花の肥料は、花の健康な成長と美しい花を咲かせるために欠かせないアイテムです。しかし、市場にはさまざまな種類の花用肥料が存在するため、「どれを選べば良いのだろう」と、迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、液体と固形の花用肥料の中からおすすめの10種類をご紹介します。また、花用肥料の種類や使い方、注意点についても解説しますので、花用肥料を選ぶ際の参考にしてみてください。
花の生育に必要な3つの成分
花が健康に成長し美しい花を咲かせるためには、窒素・リン酸・カリウムという3つの成分が必要不可欠です。
それぞれの成分の特徴や働きについては以下の通り。
- 窒素(N): 窒素は花の葉や茎の成長に重要な役割を持つ成分。葉の発育を促進し、植物の全体的な健康をサポートする。
- リン酸(P): リン酸は根の発育と花芽の形成に必要な成分。根の発達を助け、花のつぼみの形成と花色の鮮やかさを向上させる。
- カリウム(K): カリウムは病気やストレスに対する抵抗力を高める役割を持つ。また、花の開花と花の長持ちを促進する効果も得られる。
窒素・リン酸・カリウムをバランス良く取り入れることで、花の健康な成長と美しく咲いた花を楽しむことができます。
花に用いられる肥料の種類・特徴
花に用いられる肥料にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
ここでは、花の肥料として主に使われている「有機質肥料」と「無機質肥料」の特徴を詳しく解説します。
有機質肥料
有機質肥料は、動植物由来の堆肥や腐植土、魚粉などの有機物を主成分とする肥料であり、植物に栄養素を供給するための有機物を含んでいるのが特徴です。
有機質肥料は土壌の有機物含量を増やし、土壌の保水力や通気性を向上させるメリットがあります。
また、有機物の分解過程で微生物が働くことで、土壌の生態系を活性化させることも可能です。有機質肥料は長期的な効果があり、土壌改良や植物の健康な成長に役立ちます。
無機質肥料
無機質肥料は、人工的に合成された肥料であり、化学的な形で植物に栄養素を届けます。
主に窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)などの栄養素を高濃度で含むのが特徴です。無機質肥料の栄養素は、すぐに植物に吸収されるため、迅速な効果を期待できます。
無機質肥料は栄養素のバランスを正確に調整できるため、特定の栄養欠乏症を補うのに効果的です。ただし、過剰な使用や誤った使用方法は植物に害を与える可能性があるため、適切な量を適切なタイミングで施しましょう。
有機質肥料と無機質肥料は、それぞれの特徴や利点を持っています。適切な肥料を選択するためには、花の種類や栽培環境に合わせて行うことが大切です。
目的に合わせて肥料の形状を選ぼう
花の成長を促進するためには、適切な形状の肥料を選ぶことが重要です。
花の肥料には、さまざまな形態のものが存在しますが、ポピュラーなのは「液体肥料」と「固形肥料」の2種類です。
それぞれの特徴と、それぞれの目的に合った選び方を説明しますので、ぜひチェックしておいてください。
即効性を求めるなら「液体肥料」
液体肥料は、水に溶かして使用するタイプの肥料です。液体状の肥料は根や葉から迅速に吸収されるため、即効性があります。
植物が突然の栄養欠乏状態に陥った場合や、迅速な成長を促したい場合に最適です。
液体肥料は、定期的な散布や葉面散布として使用することができます。また、根からの吸収力が低下している状況下でも効果的です。
長期間効果を得たいなら「固形肥料」
固形肥料は、顆粒やパウダー状の形状を持つ肥料です。固形肥料は土壌に散布してから徐々に分解・溶解し、植物に栄養素を供給します。
このような特性から、固形肥料は長期間にわたって効果を発揮し、植物の持続的な栄養補給に効果的です。
固形肥料は、土壌に直接埋め込むか、根周りに散布する方法で使用します。また、肥料の種類によっては、一度の施肥で数ヶ月以上の効果が持続する場合もあります。
花用肥料を選ぶ際は、目的や状況に応じて、液体肥料または固形肥料を選び、花の育成に最適な栄養供給を行いましょう。
花におすすめ!人気の液体肥料5選
まずは、即効性が期待できる人気の液体肥料を5つご紹介します。
【ハイポネックス】原液
ハイポネックス原液は、植物を健全に育てるために必要な15種類の栄養素をバランス良く配合した液体肥料です。
