「家にある観葉植物を近くで見てみたら…黒い虫がわいていた!」そんな経験はありませんか?観葉植物に寄り付く黒い虫、その正体は何なのでしょうか。この記事では観葉植物に黒い虫が付着する原因を解説します。黒い虫がつかないための予防対策と、ついてしまった虫の駆除方法もあわせて紹介しますので参考にしてください。
観葉植物にわく黒い虫の種類5つ
観葉植物に寄り付く黒い虫は主に5種類います。
ハダニ
ハダニは、体長0.5mmに満たない小さな虫です。クモの仲間であり、自ら出す白い糸を引きながら移動します。葉の裏や茎に糸状のものがついていれば、その付近に小さくて黒いハダニを見つけることができるでしょう。
ハダニは葉の養分を吸い取って成長します。ハダニがついて植物がすぐに枯れることはありませんが、放置することで徐々に植物の元気がなくなったり、実や花をつける植物は実のつきが悪くなったりします。
ハダニは高温で乾燥した場所に発生するといわれています。
アブラムシ
体長3mmほどの黒い虫、アブラムシは、葉の裏側に多くつきます。また、植物の新芽やつぼみなどにも群生します。
アブラムシは約1ヶ月の生涯の中で、メスは90匹もの幼虫を出産するといわれています。そのため大量発生しやすいのが特徴です。
アブラムシが排泄する甘露はアリの養分となり、アブラムシがいるところではアリも呼び寄せて、アブラムシとアリが大量に植物に寄りつくことがあるため注意が必要です。
カイガラムシ
観葉植物だけではなく、庭木や果樹、多肉植物などにも寄りつく黒虫がカイガラムシです。体長は約4mmで、葉の付け根など人の目につきにくい場所に発生します。カイガラムシのオスは成虫になると羽が生えて飛ぶようになります。
カイガラムシは植物に口針を刺して養分を吸い取ります。カイガラムシが大量に発生すると、植物の新芽だけではなく、植物全体が枯れる原因となります。また、カイガラムシの排せつ物や分泌物に含まれる糖分が他の病気を引き起こす原因にもなるため、カイガラムシを発見したら迅速に対処する必要があります。
コナジラミ
コナジラミは、アブラムシと同様に、排泄物に含まれる甘露が葉や果実に付着してカビを発生させます。体長は3mm以下と小さく、葉の裏に発生します。
コナジラミは5月から10月までの暖かい時期に発生しますが、暖かさが保たれた室内などでは、1年中発生する場合があります。
コナジラミが植物の汁を吸うと、植物の葉っぱに穴があいてしまうことも。コナジラミの幼虫が葉の裏に密集して発生すると、植物の葉の色が変わることや、果実がつく植物は実の色が悪くなることがあります。
トビムシ
飛び跳ねながらさまざまなところを移動するトビムシ。人に害を与えることはなく、虫の死骸や落ち葉などを食べてくれるため、観葉植物に直接害を及ぼす虫ではありません。
ただし、大量発生するとぴょんぴょんと飛ぶ姿は見ていて気持ちいいものではありませんね。トビムシは湿り気のある土に付着しやすいため、水のやりすぎにも注意が必要です。
観葉植物に黒い小さい虫が寄りつく原因3つ
観葉植物に黒い小さな虫が寄りつきやすいのには原因があります。ここではその原因を3つご紹介します。
水やりのしすぎで土の湿度が高くなっている
観葉植物に頻繁に水を与えると、土の湿度が高くなり、虫が好む環境ができあがってしまいます。
また、1年中湿度の高い場所に観葉植物を置いておくことも、黒い虫がわく原因のひとつです。
受け皿が清潔ではない
観葉植物の鉢の下にある受け皿をチェックしていますか?
この受け皿に常に水がある状態だと、土が湿る原因になります。受け皿は定期的に掃除して清潔に保っておかないと、虫が寄りつく環境を作り出してしまうのです。
観葉植物の手入れが足りない
観葉植物の葉にホコリが溜まっていたり、枯葉が落ちたのをそのままにしていたりすると、乾燥を好む虫にとってバツグンの環境になります。また、植物の葉が密集していたりすると、植物の通気が悪く湿気がこもりやすくなります。
植物に汚れがついた状態の場所にも虫がわく原因のひとつとなるため、注意が必要です。
観葉植物の黒い小さい虫を寄りつけさせない!今すぐしたい予防対策4つ
大切な観葉植物を黒い虫たちから守るために、今からできる予防対策を4つご紹介します。
観葉植物の置き場所は風通しの良い場所を選ぶ
観葉植物を置くときは、風通しの良い場所を選びましょう。日当たりが良く、風通しも良ければ、湿気がこもらないため、虫も寄りつきにくくなります。
受け皿の水分を処理する
観葉植物に水やりをした後、受け皿にたまった水分を放置しておくと、虫が卵を産み付ける場合があります。
ご紹介した黒い虫以外にもゴキブリが卵を残すこともあるため、受け皿の水は捨て、さらに水けを拭き取ると良いでしょう。
植物周りの落ち葉や雑草を取り除く
鉢の中や受け皿に落ちた観葉植物の落ち葉や枯葉は、虫たちが卵を産み付けるのに絶好の場所です。枯葉が溜まることで湿度が上がることも考えられるため、日常的に枯葉や落ち葉は取り除くようにしましょう。
汚れたままにすると害虫が増えるばかりです。植木鉢の中と周りは清潔に保っておくようにしましょう。
定期的に葉水をして葉の乾燥を防ぐ
