ストレリチアは、南アフリカの暖かい地域に自生している植物です。大きくて濃い緑色の葉をつけた姿が特徴的で、観葉植物として人気があります。この記事では、ストレリチアの育て方について、育て方のポイントや必要な生育環境、植え替え・増やす方法などを解説していきます。
ストレリチアってどんな植物?
ストレリチアという観葉植物にあまり馴染みがない方もいるかもしれません。
育て方を解説する前に、まずはストレリチアがどのような植物なのか、特徴をおさえていきましょう。
「極楽鳥花」という別名を持つ植物
ストレリチアは、花を咲かせた様子が極楽鳥に似ていることから、「極楽鳥花」という別名があります。極楽鳥は、赤道直下にあるニューギニア島に生息しており、色鮮やかな飾り羽が魅惑的な鳥類です。
ストレリチアの花もカラフルで、オレンジやレッド、ブルーなど鮮やかな色が高貴な雰囲気を放ちます。
南アフリカの暖かい地域に自生
ストレリチアは、南アフリカ原産の植物で、暖かい地域に自生しています。過酷な環境で生まれたこともあり、乾燥に強く、2~3℃以上の温度があれば冬越えも可能です。
春から秋にかけて、花を咲かせては枯れるのを繰り返しながら生きています。
風水効果を期待できる
ストレリチアは、風水効果も期待できる観葉植物です。
ストレリチアが持つ丸くて上向きの葉は、調和の気、陽の気を持つとされており、悪い気を払い、ポジティブな運気を引き寄せてくれます。
家全体の運気を左右するリビングや、運気の入り口でもある玄関に飾るのがおすすめです。
花言葉は「気取った恋」「女王の輝き」
ストレリチアには、「気取った恋」「女王の輝き」などのロマンチックな花言葉があります。
ストレリチアの美しい花やそれを見て喜ぶ人々の姿などが由来になっています。恋に関する花言葉が多いのが特徴です。
ストレリチアの育て方!手入れのポイントや適切な生育環境をチェック
ストレリチアの特徴をおさえたところで、育て方を解説していきます。
日当たりや水やり、肥料など手入れのポイント、生育環境などを理解して、ストレリチアを元気に育ててあげましょう。
日当たりの良い場所を好む
ストレリチアは、日当たりを好む植物です。日当たりを好む一方で、耐陰性は持ち合わせていないので、しっかり日に当ててあげましょう。
ただし、直射日光に当てすぎると、葉焼けを起こしてしまうので注意が必要です。直射日光を避けつつ日光を当てられるように、レースカーテンや寒冷紗などを使用した窓辺に置きましょう。
2~3℃以上の温度を保てる場所に置く
ストレリチアは、寒さに強いため、2~3℃以上の温度があると、寒い冬も越すことができます。
2~3℃を下回ってしまうと、元気をなくし枯れてしまうので、適切な温度を維持できる場所に移動しましょう。
季節に合わせて水やりの量・頻度を調節する
ストレリチアに水やりをするときは、生長期である4~10月、生長が緩やかになる冬で量・頻度を調節しましょう。
4~10月の間は、土の表面が乾燥したタイミングでたっぷり水を与えるのがポイントです。冬は生長が緩やかな分、水は生長期ほど必要ないので、土の表面が乾いてから数日あけてから水やりしましょう。
ストレリチアは乾燥に強いものの、水やりをせず放置すると枯れてしまいます。適切なタイミング・量を守って、水をあげましょう。
肥料は春から秋の生長期に与える
ストレリチアの生長をサポートしたいときは、肥料を春から秋の生長期に与えましょう。肥料は、液体タイプまたは固形の緩効性化成肥料を選びます。
液体肥料は2週間に1回、固形肥料は2ヶ月に1回程度の頻度が最適です。肥料をあげすぎたり、規定量を守らず濃い肥料を与えたりすると、肥料焼けにつながるので、頻度と量に気をつけましょう。
風が強すぎると枝が折れやすい
ストレリチアの品種のひとつであるストレリチアニコライは、サイズ・葉が大きい品種です。茎が柔らかい品種なので、強い風を受けると折れてしまいます。