与えて効果がすぐに現れる速効性のある肥料で、花用肥料としても効果を発揮します。
さまざまな栄養素を配合していますが、特にリン酸を多く含んでいるのが特徴です。そのため、ハイポネックス原液を施すことで、花数が増え、次々と花を咲かせてくれます。
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【住友化学園芸】花工場原液
花工場原液は、植物の健やかな生育に必要な栄養素をバランス良く配合した花専用の液体肥料です。
そのまま速やかに吸収される「硝酸態窒素」と、一部はそのまま吸収され、残りは土の中で硝酸性窒素に変化してから吸収される「アンモニア性窒素」、土の中の微生物に少しずつ分解されて吸収される「尿素」という3種類のこだわり窒素配合。これら3つの成分の働きにより、植物の健やかな生育をサポートします。
薄めて使えるタイプの肥料なので、長くたっぷりと使えるのも嬉しいポイントです。
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【フローラ】植物活力剤 HB-101
HB-101は、スギ・マツ・ヒノキ・オオバコのエキスを抽出・生成し、混合した天然の植物活力液です。スギ・マツ・ヒノキ・オオバコ以外は一切使用せず、化学処理も施していません。
植物にバランス良く栄養を届けるだけでなく、有効微生物の繁殖を助け土壌の中のバランスを保つ働きもあり、良い土壌作りにも役立ちます。
また、植物自体の免疫力を活性化させるとともに、精油成分(フィトンチド)の働きで、抗菌・防虫効果で外敵を防ぐことも可能です。
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【協和】ハイポニカ液体肥料
ハイポニカ液体肥料は、A液とB液の2つのボトルに分かれた、植物の生育に必要な成分を余すことなく配合した花はもちろん、野菜や樹木などあらゆる植物に使用できる液体肥料です。
2液に分かれているため、植物に応じた最適な配合の栄養を与えることができます。
また、非常に優れたバランスで栄養素が配合されているため、植物の生長段階を問わず同じ希釈率で使用可能です。
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【サンアンドホープ】活力液肥
サンアンドホープの活力液肥は、液体肥料を700倍に希釈した液体肥料です。
濃度の高い液体肥料のため、即効性があるのが特徴。普段の栄養補給に加えて、冬場の肥料の効果が出にくい時期や植え替え後など根が弱っているときにおすすめです。
キャップの先端をねじ切って、植物の株元付近に差し込むだけで手軽に使えます。
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花におすすめ!人気の固形肥料5選
次に、長時間効果を得られる人気の固形肥料を5つご紹介します。
【ハイポネックス】花と野菜と果実の肥料
花と野菜と果実の肥料は、草花・野菜・果実など、さまざまな植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機成分配合の緩効性肥料です。
夏に不足しがちなカリとカルシウムをたっぷり配合しているため、植物が猛暑を乗り越えるようサポートしてくれます。
元肥と追肥どちらにも使用できる使い勝手の良さも魅力的です。
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【ハイポネックス】マグァンプK 中粒
マグァンプK 中粒は、さまざまな植物の植え付け、植え替え時に適量土に混ぜ込むだけで、ゆっくり長く効果を発揮し、花などの植物の生育を助ける肥料です。
マグァンプKの粒の中には、水に溶ける成分と水に溶けない成分(微生物や根から出る酸の働きで溶ける)が含まれており、1回土に混ぜ込むだけで、長期間効きます。直接根触れても肥料焼けの心配もなく、安全性が高いので安心して使用できます。
中粒タイプは元肥に適していますが、追肥には小粒タイプがおすすめです。
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【住友化学園芸】マイガーデン元肥用
マイガーデン元肥用は、1年間効果が続く元肥用の肥料です。樹脂コーティングにより、土壌の温度や植物の生育に応じて溶け出す量が調節されます。
また、土壌改良や植物の栄養補給に役立つ成分である「腐植酸」をブレンドしているため、植物に栄養を届けると同時に土作りにも効果的です。
