竹のような見た目が印象的なミリオンバンブーは、生命力がありたくましさを感じる観葉植物です。しかし、育て方を間違えると葉が変色したり、幹がしおれたりと、枯らしてしまうこともあります。ミリオンバンブーが枯れる原因を知れば、復活させることができるので慌てずに対処しましょう。
ミリオンバンブーが枯れている!?こんな症状に注意
生命力を感じるミリオンバンブーは、“ラッキーバンブー”とも呼ばれ、縁起の良い植物として人気があります。比較的丈夫な種類ですが、育て方を間違えると枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
まずは、ミリオンバンブーが枯れているかもしれないサインについてチェックしましょう。ミリオンバンブーにはいくつか種類があり、葉の色や茎の形状が多少異なりますが、
次のような症状が出ていたら要注意です。
葉が茶色や黄色になっている
元気なミリオンバンブーの葉は、肉厚でツヤがあります。そして、鮮やかな緑色が美しいのが特徴です。
もし、葉が茶色や黄色に変色していたら、枯れ始めのサインかもしれません。他にも、黒の斑点が出るなど、葉の変色が起こることもあります。
ミリオンバンブーは常緑なので、1年中緑を楽しめる観葉植物です。それが変色してしまうのは、株に何か異変が起きている可能性が高いので、注意してください。
茎に元気がなく変色している
ミリオンバンブーは竹のような見た目の茎が特徴で、真っすぐ太く成長していれば元気な証拠です。
しかし、弱った茎は元気がなくしおれていき、変色なども起こるでしょう。茎を触ったときにぶよぶよしていたり、ハリを感じなかったりする場合は、「枯れているサインかも」と疑ってみてください。
ハイドロカルチャーなら異臭に注意
ミリオンバンブーは土栽培だけでなく、水で育てるハイドロカルチャーでの栽培も可能です。見た目にも美しい育て方ですが、水やりの調整が難しく、失敗すると枯らしてしまうこともあるでしょう。
主な原因は根腐れが多いので、腐った根の異臭がしてくることもあります。根が黒くなるのも症状なので、ハイドロカルチャーの場合は日々水の臭いをチェックしながら、根をよく観察しましょう。
ミリオンバンブーが枯れる原因は?対処法と合わせてチェック
ミリオンバンブーの葉や茎に異変を感じたら、枯れているかもしれないのですぐに対処しましょう。
株自体が生きているなら、復活も可能です。まずは枯れた原因を探ります。原因に合わせて正しい対処を行ってください。
水やりが適切にできていなかった
観葉植物を育てるうえで重要なのが、水やりでしょう。水が少なすぎると葉先から枯れ、葉を落してしまいます。
葉を触ってみて、パリパリとした乾燥を感じるようなら、水不足を疑ってください。
反対に水をやりすぎると、根腐れを起こして葉や茎がしおれたり変色したりします。
対処法
【水不足の場合】
水やりを忘れた、土の表面がからからに乾いているという場合は、すぐに水やりをしましょう。水の量は、鉢皿にまで溢れるほどたっぷりとあげ、様子をみましょう。
生育期である春から夏は、特に水をあげるように意識し、土の表面が乾いたらすぐに水やりをしてください。また、鉢皿に水が溜まっている状態も良くないので、水やりをしたらこまめに捨ててください。
【水やりをしすぎた場合】
冬場は生育が緩やかになるので、水やりも減らす必要があります。夏場と同じように水やりをしていると吸収しきれず、根腐れを起こしやすくなるのです。
土の表面が乾いたら、数日空けて水やりをするような間隔が良いでしょう。
水をあげすぎたと感じたら一旦水やりを辞め、それでも状態が良くならないときは根腐れが広がっている可能性があります。その場合は株を鉢から抜いて、根の状態を確認しましょう。
黒ずんでいる根は腐っているので、はさみでカットして再び鉢に植え直してください。多くの根を切り落とした場合は、栄養バランスがとれるよう葉も適度にカットしましょう。
直射日光に当ててしまった
ミリオンバンブーは直射日光が苦手です。強い日光にさらされると、葉が焼けて色あせ枯れてしまいます。
「室内だから大丈夫」と思うかもしれませんが、窓際に置くと時間帯によってはかなり強い日差しが当たることもあります。
