「部屋の雰囲気をガラッと変えられる、立派な植物が欲しい!」そんな方にぴったりなのが、初心者でも育てやすく存在感も抜群な“シュロチク(棕櫚竹)”です。この記事ではシュロチクの特徴とゼロから育てる方法、通販で簡単に手に入る苗までまとめてご紹介します。
「シュロチク(棕櫚竹)」なのに竹ではなくヤシの一種
シュロチク(棕櫚竹)は涼し気な見た目が愛らしい、ヤシ科ラピス属に分類される植物です。主に中国南部を原産地としており、日本では観葉植物として楽しまれています。
名前に「竹」の文字を持ちますが、竹ではなくヤシの一種です。「シュロ(棕櫚)」と呼ばれる同じくヤシ科の樹木に似ていることから、この名前が付けられたといわれています。
シュロチクは植物の天敵である日陰と寒さのどちらにも強く、園芸用語で「耐陰性」と「耐寒性」があるとして有名です。
加えて病気にも強く、見た目が気に入ったのであれば初心者でも楽しく育てられますよ。
「カンノンチク(観音竹)」よりも室内で育てるのに◎!
ちなみに、シュロチクとよく混同されがちな植物として「カンノンチク(観音竹)」が存在します。
両者は名前こそ似ていますが見た目はまったく異なり、シュロチクは細く繊細な葉がたくさん生えており、反対にカンノンチクは大きく存在感のある葉が数枚だけ付きます。
鑑賞目的であればどちらでも好きな方を選んで大丈夫ですが、購入時に間違わないように注意しましょう。
なお、室内で育てる予定があるのなら、より生育スピードのゆっくりなシュロチクがおすすめです。落ち着いてじっくりと成長を楽しめますよ。
花言葉も「成功」「向上心」などポジティブ
シュロチクは頑丈かつ室内で育てやすいだけでなく、花言葉に「成功」や「向上心」といった素敵な内容を持ちます。「運気を好転させてくれるような、縁起の良い観葉植物を飾りたい!」という方にもぴったりです。
ここからは、初心者でもできるシュロチクの育て方をご紹介します。見た目が素敵なだけでなく、運勢まで変えてくれるかもしれないインテリアとして、ぜひ育ててみてくださいね。
なお、記事後半では「通販ですぐに手に入るおすすめのシュロチク」もセレクトしています。先にイメージを掴みたい方は、ぜひそちらからご確認ください。
シュロチクの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
今回は園芸初心者の方でも安心して楽しめるように、ゼロからのシュロチクの育て方を解説します。
上述の通り、シュロチクは頑丈で育て方も簡単です。気軽な気持ちで挑戦してみてくださいね。
通販や園芸ショップで苗を手に入れる
まずは、通販や園芸ショップを使ってシュロチクの苗を入手しましょう。害虫が付着していないことだけ確認しつつ、サイズ感や見た目の印象の気に入った苗を選べばOKです。
通販の場合は害虫について自分の目で見て確認できませんが、購入の際に備考欄に一言添える手もあります。「害虫の卵など、念入りにチェックいただけますと嬉しいです。」のようにコメントしてみましょう。
また、以下のシュロチクの植え付けに必要な道具も一緒に購入しておくと、このあとの作業がスムーズになります。
- 【シュロチクの植え付けに必要な道具】
- 植木鉢(購入する苗に合ったサイズのもの)
- 水はけの良い土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 軍手
植え付けは5~9月がベスト
苗や道具が揃ったなら、いよいよシュロチクの育成開始です。まずは5~9月の暖かい時期に、以下の手順で植え付けを行いましょう。
- 【シュロチクの植え付け手順】
- 新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- ネットが見えなくなる程度に鉢底石を敷き詰める
- 鉢の7割ほどまで水はけの良い土を入れる
- 現在の鉢からシュロチクをそっと取り出し、新しい鉢に移す
- 残りの土を優しく入れて、シュロチクの根を隠す
- 一度水やりをして、シュロチクを土の中で固定してあげれば完了!
