薬味や料理の香りづけなどでポピュラーの大葉(シソ)は、自宅でも育てることができます。栽培方法が複数あり、どれもポイントを押さえればしっかり育てられ、収穫して美味しく食べられますよ。この記事では、大葉(シソ)の育て方について、適切な生育環境や手入れの仕方、増やし方まで詳しく解説します。
大葉(シソ)の特徴をおさらい
まずは、シソの特徴から押さえていきましょう。スーパーでもよく見かける食材ですが、自分で育てる上で知っておくべき情報もあります。収穫段階・保存方法や花言葉など、シソの特徴を詳しく解説します。
収穫段階と保存方法
シソは、スーパーで大葉として売られている姿がポピュラーです。葉の収穫はもちろん、生育に応じた収穫段階がいくつかあります。
- 芽紫蘇:双葉を収穫したもので、刺身のつまにおすすめ
- 葉紫蘇:一般的な収穫段階。刻んだり、食材を巻いたりした味わえる
- 穂紫蘇:開いた花穂。刺身のつまや汁物にぴったり
- 実紫蘇:穂の先端にある実。天ぷらや漬物などで味わうのがおすすめ
シソの使い方や料理などに合わせて、さまざまな段階で収穫してみましょう。
また、収穫したシソを一度で使い切れない場合は、保存する必要があります。シソの保存は冷蔵・冷凍・乾燥という3つの方法で可能です。
- 冷蔵(保存期間約2週間):コップに水を入れ茎だけ浸かるようにシソを入れる
- 冷凍(保存期間約1ヶ月):シソを刻んでからジップロックなどに入れて冷凍する
- 乾燥(保存期間約1ヶ月):電子レンジで水分を飛ばしたシソを細かくして保存袋や容器に入れる
葉のまま使いたいときは冷蔵保存がおすすめです。トッピングや薬味などに使いたい場合は、あらかじめ刻んだり砕いたりして冷凍または乾燥で保存しましょう。
花言葉
シソの花言葉には、「力が蘇る」「善良な家風」などがあります。以前は薬草としても使われており、「紫蘇」という漢字に「蘇る」と入っているように、健康を取り戻すという意味が花言葉に込められているといわれています。
「善良な家風」という花言葉は、すくすく生長し次々収穫できることや身体に良いことなどが由来とされているそうです。
薬味・つま・ジュースなどで味わえる
収穫したシソは、さまざまな方法で味わうことができます。蕎麦つゆの薬味、料理の香りづけや彩り、刺身のつまなどが一般的で、独特な香りや味わいが好きな方が多いでしょう。
また、収穫したシソからシソジュースをつくることもできます。よく洗ったシソを沸騰させた水に入れて15分ほど煮出すと、シソのエキスが出てきます。エキスに砂糖やクエン酸を加えて完全に冷ますとシソジュースの完成です。
さっぱりした味わいが特徴で、暑い夏のリフレッシュにいかがでしょうか?
大葉(シソ)の育て方
シソを元気に育てて収穫するためには、育て方のポイントがいくつかあります。育て方を誤ると枯れてしまう可能性もあるので、しっかりポイントを理解して実践しましょう。
シソの栽培方法は3種類
シソの栽培方法は、地植え、プランター、水耕栽培の3つです。それぞれの特徴を解説しますので、自分に合った方法を選んでシソの栽培を始めましょう。
地植え
シソは、屋外で地植えして栽培できます。土づくりを行い、シソの苗を30cmほどの間隔を取って植えましょう。仕上げに水をたっぷりあげれば、植え付けは完了です。
プランター
プランターで育てる場合も、地植えと手順はほとんど同じです。プランターと土、鉢底石、鉢底ネットなどをまず用意します。
鉢底ネット、鉢底石、土の順でプランターに入れ、3株ほどのシソを間隔を空けて植えましょう。最後にプランターの底から水があふれるくらいあげます。
水耕栽培
シソは水耕栽培でも育てることができます。ペットボトルを使うと、とても簡単に水耕栽培を始められますよ。
まずペットボトルを半分ほどの位置で2つに切りましょう。飲み口の方を逆さまにしてもう片方のペットボトルにはめます。下のペットボトルに液体肥料を溶かした水を入れ、上のペットボトルに水に根が触れるようにシソの苗をさせば完成です。
室内で育てたい場合、土で部屋を汚したくないときやコンパクトに育てたいときに水耕栽培を行ってみましょう。
日当たりの良い場所を好む
シソは、日当たりの良い場所で育てるのがおすすめです。半日陰でも生長しますが、日光が不足していると葉の色が悪くなったり、香りが少なくなったりします。
とはいえ、直射日光が当たり続ける場所は葉焼けする可能性があるので避けましょう。適度に日差しが当たる場所に置くと、葉の色や香りが良いシソを収穫できます。
野菜用の土に植える
シソを植えるときは、野菜用の土を使用します。
乾燥に弱い性質を持つため、地植えの場合は石灰を混ぜ込み、プランターの場合は腐葉土を敷き、保水性や過度な水分の蒸発をケアしましょう。

