「室内にトビムシが大量発生してしまった!」「一度駆除したのに、まだ見かける…」そんな悩みを抱えている方に向けて、この記事では失敗しないトビムシ駆除の方法と、おすすめ殺虫剤をご紹介します。再発を防ぐ予防方法と一緒に、ぜひチェックしてみてください。
トビムシ駆除は「薬剤による退治」と「再発の予防」が大切!

トビムシは「土のプランクトン」と呼ばれるほど、土壌改善に役立つ益虫です。
体長はおよそ1~3mmで羽はないため飛べない(fly)ものの、ピョンピョンと大きく飛び跳ねる(jump)性質を持ちます。
人を刺したり噛んだりはせず、落ち葉や虫の死骸を食べてくれるため、園芸の観点からいえば見逃してあげても良い虫です。とはいえ、大量発生してしまえば見守るわけにもいきませんよね。
トビムシは薬剤が非常に良く効くため、駆除では「薬でまとめて退治→続けて再発の防止」と手順を踏むと上手に退治できます。
早速、トビムシを薬剤で駆除する流れから見ていきましょう。
トビムシを市販の薬剤で駆除する流れ

市販の薬剤によるトビムシの駆除は、以下の流れで行います。
- 燻煙タイプで一掃
- エアゾール(スプレー)タイプで残りを退治
- 侵入防止用の粉で予防
それぞれ順番にご紹介します。
STEP1:「バルサン」など燻煙タイプで一掃する
まず行うべきは「バルサン」などの燻煙タイプの薬剤による一斉駆除です。
家中を締め切り、戸棚などはすべて開けた状態で、燻煙剤を焚きましょう。家具の裏など見えない場所にいるトビムシまでまとめて駆除できます。
明らかに観葉植物の周りにしかトビムシがいないなど、被害が小規模なときは次のエアゾールから始めてもOKです。
とはいえ、燻煙剤はゴキブリ・ムカデ・ダニなどほかの害虫も退治できるため、余裕があれば焚いてみてくださいね。
STEP2:エアゾール(スプレー)で残りを退治する
燻煙剤でまとめてトビムシを駆除した後は、生き残りをエアゾール(スプレー)タイプの薬剤で退治していきます。
できるだけ植物にかからないようにしつつ、トビムシにスプレーを浴びせてください。力尽きたトビムシは次々と床に落ちるため、事前に新聞紙などを敷いておくと掃除も簡単です。
上述の通り、トビムシは人を噛んだり刺したりする害虫ではありません。反撃される心配はないため、気軽な気持ちで挑戦してみてくださいね。
STEP3:家の周りに侵入防止用の粉や薬を撒く
目に見えるトビムシをすべて退治できたなら、二度と再発しないように、家の周りに侵入防止用の薬(粉やスプレー)を散布しておきましょう。
最近では家の外周に沿わせるようにして撒くだけで、不快な害虫をまとめて駆除&侵入防止できる粉の薬剤も市販されています。おすすめの薬剤は次の見出しでご紹介します。
即効性◎!トビムシ虫駆除におすすめな殺虫剤10選!

ここからは、すぐにトビムシを駆除できるおすすめの市販の薬剤を見ていきましょう。いずれも使い勝手が良く、効果も期待できる一品です。
なお、植物にかけても大丈夫だと明記されているものを除いて、使用時はできるだけ苗に薬剤が直接触れないようにしてあげてください。相性次第で葉にシミができるなどのトラブルが起こることがあります。
【バルサン】バルサン ワンタッチ 煙タイプ くん煙剤

まずご紹介するのは、言わずと知れた害虫駆除用アイテムの王様“バルサン”です。バルサンには煙タイプ・水タイプ・霧タイプと3種類がありますが、こちらはもっとも強力な煙タイプに当たります。
殺虫成分2種類(ピレスロイド、オキサジアゾール)を配合するバルサン独自のこだわりにより、室内の嫌な害虫をまとめて退治します。トビムシどころか気になる害虫全般を駆除できるでしょう。
使い方は簡単でフタを内側の着火部にこすりつけ、煙が出始めたら室外で数時間待つのみです。使用の流れを説明する公式ビデオも用意されており、初心者でも簡単に扱えますよ。
【バルサン】ラクラク 水ではじめる バルサン

