「パキラを冬越しさせたいが、何から気を付ければ良いのかわからない」そんな悩みを抱えている方に向けて、この記事ではパキラの冬越しで気を付けたいポイント(失敗の原因と対処法、トラブル別の対策)を解説します。よくあるQ&Aと一緒に活用してみてくださいね。
パキラの冬越しに失敗する原因と対処法
「発財樹」として人気のパキラは、生命力が強く頑丈な植物です。いくつかのポイントさえ押さえておけば、冬越しも簡単に行えます。
まずは、パキラの冬越しが失敗する際のよくある原因と対処法から見ていきましょう。知っておくべき原因は、以下の6点です。
- 気温が低すぎる
- 水やりの過不足
- 肥料の与えすぎ
- 霜に当ててしまった
- エアコンの温風に当ててしまった
- 害虫が繁殖してしまった
それぞれ順番にご紹介します。
気温が低すぎる
パキラの冬越しでもっとも気を付けておきたいのが、気温の低さです。
パキラはもともと中南米の植物で、暖かさや乾燥を好みます。そのため、気温が5度以下になると元気を失って枯れてしまいます。
気温が5度を下回るときは、パキラを室内に入れてあげましょう。
なお、冷え込みの強い地域では、室内であっても窓のすぐ傍は5度を下回ることがあります。部屋の内側に置いてあげてくださいね。
水やりの過不足
パキラの冬越しでは、水やりの過不足にも気を付けなければいけません。
水やりが多すぎると土の中の酸素が減り、パキラが根腐れを起こしてしまいます。一方で、水やりが少なすぎてもパキラは水分不足となり、元気を失ってしまいます。
冬越し中のパキラの水やりは、土が乾いたと感じてからさらに2~3日後に行いましょう。
一度に与える水の量は減らさず、鉢底から流れ出るほどたっぷりと与えてOKです。
肥料の与えすぎ
肥料の与えすぎもパキラの冬越しを失敗させる原因です。
冬のパキラは「休眠期」と呼ばれる生育の緩やかな時期で、このタイミングで肥料を与えると苗に負担をかけてしまいます。
冬の間はパキラに肥料を与えるのは止めましょう。生育の活発な4~10月にのみ、市販の液体肥料を規定の用法・用量を守って与えるだけで大丈夫です。
霜に当ててしまった
パキラの冬越しで見落としがちな失敗の原因に、霜があります。
パキラをはじめとする観葉植物は、基本的に霜に当ててはいけません。凍傷を起こすなどのトラブルに見舞われてしまいます。
霜が予測される寒い時期には、室内にパキラを入れてあげましょう。パキラが弱ってしまう気温5度以下の環境を避けることにもつながります。
エアコンの温風に当ててしまった
室内にパキラを入れる際に覚えておきたいのが、エアコンの温風に当ててはいけないことです。
パキラを暖めようとエアコンの温風を直接当てると、乾燥しすぎるなどの新たなトラブルが生まれてしまいます。
エアコンで室温を上げつつも、パキラには温風が直接当たらないように置き場所を選びましょう。
害虫が繁殖してしまった
冬は害虫の活動が穏やかになる時期ですが、暖かく乾燥した室内は例外です。室内であれば、ほかの季節と同様に害虫が活動できることもあります。
パキラに害虫が繁殖すると、見た目が気持ち悪いのみならず、病気になったり栄養失調になったりしてしまいます。冬越しの失敗にもつながるため要注意です。
1日に1回、「葉水(パキラの葉の両面に霧吹きで水を吹きかける手入れ)」を行って害虫の繁殖を予防しましょう。
万が一、害虫が繁殖した場合は、セロハンテープ・割り箸・殺虫剤などで速やかに取り除いてください。
こんなときどうする?パキラの冬越しで起こるトラブル
続いて、パキラの冬越しで起こりやすいトラブル別に、今すぐ取るべき対策をご紹介します。
葉が変色してしまった
冬越し中のパキラの葉が変色する場合、以下の3つの原因が考えられます。
- 気温が低すぎる(5度以下)
- 水分不足
- (地域によっては)直射日光の当てすぎ
暖かな場所に置き、水やりは土が乾いてから2~3日後に行うようにして、直射日光を当てすぎないことが解決策です。
葉が落ちてしまった
突然パキラの葉が落ちてしまった場合には、気温が低すぎる可能性が疑われます。一時的にでもパキラの周囲が5度以下となっていないか、もう一度確認してみましょう。
なお、パキラは成長のために突然葉が落ちることもあります。そのため、葉が落ちた=大きなトラブルではありません。
ほかに異常がなければ、ひとまずは様子を見ても大丈夫です。
土や苗から腐った臭いがする
土や苗から腐った臭いがしている場合、恐らくパキラが根腐れを起こしています。原因は、水か肥料のやり過ぎであることが多いです。
根腐れを起こした部分は、残念ながら改善させることはできません。パキラの剪定をして、挿し木を行うなどの対処が必要となります。詳細は、以下の記事もあわせてご確認ください。



パキラの冬越しでよくあるQ&A
最後に、パキラの冬越しでよくあるQ&Aを見ていきましょう。
置き場所は屋外でも冬越しはできる?
パキラは頑丈な植物ですが、屋外での冬越しは難しいのが実情です。気温が5度を下回ると弱ってしまいます。
例外として、冬の屋外でも5度を下回らない温暖な地域であれば、外で育てたまま冬越しできます。
ただしその場合でも、「(明け方など)一時的にでも気温が5度を下回っていないか」「霜が付かないか」の2点に気を付けてくださいね。
冬でも剪定はしても良い?
剪定はパキラにとって大きな負担となります。そのため、冬は避け、生育の活発な春~秋に行うのがおすすめです。
例外として、根腐れや感染症を起こした異常のある部位は切り取っても構いません。放置してしまう方がパキラの負担となるためです。
冬越しに失敗したパキラの復活方法は?
万が一、冬越しに失敗してパキラが枯れた場合は、正しい生育環境を整えて様子を見ましょう。
気温・水やり・肥料・エアコンなど、ご紹介した内容をもう一度確認してみてください。
植物は枯れたように見えても、実は枯れていないことがよくあります。きちんと環境を整えれば、暖かい春になった後にパキラが復活してくれる可能性も十分です。
なお、どうしてもパキラが復活しない場合は、健康な部分を使って挿し木をするのがおすすめです。詳細は以下の記事で解説しています。

ポイントを押さえてパキラの冬越しを成功させよう!
この記事ではパキラの冬越しについて、失敗する原因と対処法、トラブル別の対策、よくあるQ&Aをご紹介しました。
パキラは比較的頑丈で、気温や水やりなどいくつかのポイントさえ理解しておけば元気に冬越しできます。
ご紹介した内容を参考に、ぜひ大切なパキラを守ってあげてくださいね。