ガーデニングを始めると「自宅におしゃれな花壇を作りたいと考える人も多いはず。しかし、実際に自分でおしゃれな花壇を作るとなると、ハードルを高く感じてしまうこともあるかもしれません。そこで今回は、初心者でも簡単におしゃれな花壇を作るコツや、基本的な花壇の作り方、長く楽しめるガーデニングにおすすめの植物をご紹介します。
おしゃれな花壇を作るコツ
いくつかのポイントを押さえておくことで、初心者でも無理なくおしゃれな花壇を作ることができます。
花壇を作る際に押さえておきたいポイントは、以下の6つです。
- まずはどんな花壇にしたいか決める
- 長く楽しめる花を植える
- 美しいリーフを活用する
- 仕切りにレンガ・ブロック・柵・石を活用する
- 鉢やガーデニング雑貨に凝ってみる
それぞれ順番に解説していきます。
まずはどんな花壇にしたいか決める
理想の花壇を作るためには、まず「どんな花壇を作りたいのか」具体的にイメージを固めておくことが大切です。
ひと口に花壇と言っても、毛氈花壇、整形式庭園、沈床花壇など、さまざまな種類がありますが、家庭の庭に作る花壇におすすめなのは以下の3つです。
- ボーダーガーデン(境栽花壇)
- 寄せ植え花壇
- 模様花壇
建物や生垣、フェンスなどに沿って作られる花壇。前方を低く後方を高く植物を植えて、立体的な花壇にします。イングリッシュガーデンの代表的なスタイルのひとつ。
寄せ植え花壇は、中央を高くして、その周囲を取り巻くように草花を配置する花壇。
背の低い植物を用い、模様を描くように植え込んだスタイル。家庭で作る場合は、単純な模様にして線を描くように植え込むのが一般的。
この他にも、植える草花の色や種類によっても花壇の雰囲気はガラリと変わります。ぜひ、どのような花壇にしたいのかある程度イメージを固めたうえで花壇作りを行いましょう。
長く楽しめる花を植える
ワンシーズンだけ花を咲かせ、枯れてしまう草花ばかりを植えてしまうと、シーズンが終わったあとは寂しい花壇になってしまいます。
その点、春から秋までなど長く咲き続ける花や、長く根付いてくれる草花を植えておくと、植え替えの手間も省け手軽に美しい花壇を維持することが可能です。
記事の後半で、おしゃれな花壇作りにおすすめの多年草・宿根草をご紹介しますので、ぜひそちらを参考に花選びをしてみてください。
美しいリーフを活用する
1年を通して魅力的な庭を作るためには、美しい葉を持つカラーリーフを植えておくのもおすすめ。
カラーリーフとは、緑色以外の葉色をした植物の総称です。赤、紫、黄色、ライム、シルバー、白、斑入りなど、さまざまな色と形をした葉を持ち、花壇のアクセントやグランドカバーとして役立ちます。
仕切りにレンガ・ブロック・柵・石を活用する
花壇はどのような素材で縁を作るかによっても、大きく印象が変わります。
作りたい花壇のイメージに合わせて、レンガ・ブロック・柵・石などの素材を選んでみましょう。
鉢やガーデニング雑貨に凝ってみる
花壇の周辺に置く鉢や、ガーデニング雑貨に凝ってみるのもおしゃれな庭づくりには効果的。
人気のイングリッシュガーデン風に花壇を作り上げたい場合は、ボーダーガーデンのスタイルを取り入れてみるのも良いでしょう。縁取りや置物(オーナメント)などは、レンガや木材、石など自然素材のものを選ぶことがポイントです。
その他にも、味わいのある缶などの小物を取り入れたジャンクガーデンや、落ち着きのある和風庭園など、庭のテイストに合わせて花壇を作り上げていきましょう。
基本的な花壇の作り方
花壇を作る際は、基本的に以下の手順で作り上げていきます。
- 花壇を作る場所を決める
- レイアウトと植える植物を決める
- 花壇になる場所を耕す
- 土を入れる
- 花を植える位置を決める
