シンボルツリーやインテリアのアクセントとして使われるユーカリは、おしゃれな見た目と育てやすさが人気の庭木です。リラックス効果のある香りも特徴的で、切花やドライフラワーとしても楽しめますよ。こちらの記事では、初心者でも失敗しないユーカリの育て方と、剪定方法をご紹介します。
ユーカリはおしゃれな見た目が人気の植物
ユーカリは、オーストラリアやタスマニアに自生するフトモモ科ユーカリ属の常緑高木で、その種類は800種以上もあるといわれています。ユーカリと言えば、コアラが食べている葉としても有名ですが、コアラが食べているのはその中でもほんの一部だそうです。
丸やハートのような形の葉や、シルバー色の葉はかわいらしく、おしゃれな見た目で日本でも人気の高い庭木です。
庭木や鉢植えとしてだけでなく、切花やドライフラワーにしてお部屋に飾ったり、スワッグやリースの材料にしたりすることもできますよ。
葉や花、果実が爽やかに香るので、そのリラックス効果や虫除け効果も人気のひとつです。化粧品や精油、ハーブティにもよく使われています。
葉や樹形が人気のユーカリですが、環境が合えばきちんと花も咲きます。咲く時期は品種によって異なりますが、白やピンク、オレンジや黄色、赤などの色をした、ポンポンのようなユニークな花を咲かせます。
また、ユーカリの花言葉は、「新生」「再生」「記憶」などです。何かを始める方や、大切な方へのエールを込めたプレゼントとしても適していますね。
玄関やベランダのシンボルツリーとしてや、インテリアのアクセントになるユーカリを、ぜひ自宅で育ててみましょう。
ユーカリの育て方!初心者は鉢植えがおすすめ
ユーカリは自生地では100mになることもある高木です。生長も早いため、庭木で育てるといつの間にか管理できないほどの高木になってしまう可能性もあります。
鉢植えなら、適切な剪定でサイズの管理ができるので、初めてユーカリを育てるという方は、まずは鉢植えから育ててみることをおすすめします。
日当たりと風通しの良い場所であれば、室内でも室外でも育てることができます。室外の場合は、枝が細く根が浅めの品種は強風で倒れてしまうため、支柱を立てると良いでしょう。
植え付けのコツ
ユーカリは、苗を植え付けるのが一般的です。苗を選ぶときは、主幹がしっかりとしていて葉が黄色くなっていないものを選びましょう。
植え付けに適している時期は、4月から6月にかけての春から初夏、または秋の暖かい時期です。
庭植えにする場合は、大きく生長することを考えたうえで場所を決めましょう。鉢植えにする場合は、苗のポットよりも1〜2回り大きな鉢を用意しておきます。
植え付ける前に、根鉢をほぐしてから植えるようにしましょう。
必要な用土・肥料
ユーカリは乾燥を好むため痩せ地でも育ちますが、必要な用土や肥料に注意しておくと、より健康的に育てることができます。
用土は、市販のハーブ用培養土か草花用培養土に赤玉土小粒か鹿沼土を2割足したものを使用します。庭植えの場合は特に注意しなくても大丈夫ですが、水はけが悪いようなら赤玉土か鹿沼土を混ぜておくと良いでしょう。
植え付けのときに、緩効性化成肥料を元肥として入れておけば追肥は不要です。
水やりのポイント
ユーカリの水やりは、地植えでは特に必要ありません。雨が降らない日が続き、葉がしおれているようなら水を与えます。
鉢植えの場合は、表土が乾き白っぽくなってからたっぷりと水やりをしましょう。乾燥を好むため水の与えすぎと過湿に注意しましょう。
ユーカリは生長スピードが早いので、水やりを控えめにし過酷な環境で管理することで、コンパクトに育てることができます。
剪定・摘心の方法
ユーカリを適切に管理するためには剪定と摘心が必要です。
剪定は3月から5月、または9月から10月頃に行います。全体のバランスを見ながら、伸びすぎている枝や内向きに伸びている枝、元気のない枝を切り落とします。
さらに、日当たりや風通しが良くなるよう透かし剪定をすることで、枝葉の密度が減り、蒸れや害虫の予防になります。バランスを見ながら葉の付け根や主幹の根本からカットしましょう。ユーカリは丈夫なので、多少切りすぎても問題ありません。
また、大きさを管理するためには摘心をすると良いでしょう。摘心とは、枝先にある新芽を取り除くことです。これをしておくことで、上への生長を抑え脇芽の発生を促します。
摘心をすることで、好みの高さをキープしながら、枝や葉を増やし好みの樹形に整えることができるのです。
増やす方法
ユーカリは挿し木で増やすことができる品種が多いので、剪定でカットした枝で挑戦してみてはいかがでしょうか?1本ではなかな根付かないため、10本ほど挿し木にし、その中で上手に育ったものを鉢植えにすると良いでしょう。
挿し木の方法
