「カラフルで可愛らしい植物を育ててみたい!」「日々の生活を明るいものにしてくれるような、元気な植物が良い!」そんな方にぴったりなのがブーゲンビリアです。この記事では、「育てるのが難しい」という意見も多いブーゲンビリアを初心者でも元気に育てる方法と、トラブル時の対処法をご紹介します。
カラフルな花が美しいつる植物「ブーゲンビリア」
ブーゲンビリアは、鮮やかな色彩で見る人を楽しませてくれるつる植物です。オシロイバナ科ブーゲンビリア属に分類され、主に熱帯地方を原産としています。
ブーゲンビリアは思うように花が咲かないケースもあることから、日本では「育てるのが難しい…」とよくいわれている植物です。
しかし、原産地である熱帯地方では最大20~30mにまで成長するなど、本来は生命力の旺盛な植物でもあります。いくつかのポイントを理解しておくだけで簡単に育てられますよ。
この記事で、ブーゲンビリアの上手な育て方をチェックしていきましょう。
実は花びらではなくて「苞葉(ほうよう)」
ちなみに、ブーゲンビリアは美しい花が印象的な植物ですが、実は花びらが存在しません。
花びらに見えている部分は「苞葉(ほうよう)」と呼ばれる組織で、厳密には花ではなく葉の一種にあたります。
あれほど色鮮やかで美しい花が、実は花ではないなんて、なんだか意外な印象を受けますね。
ただし、今では一般的に「花」として呼ばれることも多いため、この記事でも便宜上「花」としてご紹介します。
花言葉は「情熱」や「あなたは魅力に満ちている」
そんなブーゲンビリアの花言葉は、「情熱」や「あなたは魅力に満ちている」といったポジティブなものです。
可憐なだけでなく力強さも感じさせるその姿から、「魂の花」の別名でも親しまれています。
「最近、あまり元気が出ないかも…」
「なにか気分転換になる趣味が欲しい…」
上記のような悩みのある方は、エキゾチックな魅力のあるブーゲンビリアを育てて、生活に活力をもたらしてもらいましょう。
ブーゲンビリアの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
それでは、ブーゲンビリアの育て方を見ていきましょう。
今回は初心者でも元気に育てやすいように、簡単に行える手順をご紹介します。
地植えよりも鉢植えで育てる方が安心
前提として覚えておきたいのが、ブーゲンビリアは地面にそのまま植え付ける「地植え」よりも、鉢植えで育てた方が元気に育ちやすいことです。
熱帯地方を原産地とするブーゲンビリアは寒さが苦手で、気温が10度以下になると葉が落ち始め、5度以下になると枯れてしまいます。
日本では一部の暖かい地域を除いて、冬には室内に入れてあげられるように、鉢植えで育てておくと安心です。
もし庭を飾りたい場合でも、鉢植えをズラッと並べれば、地植え同様に華やかな空間を演出できますよ。
植え付けるなら5~7月に
ブーゲンビリアは種よりも苗から育てるのが一般的な植物です。まずは、ホームセンターや園芸ショップ、通販などで素敵な苗を入手しましょう。
苗選びは、純粋に見た目の気に入ったものを選んで大丈夫です。
余裕があれば、植え付け(育て始める際の鉢の移動)を必要とせず、そのままの鉢で育てられる本格的な苗を選んでおくとより手軽に挑戦できます。
植え付けを行う場合は、5~7月の暖かい時期に、以下の道具と手順で行いましょう。
- ブーゲンビリアの苗
- 植え付け先となる植木鉢
- 水はけの良い土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 軍手
- 新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- 鉢底ネットが隠れる程度に鉢底石を入れる
- 水はけの良い土を7割ほどまで入れる
- 現在の鉢からブーゲンビリアを優しく取り出し、新しい鉢へそっと移す
- 残りの土を入れて根を隠す
- 水やりを行い、ブーゲンビリアを土の中で固定できれば完了
道具はいずれも、園芸ショップや通販などで苗と一緒に手に入ります。
なお、ブーゲンビリアは“直根性”と呼ばれる「あまり根を触るべきではない(触ると根が傷みやすく枯れやすい)性質」を持ちます。
植え付け時には、根を触らないように気をつけてくださいね。
日当たりの良い場所に置く
無事に植え付けが完了したか、もしくは植え付け無しで育てられる苗を入手できた後は、ブーゲンビリアの設置場所を決めましょう。
ブーゲンビリアは日当たりが良く、乾燥した場所を好みます。室内であれば風通しの良い窓際に置くなど、たっぷりと日差しを当ててあげることが大切です。
なお、ブーゲンビリアに限らず、植物の置き場所をあまりコロコロと変えるのは望ましくありません。
植物がびっくりしてしまううえに、新しい環境へ馴染むのにも負担がかかります。
「ここが良いかな?」という場所を最初にしっかりと吟味してみてくださいね。
水やりは季節に応じて
ブーゲンビリアの水やりは、季節に応じて調節します。“生育の活発な春~秋”と、ほとんど成長しない“冬”の違いを意識しましょう。
春~秋はたっぷりと水を与える
