アガベを育てていると、葉が焦げたように茶色くなってしまうことがあります。このような状態を葉焼けと言い、そのままにしておくと株が弱ってしまう原因になるので注意が必要です。この記事では、アガベが葉焼けする原因と、対処法、葉焼けした箇所の処置方法をご紹介します。
アガベ|葉焼けはどんな状態のこと?
簡単に説明すると、葉焼けは植物の火傷です。
原因はさまざまですが、高温障害や低温障害など、急激な環境の変化によるものが多く、葉が茶色くなったり白っぽく変色するなど、葉の表面細胞が壊死することで起こります。
アガベの葉焼け|考えられる4つの原因
アガベの葉焼けの主な原因は、次の4つです。
- 季節の変わり目・環境の急激な変化
- 直射日光に当て過ぎた
- 風通しが悪い
- 水を上手く吸えていない
それぞれ詳しく解説します。
季節の変わり目・環境の急激な変化
葉焼けの大きな原因は、環境の急激な変化です。
例えば、室内で管理していた植物を購入して帰り、自宅の日当たりの良い場所で育てた場合、植物からすると暗い場所から突然明るい場所に出されることになります。
この際、植物は突然の強い日光に耐えきれず葉焼けを起こしてしまうことがあります。特に日光不足で徒長している植物はすぐに葉焼けを起こしてしまうので、注意しておきましょう。
直射日光に当て過ぎた
状態の良い苗であっても、強い直射日光に当て続けると葉焼けを引き起こします。特に真夏の直射日光は、葉焼けを起こしやすいので要注意です。
日が当たり過ぎていると感じたら、直射日光を避けた場所に移動させましょう。室内で育てる場合は、レースカーテン越しに光が当たる程度がベストです。
風通しが悪い
風通しの悪い場所でも、葉焼けを起こしてしまうことがあります。
なぜ、風通しの悪さが葉焼けの原因になってしまうかというと、風通しが悪いと葉の表面温度が上がりやすくなるためです。
風通しが悪く、葉の表面温度が上がった状態で強い日光に当ててしまうと、より葉焼けを引き起こしやすくなるため注意しておきましょう。
水を上手く吸えていない
アガベは多肉植物の一種で、葉にたっぷりと水分や栄養を蓄えているのが特徴です。
葉が乾燥した状態で、日光に当たっていると葉焼けしやすくなってしまいます。葉焼けを起こさないためにも、しっかりと水分補給を行いましょう。
葉焼けしたアガベの対処法
アガベが葉焼けしてしまったら、次の方法で対処してください。
- 直射日光を避けた風通しの良い場所に移動する
- 遮光カーテンを利用する
- 扇風機やサーキュレーターを使う
- 霧吹きで葉に水を吹きかける
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
直射日光を避けた風通しの良い場所に移動する
直射日光が当たる場所でアガベを管理している場合は、アガベを別の場所へ避難させましょう。
アガベを育てるベストな環境は、直射日光を避けた明るく風通しの良い場所です。なるべくその状態に近い場所で管理することをおすすめします。
遮光シートや遮光ネットを利用する
どうしても直射日光を避けた場所を確保できない場合や、物理的に太陽光を弱めたい場合は、遮光シートや遮光ネットを付けると良いでしょう。
遮光シートや遮光ネットは、その名の通り太陽光を弱めるためのアイテムです。ホームセンターや100均でも手に入れられます。
その際、必ず遮光率をチェックしておいてください。遮光率が高すぎると室内が暗くなり過ぎて、徒長したり株が弱ってしまうなど、トラブルの原因となるため注意が必要です。
だいたい50%前後の遮光シートを選ぶと、程よい遮光効果を発揮してくれるでしょう。
扇風機やサーキュレーターを使う
室内の風通しが悪い場合は、扇風機やサーキュレーターを使ってみても良いでしょう。風通しの良さは、葉焼けを防ぎアガベを元気に育てるために大切なポイントです。
優しく風を送って、アガベの成長に最適な環境を整えてみてください。
霧吹きで葉に水を吹きかける
前述のとおり、アガベの葉が乾燥している場合は、葉焼けを起こしやすくなってしまいます。
適度に水分を補給させるために、霧吹きを使って葉に水を吹きかけてあげるのもおすすめの方法です。
葉に霧吹きで水を吹きかけることで、ホコリが落ち、葉に艶が出て、アガベの葉がみずみずしさを取り戻します。
葉焼けした箇所の処置方法
最後に、葉焼けした箇所の処置方法についてご説明します。
軽症と重症、それぞれのパターンでご説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
軽傷ならそのままでもOK
アガベの葉焼けが軽い場合は、放置してしまっても構いません。
葉焼けした箇所は、何をしても元に戻すことはできないので、そのまま育てて、葉の成長とともに葉焼けした部分がなくなるのを待ちましょう。
重症の場合は、焦げた部分を切り落とす
成長点と呼ばれる苗の中心部分が葉焼けしてしまうと、新芽が出て来れなくなってしまうので、アガベはそれ以上成長できません。
アガベの葉焼けが重症の場合は、胴切りしましょう。
胴切りとは、徒長や根腐れなど健康が危ぶまれる多肉植物の仕立て直しをする際に用いる手入れ方法です。
多肉植物の胴の部分をナイフやカッターで切断し、弱った部分を切り離したり、適度なサイズに戻すことで、植物を再び元気な状態に戻すことができます。
- 軍手
- 清潔なナイフやカッター(あらかじめ消毒しておく)
- キッチンペーパー
- 新聞紙
- アガベを真横に倒して、清潔なナイフやカッターで胴部分をスパッと切り落とします。だいたい真ん中から切ればOKですが、悪くなったところと元気な部分を切り分けしましょう。
- 胴切りしたアガベの切り口は、水分や土、誇りなど異物が付かないように気をつけながら、しっかりと乾かしてください。完全に乾かすことで、カビの発生や腐るのを防げます。
- 胴切りしたアガベは、雨などが当たらない明るい日陰で管理し、完全に切り口が乾くのを待ちましょう。切り口が乾いたら、胴切りする前の管理方法に戻すことができます。
- 株の状態や環境などにもよりますが、数ヶ月〜1年ほどで子株が現れてきます。
適切に管理を行いアガベの葉焼けを防ごう
アガベの葉焼けを防ぐには、季節の変わり目や環境の急激な変化に注意し、直射日光を避けた風通しの良い場所で管理することが大切です。
水が不足することでも葉焼けしやすくなるので、葉の乾燥が気になるときは、霧吹きで葉に水を吹きかけてあげましょう。
アガベは適切な環境で管理し、世話をしてあげれば、葉焼けせず元気に育てられます。ぜひ、今回の情報を参考にアガベを元気に育ててみてください。