- 苗を植えるための穴を掘る
- ポットから苗を取り出し植える
- 苗を固定する
それぞれ詳しく解説していきます。
用意するもの
- 花やカラーリーフなどの苗
- 培養土(草花用などでOK。清潔なものを使う)
- スコップやクワ
- ガーデングローブや軍手
- じょうろ
花壇を作る場所を決める
花壇に植える植物は、鉢植えのものと違って移動させることができません。
そのため花壇を作る際は、植物が育ちやすい環境を選ぶことも重要です。植物が好む日当たりが良く、風通しや水はけが適度にできる場所を選びましょう。
レイアウトと植える植物を決める
花壇を作る場所が決まったら、レイアウトを考え植える植物を決めていきます。
高さを揃えて植物を植えると整った印象になりますし、高低差を付けて植えるとナチュラルな印象の花壇になります。作りたい庭のイメージに合わせて植物を選んでみてください。
花壇になる場所を耕す
花壇になる場所に砂利などがある場合は、あらかじめ撤去します。そして、土を深く掘って石や植物の根などを除去しつつ、固い土を柔らかくしておきましょう。
縁がない場合は、花壇エリアをブロックやレンガ、石などで囲っておいてください。
土を入れる
元々ある土を使う場合は、苦土石灰、牛ふん堆肥、油かす、土に混ぜ混み土壌改良しておく必要があります。
自力で土壌改良をするのは大変なので、初心者の方には、ホームセンターなどで販売している培養土の使用をおすすめします。培養土は、草花用や花用のものを選びましょう。
苗ポットの高さより深く土を堀、培養土を花壇に入れておきます。
花を植える位置を決める
苗ポットごと土の上に置き、花を植える位置を決めていきます。横に広がって育つ花や枝葉の多い花は間隔を広めに開けておきましょう。
苗を植えるための穴を掘る
スコップを使って、苗がすっぽり入る大きさの穴を掘ります。
ポットから苗を取り出し植える
苗をポットからそっと取り出して、穴の上に置き周辺に土をかけていきます。
苗を固定する
苗の周辺の土を軽く押さえて、苗を固定させます。苗が安定したら、じょうろに水を入れてたっぷりと水を与えたら完了です。
長く楽しめる!ガーデニングにおすすめの多年草・宿根草
長く美しい花壇を維持したい場合は、一年草の他に長く楽しめる多年草・宿根草を植えるのがおすすめ。
多年草・宿根草にはさまざまな種類がありますが、ここではおすすめのものを8つ厳選してご紹介します。
ベロニカ・オックスフォードブルー
- 科名:ゴマノハグサ科ベロニカ属
- 種別:多年草
- 開花時期:4月~5月
- 花色:青
ベロニカ・オックスフォードブルーは、地面を這うように成長する這性の植物で、花壇の前側やグランドカバーに適しています。
4月~5月の開花時期には、株全体に青い花を咲かせ、満開時はまるで青いカーペットのようです。
ベロニカ・オックスフォードブルーは堅強な植物で、植えっぱなしでもOK。植えておくと自然と増えていくため雑草防止にも役立ちます。
ガザニア
- 科名:キク科ガザニア属
- 種別:半耐寒性多年草
- 開花時期:4月~10月
- 花色:赤、ピンク、オレンジ、黄、紫など
ガザニアは、春から秋にかけてオレンジ・赤・黄色・ピンクなど鮮やかな花を咲かせます。さまざまな花色の品種があるため、花壇のイメージや好みに合わせて選べるのも魅力的。
ガザニアの花は、日光が当たると開き、夕方以降や曇りの日は閉じる性質を持ちます。
寒さにはさほど強くありませんが、品種改良によって耐寒性のあるものも多く流通しているため、環境に合わせて適切なものを選べば十分に冬越も可能です。
スイセン
- 科名:ヒガンバナ科スイセン属
- 種別:多年草
- 開花時期:11月~4月
- 花色:白、オレンジ、黄、複色