文章にすると大変そうにも見えてしまいますが、要するに新しい鉢の準備をして、そちらに優しく移し替えてあげるのみです。慣れてしまえば10分もかからず行えますよ。
ポイントとして、シュロチクの植え付けは暖かい時期に行うべきですが、いわゆる「猛暑日」のような極端に暑い日は避けましょう。
シュロチクに負担がかかりすぎ、失敗してしまう可能性が高まります。
明るい日陰に置いてあげる
植え付け後のシュロチクは、園芸用語で“明るい日陰”と呼ばれる「間接的な日光で明るい場所」に置いてあげましょう。たとえば、室内ならレースのカーテン越しに陽を当ててあげるイメージでOKです。
シュロチクは日陰でも元気に育つ植物で、むしろ直射日光を当てすぎるとかえってダメージとなってしまいます。
目安として、葉が変色し始めるときは日光が強すぎて「葉焼け(直射日光で葉の細胞が死ぬ現象)」を起こしている可能性が高いため、要注意です。
水やりは季節に応じて調節しよう
シュロチクは季節によって生育の旺盛さが異なり、水やりの頻度も調節する必要があります。また、「葉水」と呼ばれる手入れも有効です。
春~秋(気温が10度以上)
春~秋の暖かい時期はシュロチクの生育も活発です。水をたくさん求めているため、土の表面が乾くたびに、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与えましょう。
なお、真夏の水やりのみ、早朝や夕方など涼しい時間帯に行うよう気をつけてください。真夏の日中に水やりをすると水分がすぐに蒸発して、湿度が高くなりすぎてしまいます。
冬(気温が10度より下)
シュロチクは気温が10度を下回ると生育がほとんど止まり、水もあまり必要としません。土の表面が乾燥した後、さらに2~3日ほど経ってから水やりを行いましょう。
水の量は、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与えて大丈夫です。一回当たりの水の量はそのままに、頻度を減らすよう工夫しましょう。
冬はきちんと水やりの量を減らすことで、シュロチクの樹液の濃度が高まり、寒さに強くなります。必ず適切な頻度を守ってくださいね。
「葉水」をしてあげるのも◎
シュロチクは通常の水やりに加えて、一年中毎日「葉水」をしてあげると元気に育ちます。
葉水とは、霧吹きなどを使って葉の両面に水を吹きかけてあげるお手入れです。シュロチクの過度な乾燥を防げるほか、葉に付着するホコリなどのゴミを取り除いて害虫の発生リスクを減らせます。
「毎日お世話する」と聞くと面倒にも感じてしまうものの、実際には葉を愛でるタイミングで霧吹きをシュッとするだけで、とても手軽です。
葉水は変色など異常を素早く察知して、シュロチクを助けてあげることにもつながります。1日に一度、シュロチクの素敵な葉を眺めるついでに行うよう習慣づけてくださいね。
肥料は遅効性の置き肥を選ぶ
シュロチクは肥料なしでも十分に育つ植物ですが、より大きく健康に育てたいのなら、遅効性の置き肥を与えましょう。
気温が10度以上の成長が活発な時期に、市販の置き肥を説明書に従って規定量与えるのみで大丈夫です。害虫が気になる場合は、有機肥料を避け化成肥料を選ぶと湧きにくくなりますよ。
注意点として、肥料はたくさん与えるほど植物が元気になるものではなく、適量を守ってこそ効果を発揮してくれるアイテムです。与えすぎると「肥料焼け」という異常が起き、枯れてしまうことさえあるため気をつけましょう。
「カイガラムシ」などの害虫に注意
シュロチクはそれほど害虫に弱い植物ではないものの、環境によっては、カイガラムシ・ハダニ・アブラムシなどが湧いてしまうケースもあります。
これらの害虫は数ミリほどの小さな虫ですが、シュロチクから栄養を吸い取ったり、病気を媒介したりします。見た目に気持ち悪いだけでなく枯れる原因にもなるため要注意です。
シュロチクへの害虫の発生を防ぐためには、以下の3点を徹底しましょう。
- シュロチクを風通しの良い場所に置く
- 葉水でホコリなどのゴミをしっかり取り除く
- 有機肥料を使わない
より元気に!シュロチクを健康に育てるコツって?
