「眺めていて楽しい気分になれる植物が育てたい!」という方にぴったりなのがデュランタです。色鮮やかなデュランタは鑑賞効果が高く、愛着の湧きやすい植物として知られています。この記事では初心者向けのデュランタの育て方を、注意点付きでご紹介します。
色鮮やかな花が房になる植物「デュランタ」
デュランタは房状に重なり咲く美しい花が魅力の熱帯植物です。クマツヅラ科デュランタ属に分類され、主にアメリカを原産地としています。
日本でも沖縄などの暖かい地域では街路樹として見かけることも多く、比較的有名な植物です。美しさと馴染み深さから、園芸入門用の花としても時折選ばれています。
しかし実は、デュランタには初心者が育てる前に必ず知っておきたいユニークな特徴があります。それは、品種によっては花がほとんど咲かないものもあることです。
種類によって花としても観葉植物としても楽しめる
美しい花が有名なデュランタですが、実は、花がほとんど咲かない“葉を観葉植物として楽しむための品種”も存在します。
このような品種は花の代わりに色鮮やかな葉を持つため、花のように時期に左右されず、一年を通じて鑑賞効果が高いのが特徴です。
自分好みのデュランタを育てるためには、花と葉のどちらを楽しむのか、最初にイメージを固めておく必要があります。
以下で、デュランタの代表的な品種を4種類ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
宝塚(タカラヅカ)
宝塚(タカラヅカ)は、花を楽しむためのデュランタの一種です。
濃いめの紫色を白色で縁取った花びらが美しく、デュランタ全体のなかでも特に人気の高い品種として知られています。
宝塚という特徴的な名前は、あの宝塚の劇団員のような美しいシルエットから命名されたといわれています。いわれてみると、確かにキリッとした印象を受けますね。
アルバ
アルバも宝塚同様に、花を楽しむためのデュランタです。名前の「アルバ(Alba)」はラテン語の「アルバス(Albus)」から変化した言葉で、白色を意味します。
名前通りの真っ白な花が可愛らしく、こちらもファンの多い品種です。
ライム
葉を楽しむためのデュランタとして有名なのがライムです。明るく色鮮やかなライム色の葉が綺麗で、室内のグリーンインテリアとして活躍します。
単体で育てるのはもちろん、単色でほかの植物と合わせやすいため「寄せ植え(生育環境の近いほかの観葉植物と同じ鉢で育てること)」にもよく活用されています。
ゴールドエッジ
黄色で大胆に縁取られた葉が魅力のゴールドエッジも、観葉植物として人気のデュランタです。
存在感があるため、室内や玄関先の雰囲気をガラッと変えたい場合にも向いています。ガーデニング目的でデュランタを育てたい方にぴったりです。
花言葉は「あなたを見守る」「歓迎」など
そんなデュランタですが、花言葉は「あなたを見守る」や「歓迎」など、温かみのある言葉になっています。
花言葉のように、自分が楽しむためだけでなく、庭先や玄関に飾り来客を出迎えるための植物としても活躍してくれる植物だと言えるでしょう。
ここからは、デュランタの基本的な育て方をご紹介します。初心者でも失敗しないコツも解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
デュランタの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
それでは、デュランタの育て方を見ていきましょう。
初心者がゼロからデュランタを育てる場合、以下の4つの手順で育て始められます。
- 品種選び
- 植え付け
- 設置
- 水やり
それぞれ具体的にご紹介します。
まずは育てる種類を選ぶ
デュランタを育てる際に、最初に行うのが品種選びです。
上記でご紹介した通り、デュランタは「花を楽しむもの」と「葉を楽しむもの」の2種類に分類できます。
まずはどちらを楽しみたいのかを決め、そのうえで園芸ショップや通販などで個別の品種をチェックしていきましょう。
品種選びでは育て方をあまり気にせず、単純に見た目が好みのものを選んでOKです。
どの品種も初心者でも十分に育てられますし、何よりも、愛着が湧きやすいものの方が育てていて楽しいですよ。
ちなみに、花を楽しむ品種の場合は枝の数が多い個体を選ぶのがおすすめです。花は枝先に付きますので、枝が多いものほどたくさんの花を楽しめます。
水はけの良い土に植え付ける
「これが良いかも!」というデュランタを入手できた後は、実際に植え付けましょう。植え付けに必要な道具は、以下の通りです。
- デュランタより一回り大きい植木鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 水はけの良い土
- スコップ(土の移動用)
- マドラーなどの細長い棒(土の隙間を埋めるため)
- 軍手(手が汚れても良いならなくてもOK)
どの道具もホームセンターや園芸ショップ、通販でデュランタと一緒に購入できます。なお、暖かい地域に住んでいる場合は鉢ではなく地植えにしても大丈夫です。
植え付けはできるだけ4~5月の春先に、以下の手順で行います。
- 鉢に鉢底ネットを敷き、ネットが隠れる程度まで鉢底石を入れる
- 水はけの良い土を7割ほどまで投入する
- デュランタを現在の鉢から優しく取り出し、新しい鉢へそっと移動させる
- 残りの土を入れ、マドラーで優しく隙間も埋めていく
