金木犀(キンモクセイ)は、香りの良さや、初心者でも育てやすいことから人気の常緑小高木です。金木犀の香りがすると、秋の訪れを感じるという人も多いのではないでしょうか?この記事では、金木犀の特徴や育て方、トラブルの対処法、増やし方まで詳しく解説します。
金木犀の特徴
秋の風物詩である金木犀は、香りの良さだけでなく丈夫で育てやすいので、初心者の方にもおすすめの庭木です。
まずは、金木犀の特徴や性質など基本情報を押さえていきましょう。
秋になると花を咲かせるモクセイ科の常緑高木
金木犀は樹高3~6mmほどのモクセイ科の常緑高木です。10月頃に枝に密集したオレンジ色の花を咲かせ、強く甘い香りを放ちます。
三大香木(さんだいこうぼく)と呼ばれ親しまれている
強い香りを持つ金木犀は、沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)と並ぶ「三香木」のひとつです。
日本では芳香剤としても使われていますが、中国では桂花茶や桂花陳酒などの香り付けなどにも用いられています。
庭木や生垣に良く利用される
丈夫で育てやすい金木犀は、庭木や生垣によく用いられます。その他にも園樹、記念樹など、さまざまなシーンで活用されています。
金木犀を上手に育てるポイント
金木犀は、丈夫で育てやすい植物ですが、生育環境が合っていなかったり、日々のお世話を怠ってしまうと、元気をなくす可能性があります。
金木犀を元気に育てるポイントは、以下の5つです。
- 明るく風通しの良い場所に植える
- 鉢植えも可能だが地植えがおすすめ
- 水はけが良く肥沃な土壌を好む
- 鉢植えの場合は定期的に植え替えを
- 定期的に剪定をする
ポイントをしっかり押さえて、金木犀を元気に育てましょう。
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明るく風通しの良い場所に植える
金木犀は、ある程度耐陰性もありますが、明るい場所の方が元気に育つので、なるべく日当たりと風通しの良い場所で管理するようにしましょう。
鉢植えの場合は、直射日光の当たる場所は避けて置くようにします。強い日差しが長時間浴びてしまうと、葉が焼けて枯れる原因にもなりますので、適度な日差しが当たる場所を選ぶようにしてください。
鉢植えの場合は寒さに注意
金木犀は、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えの場合は樹高3~6mまで成長しますが、鉢植えの場合は1~2mほどに留めておくことができるので、室内やベランダで育てることも可能です。
地植えの場合は、ある程度寒さに耐えることができますが、鉢植えの場合寒さに弱くなります。外で鉢植えの金木犀を育てている場合は、室内など暖かい場所に移動させてあげましょう。
水はけが良い酸性の土を好む
金木犀は、水はけの良い酸性の土を好みます。地植えの場合は、庭の土に腐葉土や堆肥を混ぜておけばOKです。
鉢植えの場合は、小粒の赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土に元肥を加えて使います。
鉢植えの場合は定期的に植え替えを
地植えの場合は、基本的に植え替えは必要ありません。
鉢植えの場合は、成長するにつれ根が鉢いっぱいに広がり根詰まりを起こしやすくなるので、2年に1度くらいのペースで植え替えするようにしましょう。
- ひと周り大きな鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 新しい土(小粒の赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜたもの)
- 元肥
- 剪定バサミ
- 支柱(必要であれば)
- 軍手など
- 鉢から金木犀を取り出します。
- 根の周りについている土を、揉みほぐしながら落とします。
- 黒く変色した根があれば、剪定バサミで切り取ります。
- ひと回り大きい新しい鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石を3cm程度加えます。そこに新しい土を加えて金木犀を植え付けします。このとき、元肥も入れましょう。
- 植え付けが終わったら、必要に応じて支柱を立てて金木犀を固定し、たっぷりと水やりをします。
