カルーナは、小さな花をいくつも付ける姿が可愛らしく人気のある植物です。育てやすい植物ですが夏の暑さに弱いので、上手に育てるためにはポイントをおさえておく必要があります。この記事では、カルーナの基本情報から上手な夏超しの仕方について解説します。
カルーナとは
カルーナは、ツツジ科の常緑低木です。
カルーナ属にはカルーナ・ブルガリス種のみですが、変種の多い植物として知られており、花が咲くタイプや咲かないタイプ、葉が紅葉するタイプなどがあります。花の色や開花の時期が異なるものなどさまざまな種類があります。
カルーナの特徴と基本情報
カルーナの開花時期は、夏に咲くタイプは6月〜9月に、冬に咲くタイプは12月〜3月に咲くものが多いです。夏に咲くタイプは寄植えによく使われ、冬に咲くタイプはグランドカバーとして人気があります。
カルーナは比較的育てやすく、寒さにはとても強いですが、夏には弱く、特に高温多湿を嫌います。風通しを良くしてあげると成長しやすいです。
花の色は、白やピンク、紫が多く、冬には葉が紅葉する種類もあります。小粒な花をたくさんつけるので、花が咲くと存在感があります。
カルーナの種類
カルーナにはさまざまなタイプがありますが、ここでは有名な4つの品種をご紹介します。
どれも定番品種なので手に入りやすく、自宅に飾ると、その可愛らしい見た目で華やいだ雰囲気を添えてくれるでしょう。
ガーデンガールズ
ガーデンガールズは、冬に咲くタイプのカルーナで、寂しい雰囲気になりやすい秋冬の寄植えやガーデニングにおすすめです。
見た目は、葉の色が濃く、針葉樹のような雰囲気があります。花の色は、白や紫、ピンクが多いです。花が開ききらない品種なので、花色があせにくく、長く楽しめます。
秋冬のガーデニングの定番品種です。
アルバプレナ
アルバプレナは、八重咲きの品種です。
花の一つひとつが、とても小さく丸くなっており、満開になるとボリュームが出ます。
他のカルーナに比べると、あまり開花期間が長くありませんが、可憐な見た目から大変人気があります。
ビューティーレディ
ビューティーレディーは、他のカルーナに比べると背が高い品種です。
花の色は、白や紫系の他、薄い黄色のものもあります。米粒ほどの大きさのしずく型の花をたくさんつけます。
背が高めで、花が咲くとボリュームが出るので、庭に植えると程よく目立ち、存在感があります。
ゴールドヘイズ
ゴールドヘイズは、花としてよりは庭木として楽しむタイプのカルーナです。
見た目は、ふさふさとしたボリュームのある葉をつけ、葉の色はあまり濃くなく、明るい黄緑色です。
葉は、冬になるとくすむので、春夏に、葉の色や花を楽しむことのできる品種です。
カルーナの花言葉
カルーナの花言葉は、「自立」「旅立ち」「連理の枝」「誠実」です。
また、赤い花には「熱情」、白い花には「熱情の行為を防止」と、花の色によって正反対の意味の花言葉がつけられています。
カルーナの花言葉のひとつ「連理の枝」は、情愛が深く仲の良い夫婦の例えで、カルーナの、枝を細かく絡ませて成長する姿からつけられたといわれています。
カルーナの育て方のポイント
カルーナは育てやすい植物ですが、暑さや蒸れに弱いという弱点もあります。カルーナが元気に育つよう、ポイントを押さえて手入れをしましょう。
育てる環境
カルーナは寒冷地で育てるのに向いている植物で、-20℃の環境でも耐えられるといわれています。
水やりの仕方
カルーナは乾燥を嫌うので、水やりは土の表面が乾ききる前にするようにしましょう。いつも少し湿っている程度の土のほうが適しています。
ただし、鉢植えの場合、鉢皿に水が溜まったままだと、根腐れを起こすので、水を溜めないようにします。
寒冷地で根付いた後は、乾燥する季節以外は水やりをあまり必要とせず、雨に当たるくらいで十分です。
土の選び方
カルーナは、水はけが良く、酸性の土を好みます。おすすめは、市販されているブルーベリー用の培養土です。
ブルーベリー用の培養土は酸性用土になっているので、カルーナ好みの土が簡単に作れます。もしくは、植え付ける場所に酸度未調整のピートモスを混ぜておくのもいいでしょう。
肥料をあまり必要とせず、与えすぎると根を痛めてしまいます。
地植えの場合
地植えする場所を決める際に、一番考慮する必要があるのは、風通しが良いかどうかです。
風通しが良く、水はけも良い場所を選びましょう。水はけが心配な場合は、土にピートモスを混ぜたり、傾斜をつけたりして、水はけが良くなるように工夫が必要です。
