大きな葉っぱが特徴のモンステラは、1株を大切に育てるのはもちろん、株を増やして楽しむのもおすすめです。増やし方は5つあり、どれも手順さえ押さえれば簡単にチャレンジできます。この記事では、モンステラの5つの増やし方とコツ、増やした後の育て方を解説します。
基本の育て方はこちら↓
モンステラの増やし方①挿し木
挿し木とは、モンステラの茎を切り取り、土に挿して新たに成長させる増やし方です。モンステラ以外でもポピュラーな方法で、比較的簡単に株を増やせます。土に挿した茎から根が出れば、挿し木の成功です。
方法・手順
モンステラで挿し木するときは、鉢、土など植え替えで使用するものを用意します。挿し木のために切った茎を「挿し穂」と言い、病気にかからないために清潔なハサミで作ることが大切です。
挿し木は、以下の手順で行いましょう。
- 成長点を残してモンステラの茎をカットする
- 葉柄を3~5cmほど残し、葉は取り除く
- 土を入れた鉢に挿し穂を植える
- 水やりをし、根が出るまで管理する
挿し木が上手くいくと、約1ヶ月ほどで発根し、新しい株として大きくなっていきます。
ポイント
挿し木のポイントは、挿し穂の作り方です。成長点がない部分では上手くいかないので、必ず茎に節や気根がある部分を残しましょう。
また、挿し木をする時期も重要です。モンステラの成長期は5~9月なので、遅くとも7~8月に挿し木をすると、発根しやすくなります。それ以降は休眠期に入り、成長が緩やかになるので、挿し木には適していません。
モンステラの増やし方②水差し
挿し木は土に挿し穂を植えましたが、水差しでは茎を水に浸けて発根を促します。モンステラは高温多湿を好む観葉植物なので、水差しの環境とも相性が良いです。上手く成長すると、切り口から新しい根が出てきて、別の株として育てられます。
方法・手順
モンステラを水差しする際は、清潔なハサミ、水を入れる容器を用意しましょう。水耕栽培用の肥料や発根促進剤があると、より成長しやすくなります。
道具をそろえたら、以下の手順で水差しをしてみましょう。
- モンステラの健康な茎をカットする
- 容器に水を入れる。必要に応じて水耕栽培用肥料や発根促進剤を規定量を混ぜ合わせる
- 切り口を下にして、茎を容器に入れる
- 発根したら、鉢に植え替える。
ポイント
水差しのポイントは、水をこまめに入れ替えることです。
水の鮮度が落ちると茎が腐りやすくなるので、最低でも3日に1回は清潔な水に交換しましょう。気温が高い季節は、1日1回入れ替えると、水が傷みにくくなります。
モンステラの増やし方③取り木
取り木は、挿し木や水差しとは違い、発根させてから茎を切り取る増やし方です。少々難易度は上がるものの、植え替えてから成長しやすいので、上手くいけば株を効率良く増やせます。
方法・手順
取り木を行う際は、表皮をはがすためのナイフやカッターが必要です。その他には、水苔やラップなども用意しましょう。
モンステラの取り木は、以下の手順で行います。
- 根を生やしたい部分の表皮を1周取り除く
- 水を含ませた水苔を巻き付け、ラップやビニール袋で固定する
- 根が出てきたら、取り木した部分を切り取る
- 新しい鉢に植える
ポイント
茎の表皮をはがす際は、清潔にしたナイフやカッターを使用しましょう。汚れていたり、他の用途で使ったままだったりすると、切り口から病気が広がる可能性があります。
また、水苔はラップやビニール袋などで上下すき間なく固定するのがポイントです。水分をしっかり保持でき、発根に必要な栄養を取り入れやすくなります。
モンステラの増やし方④株分け
株分けとは、モンステラの株を2つに分けて、それぞれの株を新しい鉢で育てる方法です。モンステラが成長し、土から茎が複数生えてきていたら、株分けができます。
方法・手順
モンステラを株分けするときは、鉢、土、鉢底石、鉢底ネットなど植え替えで使用するアイテムを用意しましょう。
株分けをした後に植える手順は、植え替えとほとんど同じです。
株分けは、以下の手順で行います。
- モンステラを鉢から取り出す
- 根についた土を落とす
- 株がつながっているところの根をカットする
- 新しい鉢に土を用意して、それぞれの株を植える
ポイント
株分けは、一度鉢からモンステラを取り出すため、株に負担がかかります。