マイガーデン元肥用は、植物に必要な栄養成分を効率良く届ける、腐植酸配合の優れた緩効性肥料として特許を取得しています。
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【朝日工業】お花の肥料
お花の肥料は、美しい花を咲かせるための花専用有機入り肥料です。窒素・リン酸・カリをバランス良く配合しており、花の健全な生育に欠かせない栄養素をしっかり届けます。
さらに、アミノ酸配合で花の色艶を良くしてくれる効果があるのも嬉しいポイント。パンジー、ビオラ、ペチュニア、サルビア、チューリップ、マリーゴールドなどあらゆる花に使えます。
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【サンアンドホープ】ぼかし完熟有機100%肥料
ぼかし完熟有機100%肥料は、花や野菜、観葉植物などあらゆる植物に使える有機肥料です。発酵させた有機肥料なので、元肥・追肥・置き肥・お礼肥などさまざまな使い方ができます。
有機質肥料は、土壌の保水性や通気性を改善する効果があるため、長期的に使用することで、土壌改良にも効果的です。
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花への肥料の与え方は?タイミングや選び方
花に肥料を与えることは、健康な成長と美しい花を促すために重要です。以下に、花への肥料の与え方、タイミング、選び方について解説します。
元肥を与えるタイミング・選び方
元肥は、花の植え付けや植物の成長初期に与える主要な肥料です。
【元肥を与えるタイミング】
- 種植え時:花を植える前に、土壌に元肥を施すことが重要です。適切な元肥の選択は、花の種類や栽培環境によって異なります。有機質肥料や緩効性の固形肥料を選ぶと、植物が長期間にわたって栄養を吸収できます。
- 定植時:既に育った苗を地植えする場合は、植え付ける前に根周りに元肥を施します。根に近い位置に肥料を配置し、土とよく混ぜ合わせてください。
【元肥の選び方】
元肥には、土壌改良や根の成長を促進する成分が含まれた有機質肥料が適しています。
有機質肥料には、堆肥やコンポスト、鶏糞などがあります。
育てる植物の種類や環境に応じて、適切な元肥を選びましょう。
追肥を与えるタイミング・選び方
追肥は、花の成長中に追加の栄養補給を行うための肥料です。以下は追肥の与え方の基本的なガイドラインです。
【追肥を与えるタイミング】
- 成長の開始時:花が成長を始める春の季節に追肥を与えます。新芽や蕾が出てきたら、栄養を必要としている合図です。
- 定期的な施肥:成長期や花期に合わせて、2〜4週間ごとに追肥を行います。肥料のパッケージに記載された使用量を守り、植物に適切な栄養を与えましょう。
【追肥の選び方】
追肥には、さまざまな形態がありますので、植物の種類や要求に合わせて適切なものを選びましょう。
液体肥料は即効性があるのが特徴で、固形肥料は長期間の栄養供給に適しています。
なお、花の成長と花つきを促進するためには、リン酸とカリウムの含有量が高いものがおすすめです。肥料の袋やパッケージには、窒素、リン酸、カリウムの含有量とその比率が示されていますので、肥料を選ぶ際はチェックしておきましょう。
肥料のあげすぎに注意!肥料焼けを起こす可能性も
肥料は花の成長を促進するための重要な要素ですが、過剰な使用は植物に害を与える可能性があります。その中でも、肥料の過剰な使用によって引き起こされる肥料焼けという現象に注意が必要です。
過剰な肥料の使用は植物に負担をかけ、根や葉の組織を傷つける可能性があります。
肥料焼けを防ぐためには、適切な肥料の使用量を守ることが大切です。肥料のパッケージに記載されている使用量を守り、適切な量を使用してください。
また、一箇所に集中して施すと、その部分の肥料濃度が高くなり、植物に負担をかける可能性があります。施肥時には均一な散布や均等な根周りへの施肥を心がけましょう。
肥料を正しく使って花を元気に育てよう
花を元気に育てるためには、必要な栄養を与えることが大切です。花用肥料には、大まかに有機肥料と無機質肥料に分けられ、固形タイプや液体タイプなど形状も異なります。
それぞれ特徴があり、得られる効果も異なりますので、特徴を理解したうえで植物の種類や状態、要求に合わせて選ぶことが重要です。
ぜひ、今回の情報を参考に自分の育てている花にぴったりな肥料を選んで、花を元気に育ててください。