「トロピカルな雰囲気の植物を育てたい!」という方にぴったりなのがアレカヤシです。アレカヤシは、ホテルやレストランに置かれていることも多く、一気に空間が南国調に変わる観葉植物のひとつです。この記事では、アレカヤシの好む生育環境や、起こりやすいトラブルや対応方法、植え替えの仕方など、アレカヤシの基本的な育て方について解説します。
アレカヤシは熱帯地域原産の観葉植物
アレカヤシは、株立ちした幹に緑色の葉を放射線状に広げる姿が印象的な植物です。ヤシ科・ディプシス属に分類され、主にマダガスカルやアフリカなど熱帯地域を原産地としています。
原産地では10mを優に超えるほど大きく成長しますが、観葉植物として鉢植えで育てられるものの多くは、150cm前後のものがほとんどです。
もともと温かい地域原産の植物なので、暑さには強いですが寒さには弱めです。沖縄など温暖な地域以外では、冬場は必ず室内など暖かい場所に避難させてください。
アレカヤシの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
それでは、アレカヤシの育て方を見ていきましょう。
アレカヤシを育てる場合、気をつけたいポイントは以下の5点です。
- 寒い季節は室内へ
- 水やりは季節に応じて
- 定期的に葉水をする
- 土は水はけの良いものを
直射日光を避けた明るい場所に置く
アレカヤシは、強い日差しに弱いので直射日光を避けた明るい場所で管理します。直射日光に当ててしまうと、葉焼けしてしまうので注意が必要です。
耐陰性があるので半日陰で管理することも可能ですが、全く日の当たらない環境だと株が弱ってしまうため、できるだけ明るい場所を選んで配置することをおすすめします。
レース越しに日が当たるような状態がベストですね。
寒い季節は室内へ
先ほどもお伝えしたとおり、アレカヤシは寒さに弱いので、ベランダなどで育てている場合は、外の気温が20℃くらいになったら室内に取り込むようにしてください。
気温が15℃程度になると成長が緩やかになります。10℃以下になると、寒さで枯れてしまう可能性もあるので要注意です。
水やりは季節に応じて
アレカヤシは、気温が低くなると成長がストップするので、季節や気温によって水やりの頻度を変えることをおすすめします。
春〜秋の成長期には、土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。
気温が15℃を下回るような時期は、あまり水を必要としないため、水やりの回数を減らしましょう。目安として土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをすればOKです。
定期的に葉水をする
アレカヤシの葉は面積が広くホコリが付きやすいので、できれば霧吹きなどで毎日葉水をしてあげましょう。葉水をすることで、ハダニやカイガラムシなどの害虫を防ぐこともできます。
土は水はけの良いものを
アレカヤシはジメジメした環境を嫌い、水はけが悪いと根腐れを起こしてしまう可能性があるため、水はけの良い土を使用してください。
観葉植物用の土でも問題ありませんが、自分でブレンドする場合は赤玉土7:腐葉土3の割合で合わせます。
また、土の表面を化粧砂や赤玉土、鹿沼土など無機質の土で覆うとコバエの発生を防げます。
こんなときどうする?アレカヤシを育てる際に生じやすいトラブル
アレカヤシを育てていると、害虫が発生することがあります。いざトラブルが起こったときに慌てないように、あらかじめ対応方法を知っておきましょう。
ハダニやカイガラムシなどの害虫がつくことがある
アレカヤシにつく可能性がある害虫は何種類かありますが、特に「ハダニ」と「カイガラムシ」の発生に注意が必要です。ここでは、害虫の特徴や対応方法をご紹介します。
ハダニには、ミカンハダニ、カンザワハダニなどさまざまな種類が存在し、種類によって黄緑色や赤い体色をしています。
大きさは0.3〜0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に生息し、口針を刺し吸汁します。吸汁された箇所は白色や褐色の斑点として残るので、葉の裏に斑点が見つかったらハダニの発生を疑ってください。
放置してしまうと大量発生してしまうため、早めに駆除することをおすすめします。小さい害虫のため1匹ずつ駆除するのは難しいので、薬剤を使用して駆除すると良いでしょう。
カイガラムシは、その名の通り白や褐色の貝殻の殻をかぶったような見た目の害虫です。体長は1〜3mm程度で、丸いものや縦長の形状をした種類もいます。
植物の幹や枝・葉に発生し、植物の汁を吸い取ってしまい、そのままにしておくと枝が枯れてしまったり、新芽が出なくなってしまうこともあるので、カイガラムシを発見したらすぐに駆除するようにしましょう。
幼虫の場合は薬剤を使用して駆除できますが、成虫は薬剤が効きづらいため、歯ブラシなどを使って植物から引きはがして駆除しましょう。
可能ならカイガラムシが付いていた枝ごと切り落として処理すると、被害が広がるのを抑えられます。
アレカヤシの植え替え方法
アレカヤシは同じ鉢で育てていると、鉢が根でいっぱいになり根詰まりを起こしてしまうので、定期的に植え替えをしましょう。
1~2年に1度は植え替える
アレカヤシ は、環境や成長速度にもよりますが、1〜2年に1度ひと回り大きい鉢に植え替えましょう。植え替え時期は、5〜6月頃がベストです。
- ひと回り大きな植木鉢
- 鉢底ネット
- 新しい土
- 移植ごて
- 軍手
- 鉢底石やゴロ土
- ひと回り大きな植木鉢に鉢底ネットを敷く
- 鉢底石やゴロ土を鉢底が見えなくなる程度まで入れる
- 新しい清潔な土を鉢の3分の1程度入れる
- アレカヤシを元の植木鉢からゆっくりと引き抜く
(根が張っている場合は、鉢底を少し崩す)
- 新しい鉢にアレカヤシを入れ、土をかぶせていく
- 植え替えが終わったら水をたっぷり与える。
株分けで数を増やせる
アレカヤシは株分けで数を増やせます。株分けも植え替えと同じく、5〜6月頃が最適な時期です。
- 8〜10号サイズの植木鉢
- 鉢底ネット
- 新しい土
- 移植ごて
- 軍手
- 鉢底石やゴロ土
- ハサミやナイフなど
- 8〜10号サイズの植木鉢に鉢底ネットを敷く
- 鉢底石やゴロ土を鉢底が見えなくなる程度まで入れる
- 新しい清潔な土を鉢の3分の1程度入れる
- アレカヤシを元の植木鉢からゆっくりと引き抜く
(根が張っている場合は、鉢底を少し崩す)
- 引き抜いたアレカヤシ の鉢底部分を3分の1程度切り落とす。
- 幹を2、3本ずつ分け、1の鉢に植え付ける。
- 葉を4分の1くらい落とし、新しい葉が伸びるまで半日陰で管理する。
アレカヤシを元気に育てるには環境に注目
アレカヤシは、暖かい地域の植物なので、寒さには気を付ける必要がありますが、比較的育てやすい品種です。
しかし、いくら育てやすい観葉植物とはいえ、手入れの仕方を間違ってしまうと枯れてしまうこともあります。
ぜひ今回ご紹介した置き場所、水やり、植え替えなど基本的な育て方のポイントを押さえつつ、アレカヤシを育ててみてくださいね。