- 一度たっぷりと水やりをして、土の中でデュランタを固定すれば完了
日当たりの良い場所に置く
植え付け完了後は、デュランタの置き場所を決めましょう。デュランタは日当たりの良い場所に置くと、花や葉の色が鮮やかに育ちます。
寒さには強くなく、気温が5度を下回ると弱ってしまいますので、できるだけ「日が当たり気温の下がりすぎない場所」を選んでくださいね。
冬は念のため、室内へ入れてあげるのもおすすめです。
水やりは季節に応じて
設置後は、日々の水やり方法をチェックしておきましょう。デュランタの水やりは季節によって異なり、「春~秋」か「冬」かによって調節します。
デュランタの生育が活発なので、土の表面が乾いたのを確認した段階で、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水やりをする。
【冬】
デュランタの生育が緩やかになるので、土の表面が乾いたのを確認した後“さらに数日してから”、鉢底から水が流れ出るほど水やりをする。
一度に与える水の量はそれほど変えず、頻度を減らして調節していくイメージです。
適切な水の量は環境にも左右されますので、水不足で葉がしおれていないかなど、様子を見ながら調節してくださいね。
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より元気に!デュランタを綺麗に育てる3つのポイント
上記のように、デュランタを育てる方法は簡単で、普段は日光・気温・水やりを理解しておくだけで大丈夫です。
普段のお世話に余裕の出てきた方は、より元気に育てるために、以下の3点も覚えておきましょう。
定期的に肥料を与える
花を綺麗に咲かせたい場合に大切なのが肥料です。
デュランタの生育が活発な春~秋の間、2ヶ月に一度ほどのペースで遅効性肥料を与えましょう。与える肥料は市販されているものから選べばOKです。
花が咲く時期には、追加で液体肥料を1~2週間に一度ほどのペースで与えると、より綺麗に咲きやすくなります。
ただし、肥料は多すぎてもよくありませんので、最初は少なめに加減しながら与えてくださいね。
アブラムシ対策を欠かさずに
多くの観葉植物同様に、湿気の多い時期にはアブラムシ対策も重要です。
アブラムシが繁殖すると見た目に気分が良くないだけでなく、デュランタの健康状態にも影響してしまいます。
市販の薬剤である程度予防できるほか、風通しの良い場所に置くことで、アブラムシが付く可能性を下げられます。
まずは風通しの良い場所に置いて様子を見つつ、アブラムシが付いてしまうようであれば、薬剤を購入すると良いでしょう。
新芽のために花の咲き終わった枝先を切る
花タイプのデュランタを育てていて、一度無事に開花した後に行いたいのが、枝先を切ることです。
枝先に花を咲かせるデュランタは、開花後にそのまま放置していては次の花が咲きません。園芸用のハサミを使って、枝先を軽めにカットしてあげると、再び美しい花を咲かせてくれます。
あまり大胆にカットすると花が咲きにくくなりますので、少しずつ剪定してみましょう。
デュランタは1~2年に一度植え替えが必要な植物
デュランタを育てる際、最後に覚えておきたいのが植え替えについてです。
デュランタは1~2年に一度植え替えが必要な植物です。
放置すると「根詰まり(根の育つスペースが鉢の中になくなること)」や「根腐れ(根が酸欠で枯れ落ちること)」などの異常が発生してしまいます。
最初の異常は根現れるため、気がついたときには症状が進行しているケースも珍しくありません。ふさわしい時期に、忘れずに植え替えを行いましょう。
植え替えは4~5月がベスト
植え替えの時期は、デュランタが元気に育つ4~5月がベストです。方法は植え付け時とほぼ同様ですが、以下の2つの作業が追加されます。
- 鉢からデュランタを移動する際に、古くなった根を取り除く
- 根に付着している硬くなった土もある程度取り除く
初心者のうちは、明らかに色のおかしくなった根を手で取り除くだけで大丈夫です。むしろ、触りすぎて健康な根を痛めないように注意してくださいね。
増やしたいなら挿し木がおすすめ
もしデュランタを増やしたいのであれば、挿し木に挑戦しましょう。
挿し木は現在育てているデュランタの枝を使って、新しいデュランタを誕生させる方法です。5~6月ごろに、以下の方法で行います。
- できるだけ元気そうなデュランタの枝を、先端から2~3節分ほどカットする
- 下の方に葉が生えている場合はすべて取り除いておく
- 「水揚げ(切り口を水分に漬けること)」をした後、市販の挿し木用の土に植える
- 1日のうち半日だけ日が当たる場所に置き、小まめに水やりをする
しばらくすると新しい根が生えてきますので、通常の植木鉢に植え付けてあげれば完了です。
挿し木を成功させるコツは、できるだけ水分を絶やさないことです。水揚げや水やりによって、瑞々しい状態を保ちましょう。
可愛らしいデュランタで室内や庭先を彩ろう
花と葉のどちらを楽しみたいのか決めておくことで、自分好みのデュランタを見つけやすくなります。デュランタに興味のある方は、まずは品種選びから挑戦してみましょう。
デュランタは生育環境を整えるのも簡単で、特別なお世話も必要ない育てやすい植物です。この記事を参考に、ぜひ理想のデュランタを育ててみてくださいね。
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