一見元気そうなのに葉が変色してきたら、直射日光が当たる場所に置いている可能性が高いでしょう。
対処法
葉焼けを起こしている葉は、緑色に戻ることはないのでカットしてしまいましょう。そして、すぐに置き場所を変えてください。
窓際しか置く場所がない場合は、レースのカーテンを引くなどして、適度な遮光をします。また、夏場の日中は日差しが強いので、日光に当てるのは午前中だけにするなどの工夫をしてみましょう。
エアコンの風に直接当ててしまった
室内で育てる場合、夏場はクーラー、冬場は暖房を使うことになるでしょう。エアコンは温度管理をするうえでは重宝するのですが、風を直接ミリオンバンブーに当ててしまうのはNGです。
常に風が当たることで、葉や幹を無意味に揺らし弱らせたり、乾燥させすぎることもあります。その結果枯れてしまうことも考えられるので、エアコンの使用には注意しましょう。
対処法
エアコンがついているせいで枯れるわけではなく、直接風が当たると枯れることがあるため、エアコンの風が当たらない場所に置くようにしましょう。
また、風よけとしてついたてなどを立てるのも効果的です。そして、エアコンがついているときは乾燥に注意し、葉水などをして適度に湿度を保つようにしてください。
日光が不足していた
ミリオンバンブーは耐陰性があり、日陰でも育てることができます。しかし、まったく日光に当てないと葉の発色が悪くなり、色あせてくることがあります。
元気に見栄え良く育てたい場合には、適度に日光が必要です。
対処法
今までミリオンバンブーをほとんど日光に当てないで育てていた方は、まずは日光に当ててみてください。
葉の緑色が薄くなった程度ならまだ枯れてはいないので、窓際に置いたり、1日の数時間は外に出したりしてみると、みるみる元気になるかもしれません。
完全に黄色や茶色になった葉は枯れているので、カットしましょう。
寒い場所で管理してしまった
ミリオンバンブーが枯れる原因で多いのが、冬の寒さに負けてしまうことでしょう。
ミリオンバンブーは寒さに弱く、5℃以下ではまず育てることができません。寒さにさらされていると、幹が黄色く変色していき、いずれ全体を枯らしてしまいます。
冬場はもちろんですが、夏場もクーラーの温度設定によっては弱ることもあるでしょう。
対処法
幹が変色していてもぶよぶよとしていなければ、まだ株が生きている可能性が高いので、温かい部屋で育てるようにしましょう。
温度は最低でも5℃以上、できれば10℃以上が理想です。冬場は外に出すのは極力避け、室内でも日の当たらない部屋は気温が低すぎることがあるので、エアコンなので調整してください。
植え替えせずに根詰まりした
育てている環境に問題がないのに、葉の変色や幹が弱ってきたという場合は、根詰まりしている可能性があります。
- 購入してから2年以上経過している
- 鉢に対して株の方が大きい
- 鉢底から根がはみ出ている
というような場合は、植え替えが必要な時期です。それをしないで放置していると、根が底で詰まってしまい、生育を妨げ枯らしてしまうことがあります。
対処法
根詰まりをしているようなら、植え替えを行いましょう。
今使用している鉢より一回り大きなものを用意し、新しい土を使って植え替えます。こうすることで根詰まりは解消され、適正に育つことができるでしょう。
植え替えをする時期は、猛暑日を避けた春から夏に行ってください。また、1~2年に1回は植え替えを行なうようにしましょう。
植え替えや剪定に失敗してしまった
植え替えや剪定をしっかりしていても、失敗すると枯らす原因となります。
行い方を間違えると、株を傷つけて病気にしてしまったり、株自体を弱らせたりしてしまうので、注意深く行なわなければいけない作業です。
また、植え替えや剪定後は大変ナイーブな時期なので、その後の管理をおろそかにしても、弱らせることがあります。
対処法
【植え替えで失敗した場合】
植え替えを失敗する原因は、主に以下の3つが考えられます。
- 植え替え時に根を傷つけてしまった
- 冬の時期に植え替えをしてしまった
- 植え替え後に過剰に水や肥料をあげてしまった
正しい環境下で様子を見ると元気になる場合もありますが、植え替えの失敗は復活が難しいことが多いでしょう。そのため、植え替えをする際は細心の注意を払います。