- 剪定した枝の先端の葉を2〜3枚残し、他の葉は取り除く
- 枝の切り口を数時間から1日ほど水につけておく
- 鉢に挿し木用の土を入れ水で湿らせる
- 割り箸で穴を開け、枝を挿す
- 倒れないよう指先で土を押さえて固定する
- 乾燥に注意しながらしっかりと水やりをして管理する
- 数ヶ月たち根や芽が育ってきたら植え替える
ユーカリを枯らさないためのコツ
丈夫で育てやすいユーカリですが、乾燥に強く過湿に弱いため、水と肥料の与えすぎに注意しましょう。特に夏は、蒸れに注意して風通しの良い場所で管理します。
冬は、品種によって寒さに弱いものもあるため、必要に応じて室内で管理すると良いでしょう。
また、生長が旺盛なユーカリは根詰まりを起こしやすいため、鉢植えで育てている場合は適切な時期に植え替えをしましょう。
病気になってしまったら
ユーカリは鉄分不足でクロロシスを起こすことがあります。葉の色が抜け白くなっていたり、斑点が出ていたら、鉄サビや火山灰、微量元素栄養剤を与えてみましょう。
また、注意すべき病気はうどん粉病です。白い粉が出ている部分は切り落とし、薬剤を散布しましょう。
害虫がついてしまったら
ユーカリが注意すべき害虫は、ハダニとコガネムシです。
ハダニは見つけたら薬剤を撒いて対処できますが、コガネムシは幼虫が根を食べ尽くしてしまうため、見つけた時には手遅れの場合もあります。コガネムシ防止のために、事前にオルトラン粒剤を撒いておくと良いでしょう。
ユーカリは1〜2年に1度植え替えを
生長が旺盛なユーカリは、1〜2年に1度は植え替えが必要です。4月から6月頃に行うと良いでしょう。
取り出したユーカリの根鉢は、土をほぐし、長く伸び過ぎた根や黒ずんでいる根をカットします。一回り大きな鉢に、鉢底ネットと鉢底石を入れ、水はけの良い土に植え替えます。
植え替え後は、たっぷりと水やりをしましょう。
ユーカリの人気品種3選
たくさんあるユーカリの中でも特に人気の品種を3つご紹介します。見た目や性質をチェックして、お好みのものを選んでみましょう。
ユーカリ・ポポラス
丸型やハート型の葉がかわいらしく、シンボルツリーとしてよく見かける品種です。切花やドライフラワーにしても魅力的です。
非常に丈夫で、いつの時期でも剪定が可能です。生長が旺盛なので、低めに育てたい方はこまめに剪定すると良いでしょう。
寒くなると葉が少し赤く色づきますが、春になるとまたシルバーグリーンの葉に戻ります。特別な夏越し、冬越しは必要ありません。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ユーカリ・グニー
耐寒性があり、よく香る品種です。日本の気候に適していて育てやすいため、初心者におすすめです。シルバーグリーンの葉が美しく、丸みを帯びた葉や華奢な枝は、玄関先やインテリアをおしゃれな空間にしてくれるでしょう。
根が浅く鉢植えでも育てやすいですが、強風で倒れる心配があるため支柱を立てると安心です。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ )
20cmほどもある大きな葉が特徴で、その名の通りレモンのような香りがする品種です。植えておくだけで虫除け効果があり、アロマオイルやポプリ、入浴剤などとしても使われます。
生長が旺盛で、地植えにすると数十メートルにも伸びます。耐寒性は低いため暖かい地域での栽培に適しています。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ユーカリのおしゃれな飾り方
ユーカリは切花としても人気なので、剪定した枝はお気に入りの花器に入れて飾ってみましょう。ユーカリだけでもおしゃれになりますが、他の種類の枝や花を一緒に飾ると素敵ですよ。
また、何本かまとめて麻紐で結べばスワッグとして飾ることができます。そのまま吊るしておくとドライフラワーになるので長い間楽しめるでしょう。
摘心した新芽や取り除いた葉は、まとめて空き瓶などに入れると香りを楽しむポプリになります。
リースの材料にしても見栄えするので、ぜひお好みのアレンジをしてみましょう。
ユーカリでおしゃれな庭や部屋を作ろう
かわいらしい葉やおしゃれな見た目で人気の高いユーカリは、初心者でも育てやすい庭木です。玄関先のシンボルツリーとしてや、インテリアのアクセントにしても魅力的です。
日当たりと風通しの良い場所で、乾燥気味に育てるのが上手に育てるコツです。生長が早いので、大きくなりすぎないようこまめに剪定や摘心をして管理しましょう。
剪定した枝は、花器に飾ったり、スワッグやリースにアレンジしたりして楽しむことができます。
ユーカリを暮らしの中に取り入れて、ガーデンやインテリアをおしゃれな空間にしてみてはいかがでしょうか?