葉枯病とは?原因や予防&対策方法、おすすめの農薬もチェック

「自分の植物が葉枯病にかかっている気がする」という方に向けて。この記事では、葉枯病の特徴や原因、予防&対策方法をご紹介します。葉枯病は放置すると症状が広がってしまう可能性があるため、今すぐに対処しなければいけません。おすすめの薬剤とあわせてチェックしてみてください。

目次

葉枯病(はがれびょう)とは「葉が変色して枯れる病気」

葉枯病(はがれびょう)とは、葉が褐色や赤紫色などに変色して枯れてしまう、植物の病気のことです。

葉枯病の中にも種類があり、ゴマや筋(スジ)のような形をした斑点が出たり、葉の先端から枯れ始めたりと多様な症状が見られます。

しかし、最終的に葉が枯れてしまう点で共通しています。

葉枯病は観葉植物を家庭で楽しむときよりも、ビジネスとして本格的な農業を営む際に遭遇しやすい病気です。イネ・ネギ・ユリ類などが特にかかりやすい植物として知られています。

原因は「カビ(糸状菌)」。うつるため注意が必要

葉枯病の最大の恐ろしさは、病気の原因がカビ(糸状菌)であり、放置すると健康な部分や周囲の植物にもうつることです。

「ボトリチス エリプティカ(Botrytis elliptica)」と呼ばれるカビが葉枯病の原因とされており、このカビは土の中に潜んで冬を越せるなど強い生命力を誇ります。

そのため周囲に感染しやすいのはもちろん、同じ場所で育てていると毎年、葉枯病に悩まされることもあるようです。

もし自分の植物に葉枯病の疑いがあるのなら、土も処分するなど適切な対応が求められます。早速、葉枯病の予防&対策方法を確認していきましょう。

葉枯病の予防&対策方法

葉枯病の予防&対策方法は、ずばり以下の通りです。

  • 植物を密集させて育てない
  • 症状の出た葉は速やかに取り除く
  • カビが潜む土もあわせて処分しよう

それぞれ順番にご紹介します。

植物を密集させて育てない

枯病の予防に大切なのは、植物を密集させて育てないことです。

葉枯病の原因となるカビは、湿度が高い環境を好みます。植物同士の間隔をあけずに育てると、湿気がこもりやすくなり、葉枯病のリスクが高まってしまいます。

また、適度に葉や枝の剪定をして、植物の過湿状態を防ぐことも重要です。

剪定の適切な頻度と方法は植物ごとに異なるため、ページ右上の検索窓から自分の植物名を入力してご確認ください。

症状の出た葉は速やかに取り除く

葉枯病の症状が現れてしまった場合、その葉を速やかに取り除く必要があります。放置するとほかの葉や周囲の植物にまで葉枯病が広まってしまうためです。

症状の出た葉は、軍手をした状態で根元からちぎるようにして取り除きましょう。取り除いた葉は放置せず、すぐに袋に密閉し、後ほどゴミとして処分してください。

ポイントとして、葉を取り除いただけではまだ葉枯病の原因であるカビは死んでいません。取り除いた葉は周囲に放置せず、必ず袋に密閉して処分してくださいね。

カビが潜む土もあわせて処分しよう

前述の通り、葉枯病の原因となるカビは土の中に潜むことができます。

そのため、葉枯病の症状が出た苗は感染した葉を取り除いた後に、新品の土を使って植え替えをしましょう。植え替えにより、葉枯病の再発リスクを下げられます。

植え替えの方法も、剪定と同様に植物ごとに異なります。右上の検索窓をご活用ください。

ちなみに:発症した部位の治療は難しい

ちなみに、葉枯病が発症した部位の治療は、残念ながら初心者には難しいと考えられています

対処が遅れている間に次々と症状が広がり、やがては苗ごと処分するしかなくなるためです。一部の葉の処分だけ済むうちに、速やかに対処を進めてくださいね。

葉枯病対策におすすめの農薬・殺菌剤2選!

最後に、葉枯病の対策に利用できる農薬・殺菌剤をご紹介します。ただし、扱いやすいアイテムはなく初心者では対処が難しいのが実情です。

症状の出た葉や土を取り除くことを第一選択肢に、どうしても諦められない場合にのみ、園芸上級者の方と一緒にお試しください

【住友化学】ダコニール1000

『住友化学』の“ダコニール1000”は、約180の病害に対応している殺菌剤です。本液を規定の倍率で希釈すると散布液を作れます。

ただし、実際の散布前には「病害虫防除所等関係機関」から指導を受けることが推奨されているなど、初心者の利用にはハードルがあります。

【日産化学】ジマンダイセン水和剤

ダウ・アグロサイエンス
¥2,850 (2024/12/26 11:15時点 | Amazon調べ)

同じく幅広い病気に対応した殺菌剤が、『日産化学』の“ジマンダイセン水和剤”です。「ジチオカーバメイト系」と呼ばれる仕組みの園芸殺菌剤で、カビの活動を阻害してくれます。

本薬剤も、適量に希釈したうえで使用します。薬害のリスクが少ない殺菌剤として愛されていますが、実際の利用前には念入りに説明書をご確認ください。

葉枯病対策を知って大切な植物を守ろう!

この記事では葉枯病について、特徴や原因、予防と対処方法、対策におすすめの農薬・殺菌剤をご紹介しました。

葉枯病は植物の葉が変色し、やがて枯れてしまう病気です。原因はカビで、放置すると健康な部分やほかの植物にうつる特徴があります。

葉枯病は、家庭園芸よりも本格的な農業の実践時に出会いやすい病気ですが、万が一自分の植物に症状が見られた場合には、速やかにその葉を取り除いてください。

念のため、植え替えで土を新品にするのもおすすめです。




ピックアップ記事

あわせて読みたい
【2024年】おしゃれサーキュレーターおすすめ9選!人気のデザインや機能は? 「暑い空気が室内の上の方に溜まっていて、モワッとしている…」「足元だけが異様に寒い…」そんな悩みを解決してくれるのがサーキュレーターです。気流を生み出してくれ...
あわせて読みたい
【2024年】ポータブルクーラーおすすめ10選!工事不要で持ち運び可能なアイテム f夏になる度にエアコンを取り付けようか悩んでいる人はいませんか?「冬はこたつがあるから使わないけど、夏だけエアコンを使いたい」という人や「冷房専用のエアコンも...
あわせて読みたい
【保存版】観葉植物の正しい水やり方法が知りたい!タイミングや水の量・頻度は? 水やりは、観葉植物を育てるうえで欠かせません。多くの人がどのタイミングで水やりをして良いのかわからずに、悩んだことがあるのではないでしょうか。この記事では、...
あわせて読みたい
観葉植物育成ライトおすすめ10選!日当たりの悪い室内でも元気に育てる方法をチェック 日当たりが悪い室内でも観葉植物を育てたい方には、植物を育成するためのライトがあると便利です。植物の成長を助けるライトがあれば、日当たりが悪い室内でも気にせず...
あわせて読みたい
空気清浄機のレンタルサービスおすすめ11選!失敗しない選び方ポイントも【個人・法人】 「空気清浄機を探しているけれど、想像していたよりも高い…」そんなときにぴったりなのが、“空気清浄機レンタルサービス”です。レンタルなら、憧れの最新空気清浄機も手...

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

biotonique 編集部です。観葉植物で多くの方の暮らしが豊かになれるような情報を提供していけたらと思います。

目次