シンゴニウムは比較的育てやすく、自分で数を増やすのも簡単です。増やす方法には「挿し木」と「株分け」があり、それぞれ手順と注意点が異なります。この記事で、初心者向けのシンゴニウムの増やし方とよくあるQ&Aを確認し、室内をおしゃれに飾りましょう。
シンゴニウムの増やし方は「挿し木」か「株分け」が◎!
可愛らしく頭を垂れる姿が素敵なシンゴニウムは、実は自分で簡単に数を増やすことができます。
シンゴニウムの増やし方は「挿し木」と「株分け」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
【シンゴニウムの挿し木と株分けの特徴】
- 挿し木:シンゴニウムの一部を切り取って新しい鉢に植える。初心者も挑戦しやすい手軽な方法
- 株分け:一つの苗を複数に分割して育てる。大がかりだけれど、植え替えのついでなら行いやすい
シンゴニウムの場合、植え替えの時期が近づいている方は株分け、それ以外の方は挿し木に挑戦するのがおすすめです。早速、それぞれの方法を見ていきましょう。
シンゴニウムを挿し木で増やす方法
まずは、挿し木でシンゴニウムを増やす方法からご紹介します。大まかな流れは以下の通りです。
- STEP1:必要な道具を手に入れる
- STEP2:挿し穂を切り取る
- STEP3:挿し穂の受け入れ先を準備する
- STEP4:明るい日陰に置いてあげれば完了!
前提:おすすめの時期は「5~8月」
前提として、シンゴニウムの挿し木は春になり暖かくなってきた後、5~8月ごろに行いましょう。
この時期はシンゴニウムの生育が活発で、元気に育ちやすい時期です。新しい根が出てきやすく、切り取り元の苗の負担も小さく抑えられるため、挿し木の成功率が高くなります。
反対に、冬のようなシンゴニウムの生育が緩やかになる時期に挿し木をするのは避けた方が安心です。新しい鉢に根付きにくく、失敗しやすくなります。
STEP1:必要な道具を手に入れる
シンゴニウムの挿し木で最初に行うべきなのは、必要な道具の準備です。通販や園芸ショップ、ホームセンターを利用して以下の道具を揃えましょう。
- 軍手
- 剪定ばさみ
- コップ
- 新しい鉢(小さめなもの)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 水はけの良い土
ポイントとして、剪定ばさみは新品を使うか、熱湯や消毒液で清潔な状態に整えておいてください。
ほかの観葉植物を切って汚れた状態のまま使うと、シンゴニウムに病気をうつしてしまうことがあります。
STEP2:挿し穂を切り取る
必要な道具を揃えた後は、いよいよシンゴニウムをカットしていきましょう。「挿し穂(さしほ)」と呼ばれる、新たなシンゴニウムとなるツルを用意する過程です。
- 手順1:できるだけ健康そうなツルを探す
- 手順2:先端から10cmほどの長さになるように切り取る
- 手順3:挿し穂の葉が2~3枚だけになるよう、残りは取り除く
- 手順4:コップに水を貯め、挿し穂の切り口側を漬けておく
ポイントとなるのは、挿し穂に付いている葉を2~3枚までに減らすことです。たくさんの葉をそのままにしておくと、挿し穂の水分が過度に蒸発してしまうことがあります。
STEP3:挿し穂の受け入れ先を準備してから移動させる
続いては受け入れ先となる鉢の準備を行い、挿し穂を移動させましょう。シンゴニウムの場合、手順は以下の通りです。
- 手順1:新しい鉢に鉢底ネットを敷く
- 手順2:ネットが隠れる程度に鉢底石を入れる
- 手順3:水はけの良い土を7割ほど入れる
- 手順4:土の中央に指で軽く穴を開け、挿し穂の切り口側を刺す
- 手順5:残りの土を入れて挿し穂が倒れないように固定する
成功させるコツは、挿し穂を挿す前に指で土に穴を空けることです。挿し穂でグリグリと土を掘ってしまうと表面の細胞が傷み、上手に根が出にくくなります。
STEP4:明るい日陰に置いてあげれば完了!
