチェックする
- STEP2:徒長している茎の根元を片手で掴む
- STEP3:反対側の手で剪定ばさみを持ち、掴んだ根元部分をカットすれば完了!
剪定ばさみは通販や園芸ショップで市販されているもので大丈夫です。
ただし、ペペロミアに病気をうつさないために、清潔な状態で使う(例:使用前に熱湯消毒する、クリーナーを使うなど)ことだけ注意してくださいね。
余裕があれば植え替えもおすすめ
現在が5~10月で、なおかつ余裕がある方は、切り戻しのついでにペペロミアの植え替えを行ってあげるのもおすすめです。
ペペロミアが伸びすぎるなどのおかしな育ち方をする場合、根にもトラブルが起きている可能性があります。植え替えで根を整えてあげれば、今後は元気に育ちやすくなります。
ペペロミアの植え替えに必要な道具と、一般的な手順は以下の通りです。
- 現在よりも一回り大きい鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 水はけの良い土
- STEP1:新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- STEP2:ネットが隠れる程度にまで鉢底石を入れる
- STEP3:水はけの良い土を2/3ほどまで入れる
- STEP4:ペペロミアを現在の鉢からそっと取り出す
- STEP5:根に付いている土を1/3程度だけ残るよう優しく取り除く
- STEP6:黒ずんでいるなど異常のある根を取り除く
- STEP7:新しい鉢にペペロミアを植え、残りの土も入れる
- STEP8:一度水やりを行い、ペペロミアを土の中で固定してあげれば完了!
難しそうにも見えるものの、要するに新しい鉢へ根を整えた状態で移動させるのみです。イメージよりも簡単に行えますので、ぜひ気軽な気持ちで挑戦してみてください。
切った茎は挿し木で新しいペペロミアに!
切り戻しでカットした茎は、実は「挿し木」により新しいペペロミアとして育てられます。挿し木とは、植物の一部を切り取り、新たな苗として育てる園芸手法です。
ペペロミアの挿し木は簡単で、以下の道具と手順で行えます。ふさわしい時期は5~6月ごろです。
- 新しい鉢(切り取った茎の大きさに合わせた小さめのもの)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 挿し木用の土
- STEP1:上述の植え替えと同じ手順で新しい鉢の準備を整える
- STEP2:切り取ったペペロミアの茎を確認し、葉を2~3枚だけ残して取り除く
- STEP3:先端から5cmほどの長さになるまで茎を切る
- STEP4:指や棒で新しい鉢の土の中心辺りに穴を空ける
- STEP5:ペペロミアの茎(切り口側)を穴に挿し、優しく土で固定する
- STEP6:たっぷりと水やりを行えば完了!
挿し木では水を切らさないことが成功に直結するといわれています。しばらくの間は土が湿った状態を保てるよう、小まめに水を与えましょう。
繰り返さないために|ペペロミアが伸びすぎる原因って?
最後に、ペペロミアが徒長を繰り返さないように伸びすぎる原因をおさらいしておきましょう。
ペペロミアが伸びすぎる場合、「日当たりの不足」と「風通しの悪さ」が理由として考えられます。
日当たりの不足
ペペロミアが徒長する際に、特にありがちなのが日当たりの不足です。植物は日当たりが不足すると、日光の当たる方へできるだけ伸びようとし、ヒョロヒョロと細長い状態で成長してしまいます。
ペペロミアはそれほど日差しを好まず、レース越しに日の当たる室内などの「直射日光を避けた明るい日陰」が理想の置き場所です。
しかしそれでも、頻繁に徒長を起こす際には、現在よりも少しだけ日が当たる場所に移動させてみてください。
風通しの悪さ
置き場所の風通しの悪さも、植物が徒長を起こし得る原因です。
特にペペロミアは乾燥を好むため、湿気の多い状態では害虫の発生や病気の発症など徒長以外のトラブルも起こりやすくなります。
できるだけ風通しの良い場所に置くのはもちろん、冬には水やりを控えめにするなど、蒸れないための工夫を欠かさないようにしましょう。
ペペロミアの適切な生育環境やお世話の方法は、以下の記事でも解説しています。伸びすぎを繰り返さないために、ぜひ参考にしてみてください。
伸びすぎたペペロミアを剪定で綺麗に整えてあげよう!
この記事ではペペロミアの伸びすぎ(徒長)について、原因や対処方法、放置すべきでない理由を解説しました。
伸びすぎたペペロミアを放置すると、苗の転倒などさらなるトラブルが起こります。大切な苗を長持ちさせるためにも、できるだけ早く切り戻しで整えてあげましょう。