桜(サクラ)の育て方ガイド|鉢植えで小さく育てるポイントを解説!

鉢植えの桜の育て方:桜を小さく育てるポイントを解説

桜は、その儚く美しい花で世代を超えて多くの人々を魅了し続けています。庭園や公園で見かける華やかな桜は実は、自宅で手軽に楽しむことができるのをご存知でしょうか。鉢植えで育てる桜は、限られたスペースでも春の美しさを感じさせてくれます。今回は、鉢植えで桜を小さく美しく育てるためのポイントに焦点を当て、適切な品種の選び方、剪定のコツ、育て方の基本などをわかりやすく解説します。

目次

桜の基本情報

桜はバラ科サクラ属の落葉広葉樹です。種類は野生種のほかに園芸品種があり、その数は300以上といわれています。公園や街路で見るソメイヨシノは大木が特徴ですが、お家の庭で育てる場合は中木程度のカンヒザクラやマケザクラ系の品種を選ぶと良いでしょう。

桜の木は東南アジアに広く分布しています。草丈は3メートルから大きいものは20メートルにもなります。

花色は白っぽいピンクや、濃いピンク色などがあります。桜はどの種類も高温地は好みません。落葉性でコツを知れば初心者でも育てやすい植物です。

桜の花言葉

桜全般の花言葉は「精神美」「優れた美人」「純潔」「淡泊な愛」など。また、種類によっても異なる花言葉を持っています。桜の種類とその花言葉を一部ご紹介します。

  • 八重桜:しとやか・理知・豊かな教養など
  • しだれ桜:優美・純潔・円熟した美人など
  • 山桜:淡泊・あなたに微笑むなど
  • 河津桜:思いを託します

桜を切り花にして贈る機会があったら、花言葉を元にして選ぶのも良いかもしれませんね。

桜の基本的な育て方【鉢植え】

ここからは、鉢植えの桜の基本的な育て方を解説します。

大きくならない品種を選ぶのがポイント

鉢植えの桜を育てる場合は、大きくなりにくい品種を選ぶようにしましょう。大きく育つ品種の桜を選ぶと、成長した際に鉢では支えられなくなる恐れがあります。

例えば盆栽サイズで育てられる鉢植えの桜なら、コンパクトなため置き場所にも困りません。

育て方のコツを知って管理をすれば、鉢植えの桜も長く楽しむことができるでしょう。

鉢植えの置き場所

鉢植えの桜は日の光が当たり、風通しが良い場所を好みます。一年を通して風がよく通り、日光にも当たる場所に置くのがおすすめですが、夏は直射日光による葉焼けに注意が必要です。

日差しが強い時間帯は鉢を半日陰の場所に移動させます。また、花が咲いている時期は雨に当たって花が落ちないよう、雨を避ける場所に置きましょう。

屋内で鉢植えの桜を育てる場合は、日当たりの良い窓際に置くのがおすすめ。そして、週に2、3回程度は外に出して日の光を浴びる時間を作ってくださいね。

水やり

鉢植えの桜は根の生育が速いため、水も頻繁に必要になる場合があります。水切れを起こさないように、春・夏は毎日朝晩2回、秋は毎日1回、冬は2〜3日に1回を目安に水をあげるようにしましょう。

ただしこれはあくまでも目安です。鉢の土の状態を見て、乾いていたら水やりをするようにしてください。

鉢植えや盆栽の桜の水やりには、「腰水」と呼ばれる方法もあります。これは、鉢を水に浸す方法で、夏の間の管理や家を留守にする際に有効的です。

腰水の方法は、鉢よりも大きめの容器に水を注ぎ、鉢を浸します。水に隠れるのは、鉢の1/3~半分くらいがおすすめ。腰水にすると、鉢の温度が下がるため植物が夏の暑さや日光で傷むのを防いでくれます。

長期間の腰水は根腐れを起こす可能性があるのと、夏場は雑菌が繁殖する恐れもあるため、よく注意しながら行うことが大切です。

冬越しの方法

桜は乾燥に強い植物のため、戸外に鉢を出して冬越しできます。ただし、霜が降りる日や雪の日は軒下などに移動させるのがおすすめです。

肥料

鉢植えの桜の生育を促し、病害虫から守るためには適切に肥料を与えることが大切です。以下のタイミングで肥料を与えましょう。

  • 2月(寒肥)
  • 花が咲いた後(お礼肥)
  • 7月(追肥)

肥料の種類は緩効性肥料がおすすめ。土に撒くように肥料を与えましょう。

鉢に植えられた状態の桜を買わず、自分で鉢に桜を植える場合は、植え付け直後の肥料は根を傷める原因になるため、1ヶ月後に与えるようにします。

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葉刈り

葉刈りとは、葉の大きさを半分程度に切ることです。葉刈りをすると、桜の木の内側まで光や風が届くようになります。

葉刈りの方法は、桜の葉を縦半分に折り斜めに切ります。そうすることで開いたとき葉のサイズは小さくなりますが、元の形は保てるため違和感がありません。

葉刈りはすべての葉に行うのではなく、葉と葉が重なり合う場所や、光が届いていないところを観察しながら行うと良いでしょう。

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桜を鉢植えで育てる際の注意点

鉢植えの桜を育てる際に注意したいことをご紹介します。

桜の種類によっては剪定はNG

剪定は植物の見映えを良くしたり、病害虫を防いだりするために大切です。ただし、桜は種類によっては剪定をしないほうが良い場合があります

例えば盆栽用の旭山桜の場合、剪定したところからの萌芽力が良くないため剪定はせず自然の形を保つのがおすすめです。

ただし、風通しの悪さや病害虫が気になる場合は、以下を守って剪定を行うようにしましょう。

  1. 新芽がつく前の5月頃を目安に行う
  2. 枝を見て、枯れたものや不要なものだけを切る
  3. 枝は垂直に切り、水が溜まらないようにする
  4. 切り口に防腐剤を塗り乾かす
  5. 枝を切るときはハサミを消毒する