害虫対策を行い、置き場所や水やりについてだけ理解しておけば、シュロチクは元気に育ちます。じっくりと大きくなる様子を見ていると、次第に愛着も湧いてきますよ。
ここでは普段のお世話に慣れてきた余裕のある方に向けて、シュロチクをさらに健康に育てるためのコツをご紹介します。
剪定で風通しを良くしよう
まず行いたいのが、不要な枝葉を切り取る「剪定」です。適度に剪定をしてあげることで、シュロチクが過湿状態になるのを防ぎ、病気や害虫の被害に遭うリスクを下げられます。
シュロチクの剪定は生育の活発な時期が終わる秋ごろに、剪定ばさみを使って以下の手順で行います。
- 【シュロチクの剪定の方法】
- シュロチクの全体を眺め、異様に長く伸びた部位を探す
- 根元を意識しながら、剪定バサミで異常部位を切り落とす
- もう一度シュロチクを眺め、過度に生い茂っている場所を探す
- 同じく根元を意識しながら茎・葉を切り、密度を減らせば完了!
初心者のうちは、明らかにおかしな部分を切り取るのみでも大丈夫です。気軽に挑戦してみましょう。
2~3年に一度は植え替えを
シュロチクは2~3年に一度、植え替えをして一回り大きな鉢に移す必要があります。
植え替えを怠ると、鉢の中で根が伸びるためのスペースがなくなり、「根腐れ」という異常を起こし枯れてしまうため注意しましょう。
植え替えの手順・必要な道具は植え付けとほぼ同様で、5~9月ごろに以下の流れで行います。
- 【シュロチクの植え替えに必要な道具】
- 植木鉢(現在よりも一回り大きなもの)
- 水はけの良い土(新品のもの)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 軍手
- 【シュロチクの植え替えの手順】
- 新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- ネットが見えなくなる程度に鉢底石を敷き詰める
- 鉢の7割ほどまで水はけの良い土を入れる
- 現在の鉢からシュロチクをそっと取り出す
- シュロチクの根を確認し、変色しているものを取り除く
- 新しい鉢へシュロチクを優しく移し、残りの土を入れて根を隠す
- 一度水やりをして、シュロチクを土の中で固定してあげれば完了!
異常のある根を取り除くことで、健康な部位に栄養が行き渡りやすくなります。明らかにおかしなものだけでも取り除いてあげてくださいね。
増やしたいなら「株分け」がおすすめ
もしシュロチクの数を増やしたいのなら、植え替え時期を5~6月と早いタイミングに設定し「株分け」を行いましょう。
株分けとはひとつの植物を根ごと分割して、別々の植物として育てる方法です。手順は単純で、植え替えのSTEP5の後、軍手をした手で根からほぐすようにして株を分割するのみで行えます。
分割後はそれぞれ別の鉢に植え付けて、そのまま育てればOKです。たくさんのシュロチクを並べて育てると、それぞれ個性が出てきて楽しいですよ。
すぐ手に入る!通販で買える育てやすいシュロチク3選
最後に、通販ですぐに手に入る育てやすいシュロチクをご紹介します。自分の部屋に置いたイメージを想像しながら選んでみてくださいね。
【カワカミプランテーション】棕櫚竹(シュロチク) 10号
『カワカミプランテーション』のシュロチクは、「和モダン」をうたう上品な苗です。
高さ150~170cmと存在感があり、涼し気な見た目で高級感のある空間を演出してくれます。「室内の雰囲気を思いっきり変えて、気分転換したい!」という方にぴったりです。
楽天市場
【観葉植物工房ふかみどり】シュロチク 10号
生産者出荷&販売で、生き生きとした生命力にあふれるシュロチクを届けてくれるのが『観葉植物工房ふかみどり』の一品です。
一鉢ずつ大切にお世話されたシュロチクで、濃い緑の葉色とハツラツとした姿を楽しめます。立派な鉢に入っているうえ、便利な受け皿も付いており、植え付けや追加アイテム不要でこのまま育てることもできますよ。
楽天市場
【LAND PLANTS】棕櫚竹(シュロチク)
『LAND PLANTS』のシュロチクは、無骨な茶色の陶器鉢が目を惹くおしゃれな一品です。
ブラウンカラーの化粧石が付属しており、土の部分を覆って隠せます。野暮ったさのないかっこいいインテリアとして飾れそうですね。
楽天市場
育てやすいシュロチクで室内を楽しく飾ろう!
生命力が強く頑丈なシュロチクは、初心者が安心して楽しめる人気の観葉植物です。
水やりや置き場所など、いくつかのポイントだけチェックしておけば、枯れてしまう心配もほとんどありません。
ご紹介したおすすめの苗も参考に「これだ!」というシュロチクを見つけてくださいね。