「明るい気分になれるような、素敵な植物が育てたい!」と考えている方にぴったりなのが、ひまわりの花です。ひまわりはベランダでも育てられる園芸植物で、辺りを明るい雰囲気に整えてくれます。この記事では、ひまわりの育て方や大きく育てるためのポイントをご紹介します。
ベランダで育つ園芸植物の定番「ひまわり」の花
「あなたの好きな花はなに?」と尋ねられれば、「ひまわり」だと答える方も多いのではないでしょうか?夏らしく明るい雰囲気のひまわりは、園芸植物全般のなかでも屈指の人気を誇ります。
ひまわり畑のイメージが強いことから誤解されがちですが、ひまわりはベランダ程度のスペースでも元気に育つ植物です。
大きなひまわりが花を咲かせれば、ベランダもとても明るい雰囲気になりますよね。洗濯物干しなどの家事も、きっと楽しい時間になるでしょう。
この記事でぜひ、ベランダでひまわりを育てる方法をチェックしてみてくださいね。まずは簡単に、ひまわりの魅力からあらためてご紹介します。
実はもともと食用作物だった
今では明るく美しい鑑賞用植物として人気のひまわりですが、実はもともとは食用作物として育てられていました。ひまわりは北アメリカを原産とする植物で、現地でインディアンの貴重な栄養として食されていたのです。
現代の日本でも、「ひまわりの種」は栄養豊富な食品として愛されています。「見た目が元気そうなだけでなくて、本当に栄養もあるのか」と知ると、なんだかより愛着が湧いてきますね。
100種類以上と品種が豊富
ひまわりは100種類以上と品種が豊富で、小さいものは30cmほど、大きいものでは3mを超えるほど、とサイズもマチマチです。
花の色も定番の黄色以外にも白や紫、赤のような珍しい色のひまわりも多く、“自分だけのひまわり”を見つけやすいのが魅力です。
名前も「テディベア」や「ゴッホのひまわり」のようなユニークなものが存在するため、どれを育てようかと探す時間も楽しめます。
実際に園芸ショップでひまわりを探してみると「これもひまわりなの!?」ときっと驚きますよ。
「あなただけを見つめている」など素敵な花言葉
ひまわりの花言葉は「あなただけを見つめている」を筆頭に、「熱愛」や「情熱」など恋愛に関する内容が含まれています。
これはギリシャ神話のなかで、水の精霊「クリュティエ」が太陽の象徴である「アポロン」に対して恋をして、紆余曲折を経てひまわりになったエピソードから来ていると考えられています。
もしあなたが片思い中なのであれば、ひまわりを大切に育てていると、クリュティエがそっと力を貸してくれる、なんてこともあるかもしれません。
ベランダどころか日々の生活まで明るくしてくれそうなひまわりを、ぜひ自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
ひまわりの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
それでは、ひまわりの育て方をチェックしていきましょう。ひまわりならではの注意点もありますので、しっかりと目を通してみてくださいね。
種まきと苗どちらから育てるか決める
ひまわりを育てる際には、まず「種」と「苗」のどちらから育てるのか決める必要があります。どちらも簡単なので、好みで選んでしまっても大丈夫です。
種まきから育てる
種まきの場合は、あらかじめ園芸ショップやホームセンターで育てたい品種の種を入手しておきましょう。自分の好みで選んでしまって大丈夫です。
4~6月の暖かい時期に、鉢植えに入れた土の表面から人差し指を第一関節まで突っ込み、穴を空けます。穴のなかに種を2~3粒入れ、土で覆って隠してあげれば完了です。
なお、ひまわりは基本的に一度鉢を決めると変更できなくなりますので、できるだけ深めのものを最初から選んでおくと安心です。
苗から育てる
苗の場合はより手軽で、同じく園芸ショップやホームセンターで気に入った苗を探し、自宅に持って帰りましょう。
すでに観葉植物を育てたことがあり、もし好みの鉢を持っているのであれば自宅で植え替えしても良いですが、基本的にはそのまま育てられるアイテムを探してみましょう。店員さんに尋ねてみてくださいね。
もし植え替えるのであれば、深めの鉢を用意して、「できるだけ根っこを触らないようにして」優しく植え付けてください。ひまわりは、植物へのダメージを防ぐためにあまり根っこを触るべきではない品種です。
水はけの良い土に肥料を混ぜる
ひまわりを植える土に関しては、市販の水はけの良い土を選んだうえで、肥料を混ぜておきましょう。肥料をプラスすると、ひまわりはより元気に大きく育ちます。
肥料はこちらも市販されている「遅効性の肥料」を説明書の容量を守って与えます。
土の準備をする際に混ぜ込んでおき、以降は様子を見ながら2週間に一度ほどのペースで追肥していく形です。
肥料が足りていないと下の方の葉っぱが黄色く枯れ始めますので、小まめにチェックしましょう。
日光がたっぷり当たる場所に置く
