モザイク病は、野菜や果物、花などの植物の生育に影響を及ぼす病気のひとつです。この病気を放置していると最悪枯れてしまうこともあります。本記事では、モザイク病の症状と原因について詳しく説明すると共に、薬剤や身近なアイテムを活用した効果的な治し方についてもご紹介します。
モザイク病とは?特徴や症状
モザイク病に感染すると、株は徐々に生育が悪くなってしぼみ、枯れてしまうことも珍しくありません。
大切な植物を被害から守るために、まずはどのような特徴があるのか理解しておきましょう。
ウイルスによる伝染性の病気
モザイク病はウイルスが原因の病気です。一般的に8月から9月の気温が高く乾燥した時期に発生しやすくなります。
多くの植物に感染する
モザイク病は野菜、果樹、草花など多くの植物に感染します。以下に感染する植物の一例をご紹介します。
- 野菜類
- 花類
- 果樹・花木類
キュウリ、ズッキーニ、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、カブ、トマト、ナス、インゲン、ダイズなど
チューリップ、パンジー、キク,ユリ、バラ、カーネーション、ペチュニア、サルビア、ペチュニア、ゆりなど
リンゴ、ミカン、レモン、イチジク、アジサイ、ジンチョウゲ、キョウチクトウなど
このように、モザイク病を発症する植物は多岐に渡ります。上記に該当しない場合も、病気を発症しないよう注意しましょう。
植物の葉にモザイク状のまだら模様が現れる
モザイク病を発症した植物は、葉や茎、花の部分に濃淡のあるモザイク状の模様が出てきます。この症状は徐々に株全体へと広がり、やがて葉の縮れや変形、黒い玉模様が出てくる場合もあります。
そのまま放置してしまうと、葉や株だけでなく果実にも被害が及び、最悪枯れてしまいます。
モザイク病の原因と対策
モザイク病が発生する原因は大きく3つに分けられます。
1つ目はアブラムシなどの媒介昆虫により運ばれるケース、2つ目は道具を介してウイルスが広がるケース、3つ目は土壌に罹患株が残っているケースです。
それぞれのケースについて解説していきます。
アブラムシが主な伝染源
モザイク病の主な伝染源はアブラムシです。モザイク病に感染している植物の汁を吸ったアブラムシが、他の植物に移動し汁を吸うことで感染させてしまいます。
アブラムシは8〜9月頃の高温乾燥の時期に活動が盛んになり、発生しやすくなります。
ハサミにウィルスが付着していた
収穫をしたり剪定をする際に使用するハサミなどの道具や人の手を介して、モザイク病のウイルスに植物が感染することもあります。
この感染の仕方は、特にウリ科の野菜で多く見られます。
土壌に罹患株が残っていた
ウイルスに感染した株が土壌に残っていたことから、モザイク病を発症することもあります。このように複数のルートから感染する可能性があるため注意が必要です。
ただし、モザイク病はカビ性の病気のように空気感染することはありません。
モザイク病になった場合の治し方
いったんモザイク病を発症してしまうと、治療することはできません。感染した株を発見したら、以下の方法で処分しましょう。
株ごと引き抜き焼却処分orゴミとして処分する
モザイク病を発症した葉や茎、果実などを見つけたら、早急に取り除き、焼却処分するかビニール袋に入れて捨ててください。
もし植物全体に被害が及んでいる場合は、すぐに株ごと抜き取り廃棄しましょう。このとき、根を土の中に残さないことが重要です。
モザイク病を避けるためには対策が必要!