負担を最小限にするためには、植え替えと一緒に株分けするのがおすすめです。1回の作業で植え替えと株分けを終えられるので、株への負担が少なくなります。
また、寒い日や気温が高すぎる日もなるべく避けましょう。穏やかな気温で晴れた日に作業を行うと、モンステラへのダメージが小さくなります。
モンステラの増やし方⑤茎伏せ
茎伏せとは、土の上に切り取った茎を置いて増やす方法です。茎を置くだけで成長するか不安なところですが、活発に成長するモンステラであれば新しい芽が出てきます。
挿し木や水差しと同じく、茎を切り取って行うため、剪定と一緒にチャレンジするのがおすすめです。
方法・手順
茎伏せをするときは、水苔が必要です。水苔から茎に水分を与えるためで、挿し木における土、水差しにおける水の役割を果たします。
モンステラの茎伏せの手順は、以下の通りです。
- モンステラの茎を切り取る
- 容器に水苔を盛る
- 茎の切り口が水苔で半分くらい隠れるように置く
- 水苔が乾かないように水やりをする
- 新芽が出てきたら鉢に植え替える
ポイント
茎伏せを成功させるためには、こまめな水やりが欠かせません。
水苔が乾燥してしまうと、茎の水分が不足して枯れる原因になります。乾いた状態が続かないように、水やりをしましょう。
また、挿し木と同じように、茎をカットするときは成長点を残すのがポイントです。上手に手入れすれば、成長点から新しい芽がしっかり出てきてくれます。
モンステラの増やし方のコツ
モンステラの増やし方を実践するときには、3つのコツがあります。
- 元気な茎・気根のある茎を選ぶ
- 清潔な道具を使う
- 置き場所に気を付ける
3つのコツをしっかり実践して、上手にモンステラを増やしましょう。
元気な茎・気根のある茎を選ぶ
挿し木や水差しで使う茎は、元気なものを選びましょう。枯れていたり、葉がしおれていたりする茎は生命力が弱く、上手く発根しないケースが多いです。
健康な茎や気根のある茎は成長が旺盛で、一度切り取っても多くの場合順調に成長してくれます。
清潔な道具を使う
茎を切り取ったり、容器に入れたりする際に、不潔な道具だと病気が発生する可能性があります。当然、増やすことには失敗してしまうので、清潔な道具を用意しましょう。
ハサミやナイフなどを洗う、容器を洗う、水をこまめに入れ替えるなど、簡単な手入れで十分です。
置き場所に気を付ける
切り取った茎や株分けした後の株は、通常よりも負担がかかっている状態です。デリケートなため、直射日光など刺激が強い場所では上手く成長できません。
挿し木や水差し、株分けなどをした後は、直射日光が当たらないように置き場所に気を付けましょう。
増やした後のモンステラの育て方
モンステラを挿し木や株分けなどで増やした後は、根を出すために育て方に注意が必要です。ここでは、3つの手入れのポイントを見ていきましょう。
- 適度に水やりする
- 肥料を与えすぎない
- 温度管理に気を付ける
適度に水やりする
水差しや取り木以外の増やし方の場合、適度な水やりが必要です。株分けと挿し木は土、茎伏せは水苔が乾いたままにならないように水をあげましょう。
ただし、水のあげすぎは腐る原因になります。土や水苔が中までしっかり乾いた状態のときに、適量の水をあげるのがポイントです。
肥料を与えすぎない
茎を切り取った後や株分けをした後は少なからずダメージを受けているので、肥料はあまり与えないのがおすすめです。
普段通りの肥料でも負担になる可能性が高く、成長が止まってしまうかもしれません。
状態が落ち着くまで肥料をやめる、または肥料の量を控えめにして、負担を減らしましょう。
温度管理に気を付ける
モンステラは高温多湿を好み、最低気温5℃ほどまでの耐寒性があります。これは増やすときにも気をつけたい温度で、寒すぎる環境では挿し穂や新しい株は成長できません。
育てていたモンステラの親株と同じように、挿し木や茎伏せなどをしたものも適切な温度を保った場所に置きましょう。
モンステラを増やして楽しもう
モンステラの増やし方は、挿し木、水差し、取り木、株分け、茎伏せの5つです。どの方法も必要なものをそろえて、手順を丁寧に進めていけば初心者でもチャレンジできます。
発根させるためにはポイントがあり、水やりや置き場所、道具を清潔にすることなど、いくつかの配慮が必要です。
それぞれのポイントや増やした後の育て方も参考にして、モンステラを増やして楽しんでみましょう。