同じく“バルサン”から、こちらは水タイプをセレクトしました。水タイプはフタでこすって着火するのではなく、専用カップに水を入れるだけで自動的に煙が立ち始める使い勝手に優れた形式です。
さらに、水タイプは植物や精密機器へのカバーが不要で、前準備に手間がかからないのも嬉しいポイントです。
観葉植物の周りで活動するトビムシもしっかり退治してくれるでしょう。
【アース製薬】おすだけアースレッド 無煙プッシュ イヤな虫用

賃貸マンションの一室など燻煙剤を使うのが難しい場合は、『アース製薬』の“おすだけアースレッド 無煙プッシュ イヤな虫用”が役立ちます。
空間へスプレーする薬剤で、部屋の中央から四隅に向かってプッシュするだけで、トビムシなどの害虫をまとめて退治できます。約1ヶ月間と長期間効果が持続するのも魅力です。
スプレーはシュッと透明になって消えるため煙は一切出ず、使用後に室内から出る必要もありません。手軽に虫対策を済ませられる、生活の心強いお供となってくれる一品です。
【アース製薬】虫コロリアース エアゾール 不快害虫用殺虫スプレー

観葉植物の周りやお風呂場など、トビムシの大量発生する場所が決まっている方には“虫コロリアース エアゾール”がぴったりです。
トビムシを直接狙って吹きかけるスプレーで、即効性の高いピレスロイド系成分によりあっという間に駆除できます。アリやカメムシ、ゲジゲジにムカデといった嫌な害虫にまとめて対応しているのも頼もしいですね。
ちなみに、気になる場所にあらかじめスプレーしておくと、およそ1ヶ月間は待ち伏せ効果(薬剤の上を通った害虫を駆除)を発揮してくれます。多様な活躍が期待できる便利なアイテムです。
【アース製薬】虫コロリアース 粉剤

『アース製薬』の“虫コロリアース 粉剤”は、屋外に撒いてトビムシの侵入を防ぐ粉タイプの薬剤です。
即効性◎なピレスロイド系と残効性◎なカーバメイト系の殺虫成分が配合されており、即日~約1ヶ月間強力な駆除効果を発揮します。撒いた翌日には、害虫の死骸が粉の近くに転がっていることもあるほどパワフルです。
粉タイプながら撥水加工が施されているため、多少の雨では効果を失いません。とはいえ、最初は効果を実感するために、快晴の続きそうな日に使ってみることをおすすめします。
【アース製薬】虫コロリアース パウダースプレー

『アース製薬』の“虫コロリアース パウダースプレー”は、上記の粉を扱いやすいスプレーに加工したユニークな薬剤です。
スプレーを吹きかけるとあっという間に白い粉になって固まるため、粉では撒きにくい垂直な壁などにも塗布できます。吸着力も強く、風で飛んでしまう心配もほとんどありません。
粉タイプと比べると少し価格が高いため、撒きやすい場所は粉、壁面はスプレーと使い分けるの◎です。
【フマキラー】フマキラーFK-2001

「強力な薬剤で、徹底的にトビムシを駆除したい…」そんな方にぴったりなのが、『フマキラー』の“フマキラーFK-2001”です。
大きなゴキブリも駆除できる業務用殺虫剤として提供されており、身体の小さいトビムシはひとたまりもありません。殺虫成分のイミプロトリンとフェノトリンはどちらもピレスロイド系の物質で、即効性も◎です。
噴射の勢いが良くノズルも付いていることから、壁の裏など狭い場所も逃さずスプレーできます。隙間に入ってしまったトビムシまで残らず駆除できるでしょう。
【住友化学園芸】殺虫殺菌剤 ベニカXネクストスプレー

観葉植物ごとトビムシに吹きかけて使用できるのが、『住友化学園芸』の“ベニカXネクストスプレー”です。
クロチアニジンやペルメトリンといった5種類の作用成分を配合しつつも、野菜にも使えるほど人への害が抑えられています。
アブラムシやハダニなどの、園芸でよく出会う害虫にまで効くのも嬉しいですね。
【住友化学園芸】不快害虫スプレー

「植物にトビムシはもちろん、アリやクモ、コバエまで湧いてどうして良いかわからない…」そんな方の救世主となるのが、『住友化学園芸』の“不快害虫スプレー”です。
天然除虫菊エキスと天然由来成分チモールにより、植物の負担が少ない形で不快害虫をまとめて退治します。
ノズルは長距離まで届く「直」と広範囲に撒ける「霧」の2パターンに切り替えられ、吹きかけやすさも◎です。
【サイベーレ】サイベーレ0.5SC