定期的に剪定をする
金木犀は生育旺盛なので、定期的に剪定しましょう。11月の花が咲いた後に軽く剪定し、2~3月に樹形を調えるための剪定をします。
枝葉が茂り混み合っていると、風通しや日当たりが悪くなり、株が弱ったり病害虫が発生しやすくなるので、枝数を減らして風通しや日当たりが良くなるように余分な枝を間引いていきます。
- 混み合った枝や太く長い枝など不要だと感じる枝は、つけ根から切り取って間引いていきましょう。
- 花の咲き終わった枝を先端から2~3節残した位置でカットします。こうすることで、4月以降に新梢が伸び、花芽が作られます。
金木犀を育てるときに起こりやすいトラブル&対処法
金木犀は丈夫な植物なので、そこまで神経質にならなくても大丈夫ですが、褐斑病・先葉枯病などの病気や、カイガラムシ・ハダニといった害虫が発生することがあります。
対処法についてもお伝えしますので、ぜひチェックしておいてください。
【病気】褐斑病・葉枯病
褐斑病は、糸状菌(かび)が原因で起こる病気です。初めは淡褐色の小さな斑点が出現し、次第に大きくなっていきます。
葉枯病は、炭そ病の一種で糸状菌(かび)による病気です。初めは葉先に褐色の小さな斑点が生じ、次第に拡大していきます。
褐斑病、葉枯病どちらの場合も、広がってしまうと株が枯れてしまいますので、すぐに対処するようにしましょう。
病気になった葉を見つけたら、発見次第すぐに摘み取り処分します。定期的に薬剤を使って消毒すると、病気の発生を防げます。
【害虫】カイガラムシ・ハダニ
カイガラムシは、葉や幹、枝に白や茶色の貝殻のようなものや、白っぽいものがたくさん付きます。
ハダニは、黄緑色や赤色をした体長約0.3~0.5mmほどの害虫です。とても小さいので肉眼では発見しづらいですが、羽裏にかすれたような跡が付きます。
いずれも植物から吸汁し、栄養を吸収して株を弱らせてしまいます。
カイガラムシの幼虫や、ハダニは殺虫剤で駆除できますが、カイガラムシの成虫は体が固い殻で覆われているため、薬剤が効きづらいのが特徴です。
成虫を発見したら、歯ブラシやへらで擦り落としたり、枝ごと切り落として駆除してください。
金木犀の増やし方
金木犀は、「挿し木」と「取り木」で増やすことができます。
それぞれの方法を解説しますので、参考にしてみてください。
挿し木で増やす
挿し木にベストな時期は、5月下旬~7月です。時間帯は、朝方や夕方、雨天時など涼しい時間帯に行いましょう。
- 生育中の元気な新芽の枝を選びます。
- ハサミを使って切り口が斜めになるよう10~20cmほど切り取ってください。
- 切り口をすぐに水に浸し、2時間ほどおきます。
- 自ら取り出し、切り口に発根促進剤を薄く付けましょう。
- 赤玉土など清潔な土を鉢やポットに入れて挿し木し、たっぷりと水やりをします。
- 直射日光を避けた、湿度が保てる場所で管理してください。
取り木で増やす
取り木とは、植物の幹や枝をはぎ取り発根させて苗木にする方法です。取り木にベストな時期は、5~6月です。
- 金木犀の伸びて2~3年の枝の途中を、ナイフを使って幹の2~3cmくらいの幅で上下に1周する切れ目を入れます。切れ目を入れたら、樹皮をくるりとはぎ取ります。
- 樹皮を剥ぎ取った白い部分に、水に付けておいた水苔を巻きつけます。そして、その上からビニールシートで覆ってください。ビニールは上下を紐で結んで固定します。
- 取り木した箇所は、日陰になるように遮光しておきましょう。
- 水苔は乾燥しないよう、時折上の紐を解いて水やりをします。水やりが終わったら再び紐は結び直してください。
- 根が伸びてきたら、春もしくは秋に根の下で切り離します。
- 切り離した根は、すぐに植え付けるようにしましょう。
金木犀を育てて香りの良い花を楽しもう
金木犀は、秋になると強い甘い香りの花を付けるモクセイ科の常緑高木です。少し寒さには弱いですが、初心者でも育てやすい丈夫な植物として庭木や生垣によく使われています。
しかし、いくら丈夫で育てやすいとはいえ、適切な管理ができていないと枯れてしまうこともあります。
ぜひ今回ご紹介した情報を参考に、金木犀を大切に育ててみてくださいね。
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