必ず植え替えの適正時期を守り、鉢から抜く際や土を落す際には優しく扱いましょう。根を傷つけてしまった場合は、その部分をカットして、これ以上弱らないようにケアします。
また、植え替え直後には肥料を与えず、日陰で様子を見てください。植え替えで多少なりとも弱っているので、そこへ過剰な世話をすると栄養が吸収しきれずに弱ってしまうのです。
これらを守れば、失敗せずに植え替えられるでしょう。
【剪定で失敗した場合】
剪定すると風通しが良くなったり、栄養が行き渡りやすくなったりとメリットが多いです。
しかし、切り方が悪いとそこから細菌が入り、弱ることもあります。弱ってしまった枝は、これ以上傷を広げないためにもカットしてしまう方が良いでしょう。
剪定後は切り口を保護するため、癒合剤などを塗ると安心です。乾燥するのを防ぎ、傷口を早く治すことができます。
ミリオンバンブーが気をつけたい病害虫
ミリオンバンブーは丈夫なため、病害虫には強い方です。しかし、悪条件が揃うと簡単に侵されてしまうので、日頃から注意しましょう。
病気ではないが根腐れに注意
ミリオンバンブーが1番気をつけたいのが、根腐れです。根が腐ってしまった状態のことで病気ではないですが、枯らす原因になりやすいので注意が必要です。
根腐れの症状は、
- 葉が変色して落ちる
- 茎に元気がなく柔らかくなっている
- 土の乾燥が遅くなった
- 悪臭がする
などです。主に、水のあげすぎが原因なので、正しい水やりを心がけましょう。
また、土で栽培する場合は水はけの良い土を用意したり、ハイドロカルチャーの場合は根腐れ防止剤を使用したりするなどあらかじめ対処してください。
ミリオンバンブーが気をつけたい害虫
ミリオンバンブーは、次のような害虫に気をつけてください。
- カイガラムシ
カイガラムシは体長2〜10mm程度の害虫で、さまざまな種類がいます。樹液などを吸って成長するので、ミリオンバンブーの栄養分が取られてしまい、弱らせるでしょう。
最終的には枯らすこともあるので、見つけたらすぐに対処してください。
カイガラムシは年間を通して発生する可能性がありますが、5〜8月は活動が活発なので特に気をつけます。
葉に白くベタついたものがついていたら、カイガラムシの排泄物の可能性があるので、寄生していないかチェックしてください。
カイガラムシは、幼虫または成虫かで駆除方法が異なります。幼虫の場合は、ピンセットなどで採ることもできますし、殺虫剤などで駆除も可能です。成虫になると硬い殻をかぶってしまい、殺虫剤は効きません。
葉の裏にこびりつくので、歯ブラシなどで根気強く1匹ずつ駆除するしかないでしょう。
- ハダニ
ハダニは体長0.3~0.5mm程度の大変小さな害虫です。肉眼ではよく見えないため、発見が遅れやすいので要注意です。
被害としてはカイガラムシと同じで、吸汁する性質があり緑葉素を抜いてしまいます。
ミリオンバンブーの美しい緑色が損なわれるだけでなく、栄養素も取ってしまうので枯れる可能性があるでしょう。
乾燥した温かい環境を好み、3~10月は特に気をつけたい時期です。群れを作るため繁殖して被害が大きくなることが多く、初期段階での駆除が必要でしょう。
葉の裏など見えにくい場所に卵を産むので、こまめにチェックしてください。ハダニを見つけたら、テープなどを張り付けて取ることもできますし、水に弱いので勢い良く水をかけるだけでも駆除できます。
大繁殖してしまっていたら、殺虫剤を散布してしまうのが効率的でしょう。
丈夫で育てやすいミリオンバンブーですが、育て方を間違えると枯れることもあります。枯らさないためには正しい育て方が必要なので、気になる方は次の記事をチェックしてみてください。
ミリオンバンブーが枯れる原因を解明して復活させよう
ミリオンバンブーは初心者でも育てやすく、風水効果なども期待できることから人気の観葉植物です。
しかし、育てる環境が悪かったり、育成方法を間違えたりすれば枯れてしまいます。葉や幹の変色や、元気がなくしおれている姿はかわいそうですよね。
そうなってしまったら、早急に原因を解明し、正しい対処法で復活させましょう。株が生きていれば、再び元気なミリオンバンブーの姿が見られるはずですよ。