シンゴニウムは、大きめの可愛らしい葉っぱが魅力的な観葉植物です。空間におしゃれな緑をプラスしてくれるシンゴニウムですが、育て方を間違えてしまうと元気をなくしてしまいます。この記事では、シンゴニウムの育て方について、適切な生育環境や手入れの仕方などを詳しく解説します。
シンゴニウムってどんな植物?
シンゴニウムの育て方のポイントをご紹介する前に、シンゴニウムがどのような植物かをおさらいしましょう。
シンゴニウムの原産地や特性、種類などをご紹介していきます。
熱帯アメリカ産の植物
シンゴニウムは、熱帯アメリカに自生している植物です。比較的温暖で日差しのある地域に自生していますが、直射日光に弱いという性質を持っています。
サトイモ科に属しており、肉穂花序を仏炎苞が包む構造が特徴的です。同じサトイモ科に属するアンスリウムで見られる構造で、サトイモ科の植物ならではの姿を見られます。
茎を長く伸ばしていくつる性の植物
シンゴニウムはつる性の植物で、茎を長く伸ばして成長していきます。自生地では他の植物などに巻きつきながら、上へ上へと登っていきながら生育しています。
茎の手入れの仕方次第で、飾り方をアレンジできるのが特徴です。つるを垂らすように育てれば、ハンギングポットやウォールラックで空間を上手く使って、おしゃれに飾ることができます。
花言葉の由来にもなった矢じり型の葉を持つ
シンゴニウムは花言葉のひとつに「心変わり」という花言葉を持っています。
この花言葉は、矢じり型の葉が成長するにつれて深く切れ込みが入り、姿が変わることが由来になっています。葉の変化を楽しみながら育てられるのも、シンゴニウムの魅力です。
シンゴニウムの種類
シンゴニウムは、35種類以上の品種があると言われています。すべての品種が観葉植物として流通されているわけではなく、一部の品種が観葉植物として親しまれています。
主なシンゴニウムの種類は以下の通りです。
- シンゴニウム・ポドフィリム シルキー:灰緑色の矢じり型の葉をつける
- シンゴニウム・ポドフィリム バタフライ:卵型の葉をつけ、乳白色が脈部に入る
- シンゴニウム・ヴェンドランディー:矢じり型で濃い緑の葉をつける
- シンゴニウム・エリスロフィルム:表は濃い緑・裏は赤紫の葉をつける
シンゴニウムの育て方!最適な生育環境や手入れの方法
シンゴニウムを元気に育てるためには、飾る場所の環境や手入れの仕方などをしっかりと守ることが大切です。
適切な生育環境や水やり、肥料、温度管理など、9つのポイントをおさえていきましょう。
直射日光の当たらない半日陰に置く
温暖な地域に自生しているシンゴニウムですが、直射日光は苦手としています。
葉焼けを起こしてしまうので、直射日光が当たらない半日陰に置くのがポイントです。屋外よりも屋内で育てるのに向いています。
季節に合わせて水やりの頻度・量を調節する
シンゴニウムの水やりは、成長期である春から秋、休眠期に入る冬で頻度・量を調節しましょう。
春から秋は、土の表面が乾いたタイミングで水をたっぷりあげます。冬はそれほど水分を必要としないので、土が乾いてから数日空けて、水の量も抑えめにしましょう。
葉水で葉に艶とみずみずしさを与える
土への水やりだけでなく、葉に水を吹きかける葉水も行いましょう。葉水をすることによって、葉に艶やみずみずしさが出て、より緑が映える姿になります。
また、葉水はハダニなどの害虫を予防する効果もあります。葉の表面だけでなく、裏面まで水をかけてあげるとより効果的です。
液体肥料や固形肥料で成長をサポート
シンゴニウムに肥料を与えるときは、成長期の5~9月が最適です。与える肥料は、液体肥料や緩効性の固形肥料などを選びましょう。
肥料のあげすぎはかえって元気をなくす原因になります。液体肥料を規定量に薄めたり、あげすぎに注意したりするなど、使い方に気を付けましょう。
10度以上を保てる場所で管理する
シンゴニウムは熱帯で自生しているため、暑さには強いですが寒さは苦手です。
10度以上を保った場所で管理すると、冬を越すことができます。気温が下がってくる秋は、適温を維持できる場所に移すのが安心です。
バランスを整えたいときはつるを剪定する
つるが伸びすぎると、見た目のバランスが崩れたり、つるが密集して風通しが悪くなったりします。
そのようなときは、ハサミやナイフなどの刃物でつるを剪定しましょう。切り口から出る樹液に触れるとかぶれる可能性があるので、ゴム手袋などを身に付けて予防することが大切です。
水はけの良い土に植える
シンゴニウムに限らず観葉植物を育てる際には、根腐れに気を付けなければいけません。水を蓄えやすい土だと、湿気が残ってしまい、根腐れの原因になりやすいです。
赤玉土や鹿沼土、腐葉土などをブレンドしたり、川砂やパーライトなどを使ったりして、できるだけ水はけの良い土に植えましょう。
支柱を立ててつるを誘引する
つるが伸びてくると、全体のバランスが崩れやすいので中心に支柱を立てましょう。支柱に巻きつくように成長し、バランスを保ちながら大きくなります。
垂らすように飾りたいときは、支柱を立てずに適度に剪定しながら育てるのも方法のひとつです。
病害虫に注意して適切な対処をする
シンゴニウムを育てるときには、ハダニやカイガラムシなどの害虫に注意が必要です。葉についたままになると、栄養を吸収されてしまい、葉の変色や枯れにつながります。
害虫を見つけたら、手やブラシで取り除いたり、殺虫剤を使用したりして、できるだけすぐに対処しましょう。
シンゴニウムの植え替え・増やし方
シンゴニウムに限らず観葉植物を元気に育てるためには、定期的な植え替えが必要です。
また、植え替えなどのタイミングで、シンゴニウムは挿し木や株分けなどの方法で増やすことができます。シンゴニウムの植え替え方法と増やし方をおさえて実践しましょう。
植え替えは1~2年に1度
シンゴニウムは、1~2年に1度の頻度で植え替えを行うようにしましょう。植え替えに適した時期は5~8月の暖かい季節です。
一回り大きめの鉢と新しい土を用意して、新しい環境にリフレッシュさせてあげましょう。
1~2年経過していなくても、鉢の底から根が飛び出ているときは早めに植え替えする必要があります。根詰まりのサインですので、成長が悪くなる前に対処しなくてはいけません。
挿し木や株分けで増やせる
シンゴニウムは、挿し木、株分け、水挿しなどで増やすのも楽しみ方のひとつです。
挿し木・水挿しで増やす場合は、つるを10cmほどの長さに切り、水を入れたコップや土に植え付けます。根が出てきたタイミングで新しい鉢に植えると、比較的簡単に増やすことができますよ。
株分けをする場合は、鉢が取り出した株を分けて、新しい鉢に植え替えましょう。水やりや日当たりなどに注意して育てると、新しいシンゴニウムが成長していきますよ。
シンゴニウムを適切に手入れして元気に育てよう
シンゴニウムは熱帯アメリカに自生しており、つるを長く伸ばしていく植物です。直射日光と寒さに弱いので、日当たりと温度に注意して置き場所を選びましょう。
その他にも、水やりの頻度・量や葉水、水はけの良い土、病害虫の対処なども育て方のポイントです。
植え替えは1~2年に1回を目安に行います。植え替えのタイミングで、挿し木や株分けで増やすのもおすすめです。シンゴニウムを正しく手入れして、元気に育ててあげましょう。