湿り気を維持するように水やりする
上述したように、シソは乾燥を嫌い、湿った状態を好みます。乾燥するとしおれてしまうので、湿り気の維持を意識して水やりを行いましょう。土が乾いていたらたっぷり水をあげるのがポイントです。
冬場の水やりは必要ありません。シソは一年草であり、春夏秋冬を経験して1年で枯れてしまうからです。
収穫できるようになったら肥料を適度に与える
肥料を与えるタイミングは、シソの収穫ができるようになってからです。肥料が少なくなると香りが弱くなるので、1~2週間に1回のペースで規定量の液体肥料を与えましょう。
注意点として、肥料を与えすぎてはいけません。肥料焼けを起こすだけでなく、害虫が寄ってきやすくなります。葉の硬さや香り、害虫など様子を見ながら適度に肥料をあげましょう。
害虫対策が必要
シソは害虫に狙われやすい植物ですので、適切な害虫対策が必要です。食用に育てる場合がほとんどであり、薬品は使えないので、こまめに葉をチェックしたり、風通しを良くしたりするなどの手入れが重要になります。
気を付けたい害虫は、アブラムシやベニフキノメイガ、ハダニです。新芽を食べられたり、葉の液を吸われたりするので、もし発生していたらすばやく捕殺しましょう。

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大葉(シソ)を上手に育てる手入れの仕方
日々のお世話と合わせて、定期的にいくつかの手入れが必要になります。主な手入れは以下の3つです。
- 摘心
- 間引き
それぞれの手入れの仕方を実践して、シソを上手に育てましょう。
摘心をして脇芽を出す
シソの葉っぱが増えてきたら、株の頂点にある茎を思い切って切り取りましょう。他の芽への栄養が行き渡るようになり、切り取った茎の脇から芽が出てきます。
芽が増えて次第に葉をつけていくので、収穫量が多くなり、丈夫な株に育てることができますよ。
適度に間引きをする
茎や葉っぱが増えすぎると、風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなります。全体的にボリュームが多くなってきたら、適度に間引きを行いましょう。
摘心を合わせて行えば、脇芽の生長を促すことができます。
大葉(シソ)の増やし方
シソは、種まきや挿し木などの方法で増やせます。たくさんのシソを育てる楽しみがあったり、収穫量が増えたりするなど、増やすメリットが多いです。
2つの方法を解説しますので、ぜひ始めやすい方法でシソを増やしてみましょう。
種まき
シソの種を庭やプランターにまくことで、シソの株を増やすことができます。発芽させるためには、土が乾燥しないように水分の管理をしたり、適度に光を当てたりすることが大切です。
土の温度が高くなってから種まきをする、種まきをする前に一晩水を吸わせるなどの工夫で、より発芽しやすくなりますよ。
挿し木
シソは、挿し木によっても増やせます。元気な茎を切り取り、容器に入れた水に挿しておくと、発芽させることが可能です。
上手く根が出たら、庭やプランターなどに植え替えて、置き場所や水やりなどのポイントに注意しながら手入れを続けましょう。

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大葉(シソ)を育てて味わいや香りを楽しもう
シソは、地植えやプランター、水耕栽培などで自宅で簡単に育てられます。日光や水分、害虫などに気を付ければ元気に成長し、芽紫蘇や葉紫蘇、穂紫蘇などを収穫可能です。
手入れの仕方や増やし方も押さえて、シソを上手に育てて、味わいや香りを存分に楽しみましょう。