感染源となるアブラムシを発見したら、すぐに付着している葉や茎などを取り除くか、薬剤を使って完全に駆除しましょう。
幼い苗の段階から防虫ネットや不織布などをかぶせると防虫効果が得られます。また、植えつけの際にシルバーマルチを使用すると、光るものを嫌うアプラムシを寄せ付けません。
この他に、家庭にある身近なアイテムを使ったり、薬剤を使用して病気を防ぐことも可能です。
モザイク病対策に役立つ身近なアイテム&薬剤・農薬
最後に、モザイク病対策に役立つ身近なアイテムや薬剤・農薬をご紹介します。ぜひ、取り入れやすそうな方法でモザイク病の発症を防ぎましょう。
木酢液
木酢液とは木材を熱分解する過程で得られる液体のこと。木炭や竹炭を作る際に製造されるのが一般的です。
木酢液には、有機酸やアルコール、フェノール類、ビタミン、ミネラルなどの成分が含まれており、植物の成長促進や害虫の駆除に効果があります。
- 木酢液 1ml
- 水 500ml
- 木酢液と水を入れ混ぜ合わせ、500倍に薄める。
- スプレーボトルに移し替える。
- そのまま植物の葉や茎など全体に吹きかける。
重曹
重曹は科学的に炭酸水素ナトリウムとも呼ばれる白色の粉末状の物質です。油と混ぜ合わせて、アブラムシの駆除に使うこともできます。
- 重曹 13g
- 植物性油 16ml
- 水 500ml
- 重曹と植物性油をよく混ぜる。
- 水を加えて重曹が溶けるまでしっかりと混ぜ合わせる。
- スプレーボトルに移し替える。
- スプレーボトルをよく振ってからアブラムシに吹きかける。
- しばらく放置してアブラムシを窒息死させる。
- 最後に水で綺麗に洗い流す。
コーヒー
コーヒーには一部の害虫を寄せ付けない効果があるといわれています。今回はコーヒー液に石鹸を混ぜる方法をご紹介します。
石鹸を混ぜることでアブラムシの体全体に膜ができ、乾燥したときに窒息死させることが可能です。
- 石鹸 3g
- インスタントコーヒー 15g
- 水(湯) 500ml
- 石鹸と水をしっかり混ぜ合わせて溶かす
- インスタントコーヒーをお湯で溶かす
- 1と2を混ぜ合わせる
- 3の液体をガーゼなどで濾す
- スプレーボトルに移し替える
- そのままスプレーする
牛乳
牛乳は乾燥したときに収縮する性質を持ちます。この性質により、牛乳をアブラムシに吹きかけると窒息死させることが可能です。
- 水 250ml
- 牛乳 250ml
- 牛乳と水をスプレーボトルに入れてよく混ぜる。
- 直接アブラムシの付着した箇所に吹きかける。
- 2時間ほど放置して水で洗い流す。
ストチュウ
ストチュウとは、酢と焼酎を合わせた液体のことです。ストチュウには害虫が嫌う成分が含まれているため、防虫・駆除効果が期待できます。
今回はタバスコや木酢液をプラスしてパワーアップさせたものをご紹介します。
- 酢 50ml
- 焼酎 50ml
- 木酢液 50ml
- タバスコ 7~8滴
- ニンニク 4欠片
- ニンニクをすり下ろし、汁をボトルに入れる。
- 酢・焼酎・木酢液・タバスコを加えてよく混ぜ合わせる。
- 茶こしやガーゼなどでこして、新たなボトルに移す。
- 使用する前にスプレーに入れて水で500倍に薄める。
- 希釈した液をそのまま植物に吹きかける。
ピュアベニカ
ピュアベニカは、醸造酢から作られた病害虫対策スプレーです。葉や土にスプレーすることで、病気の予防にも役立ちます。
100%国産食品成分なので、野菜や果物などにも、食べる直前まで使えるのも嬉しいポイント。安心して使える市販の薬剤を探している方におすすめです。
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家庭園芸用レンテミン液剤
家庭園芸用レンテミン液剤は、シイタケ菌糸体培養物から抽出した抗ウイルス剤。健康や環境に配慮した有機JAS規格の製品です。
水で薄めて植物の消毒や、手指やハサミなどの器具の消毒に幅広く使えます。
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ベニカXネクストスプレー
ベニカXネクストスプレーは、5種類(還元澱粉糖化物・クロチアニジン・ピリダリル・ペルメトリン・マンデストロビン)の有効成分を配合した殺虫殺菌スプレー剤。
化学防除成分と物理防除成分を組み合わせた薬剤は、薬剤抵抗性を持つアブラムシにも効果を発揮します。
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モザイク病から大切な植物を守ろう
モザイク病は、アブラムシや道具などを介して発症するウイルスの病気です。
モザイク病を発症した植物は、葉や茎、花の部分に濃淡のあるモザイク状の模様が現れ、放置していると最悪枯れてしまいます。
病気を発見したら早めに対処し、日頃から感染しないよう対策することが大切です。ぜひ、この記事を参考にモザイク病から大切な植物を守りましょう。