挿し穂を新しい鉢へ移した後は、「明るい日陰(レースのカーテンなどで直射日光が遮られる場所)」に置いてあげれば完了です。
水を切らさないように注意しつつ育てると、おおよそ1ヶ月ほどで根が出てきます。その後はこれまでのシンゴニウムと同様に、元気に育ってくれますよ。
挿し木をマスターすると「挿し木で増やしたシンゴニウムが大きくなり、また挿し穂を切り取って挿し木を」と次々に増やしていくこともできます。
文字で見ると難しいイメージもあるものの、実際に試すと想像以上に簡単です。ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。
シンゴニウムを株分けで増やす方法
続いて、株分けでシンゴニウムを増やす方法も見ていきましょう。大まかな流れは以下の通りです。
- STEP1:必要な道具を手に入れる
- STEP2:新しい鉢の準備をする
- STEP3:剪定ばさみで株を分割する
- STEP4:植え付け後は明るい日陰に置こう
前提:時期は植え替えと同時が◎
シンゴニウムの株分けに向いた時期は、挿し木と同じく生育の活発な「5~8月」です。土から掘り出して根を触る関係から、植え替えと同時に行うことをおすすめします。
観葉植物は生育が緩やかな時期に根を傷めると、大きなダメージとなってしまいます。挿し木以上に適切な時期を守るように気を付けてくださいね。
STEP1:必要な道具を手に入れる
シンゴニウムの株分けで必要な道具は挿し木とよく似ています。いずれも同じくホームセンターや通販などで簡単に手に入ります。
- 軍手
- 清潔なナイフ
- 新しい鉢(小さめなもの)×2個
- 鉢底石×2個
- 鉢底ネット×2個
- 水はけの良い土×2個
STEP2:新しい鉢の準備をする
シンゴニウムの株分けも、まずは新しい鉢の準備から進めましょう。手順は挿し木と同様です。
- 手順1:新しい鉢に鉢底ネットを敷く
- 手順2:ネットが隠れる程度に鉢底石を入れる
- 手順3:水はけの良い土を7割ほど入れる
STEP3:ナイフで株を分割する
続いて、現在の鉢からシンゴニウムを取り出し、株を分割していきます。
- 手順1:鉢から優しくシンゴニウムを取り出す
- 手順2:変色したり枯れたりしている葉を取り除く
- 手順3:根に付いている古い土を1/3ほど取り除く
- 手順4:黒く変色するなど痛んだ根を取り除く
- 手順5:ナイフで根側に切れ目を入れて、軍手をした手で株を優しく半分に分割する
ポイントとして数日前から水やりを控えめにしておくと、土から苗を取り出しやすくなります。
STEP4:植え付け後は明るい日陰に置こう
無事に株を分割した後は、それぞれを新しい鉢に植えて明るい日陰に置いてあげましょう。さらに小まめに葉水をしてあげると、シンゴニウムにふさわしい湿度を保ちやすくなります。
順調に進んだ場合、1~2週間ほどでこれまでの苗と同じ形で育てられるようになります。毎日、少しずつ大きくなるシンゴニウムを楽しんでくださいね。
シンゴニウムの増やし方にまつわるQ&A
最後に、シンゴニウムの増やし方に関するQ&Aを見ていきましょう。
品種ごとに増やし方は異なる?
シンゴニウムには「ポドフィリム バタフライ」や「エリスロフィルム」などのさまざまな品種がありますが、基本的に増やし方は同様です。
というよりも、実は多くの観葉植物は挿し木や株分けで簡単に数を増やすことができます。
ご紹介した手順を参考に、お気に入りの品種のシンゴニウムをたくさん増やしてみてくださいね。
挿し木と株分けの後に元気がないときは?
挿し木と株分けの後に萎れたり元気がなかったりするときは、生育環境や手入れ方法に問題があるかもしれません。
特に明るい日陰に置いているか、もう一度確認してみましょう。
そのほか、シンゴニウムにふさわしい生育環境やお世話の仕方は、以下の記事でも解説しております。こちらもあわせて参考にしてみてください。
挿し木や株分けでシンゴニウムを増やそう!
この記事ではシンゴニウムの増やし方について、手順とよくあるQ&Aをご紹介しました。
シンゴニウムは挿し木と株分けで増やすことができ、特に挿し木は初心者でも簡単に挑戦できます。
ご紹介した手順を参考に、ぜひおしゃれなシンゴニウムをたくさん育ててみてくださいね。