最後にご紹介するのは、業務用の強力な殺虫剤として知られる“サイベーレ0.5SC”です。
水で20倍に希釈して使用する原液タイプで、これ1本で18Lもの殺虫液ができます。外壁に広く塗布しておけば、外部からのトビムシの侵入を防いでくれるでしょう。
ヤスデやムカデ、アリやハエといった壁をうごめく害虫にも効果は抜群です。害虫を見かけない生活の実現のために、ぜひ試してみてください。
トビムシの駆除後に。再発を予防する方法は?
最後に、トビムシの駆除後に再発を防ぐ方法をあらためてチェックしておきましょう。トビムシの室内への侵入や繁殖を防ぐためには、以下の5点を意識することが大切です。
- 室内への侵入口をできるだけ塞ぐ
- 帰宅時には衣服に付いていないかチェック
- 不要なダンボールはすぐに処分しよう
- 観葉植物を明るく風通しの良い場所に移動させる
- 定期的に薬剤でバリアを作ろう
上記を徹底することで、トビムシに悩まされる心配も最小限になります。ぜひ、挑戦しやすいものから取り入れてみてください。
室内への侵入口をできるだけ塞ぐ
まず行うべきは、室内への侵入口をできるだけ塞ぐことです。トビムシのような小型の害虫は、思いがけない隙間から室内に侵入してきます。
代表的な侵入口は以下の通りです。
- 網戸の目が破れている場所
- 網戸と窓やサッシとの隙間
- エアコンの配管口
- 玄関ドアの隙間(足元やサイドなど)
- 天井裏や床下と繋がる亀裂
ホームセンターやスーパーで市販されている隙間テープ・養生テープ・パテ(賃貸なら固まらないものが◎)を使って、家中の隙間という隙間を埋めてしまいましょう。
入り口がなくなれば、トビムシが出る可能性も激減します。
帰宅時には衣服に付いていないかチェック
帰宅時には自分の衣服を全体的に払い、トビムシや小さなゴミを取り除きましょう。害虫を服に付けたまま室内へ持ち込んでしまうことは、想像以上によくあります。
特に自然の豊かな場所に出かけた後は、衣服にダニや花粉もたっぷりと付いているものです。可能であれば玄関でお出かけ着を脱ぎ、すぐに洗濯してしまいましょう。
不要なダンボールはすぐに処分しよう
通販で届いたダンボール、ついつい放置していませんか? ダンボールはトビムシを含む害虫にとって、非常に居心地の良い環境です。できるだけ速やかに処分し、自宅に溜め込まないようにしましょう。
次のゴミ収集日まで時間がある場合は、殺虫剤をかけて保管をしておくのも◎です。少量であれば、スーパーなどの店頭無料回収の活用も検討しましょう。
観葉植物を明るく風通しの良い場所に移動させる
トビムシなどの害虫はジメジメとした湿気の多い、暗い場所を好む傾向にあります。
そのため、観葉植物を風通しが良く明るい場所に置くだけでも、害虫が湧くリスクを劇的に下げられます。
特に水栽培やハイドロカルチャーなどの常に水がある育て方は、湿気が過度に高くなり害虫も沸きがちです。土を使う栽培方法以上に、風通しや日当たりを意識してください。
定期的に薬剤でバリアを作ろう
そのほか、上述の市販の粉や燻煙剤を使って、室内へ害虫が寄り付きにくいバリアを作ることも大切です。
薬剤のバリアを作っておくとトビムシが侵入しにくくなるのに加えて、万が一侵入した際にも素早く力尽きてくれやすくなります。大量繁殖や巣を作ることを防げるため、非常に有効です。
とはいえ、家の隙間を放置して薬剤だけを使っていてはバリアの効力も弱くなります。侵入口を塞ぐ方法とあわせて予防対策を進めてくださいね。
トビムシの駆除&予防方法を知って安心して園芸を楽しもう!

この記事ではトビムシの駆除について、市販の薬剤で退治する流れとおすすめの殺虫剤、再発を防ぐ予防策をご紹介しました。
トビムシの駆除で大切なのは、一度薬剤で徹底的に退治し、その後に予防対策を進めることです。ご紹介した薬剤や予防方法を活用しつつ、ぜひ安心して園芸を楽しんでくださいね。