ひまわりはイメージ通りに日光が大好きな植物です。日光が足りないと葉っぱが変色したり、茎が変形したりして綺麗なひまわりに育たないため、できるだけ日当たりの良い場所に置きましょう。
また湿気を嫌うため、日光だけでなく風通しの良さも意識してあげると、病気にかかりにくくなり安心です。
水やりは品種と季節・成長段階に応じて調節が必要
水やりも、ひまわりを元気に育てるうえで重要なポイントです。
ひまわりは成長段階と品種や季節によって、水やりの調節が求められます。これといった正解があるわけではなく、以下のポイントに注意しながら、花の様子を見て微調整することが大切です。
成長段階
植え付けてから(種を植えてから)しばらくの間は、根っこを土に行き渡らせるために、たっぷりと水を与える必要があります。土が乾いていると感じた段階で、鉢底から水が流れ出るほど水やりを行いましょう。
順調にひまわりが大きくなるにつれて、段々と水の量を減らしていきます。
季節
夏の暑い時期にはすぐに水切れを起こしてしまいやすくなるため、小まめに土を確認します。土が乾いていると感じた段階で、たっぷりと与えましょう。
場合によっては、朝・夕方と日に2回水やりが必要なケースもあります。
なおひまわりは一年草で、冬は自然と枯れて種になりますので、冬の心配は必要ありません。
品種
品種が一番初心者にとって把握しづらいのですが、背丈や葉っぱが大きくなる品種の場合は、相応にたくさんの水分が求められます。
この点は、わからなければ花の様子だけチェックしていれば大丈夫です。まずは「育てはじめはたくさんの水を与えること」と「暑い時期は水もたくさん必要になること」の2点を意識してくださいね。
背が高くなってきたら支柱を与えよう
順調にひまわりが育ち、背が高くなってきた際には、市販の支柱を立ててサポートしてあげましょう。放っておくと、強風で折れたり、倒れたりしてしまうかもしれません。
といっても、ひまわりに支柱が必要なのは1.5mを超えるほどの大きさになってからです。大きめの品種を育てるのでなければ、気にせずとも大丈夫ですよ。
より元気に!ひまわりを元気に育てるコツって?
せっかくひまわりを育てるのなら、できるだけ元気に大きく育てたいですよね。
立派なひまわりを育てるためには、以下の4つのポイントを覚えておきましょう。
「ハダニ」「アブラムシ」など害虫に注意
もっとも注意しておきたいのが「害虫」の存在です。ひまわりには「ハダニ」や「アブラムシ」などの害虫が発生することがあり、そのままにすると、大きく育つために必要な栄養を吸われてしまいます。
どちらも数ミリ程度の小さな害虫で、1匹付いた程度では問題ありません。しかし、これらの虫は放っておくと大量繁殖し、手が付けられなくなりますので要注意です。
対策としては、ひまわりを眺めるついでに葉っぱに虫がついていないかも確認し、見つけた段階で速やかに駆除しましょう。ピンセットやテープを使って取り除く、水で丸ごと洗い流す、といった方法があります。
そのほか梅雨の時期にはナメクジに齧られることもありますので、こちらも小まめなチェックと駆除が必要です。
梅雨の「ベト病」など病気に注意
梅雨には、ナメクジ以外にも「ベト病」と呼ばれる病気に気をつけましょう。湿度が高いとかかりやすい病気で、かかった部分(主に葉っぱ)は淡黄色に変色し、枯れ落ちてしまいます。
かかった葉っぱは残念ながら駆除するしかありません。できるだけ風通しの良い場所に置いておくことが予防となります。
大きい花をつけたいなら「一本立ち」に
品種にもよりますが、ひまわりは育て方によって「ひとつの株から複数の花を咲かせる」か「ひとつの花だけを咲かせる」かが選べます。
後者は「一本立ち」と呼ばれており、栄養をひとつの花に集中できることから、大きなひまわりを育てたいときには欠かせない育て方です。脇芽が出てきた場合にそっと取り除けば、自然と一本立ちとして育ちます。
植え替えはできないと考えておく
最後に、ひまわりは基本的に植え替えできない植物だと覚えておきましょう。
ひまわりは「直根性」と呼ばれる性質を持つため、根っこが分岐して広がらず、太い根っこが下に下にと直線的に伸びていきます。
この太い根っこはひまわりの生命線で、傷つけてしまうとダメージが大きく、新しい鉢でうまく育ちません。リスクを避けるために、植え替えは避けた方が安心です。
生育環境に注意して自分だけのひまわりを咲かせよう
大きなひまわりをベランダで育てれば、おうち全体を明るい印象に整えてくれます。
育てるのもそれほど難しくなく、日当たりや水やり、害虫やベト病など主要なポイントさえ知っておけば初心者でも安心です。
リビングからも見える位置で育てていれば、ちょっとしたティータイムなどもこれまで以上に楽しく過ごせますよ。
「最近楽しいことが少ないかも?」と少し気分の落ち込んでいる方や、片思いしている恋愛を成就させたい方は、ぜひこの記事を参考にひまわりを育ててみてくださいね。