「なんだか観葉植物の葉っぱが変になっている……」といった葉っぱの変化は、観葉植物を育てるうえで、非常にありがちなトラブルです。葉っぱの異常には「観葉植物がどのような不調を抱えているのか」を知る大切な意味があります。この記事では、葉っぱの異常別に必要なお手入れをご紹介します。
観葉植物の不調は葉っぱに表れる
「最近、葉っぱがねばねばしているような……」「突然、真っ黒に変色してしまった!」など、大切に育てている観葉植物に異変が起こると、びっくりしてしまいますよね。
葉っぱは、観葉植物の調子を知るための重要なバロメーターです。もし葉っぱに異常が出てしまったのであれば、観葉植物自体もなにかしら調子を落としている可能性があります。
多くの場合、葉っぱに異常が出てしまったとしても、早めに適切なケアを行えば観葉植物は元通り元気になります。以下で、観葉植物の葉っぱに現れた異常の項目をチェックしてみてくださいね。
こんなときどうする?葉っぱの異常別に必要な観葉植物のお手入れ方法をチェック
それでは、葉っぱの異常別に必要な手入れを見ていきましょう。
何が原因なのか、どうすれば良いのか、初心者の方でもすぐに対応できるようにご紹介します。
葉っぱが変色する
葉っぱの異常として、非常にありがちなのが変色です。
葉っぱが変色してしまった場合、その色によって原因や対応が異なります。
茶色くなる
茶色っぽくなったときは「水不足」あるいは「葉焼け(直射日光が強すぎて葉っぱの細胞が死滅する現象)」の可能性が考えられます。
必要な対応は、以下の通りです。
- 暑い季節で直射日光の当たる場所に置いているなら、レースのカーテンなどで遮光するか、間接的な日光の当たる場所に観葉植物を移す
- それ以外の場合は、水やりの量や頻度を少しずつ増やす
白くなる
白くなったときは「害虫」か「カビなどによる病気」が原因のケースが多いです。日光の不足で白くなる場合もありますが、基本的にはこの2種類を疑いましょう。
対応は少しだけ難しく、
- 害虫であれば、ピンセットやガムテープなどで駆除する
- 病気であれば、白くなった葉っぱを速やかに切り離す
といったように、害虫か病気かによって必要な内容が異なります。
なるべく葉っぱを切り離さず、害虫の駆除で終わらせたいところですが、もし病気であればほかの葉っぱにも感染するリスクがあるため悩ましいところです。
初心者であれば安全策を取り、白くなった葉っぱは潔く取り除いて、その後にほかの葉っぱや幹に害虫がついていないか念入りに確認しましょう。
黄色くなる
黄色に変色したときは「日光不足」の可能性が高いです。
対応は簡単で、これまでよりも日の当たる場所に移してあげましょう。葉焼けを起こさないために、熱い季節の直射日光には注意してくださいね。
なお、移動後に葉っぱが落ちる場合もありますが、あまり心配せずとも大丈夫です。これは観葉植物が環境の変化に驚いたためであり、新しい環境に馴染めばまた生えてきます。
黒くなる
黒くなったときは「カビなどによる病気」あるいは「凍傷」が原因と考えられます。特に冬の屋外に置いていたのであれば、高い確率で凍傷です。
黒くなった葉っぱは残念ながらもとには戻らないため、切り離しましょう。対応は、以下のいずれかです。
- 凍傷と考えられるのであれば、室内に移す
- 病気と考えられるのであれば、ほかの葉っぱに異常が出ないか様子を見る
何度も病気を繰り返す場合には、自分の育てている品種に必要な生育環境が整っているか、再確認しましょう。
葉っぱが丸まる
葉っぱが丸まったり反り返ったりしていると感じるときは「水不足」の可能性が高いです。水やりの頻度や量を少しずつ増やしましょう。
ただし、大型の観葉植物の場合は、水ではなく日光が不足しているケースもあります。水やりを増やしつつ、日に当たるようにするなど調節してあげましょう。
葉っぱがねばねばする
葉っぱがねばねばしてしまうときは、大半が「カイガラムシ」の仕業です。カイガラムシは最大3mm程度の小型な害虫で、ねばねばした排泄物を出します。
対応は簡単で、物理的にカイガラムシを除去しましょう。幹や枝、葉っぱの両面を探して、ピンセットやガムテープで取り除けば駆除完了です。
カイガラムシの姿は白っぽかったり殻をまとっていたりするなどさまざまですが、他の害虫が付いているかもしれないので、怪しいものは見逃さずに取り除いていきましょう。
葉っぱに斑点が出る
斑点が出た場合は少し複雑で、斑点の色や形によって原因が異なります。とはいえ、ほとんどのケースは「カビなどによる病気」です。ほかの葉っぱに移ってしまわないように、速やかに切り離しましょう。
カビ系の病気は、湿度が高いと起こりやすくなります。何度も斑点が出てしまう場合は、以下のような対策が必要です。
- できるだけ風通しの良い場所に置く
- 剪定で葉っぱや枝の密度を減らす
葉っぱが落ちる
葉っぱが落ちてしまった場合によくあるのが、生育環境の急激な変化です。置き場所を変えたり、日中と夜間で気温が大きく違ったりすると、葉っぱが落ちやすくなります。
また、季節によって自然と葉っぱが落ち、新しいものに入れ替わる品種も存在しますよ。
葉っぱが落ちると「このまま枯れるの?」と不安になりがちですが、多くの場合、環境に馴染んだ後にはまた生えてきます。安心して、そのままお世話を続けることが大切です。
葉っぱが臭い
葉っぱが臭いと感じる場合には、少し注意しなければいけません。葉っぱが臭いのだと思っていても、実際には土や根っこが臭いケースが多いです。
土や根っこが臭うのは「根腐れ」と呼ばれる根っこが腐り落ちる現象が発生している可能性があります。根腐れが始まると、腐った水のようなドブを思わせる強烈な悪臭がするので、異変に気づくはずです。
根腐れの原因には水のやりすぎが考えられます。まずは水やりの頻度を減らして、臭いが改善されるか様子を見ましょう。
改善されない場合には、植え替えが必要です。植え替え手順は品種ごとに異なりますが、以下の流れで行います。
- 現在よりも大きめの鉢を用意する
- 現在の鉢からそっと観葉植物を取り出す
- 腐っている土や根っこを丁寧に取り除く
- 新しい鉢のなかに入れ、水を与えて土のなかで固定する
また意外な落とし穴として、観葉植物ではなく鉢の下にある受け皿の水が臭いケースもあります。小まめに水を捨てるなど、水の状態にも注意してくださいね。
葉っぱが枯れてしまった
ここまでにご紹介した症状のいずれかが進行し、完全に枯れてしまった葉っぱは残念ながら取り除くしかありません。
放置しておくと回復する見込みはないのに栄養を吸い、植物に負担ばかりがかかってしまいます。できるだけ早いタイミングで、ハサミなどを使って葉っぱの根元から取り除きましょう。
取り除いた後は、育てている観葉植物の生育環境をしっかりと整えられているか、もう一度確認してみてください。
葉っぱの様子に注意して素敵な観葉植物ライフを
葉っぱの様子を小まめに確認すれば、観葉植物の不調にいち早く気づけます。不調を早期に発見できれば、植物全体が枯れてしまう前に助けられる可能性が高いです。
この記事を参考に、自分の観葉植物にどのような不調が考えられるのか、しっかりとチェックし、不調に応じた対策を行ってみてくださいね。