霧吹きなどで葉に水を与えることを葉水(はみず)と言います。葉水は葉にホコリがつくのを予防するのにおすすめです。また、葉の乾燥も防いで虫が寄りつきにくくする効果もあるため、定期的に葉水をしましょう。
葉水をする前に、葉についたホコリやゴミを取ってあげるのも忘れないようにしてくださいね。
観葉植物に虫がついた場合の駆除方法5つ
観葉植物に虫を見つけてしまったときは、早めに駆除しましょう。ここからは駆除方法を5つピックアップしてご紹介します。
殺虫剤を使用する
簡単に素早く黒い虫を除去するなら、殺虫剤の使用がおすすめです。殺虫だけではなく、殺菌効果もある殺虫剤を使用すれば、虫と病気両方に効果があります。
スプレータイプの殺虫剤なら、手軽に虫退治ができるでしょう。おすすめの殺虫剤を2つご紹介します。
ベニカXファインスプレー(住友化学園芸)
幅広い種類の植物に使えるスプレータイプの殺虫殺菌剤。害虫に対しては速効性と持続性に優れています。また、病原菌の侵入を防いでくれます。
アブラムシ、コナジラミ、カイガラムシ類、ハダニなどの害虫に高い効果を発揮します。
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アースガーデンロハピ
成分の99.9%が食品原料でできた殺虫殺菌剤です。小さな子どもがいるお家や、安全な成分の殺虫剤を使用したい方におすすめ。食品を原料としていますが、一般的な殺虫剤と同様に速効性があります。
アブラムシ、ハダニ、コナジラミ類などの害虫が観葉植物に寄りついて困っている方はもちろん、野菜や果物類を育てている方にもおすすめです。
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ハッカ油で駆除する
殺虫剤は最終手段にしておきたいと考えている方におすすめなのが、ハッカ油を使うことです。成分のハッカ(ミント)は、虫の駆除への効果が期待できます。
プラスチック以外のスプレー容器にハッカ油・無水エタノール・精製水の順番で注ぎ混ぜてから観葉植物にいる虫目がけスプレーしましょう。
アロマオイルも効果あり
アロマオイルも黒い虫の駆除に効果が期待できます。ペパーミントやレモングラス、ティートゥリーなどのアロマオイルと水、無水エタノールをプラスチック以外のスプレー容器に注いでからよく振って使用しましょう。
食酢スプレーを散布
自宅にある調味料のお酢も、観葉植物の黒い虫退治に使用できます。お酢を水で薄めてスプレーボトルに入れ、植物に吹き付けましょう。
お酢の量が多すぎると植物が枯れてしまう可能性があるため、500mlの水に対して、小さじ1杯程度のお酢が目安です。市販の木酢液スプレーを土に吹きかけておくことも害虫予防になります。
虫が少ないうちは削り落とす
黒い虫が大量発生していないうちは、使用済みの歯ブラシやハケ、割りばしなどを使って削り落としてしまいましょう。
ただし、強く削ると植物を傷つけてしまうため、表面をやさしく削るようにしてください。またはウエットティッシュで拭き取ることも良いでしょう。
観葉植物の植え替えを行う
長い間お家にいる観葉植物は、植え替えを行うことで土の栄養不足や根詰まりを防いで、植物を元気にしてくれます。植え替えと同時に土も新しいものに替えることで、土に落ちた虫の死骸たちも捨てることができます。
植え替えを行う際は、土に生きている虫が潜んでいる場合があるため、できるだけ屋外で行うようにしましょう。
黒い虫が寄りつきにくい観葉植物はある?
「観葉植物を家に迎えたいけれど、虫が寄りつきにくい植物はあるのかな…?」そう考える方もいるでしょう。観葉植物の種類の中には、虫が寄りつきにくい植物もあります。虫がわきにくい観葉植物を5つご紹介します。
サンスベリア(サンセベリア) | 空気清浄力にすぐれた観葉植物。乾燥に強いことと、葉が厚く硬く、丈夫で虫もあまり寄りつきません。 |
モンステラ | 分厚い葉の中に水をたっぷり含んでいて、黒い虫に汁を吸われることがあまりありません。葉の切れ込みや穴が虫の足場の確保を妨げてくれます。 |
ゴムの木 | ゴムの木のひとつ、「フィカス・アルテシマ」は、葉に厚みがあり、表面が滑らかで虫がつきにくい状態になっています。 |
パキラ | 乾燥に強く丈夫なため、ハダニなど病害虫が寄りつきません。 |
アンスリウム | 土以外にハイドロカルチャーや赤玉土でも育てられるため、害虫が発生しにくいのが特徴です。 |
観葉植物に寄りつく黒い虫の多くは、湿った環境
を好みます。乾燥に強い観葉植物であれば、水やりを頻繁に行わなくてもある程度土が乾いても元気に育つため、虫がわく可能性も低くなるでしょう。
ただし、観葉植物の置き場所はできるだけ日当たりが良く、さらに風通しも良い場所にすれば、虫がわくリスクも減るでしょう。
黒い虫がつく原因と対策を知って観葉植物を虫から守ろう
観葉植物につく黒い虫たちは、虫がつく原因と対策を知っておくことで、突然虫がわいたとしても冷静に対処できるでしょう。駆除したから安心、ではなく、日ごろから観葉植物を観察し、植物を手入れしてあげることも大事です。
観葉植物を虫から守り、長く大切にしてあげてくださいね。