春~秋の間は、ブーゲンビリアは大きく成長するためにたくさんの水を必要とします。土の表面が乾いた段階で、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水やりをしましょう。
ただし、あまり水をやりすぎると、葉や茎の生育だけが活発になり花が咲きにくくなります。開花させたい時期のおよそ2ヶ月前からは、乾燥気味に育ててあげると安心です。
乾燥させる時期には土を確認するよりも、ブーゲンビリアの葉先をチェックし、「少し萎れてきたかも?」というタイミングで水を与えます。
無事に花が咲いた後は、元通りたっぷりと水を与えてくださいね。
冬は週に1度と少なめでOK
冬のブーゲンビリアはほとんど水を必要としません。
あまり水を与えると「根腐れ(根が酸欠で腐る現象)」につながるほか、ブーゲンビリアの樹液の濃度が下がり、寒さに弱くなってしまうため要注意です。
目安としては週に1回だけ、晴れている日の日中など、できるだけ暖かいタイミングで水やりをします。
早朝や夜など寒さの厳しいタイミングは、水やりをすると根が凍ってしまう可能性があるので避けましょう。
肥料も少なめに与えよう
もともと生命力の強いブーゲンビリアは、肥料をあまり必要としない植物です。開花を控えた春~夏の生育期や開花直後に、市販の遅効性の置き肥を少しだけ設置してあげましょう。
元気に育てたいからと、たくさん肥料を与えるのは逆効果です。
「肥料焼け(肥料のやりすぎなどで浸透圧が崩れ、枯れる現象)」につながりますので、必ず説明書に記載されている量を超えない程度に与えてくださいね。
病気や虫は心配せずとも大丈夫
初心者にとって嬉しいことに、ブーゲンビリアは病気や虫に対して強い植物です。
日光や風通しの良さなど設置環境にしっかりと気を配れているのなら、個別の対策は必要ありません。
ただしごくまれに、風通しが足りていないと、アブラムシがついてしまうケースが存在します。
万が一アブラムシを見つけた際には、市販の薬剤やピンセット・テープなどを使ってできるだけ早く駆除しましょう。
早期に駆除できないと、大量に繁殖して処理が一層大変になります。
生育期である春~秋にかけて主に発生しますので、この時期にはときどき「虫がついていないかな?」と確認してあげてくださいね。
秋から冬の休眠期に剪定を
将来、余裕ができた後に行うお世話として、剪定も覚えておきましょう。ブーゲンビリアは秋の終わり~冬の休眠期に剪定してあげると、健康を保ちやすくなります。
剪定で切り落とすべきなのは、ほかと比べて異様な形で伸びていたり、1本だけ明らかに伸びすぎているなど、異常のある枝です。
清潔なハサミを使って、根元からバチンと切り落としてください。
なお、ブーゲンビリアは、剪定をしなければすぐに調子を崩す植物ではありません。初心者のうちは、明らかにおかしいものだけ切り落として様子を見るのもおすすめです。
ブーゲンビリアは2~3年に一度植え替えが必要な植物
無事にブーゲンビリアを育てられるようになった後は、剪定よりもさらに将来の話として、2~3年に一度「植え替え」をする必要があることを覚えておきましょう。
すくすく育つブーゲンビリアは、普段は目に見えない根の部分もよく育つため、たまに植え替えを行わないと根が育つスペースがなくなってしまいます。
水のやりすぎと同様に、根腐れにつながりますので気をつけましょう。
植え付けと同じ5~7月が最適な時期
ブーゲンビリアの植え替えは、植え付けと同じ5~7月がふさわしい時期です。必要な道具と手順も、植え付けと類似しています。
- 植え替え先となる植木鉢(現在よりも一回り大きいもの)
- 水はけの良い土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 軍手
- 新しい鉢の底に鉢底ネットを敷く
- 鉢底ネットが隠れる程度に鉢底石を入れる
- 水はけの良い土を7割ほどまで入れる
- 現在の鉢からブーゲンビリアを優しく取り出す
- 古くなった土や変色した根っこを優しく取り除く
- 新しい鉢へ植え付け、残りの土を入れて根を隠す
- 水やりを行い、ブーゲンビリアを土の中で固定できれば完了
植え付け同様に、根っこはあまり触らないように気をつけましょう。明らかにおかしなものを軽く取り除くだけでもOKです。
注意点として、「何度も植え替えるのが面倒だから…」と過度に大きめな鉢を用意するのは良くありません。
根が土の中で十分に行き渡らず、水やりの水が土の中で滞りやすくなり、こちらも根腐れにつながってしまいます。
増やしたいなら挿し木がおすすめ
もし、ブーゲンビリアの数を増やしたいのであれば、「挿し木(現在の苗から一部を切り離し、新たな苗として育てる方法)」を行いましょう。挿し木の手順は以下の通りです。
- できるだけ元気そうな枝を選び、先端から10cmほどの長さで切り落とす
- 切り落とした枝から、葉を4枚ほどだけ残して取り除く
- 切り口を水へ30~60分ほど漬けて放置する
- 切り口部分が埋まるように新たな鉢の土へ植え付ける
- 切り口から根が出てくるまで小まめに水やりをする
しばらくの間は水を切らしてしまわないように、半日陰(一日の半分だけ日が当たるような場所)に置いておくと安心です。
ブーゲンビリアの葉が落ちる・花が咲かない原因は?