また、風の抵抗を受け流すために葉が切れやすくなっており、枝が折れなくても葉が割れてしまう可能性が高いです。外からの風や冷暖房の風などが当たらない場所に飾る必要があります。
カイガラムシに注意
ストレリチアを育てるときに、気をつけたい病害虫はカイガラムシです。カイガラムシは、硬い殻を持った害虫であり、ストレリチアにくっついて栄養を吸い取ってしまいます。
カイガラムシは硬い殻があるので、あまり薬が効きません。できるだけ早めにブラシなどを使ってこするように落としましょう。
葉の色やバランスに合わせて剪定する
ストレリチアは基本的には剪定の必要がない植物ですが、生長の仕方によってはバランスが崩れることがあります。
茎が生長しすぎてシルエットが乱れたときに、全体のバランスに合わせて剪定しましょう。育て方によっては葉の色が悪くなることもあるので、悪い葉を残さずに剪定するのがおすすめです。
ストレリチアの植え替え・増やし方
観葉植物を育てる際は、手入れのひとつとして植え替えが必要です。また、株分けや挿し木などで増やして楽しむこともできます。
ストレリチアの植え替えの頻度や方法、増やし方をご紹介していきます。
1~2年の頻度で植え替えが必要
ストレリチアは、1~2年に1回の頻度で植え替えする必要があります。植え替えせずに育てていると、鉢の中で根が増えすぎて根詰まりや根腐れを起こし、枯れてしまいやすいです。
植え替えをするときは、一回り大きい鉢、新しい土、鉢底石、鉢底ネットなどを用意します。必要なものを揃えたら、以下の手順で植え替えを行いましょう。
- 新しい鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる
- 古い鉢からストレリチアを抜き、余分な土を落とす
- 新しい鉢にストレリチアを入れ、位置が決まるように土を入れる
- 土を追加してストレリチアを固定する
株分けや種まきで増やせる
ストレリチアは、株分けや種まきで増やすことができます。株分けをするときは、植え替えなどのタイミングで、葉っぱや茎の生え際で分け、植え替えと同じように新しい鉢に植えましょう。
ストレリチアは花を咲かせ種子を付けるので、種から育てることもできます。芽が出て大きくなるまでには数ヶ月かかりますが、じっくり丁寧に手入れしてあげましょう。
ストレリチアの種類
ストレリチアには、10種類ほどの品種があります。
ストレリチアの主な種類として、以下の3つの品種をチェックしていきましょう。
- ストレリチアニコライ
- ストレリチアノンリーフ
- ストレリチアレギネ
ストレリチアニコライ
ストレリチアニコライは、ストレリチア属の植物の中でも最もサイズの大きい品種です。品種名は皇帝ニコライ1世に由来しています。
サイズだけでなく、葉も大きく、南国の植物のようなトロピカルな雰囲気が魅力です。リビングなど広いスペースに飾ってみてはいかがでしょうか。
ストレリチアノンリーフ
ストレリチアノンリーフは、園芸用に改良されて生まれた品種です。ノンリーフと名前にあるように、葉がなく茎だけに見える姿を楽しむことができます。
葉や花は楽しめないものの、すらっと立ち上がる茎はスタイリッシュな印象を部屋にプラスしてくれるでしょう。
ストレリチアレギネ
ストレリチアレギネは、ストレリチアの代表的な品種で、極楽鳥花という別名にふさわしい美しい花を咲かせます。
一つのつぼみが何度も花を咲かせるので、観葉植物で花も楽しみたい方におすすめです。花はすぐ落ちないので、長く楽しむことができます。
ストレリチアを適切な手入れで元気に育てよう
ストレリチアは南アフリカに自生し、乾燥や寒さに強い植物です。元気に育てるためには、日当たりや水やりの頻度・量、適度な肥料、カイガラムシの対処、葉の色・バランスに合わせた剪定などに気を付けて手入れしましょう。
また、日頃の手入れ以外にも、1~2年に1度の植え替えも大切な手入れです。適切な生育環境や手入れを心がけて、ストレリチアを元気に育ててみてくださいね。