桜の生育上、不要な剪定は行わずに、枯れたり必要がなかったりする枝だけを選んで切るようにしましょう。

花がら摘みが大切

花がら摘みとは、しおれた花を摘む(切る)ことを言います。花がら摘みは、鉢植えの桜を長く楽しむためには大切な作業です。

花がら摘みを行うメリットは以下の3つです。

  • 翌年の花のつきが良くなる
  • 害虫を寄せにくくする
  • 毎年長く楽しめる

花がら摘みは、咲き終えた花の柄の部分を半分ほど残して切るようにします。しおれた花を見つけたら摘むようにしましょう。

花がら摘みを終えたら肥料や活力剤を与えて生育を促すようにします。

桜を鉢植えで増やす方法

鉢植えの桜が順調に育ったら、剪定で切り落とした枝を使って挿し木で桜を増やしてみましょう。

以下の手順で挿し木で桜を増やします。

  1. 桜の枝を、先から10~15センチの場所で切り落とします
  2. 枝の先端についた葉を2、3枚残して後は除きます
  3. 切り落とした枝を水に浸けて水揚げします
  4. 苗に土を入れて枝を挿しましょう
  5. 乾燥しないようにビニール袋を被せて日陰に置き、発根するまで待ちます

水揚げのときに、枝の切り口に発根促進剤を塗っておくのもおすすめです。

鉢植えの桜の植え替え方法

鉢植えの桜は2~3年に一度のタイミングで植え替えを行いましょう。植え替えをしないと鉢の中で根が張りすぎて根詰まりを起こしてしまうからです。

根詰まりをすると桜が枯れてしまったり、根腐れを起こしたりします。

桜の植え替えは、花が咲いた後または秋ごろが適期です。植え替え手順を見ていきましょう。

  1. 新しい鉢を用意する
  2. 鉢底に鉢底石を敷き、園芸用培養土を入れる
  3. 古い鉢の桜を土ごと抜いて古い土を落とす
  4. 古く黒ずんだ根は切り落とす
  5. 新しい鉢に移動させすき間ができないように土を埋めていく

植え替えが完了したら水をたっぷり与えましょう。

鉢植えの桜の葉が枯れた!その原因は

桜は落葉樹のため、花の季節が過ぎ紅葉の季節を迎えた後、秋が深まると自然にすべての葉を落として休眠します。

ただし、花が咲いている間や紅葉の季節の前に葉が枯れてしまうことがあったら、育て方に問題があるのかもしれません。

落葉前に葉が枯れてしまう原因として考えられるのは以下の3つです。

  • 水の量がじゅうぶんでなかった(与えすぎ・与えなさすぎ)
  • 日の光が当たらない場所に置いていた
  • 肥料が適切ではなかった

育て方のコツをつかんでおかないと葉が枯れてしまう可能性があります。鉢植えで桜を育てているときは、定期的に状態をチェックし、気になることがあれば早めに対処するのがおすすめです。

鉢植えで育てられる桜の種類一覧

最後に、鉢植えで育てられる桜の種類をご紹介します。

旭山桜

旭山桜(あさひやまさくら)は、サトザクラ系の品種で、盆栽や鉢植えに向いている桜の種類です。

花の色は淡い紅色をしていて八重咲きです。開花時期は3月末から4月上旬頃で、花をたくさん咲かせてくれるため見ごたえがあります。なお、室内で育てる場合は1月頃から花が咲くこともあります。

旭山桜は日当たりの良い場所を好みます。屋外で管理するのが理想的で、乾燥して水切れを起こさない程度の場所で育てるようにしましょう。もし屋内で育てる場合は、冬の間は外に出しておくか、一定期間外の寒さを感じさせることで強くなります。

旭山桜は、花を咲かせた後に実をつけますが、結実すると翌年の花がつきにくくなるため注意が必要です。

御殿場桜

御殿場桜はマメザクラとほかの品種との雑種と考えられる桜です。低木で育てられるため、鉢植えに向いています。

花の形は一重で淡い紅色をしていて、花は大きめです。4月下旬ごろに開花します。

日当たりと風通しの良い屋外に置きましょう。室内で育てる場合はできるだけ置きっぱなしにはせずに、2〜3日程度鑑賞したらまた外に出すようにします。エアコンの風は乾燥させてしまうため近くに置くのは避けましょう。

御殿場桜は水を好むためたっぷり与えるようにします。花が咲いている間は水切れを起こさないように注意してください。

枝垂れ桜

枝垂れ桜は枝木の質が柔らかく、垂れ下がる姿が特徴です。開花時期はソメイヨシノよりも1週間ほど早く、まだ少し寒い時期から桜を楽しめます。

枝垂れ桜の花色は、最初は白く徐々にピンク色に変化していきます。枝垂れ桜を長く楽しむためには外で管理するのがおすすめです。根をよく張るために数年に一度植え替えを行いましょう。

鉢植えの枝垂れ桜は生育が旺盛なため、毎年花を咲かせてくれる楽しみがあります。

桜を鉢植えで育てるコツを知って自宅で春の訪れを楽しもう!

春を代表する花の桜は、育て方のコツを抑えれば鉢植えでもその美しい姿を楽しむことができます。今まで鑑賞がメインだった桜をご自分で育ててみませんか?

ポイントは、日当たりと風通しの良い場所で管理すること。剪定をする際には気をつけること、そして水やりをしっかりすることです。

海外からも注目されている桜をぜひ鉢植えで育ててみてくださいね。




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