カルーナは、ボリュームが出やすい植物なので、同じ場所に複数の植物を植える場合は、50〜60cmほどの間隔を空けて植えるようにします。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、根詰まりが起こりやすいので、できるだけ毎年、植え替えをするほうが良いでしょう。
植え替えをする際は、根詰まりを起こりにくくするため、苗よりも一回り大きな鉢を用意してください。
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カルーナの気をつけたい病気と害虫
カルーナは、コガネムシの幼虫が根を食べてしまうことがあります。
他にも、アブラムシやハダニが大量に発生することもあるので、その場合は薬剤の使用の検討が必要です。
また、多湿環境によって、灰色かび病が発生する可能性もあります。風通しを良くし、高温多湿を避けましょう。
カルーナの夏越しの方法と注意点
カルーナは、冬の寒さには強いですが、夏の暑さにはあまり強くありません。上手に夏越しさせるには、涼しい環境で育てることが大切です。
また、地植えの場合、直射日光に当たりすぎると良くないので、遮光するようにしましょう。
鉢植えの場合は、半日は日のあたる場所に置き、もう半日は軒下などに移動させてください。こうすることで乾燥を防ぐと同時に、夏の夕立など突然の雨でも鉢植えを雨から防ぐことができます。
カルーナの剪定の時期と方法
風通しを良くするため、カルーナは剪定が必要です。梅雨に入る前の5月〜6月頃と、花の咲き終わった秋頃、花の咲かない品種は3月〜4月頃に行います。
剪定方法は、半分ほどの高さになるように全体を刈り込みます。
枝が多くなり、中が蒸れると枯れてしまうこともあるので、剪定は必ず行いましょう。
カルーナの植え付け・植え替えの方法
ここでは、カルーナの植え付けの方法と植替えの方法をご紹介します。
丁寧に行えば根を傷つけることなくできるので、手順を確認しておきましょう。
植え付けの方法
植え付けに適している時期は、春と秋の気候が穏やかな時期です。
カルーナは小さなポットに入って販売されていることが多く、根詰まり気味です。そのため、植え付けの際にはポットから株を取り出し、根の周りの土を落とし、傷んだ根を取り除きます。
水はけを良くするため、盛り土した場所にカルーナより一回り大きな穴を開け、植え付けます。
植え替えの方法
鉢植えにしたカルーナは、根が詰まっていないか確認をするためにも、年に一度植え替えを行いましょう。
植え替えに適している時期は、9月下旬〜10月上旬です。
植え替える際は、一回り大きな鉢に植え替えます。
また、株が大きくなり枝が密集していたら、風通しをよくするため株分けをします。株分けの方法については、後で詳しく解説します。
カルーナの増やし方
カルーナの増やし方は、挿し木と株分けの2つの方法があります。どちらも難しくないので、行いやすい方でチャレンジし、カルーナを増やしていきましょう。
挿し木の仕方
5cmほどの長さになるよう枝を切り、1時間ほど水に浸けておきます。
その後、挿し木用の土に挿し木をして、半日陰で水切れしないようにしながら発根させ、切り口から根が生えてきたら、植え付けます。
株分けの仕方
株分けは、植え替えと同時に行います。株が成長し、植えていた鉢が小さくなったと感じたら、蒸れや根詰まりを防ぐためにも、株分けを行ったほうが良いでしょう。
株分けの方法は、根を軽くほぐし1/3程度の大きさに分けます。その後、鉢や地面に植え付けます。
カルーナを寄植えするときのポイント
カルーナは寄植えにも人気があります。
夏に花を咲かせるタイプであれば、色違いのカルーナを複数植えるだけでも、とても綺麗にまとまります。
カルーナ以外の植物と寄植えをする場合は、カルーナを真ん中にして高さを出し、両端にかけてパンジーやシクラメン、葉牡丹など背の低い植物を植えて高低差を出すようにすると、おしゃれな寄植えになります。
寄植えをした後は、苗と土が密着しやすいように株元に水をまきます。最後に、葉や花についた土を落とすため、少し高い位置からシャワーのように優しく水をかけてください。
育てやすいカルーナで素敵なお庭に!
カルーナを上手に育てるポイントは、水やりのペースを掴むことです。
水のあげ過ぎもよくありませんが、水切れを起こすと突然枯れる可能性もあるので、土の表面が乾ききる前に、水やりをしましょう。
春から冬にかけて、さまざまな変化を見せてくれるカルーナで、素敵なお庭にしましょう。
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