ユリの育て方についてご紹介します。美しい花を咲かせるユリは地植えや鉢植えなど育て方はさまざまです。この記事ではユリの植え付け方法や管理方法なども解説します。世界中で愛され、日本特有の品種もあると言われるユリ。記事を参考に、ユリの家庭栽培に挑戦してみませんか?
ユリの基本情報
まずはユリの特徴や種類、花言葉を見ていきましょう。
ユリの特徴
ユリはユリ科の多年草植物です。花の形や姿、開花時期はさまざまで、品種も多くあります。家のガーデニングでユリを庭に植えたり、鉢植えで楽しんだりする人も多く、ユリの根(ユリ根)は食用としても知られています。
花の色は赤やピンク、オレンジ、黄色、白などがあり、開花時期は5月から8月の間です。
ユリの花の種類
ユリの原産地は北半球の暖かい地域で育ちます。世界中にさまざまな園芸品種があり、主なものは以下の二つに分けられます。
オリエンタル系品種
日本原産のユリを交配したのがオリエンタル系品種のユリです。特徴は大輪の花と香り。有名なカサブランカもオリエンタル系に入ります。
スカシユリ系品種
海岸近くで見ることの多いユリの品種はスカシユリ系です。花は上向きに咲くことが多く、香りは控えめなのが特徴です。
日本原種のユリは10種類以上
日本原種のユリの多くは、欧米でのユリが品種改良された際の元になっています。日本原種のユリで花屋さんでもよく見かけるのが、ヤマユリ・ササユリ・テッポウユリなどです。
ユリの花言葉
ユリの花言葉は地域や文化によってさまざまな解釈がありますが、一般的に知られている花言葉は6つあります。
- 純粋-白いユリは、純粋さや清潔さを表現
- 高貴-豪華で立派な姿勢や、高貴な気品を表わしています
- 清純-華やかさや輝きを持ちながらも、清楚で上品なイメージ
- 無邪気-明るく陽気な印象を持ち、無邪気で天真爛漫な気持ちが表されています
- 献身-ユリは長く咲くことが多く、人々に深い感動や献身的な愛情を表現
- 祝福-特にウェディングブーケやお祝いの花束として贈られることが多くいため、幸せや祝福を表しています
他にも、オレンジのユリは華麗、ピンクのユリは虚栄心、黄色のユリは陽気など、色によって花言葉があります。
ユリの育て方
ここからは、ユリの育て方について見ていきましょう。ユリは風通しがよく明るい場所を好む植物です。
ユリを育てるのに必要な肥料と与えるタイミング
ユリは肥料を与えることによって元気に育ちます。タイミングとしては球根を植えるときに土に少量混ぜます。
その後、球根を植えて芽が出たら、その芽が伸び始める3月から4月の間に1度と、花が咲き終わった6月から7月の間にもう1度肥料を与えましょう。
肥料の種類は効き目がゆっくりな化成肥料の「緩効性肥料」がおすすめです。
ユリの水やりは地植えと鉢植えでタイミングを変える
ユリに水を与える際、地植えのユリと鉢植えのユリでは水やりのタイミングを変えます。ユリを地植えする際は植える際に水をたっぷり与えましょう。
その後は天気に任せておき、雨が降らずに土が乾いた状態が続けばそのときだけ水をやるようにしてください。
鉢植えのユリは土が乾燥したら水を与えます。ユリの球根は乾燥に弱いため、土が乾燥しないように気をつけましょう。
ユリの育て方:地植えの場合
地植えのユリの場合、種類によって日当たりを好むものや、半日陰に植えたほうが良いものがあります。
細い葉の形をしているユリは日当たりの良い場所に植えましょう。葉の形が広いユリは半日陰に植えることがおすすめです。
どの品種のユリも、土の温度が高いと球根が弱くなるため、直射日光を避けた涼しい場所で、さらに風通しの良い地面に植えましょう。
ユリの育て方:鉢植えの場合
ユリを鉢植えする場合、通気性と保水性に適した土を選びましょう。鉢も深めで水はけが良いものがおすすめです。
球根が大きければ大きいほど深く埋めるようにしましょう。
ユリの育て方:堀り上げとは?
「掘り上げ」とは園芸用語で、花が咲き終えた後、翌年のために球根を掘り上げることです。
花が終わったら、花の部分を切り落とし、葉と茎のままでしばらく置いておきます。花を残したままにすると、花からできた種が球根の栄養を奪ってしまうため、花がらが落ちる前に摘み取りましょう。
葉と茎は日にちが経つとまず葉が枯れて黄色くなり自然と落ちていきます。
葉が枯れ落ちたら茎も切り落とし、その後、土が乾いたタイミングで土の中から球根を掘り上げましょう。
掘り上げた球根がいくつかに分かれている(分球)場合は、手で優しく分けて保管することで翌年も植え付けられます。
庭に地植えしているユリも、次の年は場所を変えて植えたいと考えているなら、球根を掘り上げましょう。
ユリを育てるうえで注意したい病害虫
ユリを長く育てるには害虫が寄り付かないように注意が必要です。また、病気にも注意しましょう。ユリに寄り付きやすい害虫とかかりやすい病気は主に3つです。
- アブラムシ
- モザイク病
- 葉枯病
アブラムシが寄り付くのを防ぐには、植え付けの際に殺虫剤を使用しましょう。病気にかかったユリは残念ながら治りにくいことが多く、株を抜き取って処分しましょう。
鉢植えユリの植え替え方法
鉢植えユリは毎年植え替えするのがおすすめです。地植えと違い鉢に植えたユリは、植えっぱなしにすると翌年に花を咲かせない可能性があります。
植え替え時期は花が枯れた秋ごろにしましょう。植え替え用の鉢は深めで水はけがよいものがおすすめです。鉢底石を敷いておけば水が排出しやすくなります。
ユリの球根の植え替え方法
その年に花を咲かせたユリは、球根を掘り上げれば翌年にも植え付けや植え替えができます。
ユリの球根は他の植物と違い乾燥に弱いため、掘り上げた後は、できればすぐに植え替え用の土や鉢に植え付けるのがおすすめですが、日にちをあけたい場合は球根が乾燥しないように管理しましょう。
ユリの増やし方
ユリの球根が大きいと、花を咲かせた後に球根を掘り上げた際に、球根が複数に分かれている場合があります。
その場合は、球根を分割させてそれぞれ植えることでユリを増やすことが可能です。
また、種から増やすことに挑戦したい場合は、枯れたユリの花を切り取らずにしばらく放置することで種ができるので、土に種を蒔いて育てましょう。
ユリの茎が伸びすぎた場合どう対応する?
ユリの花が大きかったり、茎が伸びすぎたりすると、頭部分が重くなり風が吹くと倒れやすくなってしまいます。
その場合は茎と同色の支柱を茎に添うように立てて、倒れないようにしてあげましょう。支柱が球根を刺すことがないように注意が必要です。
大輪の美しい花を咲かせるユリを育ててみよう
種類によって変わる色と甘美な香りが特徴のユリの育て方はポイントを押さえることが大切です。
ユリは鉢植えでも地植えでも楽しめるため、お庭がなくてもユリを育てられます。気になるユリの品種があれば、ぜひユリを育ててみましょう。