上述の通り、ブーゲンビリアは日当たりや風通し、水やりなどのポイントさえ押さえておけば元気に育つ植物です。
育てるのが難しいといわれることもありますが、あまり心配する必要はありません。
しかしそれでも、植物ゆえに、ときには葉が落ちたり花が咲かなかったりするケースもあります。
ここでは“葉が落ちる場合”と“花が咲かない場合”に分けて、よくある失敗の原因をご紹介します。
葉が落ちる原因
まずは、葉が落ちる原因です。葉が落ちる際には、
- 設置環境が寒すぎる
- 根腐れを起こしている
の2パターンが考えられます。
設置環境が寒すぎる
もっともありがちなのが、ブーゲンビリアを寒すぎる場所へ置いてしまった場合です。
上述の通り、ブーゲンビリアは寒さに強くなく気温が10度を下回ると葉が落ち始めます。
室外で育てているのであれば、「少し肌寒くなってきたかな?」という段階で室内へ入れてあげましょう。
根腐れを起こしている
水のやりすぎなどにより根腐れを起こしている場合も、ブーゲンビリアの葉は落ちてしまいます。
根腐れを起こしている場合、土やブーゲンビリアから何かが腐ったような独特の異臭が発生します。イヤな臭いが目立つのであれば、高い確率で根腐れです。
予防として、水をやりすぎないようにするほか、定期的に植え替えも行ってあげましょう。
花が咲かない原因
花が咲かない場合には、
- 水のやりすぎ
- 肥料のやりすぎ
- 日光の不足
の3パターンが原因として考えられます。
水をやりすぎている
ブーゲンビリアは水をやりすぎると花以外の部分の生育が活発になり、花がつきにくくなります。
水やりの項目でご紹介した通り、開花させたいタイミングの2ヶ月ほど前から乾燥気味に育ててあげましょう。
ブーゲンビリアに限らず、水のやりすぎは園芸初心者にありがちな失敗です。必ず適量を守るよう意識してくださいね。
肥料をやりすぎている
水と同様に、肥料のやりすぎもブーゲンビリアの花がつきにくくなる原因です。
少なめに肥料を与えるか、あるいは開花してから肥料を与えるようにすると良いでしょう。
日光が足りていない
日光の不足もブーゲンビリアが咲かない原因になります。花芽自体ができなかったり、できたとしても小さいままで成長しなかったりしてしまいます。
必ず、日当たりが良く風通しの良い場所を選んでブーゲンビリアを設置しましょう。
通販で買える!育てやすいおすすめのブーゲンビリア4選
最後に、通販で買えるおすすめのブーゲンビリアを4種類ご紹介します。いずれも初心者にとって育てやすい、クセの少ないものを厳選しました。
【TAHITI MARCHE】ブーゲンビリア
ムラサキがかったピンクとホワイトのカラーが美しい、『TAHITI MARCHE』のブーゲンビリアです。
5号鉢(直径15cm)とほどよいサイズで、室内・室外どちらで育てるのにも向いています。玄関に置いて、来客を出迎えるために飾るのにも良さそうですね。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
【千草園芸】ブーゲンビリア
『千草園芸』のブーゲンビリアは、目の覚めるようなイエローの色彩が美しい一品です。
とても明るい印象で、どこに置いても周りを楽しい空間に演出してくれそうですね。
楽天市場
【緑の風】ブーゲンビリア
「ひとまず、手軽にブーゲンビリアを試してみたい!」という方にぴったりなのが、『緑の風』のこちらの商品です。
3~3.5号(9~10.5cm)と小型サイズで、気軽に試しやすい価格帯を実現しています。複数の色のブーゲンビリアを同時に育てるための、最初の一苗としても活躍しそうですね。
楽天市場
【株式会社フロロ】ブーゲンビレア
「どうしてもきちんと育てられるか心配…」
「ブーゲンビリアを飾るとどんな雰囲気になるのか、ひとまず試してみたい」
そんな方は、まずはフェイクグリーン(造花)のブーゲンビリアを選んでみてはいかがでしょうか?
本物のブーゲンビリアかと錯覚するような精巧な見た目のフェイクグリーンで、世話の手間がかからず、美しい姿を楽しめます。
気温が10度以下になる場所にブーゲンビリアを飾りたいときにもぴったりです。
楽天市場
美しいブーゲンビリアで室内やベランダを飾ろう!
育てるのが難しいといわれがちなブーゲンビリアも、生育環境にさえ気を配れば元気に大きくなります。園芸初心者の方でもまったく心配ありません。
色鮮やかなカラーが目を惹くブーゲンビリアは、育てていて満足感のある植物です。いくつかのポイントにだけ気をつけつつ、美しい姿を室内やベランダで楽しんでみませんか?