幻のフルーツとも呼ばれるモンステラの実について、この記事では見た目や味、実をつけるための育て方をご紹介します。口や舌に刺激を感じる理由や、通販で手に入るのか、茎や葉も一緒に食べて良いのかなど、よくあるQ&Aと一緒に見ていきましょう。
モンステラの実は食べられる!見た目や味は?
切れ込みの空いた独特な形状の葉が素敵なモンステラは、多くの方に育てられている観葉植物です。知名度も人気も抜群ですが、まれに苗に実が付くケースがあると知っていますか?
モンステラの実は食べることができ、一部の食通の間では「幻のフルーツ」などと呼ばれて愛されています。日本国内では、沖縄や小笠原諸島などの暖かい地域で育てていると、よく実を付けるそうです。
この記事では、モンステラの実について気になるポイントを徹底解説します。まずは、モンステラの実の見た目や味についてチェックしていきましょう。
見た目は緑のトウモロコシのような形状
モンステラの実は緑色のトウモロコシのような、葉に負けず劣らずユニークな形状をしています。
外側にはうろことも殻ともつかない緑色の固い皮がびっしりと生えており、この内側に白っぽい可食部分(果肉)があります。
モンステラの実の食べ方は簡単です。まずは、ラップをした状態で常温保存による熟成を進め、この皮が自然に剥がれ落ちてくるのを待ちます。
そして、皮が自然に剥がれた後、内側から現れた白い部分を少しずつ食すのみです。
味はパイナップルやバナナに似て美味しい!
モンステラの実の味はパイナップルやバナナ、マンゴーなどを思わせる甘くフルーティーな味わいです。
粘り気のある舌触りや贅沢に広がる香りも含め、濃厚で食べ応えのある風味をしています。幻のフルーツと呼ばれるのも頷ける味です。
注意点として、モンステラの実を緑の皮が自然に剥がれる前に食べてしまうと、まだ熟しておらず、舌にピリピリと刺激や渋みを感じることがあります。
モンステラの希少な実を美味しく味わうためには、ラップをした状態で皮が自然に剥がれ落ちるのを待ってくださいね。
モンステラの実がなるまでの育て方
では、自分でモンステラに実を付けさせて楽しむためには、どのように育てれば良いのでしょうか? 大きく、以下の3つのポイントを覚えておきましょう。
- 前提:実を食べられる品種は「モンステラ・デリシオーサ」
- 気温は10~30度
- 湿度は60%以上
前提:実を食べられる品種は「モンステラ・デリシオーサ」
前提として、モンステラはすべての品種が実を付けるわけではありません。
「モンステラ・デリシオーサ(Monstera deliciosa)」と呼ばれる品種が、私たちが食べられる美味しい実を付けてくれます。
なお、名前のデリシオーサとは、英語で美味や甘美を意味する「デリシャス(delicious)」と同じ語源であるといわれています。昔の人々も、モンステラの実を美味しいと愛していたことがわかりますね。
気温を10~30度に保つ
前述の通り、モンステラの実は沖縄や小笠原諸島といった暖かい環境でよく付きます。
同じ環境をできるだけ再現するために、冬場も含めて気温が10〜30度の環境を保つように意識してあげてください。
本土では、多くの地域で冬場はエアコンの効いた室内で育ててあげる形となるでしょう。その場合、次の湿度についてもあわせて意識しておくことが大切です。
湿度を60%以上に保つ
モンステラに実を付けてもらうためには、できるだけ湿度を60%以上に保つと良いとされています。加湿器などを用いて空気の乾燥を防ぎ、1年を通じて適度な湿度を維持してあげましょう。
気温と湿度の2点を意識できると、モンステラは花を咲かせやすくなり、ひいては実も付けやすくなります。
ただし、モンステラの実がなるまでには花が咲いてから1年以上かかるともいわれているため、気長に挑戦を続けることが大切です。
そのほか、水やりや日当たりなどのモンステラを元気に育てるための基本的なお世話については、以下の記事もあわせてご確認ください。
モンステラの実に関するよくあるQ&A
ここではモンステラの実に関する、以下の5つのよくあるQ&Aをご紹介します。
- 収穫はどうすれば良い?
- どのくらいで実がなる?
- 口や舌に刺激を感じるのはなぜ?
- 葉や茎も一緒に食べても良い?
- 実は通販で販売されている?
それぞれ順番に見ていきましょう。
収穫はどうすれば良い?
モンステラの実の収穫は簡単で、青く大きく育った状態で切り取って(もぎ取って)しまえば大丈夫です。その後、緑の皮が自然に剥がれ落ちた後に、内側の白い部分を食べます。
なお、収穫作業中は軍手をしておきましょう。モンステラは苗から白い樹液(シュウ酸カルシウム)を出すことがあり、この樹液が手に触れるとかぶれるおそれがあります。
どのくらいで実がなる?
モンステラの実がなるのは、花が咲いてから1年以上経った後だといわれています。幻のフルーツの名前の通り、なかなか簡単にはお目にかかれません。
今すぐにとはいかないため、気長に大切にお世話をしてあげましょう。
モンステラはそれぞれの葉が個性的な形状に成長する観葉植物ですから、実がなっていない間も空間をおしゃれに演出してくれますよ。
口や舌に刺激を感じるのはなぜ?
モンステラの実を食べたときに口や舌に刺激を感じるのは、前述のシュウ酸カルシウムの影響だといわれています。
自然に皮が剥がれる前のモンステラの実はまだ熟しておらず、このシュウ酸カルシウムが多く含まれています。ピリピリとした刺激や渋みを避けるためには、必ず熟した後に食べるように意識してみてください。
なお、モンステラの実は下剤と似た効果があるともいわれており、熟した実であっても大量に食べるのには向いていません。
口内への刺激感を含めて症状には個人差があるため、自分の体調と相談しながらゆっくりと食べ進めましょう。
完熟すると自然に芯からはずれるため、一粒ずつ取り出して食べることをおすすめします。一週間で食べきるくらいのペースが丁度良いでしょう。
葉や茎も一緒に食べても良い?
「モンステラの実が美味しいのなら、葉や茎も食べられるのでは…」と考えたくなるところです。
しかし、モンステラの葉や茎を食べるのは避けましょう。葉や茎にはシュウ酸カルシウムが含まれているおそれがあり、食用には向いていません。
口内へのピリピリ感や下剤と似た効果といった、モンステラのネガティブな部分が目立ってしまう可能性があります。
実は通販で販売されている?
残念ながら、モンステラの実は通販ではあまり手に入りません。まれに販売されていることもありますが、基本的には品切れの状態がほとんどです。
本土では非常に珍しいモンステラの実ですが、小笠原諸島などの実がなりやすい地域では、店頭で当たり前に販売されていることもあるそうです。
どうしてもモンステラの実を食べてみたい方は、このようなお店に遠方から購入できないか電話で確認してみたり、思い切って現地を訪れてみるのも良いでしょう。
モンステラを大切に育てて美味しい実を味わおう!
この記事ではモンステラの実について、どのような見た目や味をしているのか、実を付けさせるための育て方、よくあるQ&Aをご紹介しました。
観葉植物として人気のモンステラは実を付けることがあり、しかもその実は食べられます。味わいはバナナやパイナップルを思わせる甘く濃厚な風味で、「幻のフルーツ」などと呼ばれることもあるほどです。
興味のある方は、ぜひ実を付ける品種である「モンステラ・デリシオーサ」を選んで、大切に育ててみてくださいね。
モンステラの基本的な育て方は以下の記事でも解説しております。ぜひ参考にしてください。