スイセンというと、白と黄色のニホンスイセンを思い浮かべる方も多いと思いますが、地中海沿岸地域や中国など幅広く分布し、ラッパズイセン、房咲きスイセン、八重咲きスイセン、口紅スイセンなどさまざまな種類が存在します。
スイセンは植えっぱなしでも管理しやすく、環境が合えば球根が年々増えていくため、ガーデニング初心者におすすめです。
クリスマス・ローズ
- 科名:キンポウゲ科クリスマスローズ属
- 種別:耐寒性多年草
- 開花時期:12月~4月
- 花色:ピンク、白、赤、黄、紫
クリスマス・ローズは、開花時期が12月~4月頃と長いのが特徴。冬の花の少ない時期でも花を咲かせてくれるため、冬場の花壇に彩りを添えてくれます。
クリスマス・ローズという名前は、もともとヘレボルス・ニゲルという品種のみに使われていましたが、日本ではヘレボルス属全体に使われています。
直射日光に当ててしまうと、葉色が黄色に近くなってしまうため、深い緑の葉色を保ちたい場合は、直射日光を避けた半日陰で育てるのがおすすめです。
アジュガ
- 科名:シソ科キランソウ属
- 種別:耐寒性~半耐寒性多年草(宿根草)
- 開花時期:4月~6月
- 花色:紫、青、ピンク、白
アジュガは寒さに強く、4月~6月にかけて毎年紫色の可愛らしい花を咲かせる、耐寒性~半耐寒性多年草(宿根草)です。
花が重なり合った花穂が特徴で、別名ジュウニヒトエとも呼ばれます。耐陰性があるため、寄せ植えや庭木の下などに植えるのもおすすめです。
アジュガは、チョコレート色や、紫、明るいグリーンとの複色など美しい葉を持つため、花が咲いていない時期でも花壇に彩りを与えてくれます。
シバザクラ
- 科名:ハナシノブ科
- 種別:耐寒性多年草
- 開花時期:4月~5月
- 花色:ピンク、紫、白、青、複色
シバザクラは、春になるとまるで芝のように広がり桜に似た可愛らしい花を咲かせます。
開花時期は短いですが、地面を覆いつくすように密生するため、土の逆流を防ぐために花壇の縁取りとして使うのもおすすめです。
丈夫で育てやすいため、初心者の方でも無理なく育てられます。
マツバギク
- 科名:ツルナ科マツバギク属
- 種別:半耐寒性多年草、多肉植物
- 開花時期:4月~6月
- 花色:ピンク、赤、オレンジ、黄、白、紫
マツバギクは、ぷっくりとした厚みのある葉が特徴的な多肉植物で、大変育てやすいため花壇やグランドカバーに最適です。
赤、ピンク、白、オレンジ、黄色、紫など、花色が豊富なので、好みや花壇のイメージに合わせて好きなカラーを選ぶことができます。
日陰でも育てられますが、日向でないと花を咲かせないため花を咲かせたい場合は、明るい場所に植えるようにしましょう。
ラナンキュラス・ゴールドコイン
- 科名:キンポウゲ科キンポウゲ属
- 種別:多年草
- 開花時期:4月~5月
- 花色:黄色
ラナンキュラス・ゴールドコインは、原種に近いラナンキュラスです。4月~5月に黄色い八重の小ぶりな花が開花します。
日光が大好きで、日当たりの良い場所であればランナーを伸ばし、横に広がるように増えていきます。
適切な環境で育てていると野生化するほど丈夫な性質で、初心者にもおすすめ。手入れなしでキレイな花を楽しみたい方にも最適です。
花壇の基本的な作り方を覚えてガーデニングを楽しもう!
おしゃれな花壇を作るためには、まずはどんな花壇にしたいかイメージを固めておくことが大切です。
そして、作りたい花壇のテイストに合わせて植える草花を選んでいきますが、このとき、一年草だけでなく長く楽しめる多年草や宿根草、カラーリーフなども植えておくのがポイントです。
オーナメントなどガーデニング雑貨や鉢などにこだわると、さらに花壇がおしゃれに変わります。
ぜひ、今回の情報を参考に自宅に素敵な花壇を作ってみてください。